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楽器本体とマウスピースの組み合わせによる違い

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第 4 章 トランペット音の音色評価

Trumpet 0.9m MicPlayer

4.3 楽器本体とマウスピースの組み合わせによる違い

4.3.1 マウスピース

それぞれの管体に対して、3種類の異なるマウスピースを用いて吹奏したp1-m2音のピー ク列を比較する。図4.19はそれぞれのマウスピースを管体(A)に装着してp1-m2音を吹奏し たピーク列である。明らかに(A1)の組み合わせのみ基本周波数が高くなっていることがわか る。他のモードの吹鳴においても同様の傾向があった。これは、組み合わせ(A1)における際 立った特徴であるのか、計測時のチューニング誤りなどによるものなのかは識別できない。

そこで、基本周波数で正規化した周波数軸上で比較する。図4.20から図4.23がそれぞれの 管体のピーク列である。マウスピース(1)は楽器(C)以外において、第4倍音成分が第3倍音 成分よりも大きくなっている一方で、他の二つのマウスピースは第4倍音は第3倍音に比べ て小さくなっている。奏者のヒアリング結果と照らし合わせると、この性質は奏者にとって、

明るく、やや細さのある音色を知覚させると考えられる。

楽器(C)の吹鳴音のピーク列は三つがかなり近い形状をしている。奏者へのヒアリングに おいても、これらの組み合わせの評価は近く、あまり抵抗の強くない吹奏感ではあるが、あ まり響きの豊かではない楽器であると推察できる。一方、楽器(D)においてはピーク列の形 状にばらつきが多い。奏者の感想も、音色について逆の性質を挙げつつも似た響きを持って いると回答するなど、若干評価に混乱が見られている。この性質が楽器の表現の幅広さを示 すものなのか、特性の不安定さを示すものなのかは、更なる検討が必要と考えられる。

図4.19:各マウスピースを管体(A)に装着して吹奏したp1-m2音のピーク列

図4.20:各マウスピースを管体(A)に装着して吹奏したp1-m2音のピーク列

周波数は基本周波数によって正規化されている。

図4.21: 各マウスピースを管体(B)に装着して吹奏したp1-m2音のピーク列 周波数は基本周波数によって正規化されている。

図4.22: 各マウスピースを管体(C)に装着して吹奏したp1-m2音のピーク列

周波数は基本周波数によって正規化されている。

図4.23:各マウスピースを管体(D)に装着して吹奏したp1-m2音のピーク列 周波数は基本周波数によって正規化されている。

4.3.2 楽器本体

前小節では各楽器本体ごとにまとめたが、ここではマウスピースごとで比較する。図4.24 から図4.26にそれぞれのマウスピースで各楽器を吹鳴させたp1-m5音のピーク列を示す。マ ウスピース(1)と(2)は大きな違いは見られず、高調波成分がなだらかに減衰しているが、マ ウスピース(3)は、高調波成分が急激に減衰しており、その急激な減衰を始める周波数が、そ れぞれの楽器で異なるのがわかる。これは第4以上のモードではっきり確認された。第2と 第3モードにおいては、第10倍音まででは急激に減衰を始めるレンジに届かなかったために 確認できなかったと思われる。この高調波成分の急激な減衰は、奏者の感想にも表れており、

吹奏感としては抵抗が強く、低音が出しづらい、音色としては「密度が高い」という表現が されている。

さらにマウスピース(3)については、「全体的にマウスピースの影響を強く感じた」という 感想もあった。このことからもマウスピース(3)は、特徴的であり今回の計測に用いた楽器と の相性があまりよくなかったということが考えられる。

図4.24:各楽器にマウスピース(1)を装着して吹奏したp1-m5音のピーク列 周波数は基本周波数によって正規化されている。

図4.25:各楽器にマウスピース(2)を装着して吹奏したp1-m5音のピーク列

周波数は基本周波数によって正規化されている。

図4.26:各楽器にマウスピース(3)を装着して吹奏したp1-m5音のピーク列 周波数は基本周波数によって正規化されている。

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