2. 平成 22 年度(2010 年度)の集計結果の概要
2.6 届出排出量と届出外排出量の合計
(1)届出排出量と届出外排出量の合計
① 届出排出量と届出外排出量の合計の構成
県全体の届出排出量と届出外排出量の合計をみたもが次の図になります。千葉県全 体で7,228.5トン/年の届出排出量、11,452.8トン/年の届出外排出量があり、合計で 18,681.3トン/年の排出量がありました。
その内訳は以下のようになっています。
・対象業種からの届出排出量 [7,228.5トン]
・対象業種からの届出外排出量*の推計値 [1,392.8トン]
・非対象業種からの届出外排出量の推計値 [4,083.1トン]
・家庭からの届出外排出量の推計値 [2,937.4トン]
・移動体からの届出外排出量の推計値 [3,039.5トン]
*届出対象業種に含まれるが、従業員、年間取扱量が
一定規模(従業員:21人、年間取扱量:1トン)未満の事業所からの排出量
届出外排出量の排出先の媒体を考えると、移動体からの排出は主に排ガスとして 大気へ排出されていると考えられ、家庭からの届出外排出量の上位物質であるジク ロロベンゼンは防虫剤等の成分でほとんどが大気へ排出されています。また、対象 業種からの届出外排出量は、届出排出量を媒体別に見ると 9 割以上が大気への排出 となっていることから大部分が大気への排出と考えられます。非対象業種の上位物 質にはキシレンや HCFC-22、トルエン等がありこれらも大部分が大気へ排出されてい ると考えられます。これらのことから届出外排出量を媒体別にみても届出排出量と 同様に大気への排出量が最も多くなると推測されます。
図 2.6(1)① 届出排出量と届出外排出量の合計
45
②届出排出量と届出外排出量の合計における上位物質
千葉県の届出排出量と届出外排出量の合計を上位物質でみたものが次の図になります。
最も排出量が多かった物質はトルエンで、3,573.8トンあります。上位10物質は以下のよ うになっています。
①トルエン[3573.8 トン]
②キシレン[2594.1 トン]
③ノルマル-ヘキサン[1631.1トン]
④D-D [1442.9 トン]
⑤ポリ(オキシエチレン)=アルキルエ-テル[1345.4 トン]
⑥エチルベンゼン[1053.4 トン]
⑦直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩[731.9 トン]
⑧HCFC-22[585.7 トン]
⑨ジクロロベンゼン[580.2 トン]
⑩塩化メチレン[574.8 トン]
ノルマル-ヘキサン、塩化メチレンは、ほぼ届出排出量で占められています。一方、主 に家庭や非対象業種から排出されているD-D、ポリ(オキシエチレン)=アルキルエ-テル、
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩、ジクロロベンゼンは、ほぼ届出外排出量で 占められています。
D-D は主に土壌中の害虫防除に使用される農薬で土壌に排出されています。ポリ(オキ シエチレン)=アルキルエ-テルは主に家庭の台所用及び洗濯用洗剤として使われ、排水処 理設備が整っていない地域の河川や海などへ排出されています。ジクロロベンゼンは主 に家庭の衣類の防虫剤やトイレの防臭剤などに使われ、ほとんどが大気に排出されてい ます。
1,774.3 1,136.7
1,530.3 1.9 1.9 499.7 0.1
74.4 0.7 526.8
1,799.5 1,457.4
100.8 1441.0
1343.5 553.7
731.7 511.4 579.5 48.0
0 1,000 2,000 3,000 4,000 塩化メチレン
ジクロロベンゼン HCFC− 22 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩 エチルベンゼン ポリ(オキシエチレン)=アルキルエーテル
D− D ノルマル− ヘキサン キシレン トルエン
トン/年
届出 届出外
図 2.6(1)② 届出排出量と届出外排出量の合計上位 10 物質
46
(2)特定第一種指定化学物質の届出排出量と届出外排出量の合計
発がん性が認められる物質として指定されている特定第一種指定化学物質15物質の届出 排出量と届出外排出量の千葉県の合計で、上位物質を示したものが次の図になります。
届出排出量と届出外排出量の合計が多かった上位5物質は以下のようになっています。
① ベンゼン[ 436.7トン]
・・・合成原料、溶剤に用いられる他、自動車などの排出ガスに含まれます。
② ホルムアルデヒド[ 282.9トン]
・・・合成樹脂の原料に使われます。
③ 1,3-ブタジエン[102.9トン]
・・・合成ゴムの原料として使われているほか、合成樹脂の原料などに使われ ています。
④ エチレンオキシド[8.2トン]
・・・有機合成原料、くん蒸剤、殺菌剤などに用いられます。
⑤ 塩化ビニル[8.0トン]
・・・・特殊鋼材、メッキ、触媒などに用いられます。
※ 焼却施設等から非意図的に生成されるダイオキシン類の合計は、43.4グラム -TEQ/年(届出排出量:41.2グラム-TEQ、届出外排出量:2.2グラム-TEQ)です。
8.0 6.3 12.3 8.8
106.5
0.0 1.9
90.6
274.1
330.2
塩化ビニル エチレンオキシド 1,3− ブタジエン ホルムアルデヒド ベンゼン
図2.6(2) 特定第一種指定化学物質の届出排出量と届出外排出量の合計上位物質
届出 届出外
100 200 300 400 トン/年
0
47
排出先 大気 公共用水域 土壌 埋立処分 排出量合計
排出量 1714681 21276 0.1 0.0 1735957 全物質排出量比率 23.7 0.3 0.0 0.0 24.0 表2.7の1 新規対象化学物質の総排出量及び総移動量(キログラム/年)
移動先 廃棄物 下水道 移動量合計
移動量 945090 50.6 945141
全物質移動量比率 6.9 0.0 6.9
表2.7の2 新規対象化学物質の総排出量及び総移動量(キログラム/年)
新規対象 化学物質以外 5,492.5トン/年
26.2%(76.0%)
新規対象 化学物質 1,736.0トン/年
8.3%(24.0%)
新規対象 化学物質以外 12,805.4トン/年
61.0%(93.1%) 新規対象 化学物質 945.1トン/年
4.5%(6.9%)
届出排出量・移動量 20,979.0トン/年 うち新規対象化学物質 排出量・移動量 2,681.1トン/年 12.8%
届出排出量7228.5トン/年 34.5%(100%)
届出移動量13,750.5トン/年 65.5%(100%)
届出排出量または届出移動量 トン/年 届出排出量・移動量比率
(届出排出量または届出移動量比率)