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2. 各業務の作業実績等 (1) マニュアル一覧

4.2 内 容

4.2.1 観測データの品質管理

観測データの品質を長期間にわたり維持するために、全国各地に展開する観測点で得られる 観測データの品質を確認する作業を行い観測装置維持管理に反映させる。作業は観測データの 再検測及びシステム運用の確認業務を行う。

① 全国約 800 ヶ所の高感度地震観測施設から収集される波形データは膨大な量になるが、デ ータを利用する立場に立ってこれらの品質管理を行い、総合判断をする必要がある。多く の場合データ伝送の停止を除いて、波形データに関わる不具合はデータ処理時あるいは処 理後に検出される。収集されたデータに関しては、その品質を確認するため、得られた波 形データについて検測を行うと同時に、その結果の整理を行う。

② 地震データの検測作業は、パソコンを用いて所定の方式(高感度地震観測データ処理シス テムマニュアル検測システム)を操作して行い、装置の立ち上げ、データの検測、データ ベースへの登録の順序で行う。検測は P 波、S 波の到達時刻の測定及び最大振幅を測定し、

地震が発生した震源位置の決定及びマグニチュードの決定を行う、同時に P 波の初動極性 を判別し、地震の発生機構(メカニズム)を決定し、運用データベースへ保存する(※1、

※2)。

4.2.2 観測装置の障害調査・連絡対応 4.2.2.1 情報収集・連絡対応、管理

Hi-net 観測施設(KiK-net を含む)、F-net 観測施設、K-NET 観測施設、V-net 観測施設を対 象にして、障害情報を受け、対応する業務。以下の内容で現地調査・作業が必要な場合は監督 員と協議する。

① 電力会社、通信会社等からの観測の障害、故障に関する連絡を受け、防災科研及び関係者 に連絡する。K-NET 観測施設において、過大振動による観測障害が出た場合は原因を調査し 防災科研及び関係者に連絡する。

② 電力、電話回線の故障個所について修理依頼を所定の方法で連絡する。

③ 故障の復旧処理が完了するまでの連絡、作業の確認、手続を行う。

④ 観測履歴概要報告書を作成する。

日常監視及び個別に行われる故障復旧・修理作業に基づいて発見した各観測施設及び各観 測機器の異常や故障の状況、それに対してとった措置並びに電力会社、通信会社からの連 絡による現地観測施設の停電や回線工事の状況と、それに伴った欠測期間等を「観測履歴 概要報告書」として各月ごとにとりまとめる。

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Hi-net 観測点、F-net 観測点、V-net 観測点の故障修理、新設、引上げ再設置の修理等に よる交換機器の定数の変更・シリアル No.、検出器の感度等の変更を行う。

⑥ KiK-net、K-NET に関する連絡打合せ会資料(週次報告書)の作成を行う。

⑦ F-net 及び K-NET 観測施設の観測障害に関し情報を受け、所定の方法により連絡対応を行 う。また、障害等情報の記録をする。

4.2.2.2 気象庁震度採用観測点等の維持管理業務

気象庁震度採用観測点は、地震発生時の迅速かつ正確な地震情報を提供する必要がある ことから、以下の管理作業を行う。この気象庁震度採用地点の対象観測点は表 2.1.3 に 示した強震観測点施設(K-NET)が対象となる。

① 震度観測に、測定上問題のある何らかの影響が生じた場合は、一連の不具合が解消され正 常な状態へ復旧するまでの管理をし、連絡が必要と判断されるときには所定の方法にて気 象庁へ連絡をする。

② データ欠測を伴うような機器の入れ替え等の際には、実施予定の情報が確認次第、気象庁 に事前連絡を行い、更に作業実施の前日に再度連絡をする。

③ 事前連絡済みのデータ欠測、過大振動の情報について予定された期間に変更が生じた場合 には速やかに気象庁に連絡する。

④ 気象庁より震度観測点についての問い合わせがあったときには、防災科研の関係者に連絡 対応を行い、作業支援を行う。

4.2.2.3 観測装置の監視・チェックの業務

観測装置の監視・チェックは、各観測施設の作動状況を確認し、障害があった場合は障害個 所の特定を行う。以下の内容を含め現地調査・作業が必要な場合は監督員と協議する。

① Hi-net 観測施設に設置する観測装置(地震計等のセンサー及びデータ伝送等を行う装置) の作動状況を確認する。

② 地震計の作動状況を確認するため、全観測点の全成分について、監視モニター機能よりチ ェックを行う。

③ 地震計ステップ応答特性のチェック及び異常の有無確認(全観測点)を行う。

④ 観測装置又はデータに不具合を発見した場合は、故障の原因が観測計器、回線、テレメー タ等のいずれにあるかを関係者と共同して調査を行い、発見された障害の切り分けを行う。

⑤ 障害が発生、又は発見した際は関係者に連絡を行い、必要に応じて関連業者への問い 合せ等対応を行う。

⑥ 発生した事態について監督員に報告するとともに、必要に応じてデータ伝送系の監視を 行う者に通報し解決策について協議する。

⑦ 判明した故障原因について、関連業者による復旧修理を必要とする場合は監督員に報告 する。

⑧ 障害個所について必要な場合は現地調査を行う。また、修理方法の提案を行う。

⑨ 復旧修理が完了するまでの調査、連絡、作業確認、手続等必要な措置を行う。

⑩ 障害個所、故障の履歴を管理する。

⑪ F-net について観測装置をモニター機能によりチェックし、異常がある場合は所定の方法

23 4.2.2.4 予備品管理

観測装置の故障については、防災科研より修理業者に対し、高感度 AD 装置(本体及び関連機 材。なお、関連機材には GPS アンテナ、停電用バッテリー、各種ケーブル類を含む)一式を予 備品として支給する。故障機器の修理に関し予備品の受け渡し、修理報告書の確認・保管、管 理等の作業を行う。

4.2.3 観測装置の修復

Hi-net 観測施設(KiK-net を含む)、F-net 観測施設、K-NET 観測施設、V-net 観測施設の観 測装置は、地震計、テレメータ等の複数の機器で構成されており、製作会社も複数にわたる観 測装置となっている。観測装置の修復については、作業計画の立案、観測施設入退室時の諸手 続(地権者への連絡、カギの受け渡し等)、作業進捗などを把握し適切な提案を行う。特に、

複数の業者が混在して作業を行う場合は、作業日程など業者間の調整を行う。また、検出器を はじめ観測装置全体に係る諸課題に対する調査把握・検討、提案、及び新しい機器・装置の開 発についてデータの収集、試験、提案などを行うものとする。

4.2.3.1 Hi-net について(KiK-net 含む)

① 観測装置(観測井に設置、V-net を含む)について、不具合の調査・情報資料の収集を行 う。以下の内容を含め現地調査・作業が必要な場合は監督員と協議する。

② 不具合検出器の特定、原因の推測を行う。

③ 不具合が発見された観測点の不具合内容及び観測施設の状況(観測井戸深さ、修理履歴、

機器搬入路等)整理した一覧表を作成する。

④ 不具合内容を整理した一覧表をもとに、地域、気候、実施時期などを考慮して修理候補 地を選定する。

⑤ 修理日程、修理経費など、具体的な修理計画をたて、監督員に修理計画案を提出する。

⑥ 観測装置の回収・再設置、検出器の修理内容などの関連書類を作成する。観測装置修理に ついて監督員と協議し、作業を進める手続き資料の作成を行う。

⑦ 観測装置の回収・設置作業及び検出器修理作業の進行を把握する。

⑧ 作業全体の進捗管理及び技術的な提案を行う。

⑨ 観測装置回収・設置を行う者と検出器修理を行う者の間の日程調整などを行う。

⑩ 観測点現地工事に必要な観測小屋の鍵、地図及び立入時注意などについて作業を行う者に 提供する。また、用地管理者に事前連絡等が必要な場合は、手続を行う。

⑪設置工事完了後に、観測装置(検出器、AD 装置等)の健全性の確認を行う。

(Hi-net、F-net、V-net、臨時観測点)

⑫ 検出器(Hi-net、KiK-net、F-net、K-NET 及び V-net を含む)をはじめ装置全体に係る諸 課題に対する調査把握・検討、提案、及び新しい機器・装置の開発についてデータの収集、

試験、提案などを行う。

⑬ 観測装置に関し、データベース管理を行う。

4.2.3.2 F-net について

24 合は監督員と協議する。

② 観測システムを構成する各観測機器の監視結果を受けて、不具合が発見された観測点の不 具合内容を整理した一覧表を作成する。

③修理が確定した観測点について、修理に必要な関連書類を作成する。

④観測点現地工事に必要な観測坑の鍵、地図などの作業を行う者に提供する。また、用地管 理者に事前連絡等が必要な場合は、手続を行う。

⑤現地作業時の入退室の連絡窓口及び作業の進行状況を確認する。

⑥ 隔週で開催される F-net 定例会の事務局を運営し、資料作成及び議事進行を行う。

4.2.3.3 K-NET について

① 観測機器の障害情報を得たときは、適切かつ迅速な復旧を目指し、調査、必要な連絡、調 整を行い、また、手続を代行する。以下の内容を含め現地調査・作業が必要な場合は監督 員と協議する。

② 障害情報については必要に応じて監督員に報告をし、また、協議する。

③ 強震計を設置している地方自治体等から、強震計本体の異常の連絡及び保守点検の連絡が あったときは、適切な対応を取るとともに監督員及び所内関係部署に報告する。

④ 観測機器の障害情報について対応した作業内容をまとめて報告する。(5.観測施設の維持 管理にある K-NET 関係の作業報告に合する。)

4.2.3.4 その他の観測施設について

Hi-net 観測網に付随し、機動観測点を随時設置する。観測データは処理システムに取り込む が、オンラインで行っているもの(表 2.1.5)のほか、オフラインで計画されるものもある。作 業については監督員と協議して行う。

① 機動点に設置してある観測装置の故障、障害の情報などを得たときは、適切かつ迅速な復 旧を目指し、関係者との調整、連絡を行う。

② 障害情報の整理、復旧に関する方策の立案、資料の作成、提案及び手続の代行を行う。障 害情報については必要に応じ監督員に報告をする。

③ 機動点に設置するために準備されている観測装置の保管管理、及び観測を終了して回収し た機器の簡易試験及び故障チェック、簡易修理のための分解・組み付けの作業、更にメーカ ー修理が必要な機器に関しては修理手続の代行等の適切な対応措置を行う。

④ 機動点の設置に関して本仕様書以外の業務として、防災科研が外部に発注するものの情報 の収集、検討、資料作成の支援、提案を行う。

⑤バッテリー等の観測機器の使用部材の整備及び管理を行う。

4.3 作業分担

(1) 観測データの再検測作業は、第1章 6.作業に必要な体制(1)で組織的な配置を求められ ている要員のうち観測データ検測者があたる。

(2) 観測装置維持管理のうち観測機器・装置の管理、設置・引上げ等の作業、計測器等の開 発の提案等を行う者は、第1章 6.作業に必要な体制(1)で組織的な配置を求められている 要員のうち観測装置維持管理総括者(高感度、開発)があたる。また、2.2.2 に含まれる

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