5.2.1 食材として供する際の留意点
5.2.1.1 生食におけるアニサキス感染
マサバにはアニサキス幼虫が寄生していることがある。アニサキス幼虫は、摂餌等の際に 口から入り、消化管から腹腔内へ移動して、内臓表面に寄生するが、魚の死後、筋肉へ移動 して筋肉内に寄生する。刺身など生食の際に、アニサキス幼虫が取り込まれると、まれに消 化管に食い込むことで、急性または慢性の腹痛、嘔吐、下痢などが引き起こることがある(ア ニサキス症という)。
予防には、①新鮮な魚を用いる、②内臓を速やかに取り除く、③目視で確認し、アニサキ ス幼虫を取り除く、④生の内臓を提供しない、⑤加熱(70℃以上で死滅)および冷凍(-20℃ で24時間冷凍することで感染性を失う)ことが有効である。
(厚生労働省HP http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000042953.html)
5.2.1.2 ヒスタミン中毒
筋肉中のヒスチジン含量が高いマサバは、ヒスタミン中毒を起こしやすい。ヒスタミン中 毒は、アレルギー様食中毒ともいわれ、食後、顔面が紅潮し、頭痛、じんましん、発熱などの
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症状を呈する食中毒である。ヒスタミンは、細菌の脱炭酸酵素によりヒスチジンから生成さ れる。この中毒の原因物質はヒスタミンであるが、防止対策の面からは細菌による食中毒で あることを正しく理解すべきである。防止策としては、低温管理の徹底が有効である。鮮度 が低下した魚は用いない。また、いったん生成したヒスタミンは加熱調理では分解されない ので注意が必要である(福島英登 2016)。
5.2.1.3アレルゲン
サバは、特定原材料に準ずるものに指定されている。このため、サバを扱うことによりア レルゲンの拡散に留意する。特に、加工場で、サバと同じ製造ラインで生産した製品など、
アレルゲンの混入の可能性が排除できない場合には、その製品には、注意喚起表示を行う。
(http://www.caa.go.jp/foods/pdf/food_index_8_161222_0001.pdf消費者庁HP)
5.2.1.4 脂質の酸化
マサバの脂質構成成分には高度不飽和脂肪酸が多いため自動酸化しやすい。酸化が進むと 風味に影響を及ぼすほか、健康に影響を及ぼすといわれている酸化コレステロールやマロン アルデヒドなどが生成する。このため、加工に用いる場合は、脂質が酸化しやすいことに留 意する。(大島俊明 2012)
5.2.2 流通における衛生検査および関係法令
生食用生鮮魚介類では、食品衛生法第11 条より、腸炎ビブリオ最確数*が 100/g 以下と成 分規格が定められている。
*最確数 細菌の種類によっては,検査の目的により,一定量の検体中に1個以上の大腸菌の存 在の有無を知るための定性試験と,統計的な確率に基づく平均値により菌数を算出する定量 試験を行う場合がある。確率論的に菌数を算出した値を最確数と呼ぶ
5.2.3 特定の水産物に対して実施されている検査や中毒対策
本種には該当する特別な検査等はない。
5.2.4 検査で陽性となった場合の処置・対応
市場に流通した水産物について、腸炎ビブリオ最確数において、基準値を超えると食品衛 生法第6条違反(厚生労働省 昭和55年7月1日,環乳第29号)となる。
5.2.5 家庭で調理する際等の留意点 5.2.5.1 アニサキス感染防止
新鮮なものを選び、内臓を速やかに除去する。内臓の生食はしない。目視で確認し、アニ サキス幼虫を除去する。
5.2.5 2 ヒスタミン中毒防止
新鮮なものを選び、低温管理を徹底する。えらや内臓はヒスタミン生成菌が存在するため、
購入後速やかに除去する。鮮度が低下した魚は食べない。食べたときに舌に刺激を感じる場 合は、ヒスタミンの可能性があるため、食べずに廃棄する。
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引用文献
大日本水産会(1999)「魚の栄養事典」.p.20, p.36.
福島英登 (2016) 7.1.3Bc 「ヒスタミン中毒」中田英昭・上田 宏・和田時夫・有元貴文・
竹内俊郎・渡部終五・中前 明 編「水産海洋ハンドブック第3版」.生物研究社,
p.468.
厚生労働省HP.(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000042953.html) 文部科学省(2016)「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」.
Murata, M. (2002) Dietary Fish Oil and Undaria pinnatifida (Wakame) Synergistically Decrease Rat Serum and Liver Triacylglycerol. J. Nutr. , 132, 742-747.
Murata, M. et al. (2004) Fish Protein Stimulated the Fibrinolysis in Rats. Ann Nutr Metab, 48, 348–356.
大島俊明 (2012) 4.3.2「脂質の酸化とその制御」島 一雄・關 文威・前田昌調・木村伸
吾・佐伯宏樹・桜本和美・末永芳美・長野 章・森永 勤・八木信行・山中英明 編
「最新水産ハンドブック」.講談社,p.369-370.
水産庁(2014)平成25年度版水産白書.総ページ数(or引用ページ)
須山三千三・鴻巣章二 編(1987)「水産食品学」.恒星社厚生閣,p.134.
系群・地域 マサバ太平洋系 参考値
漁業 大中型まき網漁業 4.0
年 2017
大項目 中項目 中項目_
評価点
中項目_
重み
大項目_
重み
大項目_
評価点
評価軸_
総合点 生物学的情報の把握 5.0 1.0
モニタリングの実施体制 5.0 1.0 資源評価の方法と評価の客観性 5.0 1.0 対象種の資源水準と
資源動向 対象種の資源水準と資源動向 2.0 1.0 1.0 2.0 現状の漁獲圧が対象種資源の持続的生産に
及ぼす影響 3.0 1.0 現状漁獲圧での資源枯渇リスク 5.0 1.0 資源評価結果の漁業管理への反映 4.0 1.0
大項目 中項目 中項目_
評価点
中項目_
重み
ここで は漁業 管理の MCS+E
大項目_
評価点
評価軸_
総合点 基盤情報の蓄積 5.0 1.0
科学調査の実施 5.0 1.0 漁業活動を通じたモニタリング 3.0 1.0 混獲利用種 3.0 1.0 混獲非利用種 1.0 1.0
希少種 4.0 1.0
食物網を通じた間接作用 3.7 1.0 生態系全体 4.0 1.0 海底環境(着底漁具を用いる漁業) NA 1.0
水質環境 4.0 1.0
大気環境 4.0 1.0
大項目 中項目 中項目_
評価点
中項目_
重み
大項目_
重み
大項目_
評価点
評価軸_
総合点 インプット・コントロール又はアウトプット・コント
ロール 5.0 1.0
テクニカル・コントロール 3.0 1.0 生態系の保全施策 4.0 1.0 管理の執行 4.3 1.0 順応的管理 5.0 1.0
集団行動 5.0 1.0
関係者の関与 5.0 1.0
大項目 中項目 中項目_
評価点
中項目_
重み
大項目_
重み
大項目_
評価点
評価軸_
総合点 漁業関係資産 4.0 1.0
経営の安定性 2.3 1.0
就労状況 4.7 1.0
市場の価格形成 4.7 1.0 付加価値の創出 3.5 1.0
就労状況 4.7 1.0
水産インフラストラクチャ 5.0 1.0
生活環境 3.0 1.0
地域文化の継承 5.0 1.0
1.0 3.7
地域の持続性
4.1
1.0 4.3
1.0 4.3
加工・流通の状況
地域の状況 漁業生産の状況
執行の体制 1.0 4.7
1.0 5.0
共同管理の取り組み
SH“U”Nのおさかな推奨指標のまとめ
資源の状態
3.7 対象種に対する漁業
の影響評価 1.0 4.0
対象種の資源生物 研究・モニタリング・
評価手法 1.0 5.0
漁業の管理
管理施策の内容
生態系・環境への配慮
操業域の環境・生態 系情報、科学調査、
モニタリング
1.0 4.3
3.6
同時漁獲種 1.0 2.7
生態系・環境 1.0 3.9
1.0 4.0
4.6
資源の状態
大項目 小項目 スコア 小項目_重
み
中項目_
評価点
分布と回遊 5 1.0
年齢・成長・寿命 5 1.0
成熟と産卵 5 1.0
科学的調査 5 1.0
漁獲量の把握 5 1.0
漁獲実態調査 5 1.0
水揚物の生物調査 5 1.0
資源評価の方法 5 1.0
資源評価の客観性 5 1.0
対象種の資源水
準・資源動向 資源水準と動向 2 1.0 2.0
現状の漁獲圧が対象種資源の持続的
生産に及ぼす影響 3 1.0 3.0
現状漁獲圧での資源枯渇リスク 5 1.0 5.0 漁業管理方策の策定規則 5 1.0
予防的措置の有無 5 1.0
環境変化が及ぼす影響 4 1.0 漁業管理方策の策定過程 5 1.0 漁業管理方策への遊漁、外国漁船、
IUU漁業などの考慮 1 1.0
生態系・環境への配慮
大項目 小項目 スコア 小項目_重
み
中項目_
評価点
基盤情報の蓄積 5 1.0 5.0
科学調査の実施 5 1.0 5.0
漁業活動を通じたモニタリング 3 1.0 3.0
混獲利用種 3 1.0 3.0
混獲非利用種 1 1.0 1.0
希少種 4 1.0 4.0
捕食者 3 1.0
餌生物 4 1.0
競争者 4 1.0
生態系全体 4 1.0 4.0
海底環境(着底漁具を用いる漁業) NA 1.0 NA
水質環境 4 1.0 4.0
大気環境 4 1.0 4.0
同時漁獲種
混獲利用種
生態系・環境
食物網を通じた間接作用 3.7
生態系全体 海底環境
(着底漁具を用いる漁業)
水質環境 大気環境 混獲非利用種
希少種 中項目
操業域の環境・
生態系情報、科 学調査、モニタリ
ング
基盤情報の蓄積 科学調査の実施 漁業活動を通じたモニタリング 対象種の資源生
物研究・モニタリ ング・評価手法
中項目
5.0 対象種の資源水準と資源動向
対象種に対する 漁業の影響評価
現状の漁獲圧が対象種資源の持続 的生産に及ぼす影響 現状漁獲圧での資源枯渇リスク
資源評価結果の漁業管理への反 4.0 映
資源評価の方法と評価の客観性
生物学的情報の把握 5.0
モニタリングの実施体制 5.0