第 4 章 RMT テストによる乱数度検定
4.3 他の検定法との比較
39
図 4.9 長さ12万の数列は5%の定量評価基準に適用
図 4.10 長さ12万の数列は5%の定量評価基準に適用できない
40
LCGの初期乱数のデータをNISTで評価すると合格してしまうが,提案手法では不合格とな ることから,NISTより提案手法の検定基準のほうが厳しいと言える.また,提案手法は定 性評価において視覚化の利点がある上に,定量評価も可能である.これに対して他の可視 化手法,例えばモアレ縞法等は定量化評価が出来ない.これに対し,本手法は視覚的評価 と共に定量的な評価が可能な点において有用性が高いと考えられる.
表 4.11 対数収益を取ったデータのNIST乱数評価法での評価結果
テスト項目 結果
1 Frequency (Monobit) Test 一次元度数検定
○
2 Frequency Test within a Block ブロック単位の度数検定
○
3 Runs Test 連の検定
×
4 Test for the Longest Run of Ones in a Block ブロック単位の最長連検定
×
5 Binary Matrix Rank Test 行列ランク検定
○
6 Discrete Fourier Transform (Spectral) Test 離散フーリエ変換検定
×
7 Non-overlapping Template Matching Test 重なりのないテンプレート
適合検定
×
8 Overlapping Template Matching Test 重なりのありテンプレート
適合検定
×
9 Maurer’s “Universal Statistical” Test Maurerのユニバーサル統計
検定
×
10 Linear Complexity Test 線形複雑度検定
○
11 Serial Test 系列検定
×
12 Approximate Entropy Test 近似エントロピー検定
×
13 Cumulative Sums (Cusum) Test 累積和検定
○
41
14 Random Excursions Test ランダム偏差検定
×
15 Random Excursions Variant Test 種々のランダム偏差検定
○
また,RMTテストに合格した擬似乱数及び物理乱数のNISTの検定結果は表4.12に示す [5].誤差はRMTテストの6次モーメントの誤差を使用する.LCG乱数列に対し,NISTの 不合格項目は重なりないテンプレート適合検定のみであり,暗号として使えないだが,乱 数度は高いと言える.物理乱数の三種類はどちらでもNIST検定に対数収益をとることによ って乱数度を低くした乱数列の物理乱数の比較結果を表 4.13に示す.一次元度数検定,ブ ロック単位の度数検定,行列ランク検定,線形複雑度検定と累積和検定の五つしか合格し ない.擬似乱数のLCGと同じように,元々乱数度が高い物理乱数の対数収益を取った後で,
余分な相関が出るから,ランダム性を失い,NIST検定に不合格である.RMTテストの結果 と一致する.
表 4.12 擬似乱数(LCG)及び物理乱数3種類のNIST検定結果
乱数の種類 NIST乱数検定合格率
LCG 14/15
Hitachi 15/15
Toshiba 15/15
Tokyo ED 15/15
表 4.13 物理乱数の対数収益を取った数列のNIST検定結果
乱数の種類 NIST乱数検定合格率
Hitachi 5/15
Toshiba 5/15
Tokyo ED 5/15
RMTテストの性能を検証するために,三賀森,楊[5]は規則的な数列をシャッフルして作 成した乱数データをRMTテスト及びNIST乱数検定で検証した.実験用データは0と1がそれ ぞれ50個ずつ交互に並べられた数列を用意する.この時,データ長100万,かつ0と1のそれ ぞれの度数が全て均一の規則的な数列が構成される.このような規則を持つデータをシャ ッフルする回数を増えることにより乱数度が上がる.図4.11のように,シャッフル回数を増
42
えることにより乱数度が上がった.シャッフル回数を200万以上だったら,乱数度の変化は 安定した.比較するために,NISTの評価結果を図4.12に示す.RMTテストと同じようにシ ャッフル回数を増えることにより,NIST検定の合格項目を増え,シャッフル回数を200万以 上だったら,乱数度の変化は安定した.
図 4.11 シャッフル回数によりk次モーメントの誤差変化
図 4.12 シャッフル回数を増えるとNISTの検定項目の合格数を増加
43