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森林管理学研究室(4研)

ドキュメント内 昭和53年度 川渡農場運営概況 (ページ 151-168)

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4.  森林管理学研究室(4研)

4−1) 田代地区における林床植物の群落

(1)ハンノ千・ハルニレ林の林床植物

西 口 親雄・酒井 昭 子 田代地区はハソノキ・ヤチダモ林.ハルニレ林,ミズナラ林,コナラ・クリ林など多彩な植生 で構成され,とくにハルニレ林は東北でも屈指の規模の美林として学術的にも価値が高い。この ような理由で田代地区168haは宮城県自然環境保全地域の指定を受けることになっている。本 演習林としても,この地域は禁伐とし,動植物の保護につとめるべきであるという考えから,そ のための基礎資料を得る目的で森林構造の解析調査と並行して,林床植物の群落調査をはじめた。

調査方法

予備踏査によって,典型的な林床植物群落を形成している部分を任意に選び,そこを固定調査 区として,その区域にみられる林床植物の種類・硬度・詳度・車高を記録した。1978年度は,

田代川ぞいの湿地帯に成立するハンノキ林およびそれに隣接した,やや乾いた平坦地に成立する ハルニレ林の林床に6つの固定調査区を設定し.5月16日,7月7日,9月8日の3回詞盃を 行なった。

調査結果

調査区−1: 5月はススキが被度・群度とも5で優占,7月はススキ優占がつづくが,スス キの下にワラビがかなり出現する。9月はススキの草丈が伸びすぎて調査中止。ススキ草原の中 にハソノキが教生する植生で,年間記録された種類は18積。

調査区一2: 5月はメタカラコウが硬度4,群度4で優占し,イブキヌカポ・オオハナウド・

タニキキョウがやや目立つ。7月はメタカラコウの草丈が高くなり,優占がつづくが,その下で カキドオシ・オオハナウドがやや多くなる。9月もメタカラコウの優占がつづくが,勢力はやや 衰え,カキドオシ・スゲSp・イブキヌカボなどが目立つようになる。年間記録された植物は

32種。上木はハルニレ・ハシノキなどやや疎に成立。

調査区−3: 5月はバイケイソウが披虔5,群虔4で優占,草丈もかなり高い。その下でキ クザキイチリシソウ・コチャルメルソウ・ヒメザセンソウ・ミゾソバなどが目立つ。7月はバイ ケイソウ衰え.ミゾソパが硬度3,群度4で優占し,コチャルメルソウ・ダキパヒメアザミ・ウ バユリとつづく。9月もミゾソバの優占がつづくが.ミヤマシラスゲもかなり勢力を張り,ミヤ マトウバナも目立つ。年間記録された植物は31種。上木はハンノキのやや疎林。

調査区−4: 5月はユリワサビ,コチャルメルソウがともに披度3,群虔4で勢力をわけあ

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い,ヤマトリカブト・オオハナウド・ニリンソウ・メタカラコウかやや目立つ。7月になるとユ リワサビは消え,メタカラコウが披度4,群度4で優占し,オオハナウド・ヤマトリカブトもか なり草丈も高くなってかなり優勢,それらの下ではコチャルメルソウが多い。9月になるとヤマ トリカブトが枯れた状態で優占,サラシナショウマ・イラクサがやや目立つ。地表層ではネコノ メソウが被虔4で勢力を張っている。年間記録された種数は34。上木はハンノキ・トチノキ・

ハルニレなどのやや疎林。

調査−5: 5月はヤマトリカブトが硬度4,群虔4で擾占,メタカラコウ・イブキヌカポ・

ダイコンソウがやや目立つ。7月になると,メタカラコウが増えて硬度4,群度4でヤマトリカ ブトをしのぐようになる。イブキヌカポ・カキドオシ・ミヤマトウバナがやや目立つ。9月はヤ マトリカブトは枯れるが,メタカラコウと同程度の被虔3で勢力を分かち合う。草丈の低い草で はイブキヌカポが多く,カキドオシ・ミゾソ/ぐ・フユノハナワラビがいくらか目立つ。年間記録 された種数は21。上木はハルニレのやや疎林。

調査−6: 5月はバイケイソウが被虔3,群度3で優占し,ミズバショウが硬度2,群度3 でつづく。他にキクサギイチリシソウ・コチャルメルソウ・ヒメサセンソウがやや目立つ。7月 はバイケイソウは姿を消し,ミズパショウ・ミゾソバ・ヤマトリカブト・などが破度2で混生,他 にオニシモツケ・コチャルメルソウ・アセスゲ・ウワバミソウかやや目立つ。9月になるとミゾ ソ六とウワバミソウがともに硬度3,諸度3で擾占を分けあい,他にコチャルメルソウ・ネコノ メソウ・アセスゲ・ヒメシダが目立つ。年間記録された種数は22種。上木はハシノキ疎林で,

湿地。

総 括: 固定調査区およびその近辺で記録された林床植物は,合計86種であった。群落構 造を示した調査表は省略。

4−2) 田代地区における森林構造

(1)ハンノ千・ヤチタモ林

西 口 親雄・赤間  徹 演習林を適切に管理していくための基礎資料を得ることを目的として,林内に現存する各種林 分の構造と生長状況を調査している。53年度は田代川ぞいの湿地帯に成立するハシノキ・ヤチ タモ林分について調査を行なった。

調査方法

田代川ぞい標高450m地点の低湿な氾濫原に3カ所の方形区を設定した。方形区の大きさは それぞれプロットーlが20mx20m,プロットー2が30mx20m,プロットー3が25 mx25mである。各プロットとも胸高以上の立木についてナンバーテープで標識するとともに,

胸高直径を毎木調査した。さらに.プロットー1には20mx5mの,プロットー2には30m X5mの,プロットー3には25mx5mのサブプロットを設け,その中の胸高以上の全立木に ついて個体位置をマッピングし,全直径階にわたるように代表木を抽出して樹高・樹冠幅・枝下 高の測定を行なった。また,胸高以下の低木については,根元径・樹高・樹冠幅の測定を行なっ た。

調査結果

プロ ットー1

樹高が胸高以上の立木の抹殺はハシノキ31株.ウワミズサクラ28株,ノリウツギ3株.ウ シコロン3株,ヤマモミジ2株.ミズナラ1株.オオカメノキ1株であった。ヘクタール当りの 株数は1,725株,本数は2,150本で.このうち枯死木が300本あった。

直径階別本数分布は表一1のとおりである。本方形区の高さ別階層は,胸高直径一樹高関係か ら,樹高15m以上を第、1層.15−8mを第2層,8〜5mを第3層,5m以下を第4層に区 分された。第1層,第2層はハシノキのみ存在し.第3層はウワミズサクラが優占し,ハンノキ がこれに次いだ。第4層はサワフタギが高波度に出現して優占し.ノリウツギ・ウワミズサクラ の幼閏が少数生じていた。

プロ ットー2

樹高が胸高以上の立木の株数はヤチタモ41株,ハンノキ20株,ノリウツギ5株,ウワミズ サクラ3株.ホオノキ3株.ハルニレ1株,ヒトツバカェデl株,ブナl株,ヤマモミジ1株で あった。ヘクタール当り株数は1,269株,本数は1,720本,そのうち枯死木が434本あっ たo

直径階別本数分布は表一2のとおりである。本方形区の高さ別階層は,樹高20m以上を第1

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層,20−15mを第2層,15〜5mを第3層,5m以下を第4層に区分された。第1,2層 を占めた樹種はハシノキとヤチダモの2種であったが,l層ではハンノキが優占したのに,2層 では逆にヤチダモが優占していた。第3層には9樹種出現したが,ヤチダ壬が優占し,次いでノ リウツギの個体数が多かった。第4層はミヤマイポタがヘクタール当り1,201株で優占し,ノ リウツギ・ヤブデマリ・サワフタギ・コマユミ・ツリバナ・オオカメノキ・オオバクロモジ・ウ シコロシ・ハイイヌガヤ・イヌツゲが出現した。また,サワグルミ・ヤチダモ・ウワミズザクラ・

ヤマモミジ・ミズナラ・ヒトツバカエデ・コハウチワカェデなどの高木の幼樹も少数みられた。

プロ ットー3

樹高が胸高以上の立木の株数はヤチダモ22株,ハシノキ18株,トチノキ10株,ウワミズ ザクラ4株,ノリウツギ4株,ブナ3株,ミズナラ2株,イタヤカェデ2株,ヤマモミジ2株,

ミズキ2株,オニグルミ1株,ハルニレ1株,コブシ1株,オオカメノキl株,ツリパナ1株で あった。ヘクタール当りの株数は1,200株,本数は1,644本,そのうち枯死木が160本で あった。

直径階別本数分布は表一3のとおりである。本方形区の高さ別階層は,樹高20m以上を第1 層,20m〜15mを第2層,15〜5mを第3層,5m以下を第4層に区分された。第1層で はヤチタ壬とハシノキが同じ程度の優占度で支配し,オニグルミとハルニレが1倍体ずつ出現し た。第2層は本数ではヤチダモが1位ではあったが,樹幹断面積合計ではトチノキかまきり優占 種となった。ハンノキほ後退し,ミズナラとコブシが1本ずつ出現した。第3層は,本数ではト チノキが1位.優占度ではヤチタ壬がまきり,他にノリウツギ・ウワミズサクラなど数多くの樹 種が出現した。第4層ではサワフタ半が優占,次いでコマユミが多く,ミヤマイポタ・ノリウツ ギ・ヤプデマリ・オオカメノキ・イヌツゲ・ウシコロシ・サラサドゥダシ・ガマズミが生じ,ウ ワミズサクラ・ヤマモミジ・コブシの幼樹が少数みとめられた。

以上,田代川ぞいの湿地に成立するハソノキ・ヤチダモ林の構造的特性を要約すると,次のよ うになる。

①各プロットの立木密度は天然生林としては疎であり,個体当りの廟芽率はヤチダモが高い。

各プロットの胸高断面積比は0.29〜0.35であった。

②ハシノキの胸高直径階分布は大きいクラスに集中する。ヤチダモのそれは幅が広く4−36の 径階におよび,4〜16(糊の小・申径階に枯死木が集中する。

③高木層で優占するハソノキとヤチタモの後継樹を欠く。

④高さ別の層化が明瞭であり,高木層・亜高木層はハンノキとヤチタモで構成され,林冠の最 上層はハンノキによって占められている。第3層は,プロットによってウワミズサクラ・ノリウ

ツギ・トチノキが多く,第4層はサワフタギ・コマユミ・ミヤマイポタが高硬度で出現した。し

ドキュメント内 昭和53年度 川渡農場運営概況 (ページ 151-168)

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