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- 592 - り入れた復旧手法の検討を行う

第5節 桜町・花畑周辺地区、並びに熊本駅周辺地区整備事業

1. 両地区の防災・減災対策の見直し

(1)見直しの必要性

本市の広域交通拠点としての役割を担う桜 町・花畑周辺地区、並びに熊本駅周辺地区で は、交流拠点の形成や陸の玄関口として再整 備を計画していたところ、熊本地震が発生し た。今回は夜間の発生であったが、これが昼 間や朝夕の通勤・通学時間帯であれば、両地 区において犠牲者や大量の帰宅困難者が発生 した可能性が高いと考えられる。

このような課題を踏まえ、両地区の防災・

減災対策を根本から見直すこととし、臨機の 対応が求められた。

桜町・花畑周辺地区の再整備内容

(仮称)熊本城ホールを含む桜町地区市街 地再開発事業や、シンボルプロムナードお よび(仮称)花畑広場等のオープンスペー ス整備等

熊本駅周辺地区の再整備内容

熊本駅白川口駅前広場整備計画並びにJR 九州による熊本駅ビル開発計画

(2)震災時における両地区の状況

桜町・花畑周辺地区においては、発災直後、

(仮称)花畑広場(約2,000 ㎡)や辛島公園 に、正確な人数は把握できていないものの、

多くの人が避難した。また、在宅をためらう 人の中には、3 日間程度、イベントの主催者 の善意で撤去が延長されていた既設テントの 中で避難生活を送る方もいた。

熊本駅周辺地区においても、近隣ホテルの 宿泊者等の多くが建物内から駅前広場に避難 した。

(仮称)花畑広場には、4月21 日から、災 害ボランティアセンターが設置され、県内外 から3万人を超えるボランティアの方々が、

ここを起点にバスや市電により各地へ赴いた。

このように、都心部で広域交通拠点に隣接 し、各活動場所への移動性に優れた広場は、

避難やボランティア活動の拠点となるなど、

災害時において有効に機能した。

(3)見直し検討会議の立ち上げ

両地区の防災・減災面について見直しを図 るため、平成28 年7月22日、都市建設局に

「熊本の新しい二つの顔、防減災プロジェク ト会議」を立ち上げた。

メンバーは、副市長および関係局長等、並 びに両地区に関わる事業者である熊本桜町再 開発株式会社、九州旅客鉄道株式会社とし、 アドバイザーとして、まちづくりや防災等の 識見を有する方を選考し、計16 名で4 回にわ たり会議を行った。

図表11-5-1

熊本の新しい二つの顔、防減災プロジェクト 会議構成員

図表11-5-2

熊本の新しい二つの顔、防減災プロジェクト 会議内容

回数 開催年月日 内容

第1回 平 成 28 年 7 月 22 日

・災害時に求められる防災拠点の機能

・桜町花畑地区が災害時に果たすべき機能

・桜町地区再開発事業の防災・減災機能強化 策(素案)【事業者提案】

第2回 平 成 28 年 7 月 29 日

・桜町地区再開発事業等の防災・減災機能  強化策と災害時に果たすべき役割

・桜町地区再開発事業の防災・減災機能強化策  【事業者提案】

第3回 平 成 28 年 8 月 19 日

・両地区の防災・減災機能強化策と災害時に  果たすべき機能

・地域防災計画における論点整理 第4回 平 成 28年 11月 25日 会議のまとめ

委 員 等 氏 名

熊本市 都市建設局 総括 審議 員兼 都市 政策 部長 石 櫃 紳 一 郎 蓑 茂 壽 太 郎 熊 本 大 学 大 学 院 自 然 科 学 研 究 科 准 教 授 熊 本 大 学 政 策 創 造 研 究 教 育 セ ン タ ー 准 教 授 熊 本 大 学 大 学 院 自 然 科 学 研 究 科 准 教 授

(敬称略)

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積書を提出し、同年 3月31日契約締結を行 った。

⑥経営改善に向けた取組

震災前からの患者数の減少の影響、震災に よる市民病院被災・再建により、経営改善の 必要性が生じた。

市民病院再建では、建設期間でトータル約 170 億円の借金増が見込まれ(平成 28年 12 月時点での見込み)、東日本大震災時も同様の 制度があった減収対策企業債の充てこみとな る。また、建設費は、災害復旧事業債(25 年 償還)が充てられるが、このような起債措置 により多額の借金を背負うことになる。

上記のような状況を踏まえ、院内から経営 改善に向けたアイディアを募り、総務省へ経 営改善の取組を示した。また、新年度予算編 成における全件一件査定を実施し、契約関係

(医事、清掃、警備の委託等)の変更・解除 等、見直しを実施した。

さらには、経営改善を踏まえた今後 30 年 間の収支見通しを検討し、更なる経営改善項 目の検討を行い、着実に実施していくことと した。

⑦震災復興計画との関連

平成 28 年 10 月 14 日に議決された震災復興 計画の復興重点プロジェクトに市民の命を守 る「熊本市民病院」再生プロジェクトを掲げ ており、今後、様々な取組を進めていくこと としている。

総合周産期母子医療については、新病院に おいても周産期医療の提供に必要不可欠な診 療科を中心に編成するとともに、小児・成人 への成長段階で適切なフォロー(移行期医療)

ができる診療体制を目指し、二次救急医療体 制については、救急・総合診療科の新設で強 化を図ることとしている。地域包括ケアシス テムの確立では、回復期に対応する地域包括 ケア病棟の設置と、地域のかかりつけ医と他 の地域医療支援病院の橋渡しを行い、安心安 全な医療を十分に受けられる体制の構築を、

広域医療では、県全域に係る周産期医療、感 染症医療を継続的に担っていき、救急医療で は、二次救急医療機関として広域的な視点を 加えた救急医療提供体制を構築・充実させる ことを目指していく。

(9)総括

前震・本震の2 度にわたる大地震により、

市民病院は甚大な被害を受けた。建物の損壊 状況、余震の継続、配管損傷による水漏れな どから、建物および患者の安全性が担保でき ないため診療行為の継続は不可能と判断し、

入院患者全員の転院又は退院、および救急外 来の受入れ中止を決定した。患者の安全を第 一に考えた、苦渋の決断であった。

災害時に傷病者を受け入れるはずの市民病 院が被災し、本来の病院の役目を果たせなく なること自体が想定を超えており、発災直後 の体制や、災害対応など、大きな課題が生じ ていた。

そのような中で、医師・看護師・技師等に よる避難所の巡回や、看護師の避難所配置、

保健師と看護師による在宅避難者巡回訪問、

エコノミークラス症候群防止活動など、市民 病院の医師や看護師、技師等により、院内外 の様々な場面での医療支援等を行った。

現在、新病院の移転再建を進めており、再 建後の病院は、免震構造を備え、発災後も診 療継続できるよう災害に強い病院として再生 することを目指している。今回の震災の対応 を確認し、検証を行い、それに基づいた改善 策、防災対策を考え、想定外を想定した、現 実に即した災害訓練などの実施を検討してい く必要がある。また、発災時における病院本 来の役割である傷病者の受入体制と併せて、

避難所等、院外への被災者支援のあり方につ いても検討が必要となる。

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第5節 桜町・花畑周辺地区、並びに熊本駅周辺地区整備事業

1. 両地区の防災・減災対策の見直し

(1)見直しの必要性

本市の広域交通拠点としての役割を担う桜 町・花畑周辺地区、並びに熊本駅周辺地区で は、交流拠点の形成や陸の玄関口として再整 備を計画していたところ、熊本地震が発生し た。今回は夜間の発生であったが、これが昼 間や朝夕の通勤・通学時間帯であれば、両地 区において犠牲者や大量の帰宅困難者が発生 した可能性が高いと考えられる。

このような課題を踏まえ、両地区の防災・

減災対策を根本から見直すこととし、臨機の 対応が求められた。

桜町・花畑周辺地区の再整備内容

(仮称)熊本城ホールを含む桜町地区市街 地再開発事業や、シンボルプロムナードお よび(仮称)花畑広場等のオープンスペー ス整備等

熊本駅周辺地区の再整備内容

熊本駅白川口駅前広場整備計画並びにJR 九州による熊本駅ビル開発計画

(2)震災時における両地区の状況

桜町・花畑周辺地区においては、発災直後、

(仮称)花畑広場(約2,000 ㎡)や辛島公園 に、正確な人数は把握できていないものの、

多くの人が避難した。また、在宅をためらう 人の中には、3 日間程度、イベントの主催者 の善意で撤去が延長されていた既設テントの 中で避難生活を送る方もいた。

熊本駅周辺地区においても、近隣ホテルの 宿泊者等の多くが建物内から駅前広場に避難 した。

(仮称)花畑広場には、4月21 日から、災 害ボランティアセンターが設置され、県内外 から3万人を超えるボランティアの方々が、

ここを起点にバスや市電により各地へ赴いた。

このように、都心部で広域交通拠点に隣接 し、各活動場所への移動性に優れた広場は、

避難やボランティア活動の拠点となるなど、

災害時において有効に機能した。

(3)見直し検討会議の立ち上げ

両地区の防災・減災面について見直しを図 るため、平成28 年7月22日、都市建設局に

「熊本の新しい二つの顔、防減災プロジェク ト会議」を立ち上げた。

メンバーは、副市長および関係局長等、並 びに両地区に関わる事業者である熊本桜町再 開発株式会社、九州旅客鉄道株式会社とし、

アドバイザーとして、まちづくりや防災等の 識見を有する方を選考し、計16 名で4 回にわ たり会議を行った。

図表11-5-1

熊本の新しい二つの顔、防減災プロジェクト 会議構成員

図表11-5-2

熊本の新しい二つの顔、防減災プロジェクト 会議内容

回数 開催年月日 内容

第1回 平 成 28 年 7 月 22 日

・災害時に求められる防災拠点の機能

・桜町花畑地区が災害時に果たすべき機能

・桜町地区再開発事業の防災・減災機能強化 策(素案)【事業者提案】

第2回 平 成 28 年 7 月 29 日

・桜町地区再開発事業等の防災・減災機能  強化策と災害時に果たすべき役割

・桜町地区再開発事業の防災・減災機能強化策  【事業者提案】

第3回 平 成 28 年 8 月 19 日

・両地区の防災・減災機能強化策と災害時に  果たすべき機能

・地域防災計画における論点整理 第4回 平 成 28年 11月 25日 会議のまとめ

委 員 等 氏 名

熊本市 都市建設局 総括 審議 員兼 都市 政策 部長 石 櫃 紳 一 郎 蓑 茂 壽 太 郎 熊 本 大 学 大 学 院 自 然 科 学 研 究 科 准 教 授 熊 本 大 学 政 策 創 造 研 究 教 育 セ ン タ ー 准 教 授 熊 本 大 学 大 学 院 自 然 科 学 研 究 科 准 教 授

(敬称略)

11

章復興に向けた取組

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