• 検索結果がありません。

染色体表現

ドキュメント内 進化システム構成法に関する研究 (ページ 35-39)

第4章 セルオートマトンに基づ、くJ、ードウェア進化

4.3.1 染色体表現

CAM-Brain CoDiモデルにおいて, セルオートマトン空間に形成されるニューラル ネットは, ブランク, ニューロン, 軸索および樹状突起の4種類の機能セルから構成 される. 各機能セルの役割は以下の通りである.

-

ブランク:ブランクセルとは状態がブランクのセルであり 空間が空きである ことを表現する. 従って, 何の信号伝播も行わない.

・ ニューロン:ニューロンセルはそれに属する樹状突起セルからの入力信号を集 め蓄積する. 蓄積された信号の合計がしきい値を超えると発火し, 制i索セルを 介して信号を他のニューロンセルへ出力する.

・ 軸索:軸索セルはニューロンから出力された信号を近傍のセルへ分配する.

・ 樹状突起:樹状突起セルは近傍のセルからの信号を集め それが属するニュー ロンセルへ送る.

このように信号を 集めて分配 する機構からCoDi (Collect & Distribute)と 呼ぶ. とこで, 近傍のセルとは, 例えば, 3次元日空間であれば, あるセルの上

(T, B), 東西(E, W), 南北(S,N) の6つを意味する.

3次元CA空間を想定した場合の遺伝子および染色体表現を図4-4 に示す. ニュ ーラルネットの全体構造を表現するため, 染色体はCA空間のセルと同数の遺伝子を 持ち, 各遺伝子は各セルの成長方向 ( 信号送出方向) 情報を有する. 図4-4において 遺伝子の各セグメントN. S. E. W. B. Tはそこに1を立てることで、近傍セルへの信 号送出の方向を指示する.

従って, 全遺伝子からなる染色体にコード化された情報がニューラルネットの構 造を決定することになる.

-60-CA空間に対応する染色体

/ / / / /

/〆ァ五戸

/

T

ν

rl,; 。

rl,;

ν レ〆ν

〆/ レレ〆/

/ ν / レ〆

ν

各CAセルに対応する遺伝子情報

図4-4染色体により表現される情報

4. 3. 2成長フェーズ

成長フェーズにおいてニューロン聞の信号路が形成され, ニューロン同士が結合 されてニューラルネットの構造ができあがる. まず, 染色体によって, セルオートマ トン空間の適当な場所に適当な数のニューロンセルを用意する. その他のセルには,

同様に染色体の各セルに対応する遺伝子によって,局所的な成長方向,例えば,直進,

左折, 3分岐, ブロック, T分岐などが与えられる. 成長がスター卜すると, 各ニユ ーロンは連続的に成長信号( 具体的には,樹状突起となる方向には樹状突起成長信号,

軸索となる方向には軸索成長信号) を周辺のブランクセルへ送る. 成長信号を受け取 ったブランクセルは, 樹状突起セル或いは軸索セルとなり, ルーツとなるニューロン からその後も連続的に送られてくる成長信号をその先のブランクセルへ伝播する. こ のような成長機構によって, 樹状突起と軸索が成長・分岐し, ニューロンセルと結ば れて, 複雑な3次元のネットワーク構造が形成される. 以下に成長フェーズの手順を 示す.

- ステップ1 :全てのセル状態はブランクに初期化される. ランダムに生成され た染色体は, 全てのセルに成長方向を与えるとともに, いくつかのセルをある 確率でニューロンセルに指定する.

-61-- ステップ2 :ニューロンセルは軸索と樹状突起の成長信号を染色体で指定され た方向へ継続的に送信する.

ステップ3:成長信号を受け取ったブランクセルは, 成長信号の型に応じて,

軸索セル或いは樹状突起セルへと変わる. 同時に, その成長信号を染色体で決 められた方向へ転送する.

ステッフ4:このフロセスを繰り返すことにより, 全てのセルの状態遷移がも はや起こらなくなったとき, 成長フェーズは完了し, 最終的なニューラルネッ トの構造が得られる.

図4-5は4x4の2次元空間における成長プロセスを表したものである. この 認において斜線のセルはブランクセルを, 黒い矢印は染色体で決められた信号伝播の 方向を表している. 図4-5(a)は, その位置が(x2, y2)のブランクセルに二ユーロン への指定を行うフロセスを示している.図4-5(b)はニューロンセルが周辺のセルへ成 長信号を送るようすを示している. 図4-5

(c)

"-' (f)は, その後の3ステップを表して おり, ブランクセルが軸索或いは樹状突起セルへと変わるようすである.

図4-6は, 上記のようにして, 2次元CA空間の中にニューラルネットを成長さ せた例である. ニューロンセルが指定された初期状態から, 成長の最初の状態, 中間 状態, そして, ニューラルネットの成長が完了した最終状態の例である.

y,

X, x2 XJ x4

(d)

図4-5 2次元CA空間における成長プロセス

-

62-Initial State First State

Intermediate State Final State

図4・6成長フェーズの例

4.

3. 3信号フェーズ、

信号フェーズは, 成長フェーズにより形成されたニューラルネットをあるタスク に適用し, 実際にニューラルネットを機能させるフェーズである. 即ち, ニューラル ネットへ処理すべき入力信号を与え, その信号がニューラルネットで処理され出力さ れるまでの信号伝播のフェーズ、である.

信号伝播は, 成長フェーズで形成された経路構造に沿って行われる. 信号フェー ズにおける信号伝播のようすを図4-7に示す. 各セルはセルタイフに応じて異なる役 割を担う. 図4-7の例では, ニューロンセルは上下で接する樹状突起セルからの信号 を集め, 蓄積した信号があるしきい値を超えると発火し, パルス信号を残り4方向で 援する軸索セルへ送る. 樹状突起セルは, それが属するこユーロンセルの方向以外の 5方向から信号を集め, その信号をニューロンセルへ転送する. 軸索セルは, それが 属するこユーロンセルから発せられる信号を残りの5方向へ分配する.

外部からニューラルネットへの信号入力および、外部への信号出力は軸索セルが 行う. 信号入力用の軸索セルを入力セル, 信号出力用の軸索セルを出力セルとし, そ れらの位置はCA空間内で予め決めておく. まず, 入力セルから入力された信号は直 接援する軸索セルへ送られ, 軸索セルにより周辺のセルへ分配される. 樹状突起セル はその信号を集め, それが属するこユーロンセルへ転送する. ニューロンセルから出 力された信号は軸索セルにより分配され, 最終的には出力セルの軸索セルがその信号 を受け取り外部へ出力する. 信号フェーズの手順は以下の通りである.

- 63・

Collecting signals

Axon

Output signal Output signal

Input signal

図4-7信号フェーズにおける信号伝播動作

-

ステップ1:入力セル(軸索セル)は外部から与えられるスパイク状信号(パ ルス信号)を受信し, 周辺のセルへ分配する.

・ ステップ2 :樹状突起セルは信号を集め, それが属するこユーロンセルへ転送 する.

・ ステッフ3 :ニューロンセルは転送された信号を蓄積(カウントアップ/ダウ ン)し, その合計がしきい値を超えると発火し, 1個のスパイク状信号を軸索 へ送出する.

・ ステッフ4:ニューロンから信号を受け取った軸索セルは, 信号を発したセル 以外の周辺のセルへスパイク状信号を分配する. このプロセスを繰り返すこと により, 軸索セルは近傍のセルへ信号を継続的に分配する.

・ ステップ5 :樹状突起セルは信号を受信するとそれらの信号を集めそれが属す るニューロンセルへ送る.

・ ステップ6 :樹状突起セルから信号を受信したニューロンセルは, ステップ3 と同様に受信信号の合計がしきい値を超えると発火し, 1個のスパイク状信可 を軸索セルを介して周辺のセルへ送出する. このプロセスを繰り返すことによ り, 入力セルからの信号がニューラルネット内のニューロンセルへ送られ, 処 理され, 最終的には出力セルへ到達する.

-64

-この信号フェーズにおいて,与えたタスクに対するニューラルネットの性能を詐 価する. 遺伝的アルゴリズムでは, 個体表現型( この例ではニューラルネット)が環 境(与えたタスク)にどれほど適応したかを問うため, この性能値を適応度と呼ぶ.

上記のプロセスによって最終的に出力される出力に基づいて, 全ての個体ニューラル ネットの適応度を評価する. 適応度はタスクに応じて設定することになるが, ニュー ラルネットの教師有り学習と同様に, 出力ベクトルと目標ベクトルとのハミング距離 により適応度を評価するのが一般的である. ニューラルネットのネットワークとして の密度や活用度を測るため活性化されたニューロン数により適応度を評価する場ム もある.

4.

3.

4成長・動作シミュレーション

送14-8にCAM-Brain CoDiモデルに基づく, 2次元ニューラルネットの成長のシ ミュレーション例を示す. 図において, 白い四角はニューロンセル, 即ち, 1個のセ ルオートマトン(CA)がニューロンセルとなったものである. 背景全面には同サイズ の CA が敷き詰められており, 赤および緑のラインは, 各々軸索セル, 樹状突起セル が連なってできた軸索および樹状突起を表している.

図4-8ニューラルネットの成長シミュレーションの例

-

65-図4-9----4-13 にCAM-BrainCoOiモデルのニューラルネットとしての動作シミュ レーションの結果を示す. 凶4-9は周波数-遅延変換器, 図4-10はフリップフロッ プを進化させた例であり, 正常に動作 することを示している. 図4-11と図4-12は悶 4-10のフリッフフロッフ において入力信号が欠落した場合の動特性を示している.図 4-13は6ビットのスパイク状信号の記憶器を進化させた例である.入力として与えた 任意の6ピットのスパイク状信号を繰り返し出力する目標動作が完全に獲得されてい る.

それらの図において, S =lsl m, s2m, …, s�!はニューラルネット への入力刺激,

R= 1

r 1 m, r2m, …, r�!は入力刺激 に対 する望ましい反応出力,

fmはm番目のニューラ

ルネット (モジューlレmと呼ぶ)の

S→Rへの変換機能を表す. nは適JI��度評価に用

いる入力刺激一反応出力ペア数, S,

R

におけるサフィックスmはモジュールm に対応

する. モジュールmの適応度GmISxR→[O,lJは次式により評価した.

Gm (S ,

R)二三ni=lq

(f皿(sím), ri m)/n

q(Om, �)=l-(三k,=!H(Om. i,

�.)

/ムt)/k

(4. 1) (4.2)

なお, 式(4.2)において, ムtはスパイク状信号の長さ, kは出力点数, Hは2つのス パイク状信号 (即ち, 実際の出力Omと目標出力�)のハミング距離である.

記の例のほか, バイナリーコンパレータ, タイマー, 正弦波生成, ケペラーロ ボットの動作制御など比較的単純な例題に対しCAM-BrainCoOíモデルを適用し, ニ ューラルネットの動作を確認した[9J[10J. しかし, 本来の目標である超大規模なニ ューラルネットの動作検証は未着手である. 今後, 後述するセルオートマトン塑人

!Jì活実験装置を用いて小猫型ロボットの行動生成を例題に, 大規模なニューラルネット の動作検証を行う予定である.

-

66-Slm,l

ふ(slm)

r1m,1

S2m,1

ル(s2m)

r2m,1

S3m,1

ル(s3m)

r3m,1

"

1111' 111

11111 111

-ー

1 1 1 1 1 1 1

ーー

II I 111 I 11 I I I 1 I 11 I 11 11 11

11111111111111111111111

-ー

l 川 ...

図4-9周波数-遅延変換器として進化させたCoDiモジュールの動作.

ザm,l:入力点1へのj番目の刺激入力, 1m:刺激入力に対する モジュール出力, ヴm.l:出力点1における目標出力である.

67

ドキュメント内 進化システム構成法に関する研究 (ページ 35-39)

関連したドキュメント