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第 4 章 ⽜由来 HSF1 による BLV-LTR の転写活性機能解析

4.2 材料および⽅法

4.2.1 株化細胞と細胞培養

CC81細胞(猫腎由来株化細胞)は 5%⽜胎⼦⾎清(FCS)および0.3% tryptose phosohate

broth (TPB)添加Eagle’s MEMで培養した。

4.2.2 遺伝⼦クローニングと発現ベクターの作成

臨床的に無症状である⽜の⽩⾎球よりRNeasy Mini Kit (QIAGEN) を⽤いてtotal RNA

を抽出した。その後PrimeScript 1st strand cDNA synthesis Kit (Takara)の指⽰に従い、

cDNAを合成した。ここで得たcDNAを鋳型として表4 -1 に⽰すプライマーを⽤いて

PrimeSTAR Mutagenesis Basal Kit (Takara)を使⽤してHSF1遺伝⼦を増幅し、さらに得

られたPCR産物をWizard SV Gel and PCR Clean-Up System(Promega)を⽤いてゲル精

製した。これを鋳型としてPCRにより開始コドンの直前には増幅配列であるKozak配列

込まれていたクローンのみを選別した。プラスミドはWizard Plus SV Minipreps DNA

Purification System (Promega)で回収し、得られたプラスミドはNotⅠ-BamHⅠで切断し、

pIRESneo3 ベクターへサブクローニングし、これをHSF1発現プラスミドベクター

(pHSF1)とした。HSF1がCC81細胞で発現されていることは抗Flag抗体を⽤いたウエス

タンブロットにより確認した。HSF1のDNA結合領域⽋損体であるpHSF1-DDBDについ

てはpHSF1ベクターを鋳型として、表4-1に⽰したHSF1-DDBDプライマーセットを⽤

いてPrimeSTAR Mutagenesis Basal Kit (Takara)を使⽤して作製した。

Tax発現ベクターはFLK-BLVからtotal RNAを抽出し、HSF1クローニングと同様の⼿

順によりクローニングを⾏い、これをTax発現ベクター(pTax)とした。使⽤したプライマ

ーは表4-1に⽰した。反応条件は98度10秒の熱変性、52度15秒のアニーリング、72度

10秒の伸⻑反応を35サイクル⾏った。

4.2.3 Luciferaseレポーターベクターの作製

FLK-BLV (Accession No.EF600696)のBLV-LTR 5’側の531bpを第3章 3.2.1と同様の

⼿法のPCRによって増幅し、さらに制限酵素BamH IとNot I認識配列を両末端に添加し

た。得られたPCR産物を制限酵素BamH I-Not Iで切断し、pGL3-Basic ベクター

(Promega)へサブクローニングすることでBLV-LTRをプロモーターとしてもつFireflyル

シフェレースを発現するレポーターベクターを作製した。さらに表4-2に⽰したプライマー

を⽤いて、LTR中のHSE配列(5ʼ-tTTCccGAAa-3ʼ)を⽋損したpDHSEレポーターベクタ

ー、TxRE2を⽋損したpDTxRE2レポーターベクター、HSEの10塩基のうち5’側の5塩

基だけを使⽤したpDHSE-half-5’(5ʼ-tTTCc-3ʼ)、3’側を残したpDHSE-half-3’

(5ʼ-cGAAa-3ʼ)、さらに塩基除去による転写活性の変化を考慮し、HSE塩基配列の塩基組成

を維持したままその順番を統計ソフトRを⽤いてランダムに変えたpHSE-junkを作製した。

加えて、HSE配列を重複して組込んだpHSE-2repeat(5’- tTTCccGAAa tTTCccGAAa-3’)、

pHSE-3repeat(5’- tTTCccGAAa tTTCccGAAa tTTCccGAAa-3’)を作製し、Luciferase

reporter assay に使⽤した。

4.2.4 Luciferase reporter assay

CC81細胞を2×104個/wellの細胞濃度で96⽳マルチプレートで培養し、培養12時間後

に作製したHSF1発現ベクターならびにTax発現ベクターと各LTRレポーターを

LB960 luminometer (Berthold Technologies, Bad Wildbad, Germany)によって測定した。

測定は、全ての条件で4回以上⾏っており、得られたFireflyの発光強度はRenillaで補正

し、LTR転写活性強度として評価した。

4.3 結果

4.3.1 HSF1導⼊濃度によるLTR転写活性の変化

CC81細胞にpHSF1を0ng、25ng、50ng、100ng/wellずつ導⼊し、濃度依存的なHSF1

導⼊によるLTR転写活性能を12時間後、24時間後それぞれで測定した。pHSF1導⼊後

12時間には100ng/wellで有意なLTR転写活性の上昇が認められ、24時間後には濃度依存

的なLTR転写活性が認められた(図4-1)。この結果を基準とし、各実験において12時間

以降24時間以内で得られた値をLTR転写活性の評価に使⽤した。

4.3.2 HSF1-DDBDにおけるLTR転写活性の変化

LTR転写活性の上昇がHSF1によるものであることを明らかにするため、HSF1のDBD

領域を⽋損させたpHSF1-DDBDによるLTR転写活性を測定したところ、HSF1発現時と

⽐較してその活性は有意に低下した(p<0.02)。また、Tax発現時におけるLTR転写活性は、

HSF1の有無に関わらず上昇したが、HSF1が共発現することで更にLTR転写活性が増強

4.3.3 DHSEレポーターベクターにおけるLTR転写活性の変化

HSF1によるLTR転写活性がHSEを介した反応であることを確認するため、LTRレポ

ーターベクターのうち、HSE配列を⽋損させたpDHSEを⽤いたレポーターアッセイを⾏

ったところ、HSF1発現時におけるLTR転写活性が有意に減少した(p<0.02)。pDTxRE2に

よる転写活性もHSF1単独発現時と⽐較すると減少する傾向が認められた。また、Tax発

現時におけるLTR転写活性はpDTxRE2において有意に減少しており(p<0.02)、また

pDHSEにおいても半減していることが確認された。(図4-3)

4.3.4 HSE変異体レポーターベクターによるLTR転写活性の変化

これらのHSF1-HSE反応、Tax-TxRE反応に関してHSE配列の役割をより詳細に解明

するため、HSE配列の2倍体(pHSE-2repeat)、3倍体(pHSE-3repeat)、半数体

(pHSE-half-5’/3’)、塩基置換体(pHSE-junk)を加えて再びLTR転写活性機能を評価した。

HSF1発現時には、HSE-3repeat 、HSE-2repeatのHSE配列数の順にLTR転写活性が

有意に上昇していた(p<0.02)。⼀⽅でpDHSE、pDHSE-half -5’/3’における転写活性機能の

上昇は確認されなかった(図4-4)。Tax発現時におけるLTR転写活性はHSF1発現時のよう

なHSE依存的な転写活性は確認されず、pHSE-2repeat、pHSE-3repeatにおいてはむし

ろ減少する傾向にあった。また、4.3.4の結果と同様に、pDTxRE2におけるLTR転写活性

は⼤きく減少していた(図4-4)。

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