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本章のまとめ

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第 5 章 主軸優先木構造合成 37

5.5 本章のまとめ

行うことにより,理論上,ノード台数が少ない場合は逐次合成,BSCと比較す ると43%の通信データ量の削減が可能であり,また,ノード台数が増加すると,

逐次合成と比較しておよそ80% ,BSCと比較して50% の通信データ量の削減 が可能である.Scube上に主軸優先合成を実装し,BSCと逐次合成の各処理時 間の比較を行った.BSCの場合,合成時間,通信時間はともに53% 短縮され,

描画速度も1.8倍の高速化が実現できた.逐次合成の場合,通信時間は75% 短 縮され,描画速度も2.5倍の高速化が実現できた.

6 おわりに

本研究では実時間数値シミュレーションとシミュレーション結果の可視化処 理の両方を実現する,超高速体感型シミュレーションシステムのプロトタイプ として,Scubeの開発を行った.Scubeの提案は,システム全体をコモディティ 部品のみで構成し,複数系統設けたネットワークの冗長性を利用した通信のス ケジューリングにより,シミュレーションと可視化処理の同時実行を目指すと ともに,シミュレーションに必要となる通信の高速化を図っている.

第3章では,中規模コモデティクラスタによる実時間インタラクティブシミュ レーションシステムの構築に向けて,2つの検討項目についての予備評価を行っ た.まず,数値シミュレーション,並列可視化処理では,基本的な通信パターン は隣接ノード間通信であるが,同一スイッチ内のノード間通信とスイッチを多 段結合してスイッチを跨いで行うノード間通信において生じる問題を明らかに した.ノード間通信に関しては,スイッチの多段結合によって接続されるノード 間同士が同時に一斉送信を行うと,ノード台数に比例してネットワークの競合 が生じる.このような競合を回避するためには,送信ノード数を削減する,ネッ トワークの要求仕様に応えうる送受信ノード選択が必要である.次に,並列可 視化処理を行うにあたり,ボトルネックとなる要素を明らかにした.スクリー ンサイズが1024×1024規模の64台の並列ボリュームレンダリングでは,総描 画時間に重畳処理時間が占める割合が60% 80% 以上であることが分かった.

並列ボリュームレンダリングの高速化を図るためには,通信データ量の削減可 能な合成アルゴリズムを提案し,通信時間および合成時間を削減することが必 要である.

第4章では,Scube上にコモデティ技術を用いた中規模PCクラスタ向けの 相互結合網Three Quadsの提案を行い,その主な特徴,定性的な評価について 述べた.任意の2ノード間通信が2ホップで通信可能であり,通信経路が多く 存在し,耐故障性,多様な網の埋め込み能力に優れていることを示した.また,

数値シミュレーションに対して科学技術計算に広く使用されている行列の転置 演算処理の全対全通信において,ネットワークの競合が生じることなく,高速 に実現が可能であることを示した.

第5章では,第3章で明らかにした並列ボリュームレンダリングにおける重畳 処理の高速化のために,通信データ量を削減し,通信時間を短縮する主軸優先

合成アルゴリズムを提案した.中間画像の通信量に着目し,最終画像を得るま でに要する描画時間における,データ通信に要する時間を短縮するために,サブ ボリューム間の重複関係を考慮した.従来の合成アルゴリズムと比較して,通信 時間および合成処理時間の短縮が可能となり,描画速度の向上も可能となった.

謝辞

本研究を進めるにあたり,御多忙の中,丁寧な御指導と御助言を頂き,絶え ず暖かく見守って下さった 富田 眞治 教授に深く感謝致します.

本研究を進めるにあたり,適切且つ心暖かな御助言,御指導を頂いた 森 眞 一郎 助教授に深く感謝致します.

本研究を進めるにあたり,鋭く且つ心暖かな御助言,御指導を頂いた 中島 康 彦 助教授に深く感謝致します.

本研究を進めるにあたり,異なる研究グループにも関わらず多くの御助言,御 指導を頂いた 嶋田 創 助手, 三輪 忍 助手に深く感謝致します.

本研究を進めるにあたり,同じRevolverグループとして有益なアイデアと御 助言を頂い た本学修士課程2回生 岡村 大 氏,小松原 誠 氏,篠本 雄基 氏,本 学学士課程4回生 野田 祐介 氏,吉田 智一 氏に深く感謝致します.

上記の皆様方をはじめ,常日頃の研究室生活にあたり,様々な面でお世話に なった本学富田研究室の皆様に深く感謝致します.

参考文献

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