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本戦略のPDCAサイクル等の推進管理体制

世界最高水準のIT利活用社会の実現に向けて、各府省庁の取組の歯車がかみ合い、力 強く目標に向かって進むように、政府 CIO が中心となって、俯瞰的かつ具体的に関与し、

横串を通す調整を行うことで、機敏にかつ適切にPDCAサイクルを推進し、スパイラルア ップを目指す。

(1)政府CIOの司令塔機能の発揮

本戦略を強力かつ着実に推進するため、政府 CIO が、司令塔として以下の4点を 行っていく。

① 地域の活性化、行政の効率化、地理空間情報(G 空間情報)、農業等第一次産業、

観光、医療・健康、資源・エネルギー、防災・減災、道路交通、教育などの重 点課題について、関係府省の緊密な連携を図り、各施策を円滑かつ効率的に実 施するための府省横断的な推進計画の作成

② 本戦略を推進するに当たって、IT 投資の重点化・効率化の徹底による全体最適 を実現する(各府省庁間での連携確保や特定分野への重点投資等を行う)ため の政府としての方針(経費の見積りの方針)の策定

③ 本戦略に係る具体的な施策を、府省統一的に推進するための技術的又は専門的 事項等を定める指針(ガイドライン)の作成

④ PDCA サイクルの各段階に応じた、施策の推進(投資効果、進捗状況等)に係る 評価の実施

(2)IT総合戦略本部における推進管理体制

本戦略のPDCAサイクルの推進管理体制として、IT総合戦略本部の下に、政府CIO を中心とした専門調査会を設置する。

また、専門調査会の下に、分科会を設置し、地域の活性化、行政の効率化、地理 空間情報(G 空間情報)、農業等第一次産業、観光、医療・健康、資源・エネルギ ー、防災・減災、道路交通、教育等の重点課題に係る戦略の推進に必要な具体的方 策や評価指標の検討、ロードマップの作成・見直し及び取組状況の評価等を実施す る。

さらに、以上の取組を円滑に進めるため、行政のIT化と業務改革の同時・一体的 推進を強力・機動的に行うための閣僚級の体制を整備するとともに、政府 CIO を中

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心とした IT 戦略に関する PDCA サイクルを推進すべく、体制の更なる強化を検討す る。

目標・進捗管理における評価指標

本戦略に基づく、具体的な取組について、進捗状況や成果を確認するためには、「目 標」とその目標を具体的に実現するための「施策」が計画通り遂行されているかどうか 定量的に測定する「指標」として、いわゆるKPIを設定することが重要である。

したがって、可能な限り、定量的な KPI を設定し、管理するとともに、世界最高水準 のIT利活用社会の実現を目指し、IT総合戦略本部の下に設置する専門調査会において、

戦略を推進していく中で、新たな評価指標の設定・見直し等についても検討を行う。

一方、世界最高水準のIT利活用社会を実現するためには、本戦略が目指す社会・姿を 適切に反映した、公平かつ客観的な、分かりやすい、世界から共感が得られる世界的

(グローバル)に汎用可能な指標(インデックス)を設定し、目標達成に向けた進捗度 合いを測定、管理することも重要である。

特に、既に公表されているインデックスの活用に当たっては、そのインデックスを構 成する要素、評価項目等を理解し、技術の進展や市場動向等も考慮した上で、設定・活 用する必要がある。

成功モデルの分析・展開

本戦略の着実な推進を図り、本戦略の目指す、革新的な新産業・新サービスの創出や 安全・安心で便利な生活が可能となる社会を実現するため、関係各府省庁が連携し、地 域の活性化、行政の効率化、地理空間情報(G 空間情報)、農業等第一次産業、観光、

医療・健康、資源・エネルギー、防災・減災、道路交通、教育などの重点課題について、

ITを活用して総合的に解決するプロジェクトを分野複合的に行う。

なお、成功モデルの展開に当たっては、地域によって様々な事例があり、個々に分析 が必要となる。したがって、一つの成功モデルは、その地域の実態や条件を踏まえた上 で、成功モデルとして成り立つことから、何も手を加えずにその成功モデルをそのまま 他地域に展開できないことに留意する必要がある。

国際貢献及び国際競争力の強化に向けた国際展開

我が国が持続的成長・発展に向けた歴史的な分岐点に立っているという危機感を共有 した上で、国際競争力の抜本的強化策を早急に実行することが必要である。

また、地域の活性化、行政の効率化、地理空間情報(G 空間情報)、農業等第一次産 業、観光、医療・健康、資源・エネルギー、防災・減災、道路交通、教育などの重点課

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題でのITの利活用は、インフラ輸出の新たなフロンティアであり、国内戦略と国際戦略 を連携させ、官民出資による新たな機構の設立や官民ミッション団の派遣をはじめとす る機動的で実効的な官民連携体制を整備し、これらの分野の成功モデルを相手国のニー ズを踏まえ、我が国の知見を総合的に活用してパッケージで海外展開することにより、

国際貢献と我が国の国際競争力強化に貢献する。

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○用語集

用語 用語解説

アグリゲータ 情報などを収集する事業者を言う。本戦略では、家庭やビル、工場等に対し て、エネルギー管理システムを導入するとともに、電力需要を束ねて効果的に エネルギー管理支援サービス(電力消費量を把握し節電を支援するサービス)等 を行う事業者 。実際には、多数のユーザーがいて、多種多様な電気機器を使用 しているので、それらの一部の使用を一時控えてもらうことができれば、需要 の増分抑制や、需要の減少が可能となる。

安全運転支援システム ド ラ イバ ー が安 全に 運転 で きる よ うに 支 援する シ ステ ム 。ド ライ バー が 視認困難な位置にある自動車、二輪車、歩行者を、各種感知機が検出し、その 情報を、車載装置や交通情報板などを通してドライバーに対して提供し、注意 を促す。

医療情報データベース 本戦略では「医療情報データベース基盤整備事業」(厚生労働省)に基づき整 備されているものを指す。医薬品の使用とその効果や影響に関する研究を実施 するため、大学病院等の医療機関等において整備が進められている 仕組み 。 副作用等の発生に関しての医薬品使用者母数、投薬情報、疾病(副作用等)

発生情報、安全対策措置の効果等に関する データを蓄積して簡単に利用可能に する。

医療情報連携 ネットワーク

IT を活用することにより、常時・非常時を問わず医療機関間で診療情報を相互 に参照・共有することを可能とし、継続した質の高い地域医療連携の推進を 図るためのシステム。地域医療を担う医療機関の機能分化や連携といった課題 に対応する仕組み。

遠隔医療 通信技術を活用した健康増進、医療、介護に資する行為のこと。専門医師が 他の医師の診療を支援する Doctor to Doctor (DtoD) (例:遠隔放射線画像 診断)と、医師が遠隔地の患者を診療する Doctor to Patient (DtoP)(例:

在宅や介護施設などで療養する患者にテレビ電話などを介して行う診療)に 大別される。

遠隔教育 インターネット等を用いた授業のことを指し、大学をはじめとする教育機関に おいて対面講義に相当する教育効果を有すると認められるもの。

オープンソース ソフトウェア

インターネット等を通じて、プログラミング言語で書かれたソースコードを 無償で公開し、誰でもソフトウェアの改良や再配布を行えるようにしたソフト ウェアのこと。

オープンデータ 一般的には、データは誰もが制限なしにアクセス、再利用、そして再配布 できるように、利用可能にすべきであるという概念のことであるが、本戦略に おいては、公的機関が保有するデータを、民間が編集・加工等をしやすい形 で、インターネットで公開する取組のことをいう。

業務改革(BPR) 組織改革のために既存の組織やビジネスルールを抜本的に見直し、プロセスの 視点で職務、業務フロー、管理機構、情報システムを再設計すること。BPR は、Business Process Reengineering(ビジネスプロセスリエンジニアリン グ)の略。

クラウド デ ー タ サ ー ビ ス や イ ン タ ー ネ ッ ト 技 術 な ど が 、 ネ ッ ト ワ ー ク 上 に あ る サーバー群(クラウド(雲))にあり、「どこからでも、必要な時に、必要な 機能だけ」を利用することができるコンピュータネットワークの利用形態。

クラウドサービス クラウド(雲)の方式で提供等されるサービス。

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用語 用語解説

クラウド ファンディング

新規・成長産業と投資家をインターネットサイト上で結びつけ、多数の投資家

(Crowd)から少額ずつ資金を集める仕組み。日本では、「寄付」など金銭的 リターンを伴わない形態での取扱いが中心であるが、株式形態での資本調達を 可能とする枠組みの在り方が議論されている。

公的個人認証サービス オンラインで(=インターネットを通じて)申請や届出といった手続を行う際 や、サイトへのログインを行う際などに、他人による「なりすまし」やデータ の改ざんを防ぐために用いられる本人確認のための公的サービス。

サ イ バー フ ィジ カル シ ステム

実世界のデータが多量にデジタルデータとして収集、蓄積され、人工知能等に より解析された結果が実世界へフィードバックされることにより、社会規模で 影響を与えるような、実世界とサイバー空間との相互連関の社会システムのこ と。例えば、次世代の製造プロセス(開発・生産工程やサプライチェーンの情 報を統合し、リアルタイムで市場ニーズに対応する変種変量生産等を実現する もの)や、自動走行システムを実現することで、全く新しい価値を創造する。

サテライトオフィス 企業等が、本拠から離れたところに設置する遠隔勤務のためのオフィスのこ と。複数の企業や自治体が提供する共同型のサテライトオフィスもある。東日 本大震災以降、企業のBCP(業務継続計画)の観点から注目を浴びている。

シ ェ アリ ン グエ コノ ミ

モノ、お金、サービス、情報等の交換・共有によって成り立つ、経済の形態や 仕組み。企業よりも個人の資産の、インターネットを活用した、個人による貸 し借りを指すことが多い。欧米を中心に生まれた、資産所有よりも使用に重点 を置いた概念。

準天頂衛星 日本で常に天頂付近に1機以上の測位衛星が位置し、複数の軌道面にそれぞれ 配置された測位衛星を組合せて位置を測定する衛星及びそのシステムのこと。

軌道は、軌道傾斜角(赤道面からの軌道面の傾き)を持ち、地球の自転と同じ 周期で地球を回っている。衛星が常に天頂方向に位置することにより、山やビ ル等による測位上の影響が小さくなり、測位可能時間が長くなるとともに、全 国をほぼ100%カバーする高精度の衛星測位サービスの提供が可能。

スマートテレビ テレビ放送を視聴できるだけでなく、放送番組とインターネット経由のコンテ ンツが連動して表示されたり、インターネットや他の家電と接続することで、

ウェブサイトや静止画などの閲覧や動画の再生とともに、様々なコンテンツや アプリケーションの利用ができたりする多機能なテレビ。

スマートメーター 双方向の通信機能を持つ電力計。家屋やビル、工場などの電力消費状況を リ ア ルタ イ ムで 把握 する メ ータ 。 デー タ を電力 会 社が 集 計し て、 電力 を

効 率 的 に 供 給 す る ス マ ー ト グ リ ッ ド ( 次 世 代 送 電 網 ) の 運 用 に 役立てるとともに、電力会社の検針業務を自動化、消費者による家庭内の

電力消費把握などにも活用が可能となる。

総合防災情報システム 被害状況を早期に把握し、迅速かつ的確な初動対応等の確立を図るシステム。

衛星画像や被災情報を重ね合わせ、関係機関との間で防災情報を地理空間情報 として共有する機能等を持つ。

地域包括ケア 住まい、医療、介護、予防、生活支援を、高齢者の日常生活の場で一体的に 提供する仕組みを地域において構築すること。高齢者が尊厳を保ちながら、

重度な要介護状態となっても、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の 最後まで続けることができる。

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