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未到エネルギー研究センター

ドキュメント内 研究活動報告書 平成26年度 (ページ 34-41)

(センター目標)

流体科学における研究の連携により有効な変換が困難なエネルギーの活用の研究を 行う。

(主要研究課題)

 知的ナノプロセスを用いた革新的グリーンナノデバイスの研究

 地球環境問題とエネルギー問題の解決を目指した地殻の高度利用

 新概念燃焼技術を基盤とした高エクセルギー効率燃焼技術の創成

 センシング技術、材料評価技術等を用いた保全の最適化

 環境調和型エネルギーシステムの創成

 ナノ流動現象の解析・制御による次世代電池システムの理論設計

(研究分野)

グリーンナノテクノロジー研究分野 Green Nanotechnology Laboratory

地殻環境エネルギー研究分野 Energy Resources Geomechanics Laboratory エネルギー動態研究分野 Energy Dynamics Laboratory

システムエネルギー保全研究分野 System Energy Maintenance Laboratory 混相流動エネルギー研究分野 Multiphase Flow Energy Laboratory

エネルギー科学技術研究分野(客員) Energy Science and Technology Laboratory 先端エネルギー工学研究分野 Advanced Energy Engineering Laboratory

(外国人客員)

次世代電池ナノ流動制御研究分野 Novel Battery Nanoscale Flow Concurrent

Laboratory

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3.4.1 グリーンナノテクノロジー研究分野

(研究目的)

グリーンナノテクノロジー研究分野では、革新的グリーンナノデバイスの研究を行っている。具 体的には、発電デバイス(量子ドット太陽電池・熱電変換素子など)、低消費電力デバイス(量子ド ット LED/レーザー・新材料トランジスタ・スピンデバイス・センサーデバイスなど)やこれらを組 み合わせたナノエネルギーデバイスシステムの開発を行っている。独自に開発してきた超低損傷原 子層レベルプロセス技術を駆使し、ナノ物質やナノ構造の持つ本来の特性を引き出すことで、この ようなデバイス開発が初めて可能となる。そのために、プラズマ・ビームプロセス、活性種と物質 との相互作用に関する研究、先端バイオナノプロセスに関する研究を進めるほか、実験と計算(シ ミュレーション)を融合した研究も進めている。

(研究課題)

(1) 高効率量子ドットエネルギー変換デバイス・光デバイスに関する研究 (2) 新材料エッチングおよび表面反応に関する研究

(3) 高品質低温金属酸化物薄膜の形成技術の開発と新デバイスへの展開に関する研究 (4) 超低損傷表面改質・ドーピング・エッチング技術の開発と新デバイスに関する研究 (5) 中性粒子ビームによる分子構造制御カーボン系薄膜成膜技術の開発と新デバイスへの展開

(構成員)

教授 寒川 誠二、准教授 久保田 智広、助教 岡田 健、技術職員 尾崎 卓哉

(研究の概要と成果)

(1) 高効率量子ドットエネルギー変換デバイス・光デバイスに関する研究

JST・CREST プロジェクトにおいて、バイオテンプレート極限加工により作製した 3 次元均一高密 度等間隔シリコン量子ナノ円盤構造を作製した。アルミナを中間材料として適用することで、光電 流が増大し、太陽電池の効率を大幅に向上できることを明らかにした。また、GaAs/AlGaAs 量子ナノ 構造では 30meV の狭線幅の発光が得られたほか、レーザー/LED 動作に必要なキャリアの増幅が起こ っていることを見出した。現在、各種材料の量子ドットを用いて熱物性、光物性、電子物性、スピ ン特性の独立制御が可能な量子デバイスを目指して検討を進めている。

(2) 新材料エッチングおよび表面反応に関する研究

次世代の不揮発性メモリである磁性体メモリの実現のために、遷移金属および磁性体の中性粒子 ビームエッチングに関する研究を行っている。エタノール・酸素・アルゴンを用いてタンタル・白 金・ルテニウムを低温エッチングすることに成功した。また、エッチングメカニズムの解明のため に第一原理理論計算を行い、酸化物へのエタノール吸着とアルゴン照射が重要であることを示した。

(3) 高品質低温金属酸化物薄膜の形成技術の開発と新デバイスへの展開に関する研究

タンタル等の酸化膜は、電圧印加により膜中に金属フィラメントが可逆的に成長・消滅するため、

抵抗変化メモリ(ReRAM)と呼ばれる不揮発性メモリとしての利用が期待されている。金属薄膜を中 性粒子ビームにより酸化することで、従来にない極薄で高品質なタンタル酸化膜を持つデバイスを 開発し、繰り返し動作などの優れた特性を実証した。

(4) 超低損傷表面改質・ドーピング・エッチング技術の開発と新デバイスに関する研究

従来の半導体材料と比較してキャリア移動度が極めて高いグラフェンを用いた電子デバイス・発 光デバイスの実現のため、中性粒子ビームを用いたダメージフリーなグラフェンエッジ構造制御を 試みている。中性粒子ビームにより窒素ドープグラフェン作製およびビームエネルギーによる構造 制御に成功し、電気化学的な特性が発現することを新たに見出した。

(5) 中性粒子ビームによる分子構造制御カーボン系薄膜成膜技術の開発と新デバイスへの展開 バイオセンサー応用のため、中性粒子ビームを用いて低温で導電性カーボン膜を成膜する研究を 行っている。作製した膜は、十分な電気伝導性・電気化学的活性を持つことが分かった。

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3.4.2 地殻環境エネルギー研究分野

(研究目的)

地球環境問題とエネルギー問題の解決を目指した、地殻の高度利用のための大規模流動現象の解明と予 測および制御に関する研究を行っている。特に、非在来型エネルギー資源として注目されるシェールオイ ル、メタンハイドレート、再生可能エネルギーの一種であり、かつ日本に豊富な地熱、地球温暖化対策の 切り札と目される CO2地中貯留等に関わる課題について従来にない新たなアプローチで取り組んでいる。

(研究課題)

(1) 非在来型エネルギー資源の生産増進法の研究

(2) 地熱発電のための EGS(Engineered Geothermal System)技術の開発 (3) 大深度陸上/海底地層を対象とした地殻応力測定法の開発

(4) 破壊を伴う流体-固体-化学の連成解析および大規模解析を目的とした個別要素法(DEM)の高度化

(構成員)

教授 伊藤 高敏、助教 清水 浩之、技術職員 黒木 完樹

(研究の概要と成果)

(1) 非在来型エネルギー資源の生産増進法の研究

メタンハイドレートを胚胎する未固結地層に水圧を負荷してできるフラクチャーの形態を室内実験と 個別要素法による数値シミュレーションによって調べた。この結果、詳しく知られている従来型の固結地 層と異なり、未固結地層では条件によってフラクチャー形態が様々に変化すること、そして、その変化が 材料の力学特性を表す一つの指標となる差応力-ひずみ曲線の形状と相関性を持つことを明らかにした。

(2) 地熱発電のための EGS(Engineered Geothermal System)技術の開発

蒸気生産を続ける内に貯留層圧力が低下して生産量が減衰することが多く、その対策が重要視されてい る。この課題に応えるべく、人為的に貯留層へ水を供給して減衰を防ぐ方法(涵養)の研究を行った。そ の結果、地殻応力の関数として決まる臨界温度以下にすると、流路となる地下き裂周囲の応力が局所的に 低下することから、大きな地殻応力を受けて圧縮されている岩体中でも容易に水を注入できることが明ら かとなった。本研究の内容を報告した米国地熱学会での講演に対して優秀講演賞を受賞した.

(3) 大深度陸上/海底地層を対象とした地殻応力測定法の開発

深度数 km における地殻応力の原位置測定を可能とする実用的な方法を世界に先駆けて提案し、それを 実規模試験で実証することを目指している。本年度は、坑井掘削で採取できる円柱状岩石サンプル(コア)

の形状から地殻応力を評価する方法の検討を進め、等方弾性を前提としていた従来の方法を、弾性異方性 を考慮できるように拡張し、さらに、その妥当性を室内実験によって検証した。また、先に提案した新し い地殻応力測定法である BABHY 方式の開発を進め、深度 3km まで対応できる実用化装置を完成させた。

(4) 破壊を伴う流体-固体-化学の連成解析および大規模解析を目的とした個別要素法(DEM)の高度化 高レベル放射性廃棄物地層処分といった大規模地下空間利用の際には、地下深部における流体-固体-化 学の連成現象およびそれによる破壊挙動の解明が重要となる。本年度は、大規模解析が可能である FEM と 亀裂の発生や伸展挙動を詳細に表現可能である DEM を連携させ、FEM による TRU 廃棄物処分施設周辺の大 規模解析結果を DEM 解析による亀裂情報で補完した上で、化学−物質輸送解析に反映するための技術的検 討を実施した。また、処分坑道周辺岩体の浸透性抑制を目的としたグラウチング技術開発の一環としてグ ラウトの三次元的な粒子-流体間相互作用を厳密に考慮可能な三次元 CFD-DEM コードを開発し、グラウト の濃度が徐々に薄くなり最後に目詰まりを起こす現象の再現に成功した。さらに、沈み込み帯の間隙水圧 と岩石物性に劇的な変化を引き起こすと考えられる岩石中の加水・脱水反応−脆性破壊−流体流動プロセス を DEM によりモデル化することを試みた。DEM により、固相の体積変化とともにき裂内部の流体流動を取 り入れることに成功し,固相の体積変化が減少する反応ではフラクタルツリーのようなフラクチャーがで き,増加するときはポリゴンのようなネットワークが出来ることがわかった。

ドキュメント内 研究活動報告書 平成26年度 (ページ 34-41)