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期待を越えるサービスの提供――シャオミ&ザッポス

ドキュメント内 修 士 論 文 (ページ 47-50)

第 4 章 口コミ効果への取り組み

4.1 期待を越えるサービスの提供――シャオミ&ザッポス

年、ザッポスの売上高は8.4億ドルになり、アメリカのネット・シューズ市場において四分の一の シェアを占め、「靴販売のアマゾン」と称された。同年、『タイム(雑誌)』には「あなたの生活 に欠かせない25のネットの一つ」と評価された。2008年、リーマン・ショックがもたらした景気 不況や消費市場の低迷などに直面しても、ザッポスは依然として独自の経営理念で業績の持続的な 成長を維持していた。今まで、ザッポスの販売範囲は最初のシューズから、カバン、手袋、マフラ ー、サングラスを含めるアクセサリー、および家電、玩具、チキン用具など様々な領域へと広がっ ている。

2)ザッポスの経営特徴

ザッポスは広告でかかる費用が多くないが、ネット消費者の好評を博している。その真骨頂は、

伝えたい情報を巧妙に話題性のあるエピソードもしくは気持ちに転換させ、消費者やメディアで自 発的に伝播する口コミを形成させることにより、良いブランド・コミュニケーション効果を達成す ることである。ザッポスはお客さんに、靴がフィットしないと感じたら、取り替えと返品の配送料 がすべて無料だという承諾を与えている。そして、お客さんが取り替え・返品をしやすいように、

ザッポスはわざわざ自動的な返品用プログラムを作った。この理念はその後、「フィットすると履 く、フィットしないと取り替える」というように要約された。それは、ザッポスは顧客体験価値を 高めることができる方法をすべて把握していると言えるであろう。

ザッポスは、コールセンターのスタッフがすべての顧客を満足させるように努力しなければなら ないと強調した。「我々は顧客がうちに電話をする際に、本物の信頼される人と話していることを 感じさせるように希望しております。」また、お客さんが欲しいものはザッポスのウェブで在庫が ないとしたら、スタッフは競争相手のウェブをお客さんに推薦することにする。このように顧客の ニーズを最優先にするやり方により、ガイドされる顧客が次回で買い物をしたい時にすぐ思いつく ものはザッポスである。データから見ると、ザッポスの顧客の中に75%はレギュラーであり、また 家族もしくは友達から紹介された人も多い。ザッポスが強く心に感じるサービスを顧客に提供して いることが、強力な口コミ効果をもたらしている。

3)雷軍の考え

2009年、アマゾンが8.47億ドルを使ってザッポスを買収したという情報を聞いた時に、雷軍はな ぜこのウェブがそんなにお金がかかるのかに、非常に驚いた。調べてから、信じられないほど簡単 な結果が出てきた。その原因として、ザッポスは顧客の期待値を調整することにより、想像以上の 喜びを感じさせることに強い。例えば、注文済みならお届け日時が四日間目だと許諾したが、実は 翌日に靴を取ることができる。しかも、顧客の購買決定を促すために、ザッポスは「1足の靴を買 うごとに3足を試し履きでき、フィットしないものを返却するがいい」というサービスをユーザー に提供している。多くの人が決済後に返品しにくくなるという顧客の心配に対し、ザッポスは最初 では延納支援サービスを提供する。ザッポスのユーザーは一年間の返品期限だけでなく、90日間以 内に払わなくていいという特権を持っている。

4)シャオミの模倣

シャオミ科技を立ち上げようとする時の雷軍は中国のIT業界において有名であった。いったん彼 が起業したいということが公知されたら、期待値はもちろん低くない。製品をまだ未熟な状況では 大幅に宣伝活動を展開することが、ユーザーに高く期待される可能性があるので、口コミ効果が良 くない。それに対し、ユーザーの期待を越えるような製品を目立たなく出すことは、逆にいい評価 を得ることができ、製品イメージを高めることに役立っている。

すると、シャオミのチームを作る際に、雷軍はずっとそれを内緒としていた。広告ではなく、チ ームメンバーを連れてフォーラムで文章を発表することにした。その時、この商品がIT業界の有名 人に作られたことは誰でも知っていなかった。そのため、このソフトが本当にいいなと思う人はど んどん多くなり、口コミ効果により、世界的規模の大きな「シャオミ・ファン」チームが形成され るようになってきた。もし最初の段階で広く商品を宣伝するなら、必ずしも今日の成績を達成でき るわけではない。

このようなやり方は、マーケティング・コストを省いただけでなく、ユーザーに対する商品の真 の存在価値をチーム・メンバーに発見させた。「インターネットの世界で、最初に一番重要なのは 大規模の広告宣伝ではなく、検索エンジンの最適化やウイルス的なマーケティングを行うことによ り、なるべくユーザーの期待値を最小限にしながら、製品の質を最大限にすることである」と雷軍 は言った。

ドキュメント内 修 士 論 文 (ページ 47-50)