J97タ
ガ1(亡)−α (8.23)
仇(f) ̄ ㌶2(£)
の関係を得る。さらにまた,境界∂G上では,(8.4)が等号で成立していること から,
γ2=(おl−α)2+ガ22
となり,その結果,
叫(り=一也=−Sinβ γ
および
(8.24)
(8.訪)
ガ1(f)・−α
%2(り= =COSβ (8.26)
と書き表わすことができる。図73は,この関係を示したものである。
X2
図73境界上にある状憩点ズ=(勘,ガ2)の関係
したがって,この場合,制御ベクトル祝(£)が状態点ズ(り=(ガ1(り,∬2(り)に よって完全に規定されることから,
(8.㌘)
従¢=祝
となっている点に注意する必要がある¢9)。
つぎに,修正された随伴方程式が,
69)(7.45)〜(747),参照。
最適制御理論についてご −β7−
=一 再。ア叩,従) (8・28)
としてト与えられたことを想起しよう70)。ただし,上武右辺のぴ/∂gほ,(8・1・),
(8.2),および(8.7)により,
戸ノニ・ .
∂ガ0 ∂∬1
空左
_
∂打○ ∂∬1
∂.Jミ
_
∂霊0 ∂ガ1
畿畿畿
0 0 0
仝 0 0 0 (8.29)
0 0 0 となってこおり71〉,またFP(ズ,〝)ほ,(8・21)より,
堅 _n′Ⅴ▲_、</∂P(g,〝) ∂P(考従) ∂P(考祝)
げ(g,祝)仝(篭
∂訂1, ∂訂2=(0,′−2勒, −・2%2)
となっている柁〉。さらに.,ベクトル少は,その定義に・よって,
属=(P(g,従),≠(祝))
が成立している73)ときに.は,
y=(ソ。,γ1)仝ス慈(器) ̄1
と表わされる74〉。したがって,つぎの関係式 ソ。れ㌔(考ル)再1F%≠(祝)=ん
(8.32)
(8.33)
が導かれる。ただし,上武右辺のぴ/飢がは,(8・1),(8・2),および(8・7)に
より,
卜︼−L
0 1 0 0 0 11﹂
ニ
キ∴∴エ.二
L
処
∂%1
全色
∂甘1
旦占
∂%1
(8.34)
70)(7り72),参照。
71)(7。58),参照。
72)(7..73),参照。
73)(7.48),参照。
74)(7い68),参照。
香川大学経済学部 研究年報19
ーざド ーー J97タ
となっている瑚。そこで,この(8.33)を(8.21),(8.3)を用いて解き,さら に,(8.25)および(8.26)の関係を用いて変形すれば,
ス2眈1−ス1一弘2 (8.35)
ン0=
2γ
であることが判明する。
さて,跳躍条件(7.130)および(7.132)からの帰結として,ん(f)ほ,境界
∂Gに㌧入る点−すなわち,ズ*(舌¢)−でも境界∂Gから出る点−すなわち,
ズ*(舌 )−でもともに連続であることに注目しよう。したがって,すでに示し た(8.18)の関係は,たとえシステムの状態が境界∂G上にある場合に.ついて
も妥当する。そこで,【定理5】の条件(c)より,
ス1(り祝1(り+ス2(£)髄2(り=1 (8・36)
が導かれ,われわれは,残り2っの随伴方程式のうち,ただ1つだけを解けは よいことになる。そのために,図73で示されて−いる角度βを,ここでの独立 変数として用いることに・しよう。したがって,この角度錮羊,次式をみたすも のとなっている。
γdβ=dβ=dと (8.37)
そこで,(8.35)および(8.36)を随伴方程式(8.28)におけるス1の成分に代 入して変形すれば,
告+いanβ=−tanβsinヴ (8・38)
を得る。また,この(8.38)に対する−・般解をもとめれば,ゐを定数として,
ス1(β)=たcosβ−Sinβ+βeosβ (8.39)
となる。その結果,(8.36)のス1に,(8..39)を代入し,さらに,(8.缶)およ び(8.・26)の関係を考慮して整理すれば,
ス2(β)=ゐsinβ+COS♂+βsin♂ (8〃40)
となる。
つぎに,境界∂Gに入る状態点ズ(と¢)=(お1e,諾2つと境界∂Gから出る状態点 ズ(f【)=(ガ1乙,ガ2りでの態様を吟味するために,ふたたび,跳躍条件(7.130)お
よび(7・132)に注目しよう。図74および図75ほ,当該問題について,境界 75)(7,59),参照。
− ざp −−
最適制御理論について
Ⅹ(t。)=二(れg,‡■2 )
囲74境界に入る状態点ズ(亡。)=(∬1¢,ガ28)
ーーーーl−−−−− 一ナ\.
囲75.境界から出る状態点ズ(f【)=(ガ1l,㌶2り
∂Gに入る状態点ズ(fe)と境界∂Gから出る状態点ズ(£ェ)を,それぞれ示した ものである。
図74によって明らかなように,境界∂Gに入る状態のとき,
β=βe
であることから,(7・130)によって,つぎの関係が成立する。
(8り41)
香川大学経済学部 研究年報19 一仰 一
たeosβ¢−・Sinβ¢+β¢COSβ。=−COS9フ¢
および
んsin♂81十eOS♂8十♂。Sinβ¢=血甲8
ただし,
COS甲β=−%1(≠)=一月1(≠)
Sin9)¢=≠2(り=ス2(り (£0≦≠≦£8) (8.44)
を,それぞれ表わすものとする76)。
したがって,この(8.42)および(8.43)を解くこ.とに.より,
た=−β。
および
軋+鞘=昔
(8.45)
(8.46)
を得る。とくに,この(8・46)の条件は,境界∂Gに㌧入るまえの最適径路が,そ の境界∂Gと接していることを示唆するものである。
つぎに,境界∂Gから出る状態を吟味しよう。このとき,図75によって明 らかなように,
β=βェ (8.47)
となっており,これに対応する跳躍条件ほ,(7・132)に・よって与えられる。と くに,この(7・132)における〃(亡 )ほ,(7.133)の性質をみ.たしていることか ら,(8・35)に対して(8・25)と(8.26),さらに(8.39)と(8.40)の結果を代入 して,これを整理すれば,
〝(♂£)=少。(βェ)=
を導くことができる 。さらに・また,
∬1−α=γeOSβ および
∬2=γSinβ
の関係が成立することから,境界∂G上の点に対して,
Fg(β)=(0,−2γeOSβ,一2γSinβ)
(8.48)
76)図74,参照。
一夕ヱ−
最適制御理論に.ついて
を待る。したがって,(8■39),(8・45),および(8・51)の結果を(7・132)の跳
躍条件に代入して整理すれば,
eospI=Sinβl
の関係を得る。また,(8・40)に対しても同様の手順を施せば,
Sinpェ=−eOSβ
の関係を得る。
ただし,
eos甲1=一触1(£)=−ん(り Sin9)ェ=−≠2(舌)=−ス2(£)
(8.54)
(£ェ≦£≦ら)
を,それぞれ表わすものとする77)。
この2つの条件−すなわち,(8・52)および(8・53)−は,境界∂Gから 出たあとの最適径路が,その境界∂Gと接している78)ことを意味するものであ
る。いうまでもなく,この問題に対する最適解ほ,直哉的であり,しかもまた周 知のものである。すなわち,図76からも明らかなように,もしも初期状態の
Ⅹ(t。)=(ズ10,ズ20)
図76.初期状態と最適径路の関係 77)囲75,参照。
78)この条件は,(7‖133)の関係式を用いなくても,跳躍条件(7い132)によって直接 導くことができる。
香川大学経済学部 研究年報19
−92− ヱβ79
点ズ(壬0)=(ガ.0,ガ20)が,(8.4)によって規定される状態制約の円と原点からそ の当該円に引いた2本の接線で囲まれた領域の内部に.ある場合にほ,最短距離
の径路が,つぎの3っの部分によって構成される。その第1の部分は,初期状 態の点ズ(孟0)から状態制約の円に・接する点ズ(£e)までの直線であり,第2の部 分は,円周上−すなわち,ズ(£¢)からズ(£乙)まで−−の径路であり,弟3の 部分は,原点を通る円の接線上−−すなわち,ズ(£e)からズぴ1)=0まで−
の部分である。
また,初期状態の点ズ(≠0)=(ガ10,ガ20)が,叔上の領域外にあるときにほ,
最適径路が直線となることも,周知のものとなっている。かかる周知の最適径 路が,以上において逐次検討してきた【定理3】および【定理5】の適用結果と すべて整合的であることから,その定理のもつ意義も,また明らかにし得たと 主張し得るのである。
§2.都市空間拡大過程の動学分析
つぎに・,都市空間の拡大過程を規範的に/取り扱った藤田・モデル79)に注目し て,そのヰ・デルが,状態制約のあるタイプ3の問題として定式化されており,
したがって,また,その最適制御問題に対して【定理6】が適用されていること を明らかにしよう。
まず,都市施設の最適な配置計画をその研究対象とする藤田・モデルの概要 を示せば,つぎのようになる。いま,以下のように単純化された都市を想定す る。この都市は,全体としてれ個の地区によって構成されており,吼およか 勘はり 第ヱ番目の地区の都心からの距離およびその地区の面積をそれぞれ表わ すものとし,さらに,この動およびg ,(J=1,2,…・,彿)ほ,つぎの仮定をみ たすものとする。
dl<d2く…<d <1川・d乃 (8.55)
および
0<g <∞,(〜=1,2,…・,雅一1),β花=∞ (8。56)
また,その都市は,別個の相異なる施設から成り立っているものと仮定し,
79)藤田昌久, 都市空間の最適拡大過程〝,『地域学研究』,第四巻,1973,および藤田 昌久, 都市空間拡大過程の動学分析〝,『都市形態と交通体系(第2分冊)』,日交研 ンリ・−ズA−13−2、1974,参照。
最適制御理論について 一見ダ ーー
これを宜=1,2,l‥,偶に.よって表わすことにする。たとえば,宜=1ほ業務用施
設,せ=2ほ商業用施設,宜=3以降ほ各種の住宅施設などを,それぞれ表わす ものと考え.ることができるであろう。つぎに,この問題で対象とする計画期間 を[0,r】とし;この計画期間中の各時刻≠における各施設の都市全体笹とって
の必要量ほ仁玖(£)として外生的に与えられているものとする。
したがって,いま,a㍑(りによって∴,時刻f,地区ヱにおける施設宜の総量
を表わすものとすれば,つぎの条件がみたされる必要がある。∑打電と(り=β電(£) (8.57)
さらに.,この条件ほ,時刻£に関する微分記号 ・〝を用いて,つぎのよう に表わすこともできる。
∑虎£エ(f)=カ乞(り (8.58)
さて,各地区における各施設の最ガ電 (り,(宜=1,2,…,例;ヱ=1,2,…,彿)は,
その施設をあらたに建設することに.よって増加させることができることから,
この地区〜,時刻=こおける施設宜の建設畳を明朝(£)によって表わせば,つぎ の関係式を得る80)。
虎豆と(£)=祝朋(£),祝 乙(り≧0
(8・59)つぎに,各施設を1単位建設するのに・要する敷地面積は,仙定であるものと みなし,これを毎>0,(宜=1,2,…,刑)によって表わすことにしよう。その結 果,各地区別に,つぎの面積制約がみ・たされている必要が生ずることになる。
∑毎勒(£)≦古土 (8・60)
最後に.,都市施設の配置計酔こおける評価基準に言及しよう。かかる計画の 評価要因として,施設の建設に要する費用と,建設された施設から得られる便 益とが考えられる。このうち,前老−すなわち,各施設を1単位つくるのに要 する費用−は,時間的には変動しても,他区間における差はないものと仮定
し,これをあf(£)で表わすことにする。つぎに・,彼者−すなわち,各施設の 1単位から得られる単位時間あたりの便益−ほ,都心で最大でこれをβ£(£)
とおき,都心からの距離にしたがってγ電の勾配で比例的に減少するものと仮
80)簡単化のため,ここでは,旧施設の破壊による都市再開発は考えないことにする。香川大学経済学部 研究年報19 J979
−94・−
足する81)。さらに,各施設から得られる便益の相互比較が可能であるものと考 え.よう。そのとき,時刻£において都市全体の施設から得られる便益の合計 ほ,∑∑(βi(り・−γ電d£)霊£エ(f)となり,他方,その時刻における施設の建設費
t I
用は,∑∑あ (£)1% (£)となる。したがって,時刻舌において都市全体から待
i乙 られる純便益は,
∑∑【(β{(£)−γ名d£)ガ (り−わi(£)祝現(f)】
i エ
(8.61)
によって与えられる。
そこで,当該計画問題における評価関数として,この時刻£における都市全 体での純便益−すなわち,(8・61)一に適当な時間的り・エイト関数p(£)を 乗じ しかも,それを計画期間の全体に・わたって合計した結果を採用すること にしよう。すなわち,その内容は,つぎのように表わされる。
Jニp(り字字【㈲トγ慮dl)ガfl(り一翫(り甘扁(り撞 (8・62)
ただし,
p(のほ,いに関して連続であり,
か=0=⇒p(£)=1 および
p(≠)>0,0≦舌≦r をみたすものとする。
以上に.よって明らかなように,都市施設の最適な配置計画をその対象とする
藤田・モデルは,つぎのように定式化される。
藤田・モデル
計画期間全体における都市の純便益の合計
J:p(の写写【㈲)−γ£d上)ガfエ(£)一拍)祝 (り囲 (8・65)
を,以下の制約に従って最大にする各施設の建設速度祝電乙(f),(宜=1,2,…り,
肌;ヱ=1,2,…,彿;0≦£≦r)を求めよ。
(i)施設量変化式
81)都心からの距離が遠くなるのに応じてその便益が減少すると考えられる理由とし て,たとえば,通勤にともなう不効用などが指摘できるであろう。