time-likeな測地線上の点の全体である.
int S(p, v) =
0 y z
; y2−z2 <0
,→
0 y z y2−z2
1
; y2−z2 <0
⊂Ein3
である.ここで, {
y=rsinhθ z =rcoshθ と置換を行う.
すると,上の集合は
0 rcoshθ rsinhθ
−r2 1
; r ̸= 0
⊂Ein3
となる.この集合をEin3で閉包をとろう.
まずはr, θに関する極限を考える.すると,斉次座標で
0 rcoshθ rsinhθ
−r2 1
r−→→∞
0 0 0 1 0
,
0 rcoshθ rsinhθ
−r2 1
θ−→→∞
0 1 1 0 0
,
0 rcoshθ rsinhθ
−r2 1
θ→−∞−→
0 1
−1 0 0
となる.ここで,
p1 =
0
−1 1 0 0
, p2 =
0 1 1 0 0
とする.これはそれぞれideal pointである.
また境界には,i = 1,2に対してp0, piとp∞, piを通るphotonも現れ,この
photonは一意的に決定する.
まず,p0, p1 通るphotonはl+を埋め込んで閉包をとったもので,p0, p2 を 通るphotonはl−を埋め込んで閉包をとったものである.ただし,l+, l−は S(p, v)⊂E2,1の境界に現れるlightlikeな直線である.実際,
l+ =
0
−s s
; s∈R
,→
0
−s s 0 1
; s∈R
⊂Ein3
であり,これはs = 0のときp0に対応する.またs → ±∞を考えると,そ の極限はp1である.l−に関しても同様であるから,省略する.ここで
ϕ1 := ι(l+) = ι(l+)∪ {p1}, ϕ2 := ι(l−) = ι(l−)∪ {p2} としておく.
次に,p∞, p1を通るphotonはl+を埋め込んで閉包をとったもののinversion による像で,p∞, p2 を通るphotonはl−を埋め込んで閉包をとったものの inversionによる像である.実際,
ι(l+) =
0
−s s 1 0
; s∈R
⊂Ein3
であり,これはs= 0のときp∞に対応する.またs → ±∞を考えると,そ の極限はp1である.したがって,l−に関しても同様であるから,省略する.
ここで,
ψ1 := ISι(l+) =ISι(l+)∪ {p1}, ψ2 := ISι(l−) =ISι(l−)∪ {p2} としておく.
したがって,
ι(S(p, v)) =ι(S(p, v))∪ψ1∪ψ2 ⊂Ein3 である.
各iに対して,ψiとϕiはinversion IS で移りあう.
2. Wing W+(l+), W+(l−)
W+(l+)について,W+(l+)∪l+を埋め込む.この方が考えやすいためである.
W+(l+)∪l+=
x y
−y
; 0 ≤x
,→
x y
−y x2
1
; 0≤x
Ein3における閉包をとろう.これもまずはstemの場合と同様に極限を考え ればよい.ι(l+)の極限はp1である.次に,yを固定してxに関する極限を考 えると,極限はp∞である.したがって,境界にはp∞, p1を通るphoton ψ1
も現れる.以上から,
ι(W+(l+)) = ι(W+(l+))∪ϕ1 ∪ψ1 ⊂Ein3 である.
同様にして,
W+(l−)∪l−=
x y y
; x <0
−→
x y y x2
1
; x≤0
である.ι(l−)の極限はp2であり,yを固定したxに関する極限はp∞である から,境界にはp∞, p2を通るphotonψ2も現れる.以上から,
ι(W+(l−)) = ι(W+(l−))∪ϕ2 ∪ψ2 ⊂Ein3 である.
以上から,crooked surface Cは次のように定義されると分かる.
C =ι(C(p, v))∪ψ1∪ψ2 したがって,
C\C =ψ1∪ψ2
である.
つまり,Cは次のような部品に分解することができる.
1. 4つの点vertex p0,improper point p∞,ideal point p1, p2. 2. 8つの線分ϕi\ {p0, pi}, ψi\ {p∞, pi} (i= 1,2).
3. W+(l+), W+(l−)の内部.
4. S(p, v)の内部.
また,元のcrooked planeは
{p0} ∪(ϕ1\ {p1})∪(ϕ2\ {p2})∪int(W1)∪int(W2)∪int(S(p, v)) とも表すことができる.
crooked surface Cは図を描くと,次のようになっている.
1. p0を中心に見た図
ただし,p∞を中心に見ても同様の図が描ける.
2. p1を中心に見た図
ただし,p2を中心に見ても同様の図が描ける.
図から,Cにうまく座標系を張れることは明らかであるが,次のページからは 厳密な証明を行う.興味がなければ読み飛ばしてもよい.
まずCはR2に同相であるから,明らかに位相多様体である.丁寧に座標系を定 めるならば,次のようにやればよい.
Cは次の図のように模式的に表すことができる.
どのように座標系が貼られるかを確認しておこう.int(W+(l±))とint(S)の各面 には普通にR2を貼ればよい.次に,int(ϕi)においては,S, W+(l±)のそれぞれの 方向への半円が座標近傍となる.最後に,p0においては,4つの象限への1
4 サイズ
の円が座標近傍となる.よって,C上に座標系を上手く定めることができた.
次に,Cが位相多様体であることを示そう.同様に,Cにおける展開図は次の ように表すことができる.
これはC上で存在しなかった部分においてうまく座標近傍をとればよい.
まず,p∞とint(ψi) (i= 1,2)においては先ほど定めた座標近傍のinversionを考 えればよい.
次にはideal point p1, p2の周りの座標近傍を定める.まずはp1から考えよう.
p1の周りの様子を調べるために
{t=y−z w=y+z
と座標変換を行う.この座標変換のもとで,t, w軸の方向ベクトルはlightlikeな ベクトルとなる.これはy軸方向のベクトルはspacelikeであり,z軸方向のベク トルはtimelikeである.それらをπ/4回転させることでlightlikeにするというイ メージである.t ̸= 0として,
ξ:= x
t, η := y
t, ω:= w
t, υ := u
t, ν := v t と定めると,null coneはω =−ξ2+υνで定義される.
まず,(ξ, υ, ν)∈R3はp1, ϕ1, ψ1を被覆する.実際,(ξ, υ, ν) = (0,0,0)のとき,
x=w=v =u= 0であるから,y=−zである.よって,斉次座標でp1に対応す る.同様に,ϕ1, ψ1はそれぞれξ =υ = 0, ξ =ν= 0に対応している.
次に,この被覆はS(p, v), W1と交わる.実際,S(p, v)はξ = 0, ω≤0の場合で あり,W1はξ ≤0, ω= 0に対応している.計算方法は先ほどと同様である.
W1上で ξ2 =υν ≥0だから,この被覆の中でW1はυ >0かつν > 0であるか,
υ <0かつν < 0の二つの成分に分かれる.よってこの(υ, ν)はp1のW1方向の座 標近傍となっている.同様に,S(p, v)においても,ω=υν ≤0より,2つの成分 に分かれ,(υ, ν)がp1のS(p, v)方向の座標近傍となっている以上でp1の周りの座 標近傍が構成できた.
p2の周りを考えるときは,w̸= 0を考えればよい.以上からCの周りの座標近 傍が定義できたから,Cは位相多様体である.
(読み飛ばした人はここから)
次にCがKleinの壺に同相であることを示そう.Cは4つの点と8つの線分と4つ の面から成る閉曲面である.よってそのEuler数は,χ(C) = 4−8 + 4 = 0である
から,CはKleinの壺かトーラスに同相である.ではこのCが向き付け可能でな
いことを示そう.
W1上のlightlikeな直線ϕ1\p1を考える.その直線をW1上のlightlikeな直線で あって,ϕ1 \p1と交わらないような直線lへと平行移動する.その閉包を考える と,lとϕ1はp1で1度だけ交叉する.よって,ϕ1の自己交点数は1であり,これ
はϕ1の周りにM¨obiusの帯に同相な近傍が取れることを意味しているから,Cは
向き付け可能でない.したがって,CはKleinの壺に同相である.
では次にEind3を考えよう.C ∈ E2,1を片方のMinkowski patchに埋め込んで,
その閉包を考えよう.C ⊂Eind3は次のように分解される.
1. 7つの点p0, psp∞, pti∞, p±1. p±2. 2. 12つの線分 ϕ±i , α±i , βi± (i= 1,2). 3. 2つのwingの閉包.
4. 2つのstemの成分.
これらをantipodal mapを用いてもう1つのpatchへと移してやれば,元のC ⊂ Eind3と合わせてC ⊂ Ein3の二重被覆への持ち上げが完成する.最後に,Eind3に
おいてcrooked surfaceの持ち上げは次のページの図の緑線のようになっている.
したがって,CのEind3への持ち上げはトーラスに同相である.
Remark 2. CがKleinの壺に同相であることはEind3におけるcrooked planeの貼 り合わせを直接計算することによっても証明可能である.その際はantipodal map を用いてそれぞれのphotonがどのような向きで貼り合わされるかを調べればよい.