演
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費 霜1婆 鋤
一 〕堅フ
図4.14、4.IS28に 完 成 した漆 製 品 を示 す。布 が ガ ラ ス ボ ウル に纏 わ せ て あ り、花 を包 み 込 ん でい る柔 らか い 印象 を 目指 した 。 ポ リプ ロ ピ レン を ドライ ヤ ー で熱 成 形 し漆 で 固 め る とい う製 作 手 順 に よ って 比 較 的容 易 に布 の 自然 な 造 形 を そ の
ま ま活 か した造 形 が可 能 に な っ た。
抗 菌 効 果 で枯 れ に く く し、花 を鑑 賞 出 来 る期 間 を長 くす る こ とで 、 切 り花 の コ ス トパ フ ォー マ ン ス が 向 上す る。 これ は 、 現 在 切 り花 の 市場 に とって も品質 を 高 め、 購 買意 欲 を増 や す 契 機 に 出来 る。 そ こ で 、可 能 性 が あ る販 路 と して は花 を販 売 してい る場 所 で こ の抗 菌 グ ッズ を 一 緒 に 取 り扱 っ て も ら う事 で あ る。 ま た 、花 を プ レゼ ン トす る 時 に一 緒 に ギ フ トと して贈 るセ ッ ト商 晶 にす る とい っ た こ とが 考 え られ る。 これ に よ って 伝 統 工 芸 に お け る販 路 開 拓 が 困難 で あ る と い う要 件 に も解 決 策 を示 す 。
4.3草 履 に つ い て
4.3.1抗 菌 性 の 意 義
足 は汗 を か きや す い 場 所 で あ り、足 の臭 い の 原 因 は 、 黄 色 ブ ドウ球 菌 な どの 足 裏 に付 着 して い る雑 菌 が 温度 や 湿 度 等 の条 件 に よ って 増 殖 す る こ とに よ って 発 生 す る。 また 足 に関 す る製 品 の 中で 草 履 は 特 に、 夏 場 素 足 で頻 繁 に履 くも の で
あ るた め最 も抗 菌性 の 需 要 が あ る と考 え た。
4.3.2土 台 の 実 験
草履 の土 台 に抗 菌 作 用 をつ け るた め、漆 の個 体 で 土 台 を 作成 しよ うと試 み た。
先 ほ どの調 査 か ら履 きや す さ も消 費者 の ニ ー ズ か ら重 視 した い 観 点 で あ るた め 、 弾 力 性 の あ る素 材 が 求 め られ た 。 お か ら と漆 を混ぜ る分 量 を調 整 す る こ とで 硬
さを変 え て適応 させ よ う と試 み たが 、 お か らが 多す ぎ る と崩 れ や す く、漆 が 多 い と とて も硬 い 頑 丈 な 物 質 に な って しま うた め、 実 験 で は理想 の個 体 を作 る こ とは出 来 なか った。 そ こで 個 体 に漆 を混 ぜ 全 体 に抗 菌効 果 をつ け る ア イ デ ア は 断 念 し、 表 面 にな るべ く多 く漆 をま とわせ る こ とで抗 菌 効 果 をつ け る こ とに し た。 しか し、漆 を全 体 に 塗 って しま うと表 面 が 固 くな り履 き心 地 に影 響 が 出 る。
28著 者 撮 影
そ こで漆 を塗 る の で は な く、点 々 と表 面積 多 く存 在 させ る こ とを考 え た。また 、 履 き心 地 を よ りよ くす る為 、 素 地 に は コル ク を選 定 した。 漆 を コル クの表 面 に
点 在 させ る こ とで 、 コル クの 弾 力性 を損 な わず にで き るだ け 多 くの抗 菌効 果 を 見 込 む こ とが で き る。 そ して 漆 を表 面 に点 在 させ る方 法 と して 「印伝 」 と呼 ば れ る既 存 の漆 技 法 が最 も適 して い る と考 え 、 「印伝 」 の技 術 を コル ク に施 す こ と
を決 定 した。
4.3.3印 伝 技 術 の 応 用 実 験
印 伝 とは鹿 革 に漆 で模 様 を刷 る技 術 で あ る。鹿 革 は、軽 く丈 夫 な素 材 で あ り、人 肌 の よ うな き め細 か く非 常 に 良質 な 素材 で あ り、漆 を塗 る こ とで華 や か で 少 し立体 感 の あ る模 様 が つ く。現 在 の使 用 用 途 と
して は 、財 布 や 巾着 、ポー チ な どの小 物 に用 い られ てい る。 図4.16に 示 す 。
図4.16印 伝技法で作 られた巾着29 印 伝 の作 り方 の 手 順 に は独 自の高 度 な技 術 が存 在 す る。 ま ず鹿 革 を適 切 な方 法 で 加 工 しな け れ ば漆 を綺 麗 に刷 る こ とは 出 来 ない 。ま た 、漆 を刷 る型 紙 は 、「伊 勢 型 紙 」 と呼 ば れ 、 こ の型 紙 も伝 統 技 法 の 一 つ で あ る。 伊 勢 型紙 とは、 美 濃 和 紙 を柿 渋 でベ ニ ヤ 状 に数 枚 張 り合 わせ 、燥 煙 と乾 燥 させ て 作 られ る。 そ の丈 夫 な型 紙 に職 人 が 手 作 業 で彫 刻 装 飾 を施 し完 成 す る。 そ して 、 漆 を刷 る作 業 段 階 にお い て も、 通 常 の漆 の ま ま刷 るの で は粘 性 が 弱 く、 立体 感 の あ る模 様 は 出せ ない た め、 調 合 した絞 漆(豆 腐 な どの た ん ぱ く質 を少 量 混 ぜ 合 わせ る こ とで漆 の 粘 性 が 増す 技 法)を 用 い る。 これ らの 高度 な 技 術 を応 用 し、 制 作 手 順 を簡 素化 し つつ 完 成 度 は 保 て る よ うにす る こ とを意識 して 実 験 を行 った 。
(1)素 地 の加 工
本 来 は鹿 革 を加 工 した もの を 素 地 と して使 用 す る。鹿 革 は 非 常 に き め細 か く 、 柔 軟 性 に す ぐれ て い る 素 材 で あ る。 こ の 素 材 に で き る だ け コ ル ク を 近 づ け る た
め に、 ヤ ス リが け を行 った。 本 来 コル ク は樹 皮 を粉 砕 した もの を圧 縮 した もの
29印 傳 屋http:〃www .inden‑ya.co.jpllite/index,html
で あ り、表 面 に は 凹 凸 が あ る。 そ の 状 態 で は 漆 を綺 麗 にす る こ とは 出来 ない 。 そ の た め、 目の荒 い ヤ ス リか ら 目の 細 か い ヤ ス リを5種 類 使 用 し、表 面 の 凹 凸 を 極 力 無 くす 方 法 を取 っ た。
(2)伊勢 型 紙 の 簡 素 化
本 来 の印 伝 技 法 は伊 勢 型 紙 を使 用 す るが 、 本 研 究 で は シル ク ス ク リー ン印 刷 で 代 用す る こ とを試 み た。 彫 刻 装 飾 は イ ラ ス トレー ター で 柄 を製 作 し、 カ ッテ ィ ン グ シー トを カ ッテ ィ ン グ プ ロ ッタで 切 り抜 い て 、 シル ク ス ク リー ンの 板 に 貼 り付 けて 型 紙 を製 作 した 。 伝 統 技 法 を用 い ず に行 うこの 方 法 に意 義 を唱 え ら れ るか も しれ ない が 、 本研 究 で は カ ッテ ィ ン グ の作 業 をデ ジ タル で代 用 し簡 単
に作 れ る こ と も伝 え る こ とで 、 漆 の ハ ー ドル を下 げ 身 近 に な る と考 え た。
上か ら順に図4,17〜4.1930 (2)絞漆 の作 成
漆 にた ん ぱ く質 を加 え る こ とで 、粘 性 の あ る漆 が 出 来 る。 印 伝 の 立 体 感 を綺 麗 出す 為 には 、粘 性 の 調整 が 大 切 とな る。
漆 に 牛乳 の た ん ぱ く質 成 分 を混 ぜ て実 験 を行 っ た。 は じめは 立 体感 を 良 く出せ る 様 に た ん ぱ く質 を多 く入 れ 、 粘 性 が 強 め
の絞 漆 を作 成 した。 図4.17に 示 す 。 そ の絞 漆 を用 い て刷 った もの が 図4.18 で示 した もの で あ る。 シ ル ク ス ク リー ン で 印刷 す る時 に1ヨ詰 ま りを起 こ して しま い 、 立体 感 を 出 す 以 前 に擦 れ て しま っ た。
そ こで 、 この絞 漆 に 漆 を足 して 、 粘 性 を 調 整 し刷 っ て み た の だ が 、滲 ん で しま う
か擦 れ て しま うか の 失敗 に 終 わ った 。 10回 程 刷 り実 験 を行 った が 上 手 くい か な か っ た た め 、 牛乳 で は 出 来 な い と判 断 し、
次 に ツ ヤ が 出 や す い 絹 ご し豆 腐 で 行 っ た 。
また 、コル ク の ヤ ス リが け も足 りて ない 可 能 性 が
鱗
30著 者 撮 影
あ った た め、 念 入 りに行 い再 び絹 ご し豆 腐 の絞 漆 で刷 り実 験 を行 った。 図4.19 に 示 す。 こ の条 件 で綺 麗 に刷 る事 が で き た。(漆:豆 腐=約4:1)
4.3.4制 作 手 順
草 履 の=ヒ台 の制 作 手 順 を ま とめ る。 シル クス ク リー ン板 に カ ッテ ィ ン グプ ロ ッ タで あ らか じめ柄 を 出 力 した カ ッテ ィ ン グシ ー トを貼 り付 け 、型 紙 を作 る。 そ して 刷 る素 地 で あ る コル ク を念 入 りに、 目の荒 い ヤ ス リか ら 目の細 か い ヤ ス リ ま で 段 階 を踏 ん で ヤ ス リが け を して表 面 の 凹 凸 を無 くす 。 図 の4.22に 示 す 。 次
に、 色 つ き の絞 漆 を 作成 す る。 図 の4.23で 示 す 。 まず 色 漆 を 作 成 す る た め顔 料 と漆 を よ く混 ぜ 、 そ の 後絹 ご し豆腐 を加 え練 って 完 成 す る。 コル ク に シル ク ス ク リー ン の枠 を合 わせ 、刷 って い る作 業 中 に動 い て しま わ な い よ うテ ー プ な ど で 固定 す る。 コル ク と シル クス ク リー ン板 の 間 に隙 間 が 出来 な い よ うに上 か ら 押 して圧 力 を か けな が ら、絞 漆 で シル ク ス ク リー・一・・一一ン印刷 を行 う。 室 に入 れ 、約1
目乾 燥 させ て硬 化 した の ち 、 草 履 の 土 台 の 形 に カ ッ トして完 成 とな る。
左 か ら順 に 図4.20〜 図423制 作 風 景Sl
尚、 シル ク ス ク リー ン板 で刷 った後 、残 って い る漆 は(図4.23)油 を 染 み こ ませ た 布 や テ ィ ッシ ュ に よ って 落 とす こ とが で き る。 通 常 の塗 料 は 水 あ らい だが 、漆
は水 で は落 ちず 、 油 で 落 とす の だ 。 そ して 油 で 掃 除 す る こ とで シ ル ク ス ク リー ン板 は何 回 で も使 う こ とが 出 来 る。(実 験 で は 同 じ板 を20回 ほ ど使 った が壊 れ る
こ とは な か った)そ して 出 来 上 が った も の を図4.24‑4.27に 示 す 。
31著 者 撮 影
草履 の写真
ミ遇塾
ぞ
噸
嵐
図4.24〜4.2732
32著 者 撮 影
4.3.5柄 や 色 、 バ ラ ヱ テ ィ の 可 能 性
オ リジナ ル の 印伝 柄 の製 作 を行 っ た。 図428に 示 す 。 漆 の艶 反射 の綺 麗 さが 出や す い よ う曲線 を多用 し、縦 横 均 一 に放 射 状 に伸 び る形 を考 え た。 ま た 、 そ の他 の 箇 所 に点 を多 用 す る こ とで漆 の抗 菌効 果 が 隅 々 ま で行 き渡 る よ うに デ ザ イ ン を行 っ た。 漆 は透 漆 に顔 料 を加 え る事 で 、 多 彩 な色 を作 る事 が で き る。 催 事 な ど特 別 用 途 で使 われ て い た ものや 漆 器 とい え ば赤 と黒 とい う印象 が 強 く定 着 して い る と ころ を一 新 す る意 味 を 込 めて カ ラー バ リエ ー シ ョンを提 案 した 。
図4.29に 示 す 。
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オ リ ジ ナ ル の 印 伝 柄 図4,2833 色 漆 に よ る カ ラ ー バ リ エ ー シ ョ ン 図4,2gs4
コル ク に印 伝 技 術 を施 し、 コル クの 弾 力 性 と漆 の抗 菌 性 に よ って 履 きや す さ と清 潔 さ を持 っ た製 品 を 目指 し草 履 を制 作 した が、
この技 法 は イ ン ソー ル に も応 用 が利 く と考 え る。 図4.30に 示 す 。
ま た 、 コル ク も漆 同様 自然 の枯 渇 しな い 資 源 で あ り、 サ ステ ィナ ブル な素 材 の掛 け合 わせ で あ るた め 、今 後 温 暖 化 が 叫 ば れ る環 境 下 に お い て エ コな マ テ リアル と して 可能 性 が あ る と考 え る。 図4.30イ ン ソー一一ル35
33著者 作 34著者 撮 影 35著者 撮 影