• 検索結果がありません。

晩期有害事象

ドキュメント内 精巣腫瘍取扱い規約第4版 (ページ 127-130)

第 4 部 有害事象

C. 晩期有害事象

127 | 148

3) Clavien PA, Sanabria JR, Strasberg SM:Proposed classification of complications of surgery with examples of utility in cholecystectomy. Surgery 111:518-526, 1992.

4) Dindo D, Demartines N, Clavien PA:Classification of surgical complications:a new proposal with evaluation in a cohort of 6336 patients and results of a survey.

Ann Surg

240:205-213, 2004.

128 | 148

3)末梢神経障害としては知覚異常が代表的で,BEP 療法終了 2 年後でも 22%で症状が残る とされる。また,近年救済化学療法に広く使われるようになったパクリタキセルでは末梢神 経障害を 40%の症例で認めるとされる。

4)BEP 療法に際し使用されるブレオマイシンでは,レイノー症状が問題となる。ブレオマ イシンの投与量の増加とともに発症頻度が増加すると報告されており,投与後 10 年以上経 ってからでも症状が出現しうるとされる。

c.心血管系障害

1)現時点では発症原因は不明であるが,BEP 療法施行後に心血管系合併症の相対危険度が 上昇するとされる。実際,これまでにも心筋虚血症や心筋梗塞も報告されている。

2)心血管系合併症のリスクは,単に薬剤投与だけでなく,遺伝,ライフスタイル,高コレ ステロール血症,高血圧,肥満,喫煙などが関与するとされるため,これらの点に対する指 導も必要である。

d.呼吸器障害

1)ブレオマイシンによる急性呼吸器障害は広く知られているが,晩期の致死的な呼吸器障 害は 1~3%と少ない。ただし非致死的障害は 7~21%とされ,注意を要する。

2)一方,シスプラチンが慢性呼吸器障害(拘束性障害)の原因となることは必ずしも十分 認知されていない。多変量解析の結果,シスプラチンの累積投与量と年齢が拘束性障害のリ スクファクターとされる。

e.消化器障害

化学療法終了後も消化器症状の持続を認める例があり,食思不振が 7%,悪心・嘔吐を 8%,

下痢などを 10%の症例に認めるとされる。

f.二次発がん

二次発がんとしては白血病がよく知られている。特にエトポシドが二次性白血病の発症 に関わり,その相対危険度は 3.5~4.5 倍と報告されている。このリスクは治療後 10 年が ピークで,その後徐々に減少するとされる。

g.不妊症

BEP 療法などシスプラチンを含む化学療法は,一時的に無精子および精子数減少を引き起 こすとされるが,80%の症例は 5 年以内に正常に戻るとされている。ただ,完全に元に戻ら ない可能性もあり,化学療法前に本人の希望も考慮したうえで精子保存を説明する必要が ある。

2018.3

コピー厳禁

コピー厳禁

129 | 148

【文献】

1)日本泌尿器科学会(編):精巣腫瘍ガイドライン 2015 年版 第 2 版. 東京, 金原出版, 2015

2)Haugnes HS, Bosl GJ, Boer H et al: Long-term and late effects of germ cell testicular cancer treatment and implications for follow-up. J Clin Oncol 30: 3752-3763, 2012

2.放射線療法後の主な晩期有害事象

精巣腫瘍に対する放射線療法は,放射線感受性が高いセミノーマに対する術後照射が主 たる適応であるため照射線量が低い。このため,照射野内の重篤な臓器障害はほとんど見ら れず,二次発がんと不妊が主なものである。

a.二次発癌

術後に放射線単独療法を行った場合の相対リスクは 2 倍程度とされており,化学療法単 独治療よりやや高い値である。放射線化学療法を行った場合は,3 倍程度の相対リスク値が 報告されている。

b.不妊

併用される手術や化学療法の寄与も大きく,放射線療法単独の影響の評価は困難である が,放射線療法後に一過性の精子数減少が認められ,治療後 1~2 年で回復する。化学療法 を併用しない限り,経過観察群との挙児率に大きな差はみられないと報告されている。

c.心毒性

心血管イベント発生リスクが放射線療法群で 2.4 倍との報告もあるが,別の報告では横 隔膜下への照射のみではイベント発生リスク増加は観察されていない。

【文献】

1)日本泌尿器科学会(編):精巣腫瘍ガイドライン 2015 年版 第 2 版. 東京, 金原出版, 2015

2)Gordon W Jr, Siegmund K, Stanisic TH et al: A study of reproductive function in patients with seminoma treated with radiotherapy and orchidectomy: (SWOG-8711).

Southwest Oncology Group. Int J Radiat Oncol Biol Phys 38:83-94, 1997

3)Haugnes HS, Bosl GJ, Boer H et al: Long-term and late effects of germ cell testicular cancer treatment and implications for follow-up. J Clin Oncol 30: 3752-3763, 2012

3.RTOG/EORTC遅発性放射線反応評価基準

この評価基準は放射線治療開始後 90 日を越えて発症した有害事象に対して用いる。精巣 腫瘍の治療に関連すると思われる事項を日本語訳 JCOG 版第 2 版より抜粋した(資料 5)。

2018.3

コピー厳禁

コピー厳禁

130 | 148

ドキュメント内 精巣腫瘍取扱い規約第4版 (ページ 127-130)

関連したドキュメント