第 6 章 分析
6.11 時系列と周波数系列データの比較によるデータの信頼性分析
前述のようにSDNNはTPと、NN50やpNN50はHFと数学的、生理学的に高い相関度を示 して似たような様相を見せるようになる(31)。
8 人のオペレーターのデータは周波数系列と時系列のデータとして存在する。データの信頼 性の確保のために測定されたデータ間の比較をおこなってであった。互いに計算上の関連があ るか、計算方式は異なるが、似たような結果が出るべきデータの様相を分析した。
分析は比較的に交代勤務耐性が高いと考えられ、好対照群と考えられる8番オペレーターの データを活用した。図6.73に示すように最も明確に心拍変動を示すSDNNと自律神経の全体 的な活動量を示すTPの変動がほぼ同じ様相である。TPが高い状態、すなわち、疲労せず活力 的な状態では心拍変動度が高くて健康な状態と言え、疲労を示唆するTPが低い状態ではSDNN も低く、心拍変動度も低くなると考えられる。
また、休息後に身体の活力がすぐに改善するのではなく、一定な時間が過ぎた後に活性化す ることが把握できた。
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図 6.73 オペレーター8番 SDNNとTP
図6.74 に示すように周波数系列データのlnHFと時系列データのpNN50も非常に類似した 形態を表してデータ間の信頼性を確認することができた。
図 6.74 オペレーター8番 lnHFとpNN50
図6.75に示すように周波数系列の指標であるTPと時系列の指標であるpNN50の比較であ る。お互い違う計算方式を持った指標のデータであるが、変動の様相が非常に類似していると いうことを把握することができ、迷走神経の緊張度を示す pNN50 が高い時に全体の自律神経 量を示すTP の増加を表すので、測定における信頼性を確認することができ、休憩の後、自律 神経の活動が、まさに回復になることではなく勤務をしながら、活性化されることも確認する ことができた。
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図 6.75 オペレーター8番 TPとpNN50
図6.76に示すようにCVRRはSDNNのデータとして計算され、CCVTPはTPのデータを使 って計算するので、CVRRとCCVTPはほぼ同じ変動を示した。これは、図6.75の結果のよう にSDNNとTP が似たような様相を呈していることから、それを用いて計算した結果でも信頼 性を持っていることを示唆する。そして、迷走神経の活動度を示すCVRRと自律神経機能を示
すCCVTPが似た意味を持つことを表す。つまり、迷走神経の活動度が高ければ、全体の自律
神経機能も上昇することを意味するといえる。休息後に副交感神経の活動度が低くなったが、
朝8時頃忙しくなって増加した。
図 6.76 オペレーター8番 CVRRとCCVTP
図6.77に示すように迷走神経の緊張の大きさを表わすrMSSDとpNN50のデータも類似し
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ているということを確認することができる。pNN50は rMSSDとHF power とともに副交感神 経活動と密接な関連がある。SDNNより副交感神経の影響をより大きく受けるため、短期SDNN より信頼できる指数である(14)。
図 6.77 オペレーター8番 rMSSDとpNN50
図 6.78に示すように心拍の間隔の標準偏差であるSDNN と心拍間隔の差が50msec より大 きい場合の割合である pNN50 のお互いに類似した形態を表す。これは、心拍間隔の標準偏差 を発生させる心拍変動に50msecより大きい場合のRRIが寄与していることを示唆する。
このように計算方式が異なる時系列と周波数系列の指標である SDNN とTP、pNN50 とHF との相関関係があることを実際の導出されたデータの分析を通じて確認できた(31)。
図 6.78 オペレーター8番 SDNNとpNN50
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