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日本語学習者の格助詞訂正

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3. 誤り訂正ローマ字仮名変換 10

4.3 日本語学習者の格助詞訂正

格助詞誤りの訂正は大きく分けて2つのタスクにわけることができる.すなわ ち,誤り検出のタスクと誤り訂正のタスクである.誤り検出のタスクとは,学習 者の書いた作文中から誤りを含んでいる箇所を推測するタスクである.誤り訂正 のタスクとは,誤りのある箇所がわかっていることを前提とし,各誤りがそれぞ れ何に直されるべきなのかを推測するタスクである.実用時には両方のタスクを 段階的に,あるいは同時に解決する必要があり,それぞれのタスクが高精度で行 われることが望ましい.本タスクは誤り訂正のタスクに集中したものである.従っ て,テストデータにおいて誤り箇所にはタグが付けられており,明示的に示され ているものとする.本論文では助詞の一部を予測訂正の対象とした.対象とする

助詞は以下のような理由で選択したが,これらは鈴木らが使用したものを踏襲し た.鈴木らの研究目的は我々のものと異なっているが,使用する助詞の選択は我々 のタスクにおいても妥当であると判断した.益岡ら[10]によると助詞は文の組み 立てにおける働きの違いによって主に,「格助詞」「提題助詞」「取り立て助詞21

「接続助詞」「終助詞」等にわかれる.本論文における格助詞訂正の格助詞とはこ れらの助詞の一部の集合を表す.対象とする助詞を選択するにあたり,学習者の 誤り訂正にとって重要である助詞を調べるため,NAIST誤用コーパスに付与され ているタグから訂正先(添削者が付与した正解ラベル)の助詞の数を求めた.全 助詞タグ数3,380に対する割合とともに表9に上位20個を示す.

格助詞 補語が述語に対してどのような関係にあるかを表す助詞で,日本語文の 生成で大きな役割を担っている.「が,を,の22,に,から,と,で,へ,まで,よ り」の格助詞すべてを対象とした.

提題助詞 提題助詞は主題を提示する働きをする助詞で,「は,なら,って,った ら」などが含まれる.訂正先における「なら」「って」「ったら」の割合がそれぞれ 0.3%,0.06%,0.0%だったため,学習者にとってそれほど重要ではないと考え対 象からはずしたが,「は」だけは対象とする.なぜなら,「は」は訂正先の13.93%を 占めており「が」や「を」に匹敵するほど頻度が高く,適切に用いることが重要 だと判断したためである.

取り立て助詞 取り立て助詞は「さえ」や「すら」といった,同類の他の事項を 背景にしてある事項を取り上げる働きをする助詞であるが,その性質から話の流 れを理解することなく,文中から得られる情報のみで訂正することは困難だと考 え本タスクの対象から外した.

21取り立て助詞は係助詞とも呼ばれる.本論文では益岡らの分類に準拠するため,取り立て助 詞の名称を採用した.

22「の」は通常,接続助詞に分類されるが訂正先の10.89%を占めており,適切に用いることが 大切だと判断しタスクの対象に含めた.

表 9 NAIST誤用コーパスでの訂正先助詞の総数上位20個 訂正先の助詞 総数 割合

は 471 13.93%

に 419 12.40%

が 414 12.25%

を 375 11.09%

(空白) 371 10.98%

の 368 10.89%

で 236 6.98%

も 121 3.58%

では 80 2.37%

や 72 2.13%

と 67 1.98%

(記号) 48 1.42%

には 40 1.18%

から 38 1.12%

にとって 35 1.04%

について 19 0.56%

な 14 0.41%

にも 14 0.41%

によって 13 0.38%

だけ 12 0.36%

接続助詞 接続助詞には「と,や,も,に,か」などが含まれるが,英語での“and”

や“or”に相当し,話の流れを理解することなく文中の情報だけで訂正すること は困難だと判断し対象には含めなかった.

終助詞 終助詞は文末に現れる助詞で格助詞とは使われ方が大きく異なっており,

訂正先における割合が0.71%であるため,学習者にとってそれほど重要度ではな いと考え,対象には含めなかった.

10種類の格助詞と取り立て助詞の「は」に加え,格助詞と「は」の組み合わせ である,「には,からは,とは,では,へは,までは,よりは」も含めた,合計18 の助詞を訂正タスクの対象とした23

本論文で紹介する手法では,

kakujoshiList=

(が,を,の,に,から,と,で,へ,まで,より,は,には,からは,とは,では,へは,までは,よりは) (1)

を使用する.

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