チェルノブイリ事故後 30 年のナロージチ村における 1 年間の食品放射能 汚染と内部被ばくのコホート調査
5. 日本への示唆
1 英国の体制の分析か 得 た知見
本報告 、英国の制度の分析か 、以下のよう 知見を得た 英国の核災害時緊急事態対応体 制 、補完性原則に基 き前線対応と後方対応の役割を分離させることにより、内閣 最重要の意 思決定に専念 きる仕組を構築している また、核災害時に於ける独立規制機関の主要 役割 、 利益相反の防止とアカ ンタビリテ 確保と ている
2 日本 今後採る き方向性
また、日英の核災害時緊急事態対応体制を比較分析した結果、東電核災害 露見した課題を完全 に克服するた に日本 今後採る き方向性として、以下の二点 挙 る 第一に、東電核災 害に於いて前線対応体制 崩壊した反省を踏まえて、 ンサイトと フサイトの両面を管轄する前 線対応体制を構築する必要 ある 第二に、東電核災害 露見した政府の緊急事態対応能力の さ を抜本的に強化する為に、前線と後方を分ける形 緊急事態法制を整備する必要 ある 但し、緊 急事態法制 行政府に強大 一時的権限を付与するもの ある以上、この選択肢を採用する場合に
、人権保護法制の拡充と行政府のアカ ンタビリテ を確保する為の仕組も同時に整備すること 前提と る その際、特に法治国家としてのアカ ンタビリテ 確保の仕組に関して 、日本と 同 く議院内閣制を採用する英国の事例か 学び得ること 多い
米国核廃棄物問題の現状
玉山ともよ
のりたま農園 そぞ三じ図遷ぜ遷ぎそぞごそ@と遷しぞぞ.続ぞ.すた
1. じめ
米国における核廃棄物問題の最近の動向について概略的に報告する いわゆる 核廃棄物 、その 中 もとりわけ高 ベル放射性廃棄物の処分について、ここ 米国 ネル 省管轄下にある軍 事用と、原子力発電所等か 出る使用済燃料 中心と る民生用についてそ 分けて述 る
日本においても2017年7月に経済産業省 最終処分場選定のた の 科学的特性マップ を発表 し1、地下深くの安定した岩盤に高 ベル放射性廃棄物を埋設する地層処分の検討 端緒に就いた かり ある そもそも検討自体 、日本 商業用原子炉 運転を始 た1966年よりも前の62年か
始 、76年か 技術研究 本格化し、99年に日本 も地層処分 可能という報告 出さ た 後、2000年に 特定放射性廃棄物の最終処分に関する法 制定さ 、地層処分の実施主体とし て原子力発電環境整備機構 NUMO 設立さ た2 つまり50年以上も前か 検討 行わ
未 に決着の着いてい い 核の の後始 あり、2017年5月時点 日本 使用済燃料の 総量 す に約1万8千トン、安全に管理 きる最大容量2万4千トンに次第に近 きつつある3
現在、日本 全量再処理 前提と た最終処分のあり方、閉 た核燃料サイ ル政策に 基 き地層処分 検討さ ている 、米国 経済的あるい 核不拡散の観点か 、1970年代より 使用済燃料の再処理 行わ てい い4 した て使用済燃料を含 高 ベル放射性廃棄物 基本 的に直接 地層埋設 処分する方向 、連邦政府による管理の下、最終処分施設及び監視付回収可 能貯蔵施設(MRS: Monitored Retrievable Storage)の建設設置か 管理運営ま を行い、 びに放 射性廃棄物基金(NWF: Nuclear Waste Fund)を設立すること 1982年制定の 放射性廃棄物政策 法 (Nuclear Waste Policy Act)により定 た5
そして同法の87年の修正において、ネバ 州ユッカマ ンテン、ワシントン州 ンフ 、テ サス州 フス スの中か 、2002年にユッカマ ンテンを唯一の処分候補地に選定することを大 統領と議会 承認した 2006年 ッシュ政権時に国際原子力 ネル パ トナ シップ
GNEP 策定さ 、使用済燃料を再処理し高 ベル放射性廃棄物を極小化する路線も示さ た
1 経済産業省資源 ネル 庁 科学的特性マップ :
http://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/nuclear/rw/kagakutekitokuseimap/maps/ka gakutekitokuseimap.pdf
2 地層処分と ?Q.日本 いつか 検討しているの?:https://chisoushobun.jp/
3 放射性廃棄物の概要、高 ベル放射性廃棄物、コラム:
http://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/nuclear/rw/final_disposal/column01/#cl01_
004
4 米国における再処理に関する政策の変遤 原子力百科事典ATOMICA 、: http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/04/04070101/06.gif
http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/04/04070101/07.gif 出典:https://fas.org/sgp/crs/nuke/RS22542.pdf
ア リカの核燃料サイ ル 原子力百科事典ATOMICA :
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=14-04-01-05
5 外国における高 ベル放射性廃棄物の処分 」 -ア リカ編- 原子力百科事典ATOMICA : http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=05-01-03-09
、その後 バマ政権に り、 ル リボン委員会によるバッ ン 政策に関する報告書6 再 処理を拡大する案 採用さ か た 同委員会 ユッカマ ンテンを最終処分場とする計画を中 止し、新た サイト選定プロセスにおいて 、より住民の同意を得ることや、中間貯蔵施設(CIS:
Consolidated Interim Storage)の建設を提言した
本稿 2017年に下院議会の ネル 商業委員会において、放射性廃棄物政策法の新た 改正 案 提出さ 7、トランプ政権 再びユッカマ ンテンを最終処分場として再検討することに1億2 千万 ルの予算を付け、また民間による中間貯蔵施設の創設を推進すること 可決さ たことを中 心に、米国における 核の を る諸問題について概説する
2.米国のフロン エン 放射性廃棄物の後始末 ついて
ウラン鉱山開発
フロント ン 放射性廃棄物の中 もとりわけ米国における ラン鉱山開発に着目する 図1 米国 ラン 最初1900年頃か バナジ ムやラジ ム鉱石採掘の副産物として発見さ てい た 、実際に ラン鉱山開発ラッシュ 始ま たの 1940年~50年代 、マン ッタン計画を経て 第二次世界大戦終了後の1948年に を迎えた このとき 軍事用、核兵器開発 主 目的 あ
た
図 州ごとのウラン鉱山数とウラン鉱産出量 ン 8
6 ル リボン委員会 ア リカの核の未来 2012年報告書:
https://energy.gov/sites/prod/files/2013/04/f0/brc_finalreport_jan2012.pdf
7 米国下院議会法案 H.R.3053-放射性廃棄物政策改正法2017年:
https://www.congress.gov/bill/115th-congress/house-bill/3053
8 ネル 省 軍事関係 ラン鉱山報告書 2014 年下院議会提出:https://energy.gov/lm/articles/doe-submits-its-defense-related-uranium-mines-report-congress
州名 鉱山数 産出量
ラン鉱山開発 主に米国の西半分の州を中心に行わ 、特にユタ州、コロラ 州、アリ ナ州、
ニュ シコ州の4州 十 に交差する フ コ ナ 地域 を含 コロラ 高原 集中して 行わ た(図2) その産出総量
35 万 8千トン あると言わ ている9
米国環境保護庁 EPA 1983年、約1万5千カ所の 遺棄さ た ラン開発跡 (AUM: Abandoned Uranium
Mines)の内、約 千の ラン
鉱山を含 、そ 健康へ潜 在的に有害 環境影響を与え 減 必要 あるとの報告書を下 院議会へ提出した10 1978年 に ラン精錬所尾鉱被曝コン
トロ ル法 UMTRCA 11
成立したことを受け調査を始 もの あ た その頃に す にカナ や ストラリアと い た海外か の価格の安い ランの輸入に押さ 、米国内の
ラン生産 一気に終息してい き、多くのサイト 未除染のま ま遺さ てい た
その中に 先住民保留地 多 く含ま 、フ コ ナ 3 州に広大 面積を持つナ ホ ネ ション 、1944 年か 1986 年ま の鉱山会社への土
地リ ス契約の下 、約500カ所の未除染の ラン開発跡(AUM) 放置さ た 2007年に下院監査 政府改革委員会 U.S. House Committee on Oversight and Government Reform か の要請を受 け、ようやく2008年か 2012年の第一次5か年計画、2014年か 2018年の第二次5か年計画に より調査と汚染物の除去 開始さ た12
9 環境保護庁 EPA ラン所在地 タベ ス(2006年):
https://www.epa.gov/sites/production/files/2015-05/documents/402-r-05-009.pdf
10 Report to Congress on the Potential Health and Environmental Hazards of Uranium Mine Wastes (U.S. EPA 1983 a, b, c):
11 UMTRCAフ トシ ト: Uranium Mill Tailings Radiation Control Act:
https://www.energy.gov/sites/prod/files/2016/11/f34/UMTRCAFactSheet.pdf
12 EPAナ ホネ ション ラン除染サイト:https://www.epa.gov/navajo-nation-uranium-cleanup 図 米国環境保護局(E5A) ウラン所在地 ータベース
AUM の中 も除染優先度の高い場所 ス パ フ ン サイト1」 として、1重80 年に成立した 包括的環境対処・補償・責任法医CERCLA)14 の下、国家優先リスト(NPL: National Priority List)1監 に 録さ た その中に ナ ホネ ション東部に、1重7重 年に大規模 鉱滓池 ム決壊事故を起こ したユナイテッ ・ニュ リア―社医UNC: United Nuclear Co.)のチャ チロッ 精錬所跡も含ま ていた1盤 ナ ホネ ション内の主 ラン汚染地域 つあり、他の場所も未 に除染 充分
い17
ナ ホネ ション 「00監 年に先住民政府 ネ天然資源保護法 DNRPA 18 を発 し、
保留地内の採掘活動のモラトリアムを命 た その背景に 多数のナ ホ先住民 採掘労働に従事 し、ラ ン スによる肺疾患や重金属汚染による腎疾患等に罹り、AUM付近の住民の飲料水 汚染 さ 、多大 被害を人的にも物理的にも、そして文化的にも先住民 被 てきた歴史 ある19 ラ ン開発による膨大 環境汚染と深刻 健康被害 、マイノリテ ある先住民居住地域 ある 故 に余計に長年放置さ 続けてきた20 この 環境正義(EJ: Environmental Justice)21 と呼 る、す わち、貧困層やマイノリテ とい たある一定層の住民 ここ 先住民 、より深刻 環境 汚染と健康被害を受け ち 問題について 、特に ラン開発と放射性廃棄物処分場誘致において顕 著に現 る 後者において 後述する
被曝者補償法 RECA
被曝の補償に関して 、 被曝者補償法 RECA 22 1990年に り初 て制定さ た ネバ 大気圏核実験 行わ た1945-62年の間の一定期間、指定地域に2年以上住み、20ある認定疾患の い かに罹 た風下住民へ一 万 ル、また つの腎疾患を含 認定疾患のい かに罹 た核 施設労働者へ 万 千 ル、そして1942年か 71年の間に ラン鉱山、精錬所、あるい ラン 鉱運搬労働者として働き、5つの認定さ る肺・呼吸器系疾患に罹 た者へ 10 万 ル 、申請す 審査さ 給付さ るというもの ある こ に加え労働省 2000年に制定した ネル 従 業員労災補償法( EEOICPA) により、一定のカテ リ セ ション5 規定さ たRECA受給 者に対して、5万 ル 追加支給さ ることに た23
た し ラン関連労働従事者 補償法の対象と るの 、1971 年以前に働いた者のみ ある そ
13 Superfund: https://www.epa.gov/superfund
14 CERCLA概要: Comprehensive Environmental Response, Compensation, and Liability Act:
https://www.epa.gov/superfund/superfund-cercla-overview
15 NPL: https://www.epa.gov/superfund/superfund-national-priorities-list-npl
16 Pasternak, Judy. Yellow Dirt: A Poisoned Land and a People Betrayed. Free Press, 2010.
17 EPAナ ホネ ションAUM除染: https://www.epa.gov/navajo-nation-uranium-cleanup/cleaning-abandoned-uranium-mines
18 Diné Natural Resources Protection Act of 2005の原文:
http://www.navajocourts.org/Resolutions/CAP-18-05.pdf
19 Brugge D, Goble R. “The Hisory of Uranium Mining and The Navajo People,” American Journal of Public Health, 2002 Sep;92(9):1410-9. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3222290/
20 Moore-Nall, Anita “The Legacy of Uranium Development on or Near Indian Reservations and Health Implications Rekindling Public Awareness” Geosciences 2015,5(1),15-29.
http://www.mdpi.com/2076-3263/5/1/15/htm#B9-geosciences-05-00015
21 環境正義、EICネット環境用語集http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=516
22 司法省 Radiation Exposure Compensation Act: https://www.justice.gov/civil/common/reca
23 EEOICPA: Energy Employees Occupational Illness Compensation Program Act:
https://www.dol.gov/owcp/energy/