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日本における NGO の地位、支援の在り方等

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(1)現  状

   現在、国際協力活動に取り組む日本の NGO の数は、全国に 400 以上あ るとされる。こうしたNGOは、1960年代より徐々に誕生してきたが、1970 年代の終わりから1980年代初頭にかけてのインドシナ難民に対する支援を 契機にその活動が活発化し、活動団体の数も飛躍的に増加した。

   日本のNGOは、近年では、コソヴォ難民や台湾大地震被災民に対する支 援・救援活動が国際的な注目を集めるなど、着実な成長を遂げていると言わ れている。また、その活動形態も、援助物資の送付や難民等への緊急人道支 援活動から、医療、保健衛生、教育、村落開発等の開発途上国の社会経済開 発や、開発援助に関する研究・提言活動、NGO間のネットワーク構築に至 るまで、専門化と多様化が進んでいる。活動対象地域については、アジア地 域での活動が全体の6割強と最も多いが、近年では、アフリカ、中近東、東 欧、大洋州、中南米等の地域へも拡大しているlxxxv

   もっとも、日本における国際協力NGOに対する国民一人当たりの支援実 績は、欧米諸国に比べ著しく低いとの調査結果もあるなど、欧米諸国の主要 なNGOに比べると、組織、機能等さまざまな面で脆弱かつ小規模であるこ とが指摘されている。このため、組織運営能力や専門性を向上させるととも に、活動内容に関するアカウンタビリティー(説明責任)を一層高めること が期待されているlxxxvi

(2)NGOの地位、支援の在り方等

  イ 法人格の付与(特定非営利活動促進法の制定)

   a. 制定の経緯

     近年、多様な価値観に立脚して行われる市民による自発的かつ自律的 な社会参加活動に対する意識が高まり、ボランティア活動をはじめとす る市民活動を行う団体の活動が活発化している。こうした団体の多くは 法人格がなく、その活動に障害が生じていたことから、非営利団体に対 し簡易な手続で法人格を付与すること等によりその活動を活性化するた めの環境整備を図る必要性が認識されるようになったlxxxvii

     1995 年 1 月の阪神・淡路大震災で、きめ細かい対応を見せた市民の

lxxxv 外務省ホームページ(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/seisaku/)参照

lxxxvi 三島知斗世「NPO」『法律時報』703号(1998年)71頁から75頁参照

lxxxvii 橘幸信『知っておきたい NPO法[改訂版]』2002年)財務省印刷局 1頁から 3頁まで参照

ボランティア活動において、迅速性、円滑性、柔軟性等行政にない利点 が明らかとなった。これを契機として、1998年3月、特定非営利活動を 行う団体に法人格を付与すること等により、市民が行う自由な社会貢献 活動の発展を促進することを目的に、議員立法により「特定非営利活動 促進法」(以下「NPO法」という。)が制定されたlxxxviii

   b. 概  要

     NPO 法により、特定非営利活動を主たる目的とすること、営利を目 的としないこと等の要件(同法2条及び別表)を満たす団体は、所轄庁 に対し設立認証の申請書を提出し、その認証を得ることにより、「特定非 営利活動法人」(以下「NPO法人」という。)として法人格を取得するこ ととされている(同法10条)。

     <NPO 活動として認められる活動分野(NPO 法別表)>

① 保健、医療又は福祉の増進を図る活動

② 社会教育の推進を図る活動

③ まちづくりの推進を図る活動

④ 学術、文化、芸術又はスポーツの振興 を図る活動

⑤ 環境の保全を図る活動

⑥ 災害救助活動

⑦ 地域安全活動

⑧ 人権の擁護又は平和の推進を図る活動

⑨ 国際協力の活動

⑩ 男女共同参画社会の形成の促進を図る 活動

⑪ 子どもの健全育成を図る活動

⑫ 情報化社会の発展を図る活動

⑬ 科学技術の振興を図る活動

⑭ 経済活動の活性化を図る活動

⑮ 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を 支援する活動

⑯ 消費者の保護を図る活動

⑰ 前各号に掲げる活動を行う団体の運営 又は活動に関する連絡、助言又は援助 の活動

     税制面において、NPO法人は、「人格のなき社団」と同様の取扱い、

すなわち、株式会社等の「普通法人」と民法の「公益法人」との中間的 な取扱いがなされるものとされた。また、寄附金に係る課税については、

①NPO法人に対して行う寄附金に対する優遇的取扱い、②NPO法人が 行う寄附金の優遇的取扱いという二つの税制面での措置に関して、当初 の法律では、いずれの場合も、公益法人等のような優遇措置は設けられ ず、普通法人と同様の取扱いをするものとされたが、2001年10月、認

定NPO法人制度lxxxix が創設されるとともに、2003年度税制改正におい

lxxxviii 同法は、200212月、特定非営利活動の一層の発展を図るため、活動の種類の追

加、設立の認証の申請手続の簡素化等に係る改正がなされた。

lxxxix 認定NPO法人とは、NPO法人のうちその運営組織及び事業活動が適正であること

並びに公益の増進に資することにつき一定の要件を満たすものとして、国税庁長官の認定 を受けたものをいう(租特法661122項)

て、認定 NPO 法人の認定要件の緩和、みなし寄附金制度xc の導入等の 措置が講じられ、寄付金課税に係る改善が図られた。

  ロ NGOへの支援(人材活用、資金協力等)

    現代の国際社会において、開発途上国の人々の多様なニーズに応じた きめ細やかな援助を行うため、また、迅速かつ柔軟な緊急人道支援活動を 実施するため、国際協力分野におけるNGOの役割はますます重要になっ ており、これに伴い日本のNGOに対する支援制度も拡充・整備されてき ている。

    政府によるNGOへの支援は、ODA の政策立案やODA 事業の実施に 当たりNGOの人材、技術、ノウハウ等を活用する「連携」の側面と、NGO による国際協力活動への資金協力を中心とする「支援」の側面とがあり、

また、これらの側面を充実させるためにNGOとの対話の強化が重要であ ると認識されている。

    「連携」の側面においては、まず、1994年6月、外務省に「民間援助 支援室」が設置されるとともに、1996年4月、NGOとの連携の在り方に ついて意見交換をするため、「NGO・外務省定期協議会」が発足した。ま た、1999年度及び2000年度には、それぞれ、開発途上国の開発支援事業 の実施部分を委託する国際協力事業団(JICA)の「開発パートナー事業」

及び「小規模開発パートナー事業」が創設されたほか、NGO の組織強化 につながる支援策として、「NGO相談員制度」、「NGO研究会制度」及び

「NGO専門調査員制度」というNGO活動環境整備支援事業が導入された。

さらに、2000年10月、「NGO連絡センター」が設置されるとともに、同 年8月、「ジャパン・プラットフォーム」が設立され、NGO、経済界及び 政府が連携・協力し、緊急人道支援活動を推進する土台が形成された。

    他方、「支援」の側面においては、1990年度にNGO活動に対する資金 協力として「NGO 事業補助金」及び「草の根無償資金協力」が創設され て以来、その規模の拡充及び制度の多様化が図られているxci

xc みなし寄付金制度とは、収益事業を行う公益法人等が、当該収益事業から得た所得等の 資産を収益事業以外の事業(本来事業)のために支出したときには、「自分で自分に対し て寄附をした」とみなして、優遇的な寄附金税制を適用する制度をいう。2003年度税制 改正において、認定NPO法人が、収益事業に属する資産のうちから収益事業以外の事業 のために支出した金額についてその収益事業に係る寄附金の額とみなすとともに、寄附金 の損金算入限度額を所得の金額の20%とすることとされた。

xci 外務省『外交青書 2002年版』参照

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