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4.1 使用 材料

(1) 炭素 繊維 シ ート (ト レカ ク ロス )

表 4.1-1 ト レカ ク ロ ス 製品 一 覧表

シー ト種 別 繊維 方向 品番 目付 量

(g/ ㎡)

UT70-20G 200 UT70-30G 300 UT70-40G 400 UT70-45G 450 1 方向

UT70-60G 600 BT70-20 200 高強 度

2 方向

BT70-30 300 UM46-30G 300 UM46-34G 340

高弾 性 1 方向

UM46-40G 400 (2) プラ イマ ー 、不 陸修 正材 、 含浸 接 着樹 脂

トレ カク ロ ス施 工 用に 、CFRP とし て の品 質 管理 試験 が 済ん で いる 樹脂 類は 以 下の 通 り で あ る 。 こ こ に 示 し た 以 外 の 樹 脂 類 を 使 用 す る と き は 、 あ ら か じ め 品 質 試 験 が 必 要 で あ る。

表 4.1-2 ト レカ ク ロ ス施 工用 樹 脂類 一 覧表

樹脂 種別 東レ コニ シ ショ ーボ ン ド

建設 プラ イマ ー TSP400 ボン ド E810L ネオ プラ イ マー 不陸 修正 材 TSF600 ボン ド E395 ネオ パ テ F 含浸 接着 樹 脂 TSR800 ボン ド E2500 CE

注 ) 樹 脂 に は 、 施 工 温 度 に 応 じ て 「 冬 用 ・ 春 秋 用 ・ 夏 用 」 等 の 区 別 が あ り 、 施 工 時 期 を勘 案の う え決 定 する 。

(3) 標準 樹脂 量

トレ カク ロ スの 施 工用 の樹 脂類 の 標準 使 用量 は以 下の 通 りで あ る。

表 4.1-3 ト レカ ク ロ ス施 工用 樹 脂標 準 使用 量 樹脂 塗布 量 (kg/ ㎡)

樹脂 種別

クロ ス 目付 量

(g/㎡) 下塗 り 上塗 り 合計

プラ イマ ー - 1 回塗 り 0.20

不陸 修正 材 - 1 回塗 り 1.00

200 0.30~0.40 0.30~0.20 0.60 300 0.40~0.50 0.40~0.30 0.80 340 0.45~0.50 0.40~0.35 0.85 400 0.50~0.60 0.50~0.40 1.00 450 0.55~0.65 0.50~0.40 1.05 含浸

接着 樹脂

600 0.60 0.40+0.20 1.20 600g/㎡ 目 付ク ロ スの 場合 は、 上 塗り を 2 回 にし た方 が 良い 。

※ この 樹 脂量 は 標準 であ り、 仕 上が り の強 度を 保証 す るも の では ない 。

た だ し標 準 樹脂 量を 相当 下 回っ た 施工 の場 合、 強 度不 足 の可 能性 が高 ま る。

4.2 施工 手順 (1) 施工 の流 れ

表 4.2-1 施 工手 順

工 程 内 容 ポ イ ン ト

断 面 欠 損 部 修 復 樹 脂 モ ル タ ル 等 で 凹 を 修 復 段 差 1 ㎜ 以 下 を 目 標 断 面

復 旧※ 1 ひ び 割 れ 注 入 幅 0.2 ㎜ 以 上 の ひ び 割 れ は 樹 脂 注 入 等 で 処 理

見 落 と し は 、 シ ー ト 剥 離 の 原 因 と な る 塗 膜 ・ 化 粧 モ ル タ

ル 等 の 除 去 躯 体 コ ン ク リ ー ト 面 の 露 出 取 り 残 し は 施 工 不 良 の 原 因 段 差 1 ㎜ 以 下 を 目 標 コ ン ク リ ー ト 面

清 掃 ケ レ ン

コ ン ク リ ー ト 面 を 清 掃 し 、サ ン

ダ ー 等 で ケ レ ン す る 油 脂 分 除 去 下 地

処 理 工

面 取 り※ 1 柱 等 の 出 隅 を 円 形 に 仕 上 げ る R=30 ㎜ 以 上※ 2

プ ラ イ マ ー 混 合 所 定 割 合 で ム ラ な く 混 合 量 と 可 使 時 間 の 確 認 プ ラ イ マ ー

塗 布 工 プ ラ イ マ ー 塗 布 ム ラ な く 均 一 に 塗 布 コンクリート水 分 8 % 以 下 不 陸 修 正 材 混 合 所 定 割 合 で ム ラ な く 混 合 可 使 時 間 確 認 d 不 陸 修 正 工

不 陸 修 正 材 塗 布 平 滑 に 仕 上 げ る 段 差 1 ㎜ 以 下 を 目 標 不 陸 修 正 材 硬 化 確 認 後 指 触 硬 化 状 態 確 認 e 墨 出 し 工

シ ー ト 割 付 計 画 通 り に 墨 出 し 継 手 長 確 認 f ト レ カ ク ロ ス 切 り 出 し シ ー ト 割 付 計 画 通 り に 切 断 切 断 長 確 認

含 浸 接 着 樹 脂 混 合 所 定 割 合 で ム ラ な く 混 合 量 と 可 使 時 間 の 確 認 含 浸 接 着 樹

脂 下 塗 り 含 浸 接 着 樹 脂 塗 布 ム ラ な く 均 一 に 塗 布 可 使 時 間 確 認 下 塗 り 樹 脂 上 に 貼 り 付 け る 墨 出 し 線 通 り h ト レ カ ク ロ ス 貼 付 脱 泡 樹 脂 を ク ロ ス に 含 浸 さ せ 、

気 泡 を 押 し 出 す

ロ ー ラ ー は 繊 維 方 向 に し ご く

含 浸 接 着 樹 脂 混 合 所 定 割 合 で ム ラ な く 混 合 量 と 可 使 時 間 の 確 認 含 浸 接 着 樹

脂 上 塗 り 含 浸 接 着 樹 脂 塗 布 ム ラ な く 均 一 に 塗 布 可 使 時 間 確 認 j 養 生 シ ー ト 養 生 等

( 最 短 1 日 以 上 )

埃 付 着・水 濡 れ 防 止 の た め 、シ ー ト 養 生 等 を 行 う

気 温 5 ℃ 以 上 水 濡 れ 禁 止

※1 この 工程 に つい ては 、現 場 状況 に より 省略 可能 。

※2 R=30 ㎜ は、 東 レ 推奨 値、 設 計者 よ り指 示の ある 場 合は そ れに 従う こと g~ jは 、 クロ ス 層数 分の 繰り 返 し。

(2) 施工 詳細

施 工 中 の 安 全 に 関 す る 注 意 事 項 は 、 4.3 ト レ カ ク ロ ス 工 法 に お け る 安 全 上 の 留 意 点を 参照 する こ と。

エ ポ キ シ 樹 脂 は 、 湿 気 を 嫌 い 、 ま た 硬 化 が 気 温 に 左 右 さ れ る の で 作 業 環 境 の 共 通 事 項 とし ては 以 下の 通 りと する 。

・ 気 温 5℃ 以上 、湿 度 85%以 下: 温 度計 ・ 湿度 計に よる 計 測

・ コン クリ ー ト面 の 水 分 8% 以 下: コン ク リ ート 水分 計 によ る 計測

a) 断面 復 旧

① コ ン ク リ ー ト 躯 体 の 脆 弱 部 、 ジ ャ ン カ 、 浮 き 、 欠 損 等 の 劣 化 ・ 損 傷 部 は 不 良 部 分 をは つり お とし 除 去す る。

② 鉄筋 腐 食が 認 めら れる 場合 に は、 鉄 筋の 錆を 除去 し て防 錆 処置 を行 う。

③ 凹 部 は コ ン ク リ ー ト と 同 等 以 上 の 強 度 を 持 つ 断 面 修 復 材 で 修 復 し 、 平 滑 に 仕 上 げ る。

④ 幅 0.2 ㎜以 上 のひ び割 れ部 は エポ キ シ樹 脂注 入等 に より 補 修す る。

図 4.2-1 断 面復 旧 標準 図

b) 下地 処 理工

① コ ン ク リ ー ト 下 地 表 面 の 脆 弱 層 、 レ イ タ ン ス 、 汚 れ 、 塗 装 等 、 ト レ カ ク ロ ス の 接 着を 阻害 す るも の はデ ィス クサ ン ダー 等 を用 いて 十分 に 除去 す る。

② 下 地 表 面 の 突 起 物 や 型 枠 に よ る 段 差 等 は デ ィ ス ク サ ン ダ ー 等 に よ り 切 削 す る か 、 断面 修復 材 です り 付け て平 滑に す る。 原 則と して 段差 は 1mm 以内 とし 、す り 付け は 1/10 以 下に 緩 くす る。

③ 小さ な 凹部 は 、断 面修 復材 で 埋め て おく 。

④ 面 取 り : 出 隅 部 は コ ン ク リ ー ト カ ッ タ ー や デ ィ ス ク サ ン ダ ー 等 に よ り 曲 面 的 に 面 取り 加工 を する か 、状 況に より 断 面修 復 材等 で盛 り上 げ 成形 す る。

<角 が残 る と、 繊 維が 破断 する 可 能性 が ある >

通常 の施 工 では 半 径R は 30mm 以上 とす る が、設計 図書 に 明記 さ れて いる 場合 に は、

その 指示 に 従う 。(例 :高 速道 路 会社 の 橋脚 補強 で は 5cm と 指 定が ある )

図 4.2-3 面 取り 詳 細 図

c) プラ イ マー 塗 布工

① プ ラ イ マ ー は 可 使 時 間 内 に 使 い 切 る 量 を 想 定 し て 、 主 剤 と 硬 化 剤 を 所 定 の 比 率 で 容器 に取 り 分け 、 ムラ なく 均一 に なる よ うに 混合 する 。

② ロ ー ラ ー 刷 毛 等 を 使 用 し 、 ト レ カ ク ロ ス 貼 付 位 置 の コ ン ク リ ー ト 面 に ム ラ な く 均 一に 塗布 す る。

③ コ ン ク リ ー ト 面 の 状 況 に よ り プ ラ イ マ ー の 吸 い 込 み に バ ラ ツ キ が 生 じ る の で 、 一 度塗 布し た 後に 塗 布面 の点 検を 行 い、 造 膜さ れて いな い 部分 は 増し 塗り を行 う 。

④ プ ラ イ マ ー 塗 布 量 の 標 準 は 、 0.2kg/㎡ で あ る が 、 設 計 図 書 に 数 量 が 示 さ れ て い る 場合 は、 そ の指 示 に従 う。

d) 不陸 修 正工

① 不 陸 修 正 材 は 、 可 使 時 間 内 に 使 い 切 る 量 を 想 定 し 、 主 剤 と 硬 化 剤 を 所 定 の 比 率 で 容器 に取 り 分け 、 ムラ なく 均一 に なる よ うに 混合 する 。

② プラ イ マー 塗 布後 、1 週間 以 上経 過し て いる 場合 に は 、プ ライ マー 面を サ ンド ペ ー パー で目 粗 しを す る。

③ プ ラ イ マ ー 層 の 指 触 硬 化 状 態 確 認 後 、 コ テ ・ ヘ ラ ・ ロ ー ラ ー 等 を 使 用 し 、 不 陸 修 正材 をコ ン クリ ー ト面 にム ラな く 均一 に 塗布 する 。

④ 下 地 処 理 工 で 処 理 し 切 れ な か っ た 接 着 面 の 段 差 さ 凹 部 は こ こ で 処 理 し 、 平 滑 な 接 着面 を仕 上 げる 。

⑤ 特に 凹 部は ク ロス 貼付 後に 気 泡を 生 じ、ふく れの 原 因と な るの で、入 念 に埋 める 。

⑥ 不 陸 修 正 材 の 硬 化 後 、 水 分 の 付 着 等 で 白 化 し た 部 分 を 発 見 し た 場 合 に は 、 ア セ ト ンで 拭き 取 るか 、 サン ドペ ーパ ー で削 り 取る 。

※ コ ン ク リ ー ト 面 の 状 態 が 良 く 、 プ ラ イ マ ー 塗 布 工 の み で ト レ カ ク ロ ス 貼 り 付 け 工に 問題 な いと 判 断で きる 場合 は 、不 陸 修正 工は 省略 で きる 。

e) 墨出 し 工

① 不陸 修 正材 の 表面 が指 触硬 化 後、 ク ロス 貼付 位置 の 墨出 し を行 う。

図 4.2-5 墨 出し 作 業

f) トレ カ クロ ス 切り 出し

① 割 付 図 の 寸 法 を 確 認 し 、 ハ サ ミ も し く は カ ッ タ ー 等 で 、 切 断 面 が ク ロ ス の 繊 維 方 向と 直角 に なる よ うに 切断 する 。

g) 含浸 接 着樹 脂 下塗 り

① 含 浸 接 着 樹 脂 の 混 合 は 、 材 料 の ラ ベ ル に 示 さ れ た 配 合 を 確 認 し 、 一 回 の 使 用 量 を 想定 して 、各材 料を 配 合比 率通 り に取 り 分け て、素早 く 均一 に混 合 する 。混 合 は、

電動 攪拌 器 等で 全 体の 色が 均等 に なる ま で行 う。

② ロ ー ラ ー 刷 毛 等 を 使 用 し 、 前 項 に 示 し た 標 準 使 用 量 を ト レ カ ク ロ ス 貼 付 位 置 の 下 地面 にム ラ なく 均 一に 塗布 する 。

図 4.2-6 含 浸接 着 樹 脂下 塗り 作 業

h) トレ カ クロ ス 貼付 脱泡

① ト レ カ ク ロ ス を 含 浸 接 着 樹 脂 面 に 貼 り 付 け る 。 貼 り 付 け 位 置 、 ク ロ ス の 種 類 を 割 付 図 で 確 認 し 、 繊 維 方 向 が 補 強 方 向 に 向 く よ う に 端 部 を 隅 に 合 わ せ 片 押 し で 貼 り 付け る。

※ UT70-60G につ いて は 、ガ ラス 糸 に樹 脂 が含 浸し 、透 明 にな る まで 養生 する 。

(目 安と し て3 0 分~ 1時 間程 度 )

② 表 面 を ゴ ム ヘ ラ ・ 脱 泡 ロ ー ラ ー 等 で し ご い て 、 含 浸 接 着 樹 脂 を ク ロ ス の 繊 維 の 中 まで 、十 分 に含 浸 させ る。

※ UT70-60G を除 く G タイ プ につ いて は、ここ でガ ラ ス糸 に 樹脂 が含 浸し 、透 明 にな るま で含 浸 させ る 。特 に低 温時 に は念 入 りに 含浸 させ る 。

図 4.2-7 ト レカ 貼 付 脱泡 作業

③ ロ ー ラ ー 等 で し ご く 方 向 は 繊 維 方 向 と し 、 端 部 か ら 長 手 方 向 に 空 気 を 押 し 出 す よ うに シゴ く 。な お、シ ワや 曲が り の原 因 とな るの で斜 め や直 角 方向 には シゴ か ない 。

※ 2 方 向ク ロス の 場 合は 、縦 横 各方 向 に均 等回 数し ご く。

図 4.2-8 ロ ーラ ー 方 向標 準図

i) 含浸 接 着樹 脂 上塗 り

① 配合 ・ 混合 は 下塗 りの 手順 と 同様 で ある 。

② 貼 り 付 け ・ 脱 泡 後 の ト レ カ ク ロ ス の 表 面 に 均 等 に 含 浸 接 着 樹 脂 を 塗 布 し 、 ク ロ ス が 動 か な い 様 に ゴ ム ヘ ラ ・ ロ ー ラ ー を 繊 維 方 向 に 動 か し な が ら 、 ク ロ ス 表 面 を 平 滑に 仕上 げ る。

※ UT70-60G に つい ては 、 さら に 30 分程 度養 生 した 後 、含 浸接 着樹 脂 を追 加 塗布 し、 その 後 、ゴ ム ヘラ など でク ロ ス表 面 を平 滑に 仕上 げ る。

j) 養生

① 含 浸 接 着 樹 脂 が 初 期 硬 化 す る ま で は 水 分 ・ ホ コ リ を 嫌 う の で 、 そ れ ら が 表 面 に 付 着し ない よ う、 現 場状 況に 応じ て シー ト 養生 を行 う。

② 含 浸 接着 樹 脂の 初期 硬化 の 目安 は 以下 の通 りで あ る。

表 4.2-2 ト レカ ク ロ ス初 期硬 化 養生 期 間 平均 気温 初期 硬化 ま での 目 安時 間 10℃以下 2 日間 (48 時間 ) 10~20℃ 1~2 日 間(24~48 時 間)

20℃以上 1 日間 (24 時間 )

③ 強度 発 現日 数

ト レ カ ク ロ ス が 設 計 強 度 を 発 現 す る ま で の 日 数 は 、 以 下 の 通 り で あ る 。 こ の 間 は 、 補強 部に 余 計な 外 力が 働か ない よ うに す る。

表 4.2-3 ト レカ ク ロ ス標 準養 生 期間 平均 気温 強度 発現 ま での 目 安日 数 平 均 10℃ 2 週間 (14 日間 )

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