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第 3 章 深海由来絶対好圧性細菌 Shewanella benthica のイソプロピルリンゴ酸脱水素酵素の

4.4 方法

4.4.1 酵素の発現・精製

Thermus thermophilus 由来leuB遺伝子、および各種変異型leuB遺伝子を含むE. coli MA153株 を3 mlのLB+Amp (50 μg/ml) 培地にてオーバーナイトで培養後、2 Lの2×TY (Bacto Yeast Extract 1 %、Bacto Tryptone 1.6 %, NaCl 0.5 %)+Amp (50 μg/ml) 培地に植菌しOD 0.3付近でIPTG (0.5 mM) になるように添加、8時間培養を行った。回収した菌体を、Wash buffer (50 mM Tris-HCl (pH 8.0), 150 mM NaCl) で洗浄、凍結した。凍結した菌体はLysis buffer (50 mM Tris-HCl (pH 8.0), 300 mM NaCl, 1 mM β-mercaptoethanol) に1 g /5 mlになるように懸濁、リゾチーム (10 mg/ml) を1/10 vol加え、氷上で30分間反応、ソニケーションで菌体を破砕した。遠心分離機で4℃、32,000 ×g、

30分遠心し、上清を回収した。70℃10分の熱処理を行い大腸菌由来のタンパク質を変性させ、遠 心分離機で4℃、32,000 ×g、30分遠心し、上清を回収し、粗精製サンプルを耐圧性の測定に使用 した。

活性中心残基近傍に変異がある L134N、および野生型酵素 TtIPMDHに関しては、ジャーファ メンターにて20Lのタンク培養を行い、菌体を回収した。粗精製サンプルと同様の方法で菌体を 破砕し、上清を回収、80℃20分間熱処理を行い遠心分離機で4℃、32,000 ×g、30分遠心し、上清 を回収した。その後、50 mM Tris-HCl Buffer (pH 8.0) で平衡化したDEAE Sepharose Fast Flow (GE Healthcare Life Sciences, Piscataway, NJ, USA) カラムに上清を添加し、50 mM Tris-HCl Buffer (pH 8.0) でWash後、50 mM Tris-HCl Buffer (pH 8.0) にKCl 0~400 mMの濃度勾配で溶出を行った。

活性各分に硫酸アンモニウムを 40%飽和加えて、IPMDH を沈殿させて回収し、沈殿を 50 mM Tris-HCl Buffer (pH 8.0) に懸濁し、25%飽和の硫酸アンモニウムを加えて、50 mM Tris-HCl Buffer (pH 8.0)・25%飽和硫酸アンモニウムBufferで平衡化した、Butyl Sepharose High Performance (GE Healthcare Life Sciences, Piscataway, NJ, USA) カラムに添加し、50 mM Tris-HCl Buffer (pH 8.0)・25

~0%飽和硫酸アンモニウムBufferで溶出を行った。溶出した画分は、アミコンウルトラ30 KDa で脱塩濃縮し、10 mM Tris-HCl (pH8.0)にBufferを置換後-80℃で凍結保存を行った。

67 4.4.2 活性測定・活性化体積の計算

IPMDHの活性測定は、「2.4.5 高圧下でのIPMDHの活性測定」と同様の方法で、

50 mM Tris-HCl (pH7.6, 60℃)、100 mM KCl、0.4 mM MnCl2、0.4 mM IPM、0.4 mM NAD+を用い て行った。60℃にて活性測定を行った。活性化体積の計算は、「3.3.3 活性測定」と同様の方法 で計算を行った。

4.4.3 結晶化

TtIPMDH、TtIPMDH-L134Nの結晶化は、PEG/ION 1・2、Crystal ScreenⅠ・Ⅱ、Wizard Ⅰ,Ⅱ,

Ⅲ、Index、Cs cryoの結晶化スクリーニングキットを用いて、シッティングドロップ法で480パタ

ーンの条件の検討を行った。その結果19条件で結晶がみられ、構造解析が可能に見える結晶は7 条件、リン酸や硫酸アンモニウムを使わない条件で、高圧X線結晶構造解析が可能であると考え られた結晶はCrystalScreenの17番 0.2 M LiSO4,0.1 M Tris-HCl (pH8.5)、30% pEG4000で得られた。

そこで、その条件を中心に、0.15~0.2 M LiSO4、0.1 M Tris-Hcl(pH7.6~8.8)、40~25% PEG4000 で、ハンギングドロップ法とシッティングドロップ法を用いて20℃にて結晶化条件の検討を行っ た。結晶ができるのは、0.2 M LiSO4、0.1 M Tris-HCl (pH8.0~8.6)、40~30% PEG4000の結晶化条 件で、酵素量が25 mg/ml以上の濃度のIPMDHの時に3日~1週間で結晶が観察された (図25)。

TtIPMDHとTtIPMDH-L134Nの結晶のでき方を比較すると、TtIPMDH-L134Nの結晶ができやすい 傾向があり、ハンギングドロップ法とシッティングドロップ法では、シッティングドロップ法の 結晶ができやすかった。常圧の構造解析用に0.1 M Tris-HCl (pH7.6~8.8)、0.8~2.0 M 硫酸アンモ 二ウム、ハンギングドロップ法を用いて作製した結晶は、pH に関係なく、硫酸アンモニウムが 1.2~1.5 M、の条件で酵素量が10~15 mg/mlのときによくでき、1日で結晶が観察された (図26)。

酵素濃度が濃くなると結晶が大きくなり解析には不向きであった。

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図25 TtIPMDH L134N結晶 図26 TtIPMDH L134N結晶

4.4.4 結晶構造解析

名古屋大学大学院工学研究科渡邉研究室との共同研究によりX線結晶構造解析を行った。0.2 M LiSO4、0.1 M Tris-HCl (pH8.4)、30% PEG4000の結晶化条件と0.1 M Tris-HCl (pH7.6~8.8)、0.8~

2.0 M 硫酸アンモ二ウムの結晶化条件でできた結晶の X 線結晶構造解析の結果、TtIPMDH と

TtIPMDH-L134Nのどちらの結晶も、2.1 Åの分解能となった。今回詳細な解析を行ったのは、0.1

M Tris-HCl (pH8.0)、1.2 M 硫酸アンモ二ウムの条件で作製した結晶を用いて解析を行った。FR-E

CuKα X-ray source (Rigaku, Tokyo, Japan)を線源とし、R-AXIS V-II detector (Rigaku, Tokyo, Japan)を 使用して、カメラ長120mm、30秒露光、振動角 1度 0~91フレームでデータを測定した。デー タの解析には、HKK2000で回折データの指数付け、積分、スケーリングを行い、CCP4:MOLREEP プログラムを使用して、Thermus thermophilusのIPMDH(PDB番号 1XAA)を用いた分子置換法 によって求めた。構造解析の精密化にはCootおよびCCP4を用いた。

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