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新たな評価軸に基づく候補地選定方針案の作成

第 9 回締約国会議で追加された国際基準 9 に関して、国内における候補地の選定手順を 検討した。また、第 10 回締約国会議で採択された「水田決議」を踏まえた候補地の追加に 関する考え方の検討を行った。さらに、同時に平成 17 年に検討した国際基準 1~8 に関す る候補地選定手順についても見直しを行った。各基準の選定方法については表 9 にまとめ た。

なお、候補地選定手順見直しの概要は以下のとおりである。

・国際基準 1 については代表性の観点に加え、固有性、希少性の観点からの選定手順を追 加した。

・国際基準 2 については環境省レッドリストまたは IUCN レッドリストのいずれかに該当 する種に変更した。

・基準 3、4 については、特に着目すべき湿地のタイプについて記載を加えた。

・まずは科学的な観点から基準への適合の有無を確認し、その結果をリストにまとめた上 で、法的保護措置の担保の有無につて確認を行うこととし、国際基準に関する選定手順 からは、保護区の記載を削除した。 (法的保護措置の担保を登録の要件とすることは変更 しない)

国際的に重要である湿地の基準 1 ~ 9

基準 1:適当な生物地理区内に、自然のまたは自然度が高い湿地タイプの代表的、希少また

は固有な例を含む湿地がある場合には、その湿地は国際的に重要であると考える こととする。

基準 2:危急種、危機種または深刻な危機種と特定された種、または絶滅のおそれのある生

態学的群集を支えている(危機的な状況にある)場合には、その湿地は国際的に 重要であると考えることとする。

基準 3 :特定の生物地理区における生物多様性の維持に重要な動植物種の個体群を支えてい る場合には、その湿地は国際的に重要であると考えることとする。

基準 4:生活環の重要な段階において動植物種を支えている場合、または悪条件の期間中に

動植物種に避難場所を提供している場合には、その湿地は国際的に重要であると 考えることとする。

基準 5:定期的に2万羽以上の水鳥を支える場合には、その湿地は国際的に重要であると考

えることとする。

基準 6:水鳥の種または亜種の個体群において、個体数の1%を定期的に支えている場合に

は、その湿地は国際的に重要であると考えることとする。

基準 7:固有な魚介類(甲殻類、軟体類、無脊椎動物なども含む)の亜種、種、または科、

生活史の一段階、種間相互作用、湿地の利益もしくは価値を代表する個体群の相 当な割合を維持しており、それによって世界の生物多様性に貢献している場合に は、その湿地は国際的に重要であると考えることとする。

基準 8:魚介類(甲殻類、軟体類、無脊椎動物なども含む)の重要な餌場であり、産卵場、

稚魚の成育場であり、または湿地内もしくは湿地外の漁業資源が依存する回遊経 路となっている場合には、その湿地は国際的に重要であると考えることとする。

基準 9:鳥類以外の湿地に依存する動物種または亜種の個体群で、その個体数の1%を定期

的に支えている場合には、その湿地は国際的に重要であると考えることとする。

※水田の登録について

基準 1~9 を満たす水田については追加候補地として検討する。また、既存条約湿地や

候補地についても周辺水田を含める方向で検討する。既存条約湿地で、周辺の水田が登

録面積に含まれていない湿地は 15 箇所(宮島沼、仏沼、伊豆沼・内沼、化女沼、大山上

池・下池、佐潟、瓢湖、片野鴨池、三方五湖、藤前干潟、琵琶湖、中海、宍道湖、久米

島の渓流・湿地、名蔵アンパル;蕪栗沼はすでに周辺水田を含むため除外)あることか

ら、候補となりうるものを積極的に検討する。

基準1 基準2 基準3 基準4 基準5 基準6 基準7 基準8 基準9

適当な生物地理区内に、自 然のまたは自然度が高い湿 地タイプの代表的、希少また は固有な例を含む湿地があ る場合には、その湿地は国 際的に重要であると考えるこ ととする。

危急種、危機種または深刻 な危機種と特定された種、ま たは絶滅のおそれのある生 態学的群集を支えている(危 機的な状況にある)場合に は、その湿地は国際的に重 要であると考えることとする。

特定の生物地理区における 生物多様性の維持に重要な 動植物種の個体群を支えて いる場合には、その湿地は 国際的に重要であると考える こととする。

生活環の重要な段階におい て動植物種を支えている場 合、または悪条件の期間中 に動植物種に避難場所を提 供している場合には、その湿 地は国際的に重要であると 考えることとする。

定期的に2万羽以上の水鳥 を支える場合には、その湿地 は国際的に重要であると考 えることとする。

水鳥の一の種または亜種の 個体群において、個体数の 1%を定期的に支えている場 合には、その湿地は国際的 に重要であると考えることと する。

固有な魚介類(甲殻類、軟体 類、無脊椎動物なども含む)

の亜種、種、または科、生活 史 の 一 段 階 、 種 間 相 互 作 用、湿地の利益もしくは価値 を代表する個体群の相当な 割合を維持し、それによって 世界の生物多様性に貢献し て い る 場 合に は、 その 湿地 は国際的に重要であると考 えることとする。

魚介類(甲殻類、軟体類、無 脊椎動物なども含む)の重要 な餌場であり、産卵場、稚魚 の成育場であり、または湿地 内もしくは湿地外の漁業資源 が依存する回遊経路となって いる場合には、その湿地は 国際的に重要であると考える こととする。

鳥類以外の湿地に依存する 動物種または亜種の個体群 で、その個体数の1%を定期 的に支えている場合には、そ の湿地は国際的に重要であ ると考えることとする。

湿 地 タ イ プの 代表 的な 湿地

(表10参照)

IUCNの「深刻な危機

(CR)」、「危機(EN)」、

「危急(VU)」のいずれ か、または環境省レッド リストの「絶滅危惧IA類

(CR)」、「絶滅危惧IB類

(EN)」、「絶滅危惧Ⅱ類

(VU)」を満たす種の生 息が確認される湿地

原則として重要湿地500 にあり、専門家に対する アンケートにおいて、基 準3にあてはまると回答 があった湿地

原則として重要湿地500 の選定基準⑤(生物の 生活史の中で一定以上 の 規 模 を 有 し て い る こ と)によって選定されて いる湿地

原則として重要湿地500 にあり、環境省ガンカモ 類 生 息 調 査 や モ ニ タ リ ングサイト1000 ガンカモ 類調 査等 において、過 去 5 年 間 の ガ ン カ モ 類 の渡来数が2万羽以上 の湿地

原則として重要湿地500 にあり、ガンカモ類、シ ギチドリ類、ツル類で個 体数の1%以上を定期 的に支えている湿地

原則として重要湿地500 にあり、専門家に対する アンケートにおいて、基 準7にあてはまると回答 があった湿地

原則として重要湿地500 にあり、専門家に対する アンケートにおいて、基 準8にあてはまると回答 があった湿地

原則として重要湿地500 に入っている湿地

※IUCNと環境省レッドリストのカ テゴリーの対応については表12 を参照

1. 各海洋区分を代表する湿地で