一 般 化 費 用 C dP B
需要関数
dX 燃料税 f/l
時間費用 wt その他の費用 cc
E
1E
247
1 1
MCP P f
C ε
= −
+
− ×
(3.9)
ここで,
P:料金 f:燃料税 C:一般化費用 ε:価格弾性値 である.
このとき,限界費用は,走行1kmあたりで考える.まず料金Pは,現行の償還主義で示さ れている乗用車の料金水準150円+24.6円/kmを用いて,平均10kmの走行距離として,1 kmあたりの40円/kmの料金水準とする.次に,時間価値,燃料税,一般化費用は,費用便 益分析マニュアル(国土交通省 道路局 都市・地域整備局(2008)3))に示されている表3
-1と表3-2の乗用車について参照することで設定する.それぞれの値は,近似的に求め るため,時間価値は,表3-1より40円/分・台とする.燃料税は,表3-2に示すとおり,
90km/hのときの走行経費原単位の値の約半分と考え,5円/台kmとする.そして走行費用
は,燃料費を走行経費原単位から差し引いた,5円/台kmとする.ここでの走行経費原単 位は,燃料費,油脂(オイル)費,タイヤ・チューブ費,車両整備(維持・修繕)費,車両 償却費等を含んでいる.したがって,一般化費用は,下記の式(3.10)で示す通り求めると,
75円/kmとなる.
C=(料金+燃料税)+走行費用+時間価値 走行時間× (3.10) 以上より,これらの値を式(3.9)に代入すると,式(3.11)の通りとなった.
1 1 1 1.92
40 5 1 0.48
1 1 0.8
75
MCP P f
C ε
− − −
= = = = −
+ + −
− − ×
(3.11)
つまり,現行の償還主義料金の限界費用は,約-2.0 である.さきに森杉,河野(2012)2)
が示した混雑がない場合の高速道路料金の限界費用は,-1.3~-2.5の間とされており,同様 の結果となった.このようにして,実際の高速道路料金の限界費用を求めることができる.
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表3-1 車種別の時間価値原単位 単位:円/分・台
車種(j) 時間価値原単位
乗用車 40.10
バス 374.27
乗用車類 45.78 小型貨物車 47.91 普通貨物車 64.18 注)平成20年価格
国土交通省道路局都市・地域整備局(2008)3)
p.7の表-1車種別の時間価値原単位(αj)より引用
表3-2 高速道路・高規格道路における車種別の走行経費原単位
単位:円/台・km 速度(km/h) 乗用車 バス 乗用車類 小型貨物車 普通貨物車
30 11.00 41.19 11.51 15.04 35.25
35 10.51 39.88 11.01 14.55 33.22
40 10.15 38.85 10.64 14.14 31.50
45 9.87 38.05 10.35 13.82 30.11
50 9.67 37.46 10.14 13.58 29.04
55 9.54 37.08 10.00 13.41 28.28
60 9.46 36.90 9.93 13.32 27.85
65 9.44 36.91 9.90 13.30 27.75
70 9.47 37.10 9.94 13.35 27.97
75 9.55 37.49 10.03 13.48 28.52
80 9.69 38.08 10.17 13.69 29.41
85 9.89 38.86 10.38 13.97 30.65
90 10.15 39.84 10.65 14.34 32.25
注1)平成20年価格
注2)設定速度間の原単位は直線補完により設定する.
注3)90km/h あるいは 60km/h を超える速度については,
90km/h あるいは 60km/h の値を用いる.
国土交通省道路局都市・地域整備局(2008)3)
pp.10-11の表-2 車種別の走行経費原単位(βj)より引用
燃料税の限界費用 3-3-2
高速道路の建設および維持費用を納税者負担とする場合は,課税によって税収が得られる.
この税収を公的資金として調達するとき,すでに歪みの存在する経済から追加的に税収を課
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すことによって社会全体の利益が減少することが分かっている.具体的には,課税がないと きに比べ課税されたものの需要が減る.つまり買い手の支払い価格と売り手の受け取り価格 は,その税の大きさだけかい離し,それぞれ取引から利益を得ることが妨げられる.また,
本来得られる税収よりも少なくなる.したがって,社会全体の損失が,税収を上回る.この 状態を考慮するためには,限界費用という考え方が重要となる.公的資金は,燃料税として 議論を進める.他の税金による財源調達を考える場合も,燃料税をその税金に置き換えて考 えることと同じである.