圃 VOSHIDA
卒研は 1 0 数年の道程を歩んできました
その中で,
i信頼」を築くには,ただ疾病を治すだけで 、 はなく 患者の苦しみ,悩みを取り除き, QOL C Q u a l i t y O f L i f e ) を高めていくことにあると理解してきました。
信頼の歯科医療を育くむもの,それはあたたかな心と,確かな 技術とそしてそれを支える科学です。
病める人を理解するとは……
基本技術とは
科学と医療の接点は
具体的テーマを通して,私達の QOL のためにも,
ご一緒に学びませんか
2 月 1 7
日仕)9:30~10:00 開講式
10:00~12:30 歯科医療における科学・技術・心の
調和を求めて │羽根 弘 (東歯大・補綴) 13:30~16:30 私の臨床:患者に何を残すか 谷 口 威 夫 (長野市・開業)
2 3 月 1 7
日仕) 顎堤吸収への対応をめぐって9:30~11
: 0 0
顎堤吸収の原因を探る:形態学から 井出吉信 (東歯大・解剖)1 1
:00~12:30 :生化学から 須田立雄 (昭和大歯・ロ生化)13:30~16:30 臨床的対応 宮地建夫(東京都・開業)
加 藤 武 彦 (横浜市・開業)
4 月 2 1
日仕)9:30~12:00 いのちを考える :
バイオエシックスのすすめ 木 村 利 人 (早稲田大・人間科学)
13:00~16:30 歯周治療と補綴処置 熊谷 崇 (酒田市・開業)
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9:30~11:30月 1 9
日仕) 基本技術(1 )
:校合Q&A
羽 賀 通 夫 (東歯大・補綴)12:30~14:30 患者と歯科医師の人間学 田中延イ圭(東京都・開業)
14:30~16:30 若き歯科医師の悩み: 小 西 昭 彦 (東京都・開業)
自らの研修を通して 菊 地 武 芳 (東京都・開業)
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9:30~11月 23
日出:00 歯科医療の目標としてのクオリティーオブライフ 幸庁庄文明(大阪大医・公衆衛生) 11:00~13:00 基本技術
( I I )
:歯周治療Q&A
長 谷 川 紘 司 (昭和大歯・保存)14:00~16:30 唆合崩壊へのアプローチ 鈴 木 尚(東京都・開業)
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9:30~11月 2 1
日仕): 3 0
エンド・ベリオとレントゲン 下 川 公 一 (北九州市・開業)12:30~14:30 信頼の地域医療を求めて 村 居 正 雄 (上田市・開業)
米 山 武 義 (三島市・開業) 14:30~16:30 基本技術
( I I I )
:支台に関する諸問題 中 尾 勝 彦 (尾道市・開業)7 9
9:30~16:00月 22
日出 臨床医の実感を科学する:貴方が聞くスクランブル・セミナー 16:00~16:30 閉講式歯科医療における科学・技術・心の 調和を求めて
関根 弘(東歯大・補綴)
TDC卒研の14年の歩みを通して、実に多くの ことが見えて来た。それを一言で云えば、これか らの歯科医療では人の幸せ感を充足することを最 大目標にすえ、技術はそのための手段として騎る ことなく、科学的信頼性の確かさを追求するとと もに、人の心のあり方に充分配慮しなければなら ないということである。生体・人間・社会この3 者に検証された信頼の歯科医療をどう構築してい
くべきなのか、大学における研究や教育の問題を も含めて、歯科医療の今日的課題を述べてみたい。
私の臨床:患者に何を残すか
谷口威夫(長野市・開業) 数年前、当院の古い患者さんがガンで入院した というので、見舞いにいった。別人のようにやつ れてはいたが、神様のように穏やかな表情で、彼 が 「すみません。あれから歯どころではなくなっ て」といってはずした義歯と口の中を見て私は唖 然とした。私が何時間もかかって根管治療して、
何回もフィットチェックをしていれた多くの冠は プラークをべっとりつけ、まさに顎堤からぶらさ がっているというだけであった。そして、 「もう、
ほとんど食べられなくなってしまいました。」 と 笑っていた。
わたしの仕事は、大病の前に全く無力であった。
健康を売ることがかけがいのない重大な事だと思 っていた私は自失した。今回は、それから私が
「それでも歯科医であるべきだ」という理由を模 索してきた過程を症例を通していっしょに考えて いただきたいと思う。
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顎堤吸収への対応をめぐって
井 出 吉 信 ( 東 歯 大 ・ 解 剖 ) 須 田 立 雄 (昭和大歯・口生化) 宮 地 建 夫 (東京都・開業) 加藤武彦(犠浜市・開業) 顎堤の吸収が進んだ無歯顎患者の義歯製作はだ れもが悩みの種であるにもかかわらず、顎堤の問 題はやや等閑視されてきたようです。
どうしてこのような顎堤になってしまったのだ ろうと、思わず
も遭遇し、その違いは何なのfごろうカかだだ二 、と考えてし まうことがあります。
極端な顎堤吸収を見ると 「顎堤の保護Jが可能 ならばと思う反面、 「顎堤の保護の目的で歯周疾 患に催患した歯は骨破壊が進行しないうちに抜歯 する」という発想には全面賛成はできそうにもあ りません。うまい顎堤保護策はないのでしょうか、
一体顎堤吸収のメカニズムはどうなっているので しょうか。
欠損歯列をパーシャルデンチャーで修復すると きも、この顎堤への配慮、が話題になってきます。
残存歯の過重負担を配慮、した設計に比べ顎堤吸収 を予防しようという積極的な姿勢は少ないようで す。顎堤の吸収は義歯の安定を損ね、義歯の動揺 は支台歯を揺さぶり、支台歯の短命化につながる のではなし、かともいわれています。どのような力 が非生理的な顎堤吸収を招くのか知りたいところ です。あるいは顎骨の形態、骨の性状の違いで義 歯設計上配慮しなければならない点はなにか。骨 の力学的性状の個人差や部位差はどのように捉え るのかなどが臨床的な問題提起です。
すぐに実際的な結論はでにくいテーマかもしれ ませんが、臨床上の疑問と基礎的な意見を絡ませ、
顎堤への配慮についてみなさんと一緒に考えてみ たいと思います。
3
いのちを考える:
バイオエシックスのすすめ
木 村 利 人 ( 早 稲 田 大 ・ 人 間 科 学)
生命倫理(バイオエシックス)は、 1960年代の 人々の極めて率直な 「なぜ……」という身のまわ りの 「非人間化」状況への疑問に始まっている。 様々な人びとによる、自分たちの 「いのちJ rか らだJ
r
暮らしJr
幸せ」などをめぐっての疑問 とその解決への努力、不正への闘いの運動の蓄積 を基盤にしつつ、バイオエシックスは現在グロー パルに展開されつつある。いろいろな人びとによる 「し、のちを守り育てる ための運動」をベースにして、さまざまな学問分 野の相互協力を前提とした 「学際」の立場をさら に大きく越えた、 「超学際」というまったく新し い発想で、伝統的な学問聞の積極的な相互交流を 目指していくことが求められている。
こんなノくイオエシックスの流れを通して、医療 のあり方を考えてみたいと思う。
歯周治療と補綴処置
熊谷 崇(酒田市・開業)
現代社会における意識の変化は人々の健康や医 療に対する考え方にも確実にあらわれてきていま す。歯科においても従来の治療中心の診療から予 防に重点を置いた診療への転換が要求される時代 へと変化しつつあります。こうした時代の潮流に 対して、私たち開業医はこれからどのような対応 をしてゆかなければならないのでしょうか。地域 における、いわば家庭医としてのこれからの歯科 医療のあり方を、私の地域や診療室における実際 の取り組みの中から、症例を通してお話したいと 考えています。予防という視点から歯科医療を考 えてみるだけでも、私たちはこれまでの歯科医療 のあり方を基本的に間い直されることに気付くに ちがいありません。
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基本技術(1 ) :校合Q&A
羽 賀 通 夫 ( 東 歯 大 ・ 補 綴)
歯科臨床から 「岐合」の要素を取ったら何が残 るでしょう。けれども我々は 「校合」については 驚くほど何も分かっていないように思えます。大 学ではきちんと教わってきたのでしょうが、その 知識が役に立つ前に一部を忘れてしまったようで す。そして恐ろしいことに、そのまま校合に関係 のある治療行為をしている毎日です。
攻合に関する知識や情報の不足は、経験や患者 の適応能力で補っているわけです。これでは患者 を人としてとらえる患者主体の治療なんでできま せんね。ここらで分かったつもりになっている
「校合」をもう一度見直してみませんか。
患者と樹ヰ医師の人間学
田 中 延 佳 ( 東 京 都 ・ 開 業)
歯科医師が卒後の研修に励んで治療技術を磨く のは、歯科治療の質が歯科医師のもつ治療技術に よって左右されるからです。しかし、 「歯科医師 は技術者である」とわりきることができないとこ ろをみると、進歩した技術を活かすにはそこに何 かがプラスされなくてはなりません。せっかく研 績によって素晴らしい技術を得たのでしたら、ど うすれば効果的にそれを提供できるかということ を知らないと、もったいないではありませんか。
と申しますと、 「技術の効果的活用法ならそれも ひとつの技術ではないかJと言われる方がいるか も知れません。しかしっきつめてゆくと、それは 何かの 「やり方」ではなくて、 「あり方Jの問題 だということになるようです。
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歯科医師である まえに人間であれ」とは、ある高名な先達の言葉 ですが、まさにその、人間での 「あり方Jの問題 だということです。若き歯科医師の悩み:
自らの研修を通して
小 西 昭 彦 (東京都・開業) 菊 地 武 芳 (東京都・開業)
他分野と同様に、歯科界においてもこの10数年 の変化には固まぐるしいものがあった。新材料の 開発・新技術の導入、そして新しいものの見方へ の変換。その変化から生ずる悩みは、そのままT DC卒研の歩みであったと言ってよいと思う。ベ テランの先生にしてかくの如しであるから学ばな ければならないことが加速度的に増えてしまう私 達にとっての悩みは、現実の医院経営とのギャッ プを知るにつけ増大している。卒後10年、現在進 行中である戦いの姿をご覧いただきたし、。何故研 修を受けてきたのか。それを自分の臨床の中でど のように実践したきたか。そしてこれからどのよ うな歯科医師でありたいか。…等を仲間の話とし てお聞き願えたらと思う。
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樹ヰ医療の目標としての クオリティーオブライフ
新 庄 文 明 ( 大阪大医・公衆衛生) 歯科医院における定期的なメインテナンスは、
壮年期以降の歯の喪失リスクを約10分のlにする。 長寿社会では、予防が歯科医療と措抗しないばか
りか、その需要を高めることになる。
また、成人・高齢者の健康状態は歯の残存状況 と密接に関連している。継続的な健康管理の一環 として歯科診療が位置づけられるならば、人生80 年時代の歯科医療は量質ともに高められるととも に、人々の健康な生活に寄与することができる。 イギリスや北欧で 「寝たきり老人Jが見られな いのは、生活の質を高めることが医療や福祉の目 標とされているからである。在宅者の歯科医療も、 生活の質を高める作業の一環として、 「寝たきりd
と呼ばれるような状態を無くすことを目標として 取り組まれる時、初めて普遍的な意義を持つ。老 人の健康状態は生涯医療の総決算でもある。
基本技術(1 1 ) :歯周治療Q & A
長 谷川紘 司 ( 昭和大歯・保存) 最近の歯周病ブームは、本当にものすごい勢い です。どの雑誌を開けても必ず歯周病についての 記載があります。しかも歯周病は、患者がいる限 り、患者の口腔内に歯がある限り、我々歯科医と 縁の切れない疾患でもあります。患者、スタッフ、
そして家族と自分の幸福を考えるかぎり、このブ ームが一時的な熱病のようなブームであってはい けないと思います。ぜひ長続きさせたいものです。
そこで必要なのは、歯周病についてのごく基本 的な知識、技術を誰もが持つことです。わからな いことがあるけれど本を読んでも出ていないし、
何を読んだらいいのか分からないし、人に聞くの もはずかしい。このような先生のための歯周病 rQ&AJです。淳いところに手が届く内容にし たいと思っております。
校合崩壊へのアプローチ
鈴木 尚(東京都・開業)
校合の崩壊を伴った症例は臨床上最も治療の難 しいものです。なぜなら複雑に重なり合った多く の要因の結果として歯列に写し出されている様々 な現象や症状の因果関係の全てが明確に解説され ているわけではなし、からです。歯科治療の最終目 標は、いかにして健全な満足できる校合を維持す
るかに尽きるでしょう。
従って、結果論で言えば原因を除去していけば よいのですし、目的論によれば、単に校合の再構 築をすればよいのですが、臨床ではそのどちらか
にわりきってことを進めることも疑問に思えます。
結局迷いと決断と修正の繰り返しになるのです。
事象としての結果から原因を推量できても、これ と似た容態から同じ結果を推量することは必ずし もできないでしょう。病態に対崎した時、私達は どんな基準を持っているのかついも問われている のです。症状を通して、校合崩壊へのアプローチ をこんな視点からお話できればと思います。