1.教 育 特色あるカリキュラム
)概 要
社会はいま、高度医療や先進医療を求めるとともに、人の心を大切にする医療、信頼されるチーム 医療、そして地域に密着した医療を求めている。この様な社会の期待に応えるため、新設大学のメリ ットを活かした学部横断型の教育を取り入れるなど、充実した臨床実習や「チーム医療」科目などを 軸とした教育プログラムにより、医療を通じて社会に貢献できる医療人(医療専門職者)の育成を目 指している。
兵庫医療大学における教育のキーワードは、現代医療の要でもある「チーム医療の実現」である。
このチーム医療の担い手を育成するために、薬学部・看護学部・リハビリテーション学部の3学部を ボーダレスに結び、伝統ある兵庫医科大学の医学部や附属病院、及び関連医療機関と密接な連携を図 り、学部を超えた教育・実習環境を提供している。
将来の医療の担い手を育成し医療のスペシャリストとして、幅広い知識と専門的な技術は勿論のこ と、恵まれた環境で「豊かな人間性」と「優れたコミュニケーション力」を育む教育プログラムを目 標としている。
図1.医療への3方向からのアプローチと医科大学・大学病院のバックアップ
)学びの特徴
(1)共通教育センターによる学び
兵庫医療大学は、医療系3学部からなる総合医療大学であるとともに、同一法人が併設する医師養 成に30年以上の実績を持つ兵庫医科大学の姉妹校でもある。
4学部で一緒に学び�
理解を深める�
薬学部�
医学部�
リハビリ�
テーション�
学部�
看護学部�
看護師�
理学療法士�
作業療法士
臨床心理士�
管理栄養士�
放射線技師�
助産師�
医 師�
薬剤師�
保健師�
患者さんと�
その家族�
本学が医療総合大学として取り組む特色ある教育の中に、共通教育センターによる教育がある。共 通教育センターは、各学部における専門領域のための導入科目を担当し、科学的な基礎知識と幅広い 教養、合同授業によるコミュニケーション力を多彩な授業で、医療の基礎知識を身につけるなど専門 領域への橋渡しの役割を果たしている。
共通教育センターによる授業の大半は、学部の枠を超えた3学部合同形式で行っている。この授業 を通じて自然な交流が生まれ、将来の職域を超えた他職種の理解がチーム医療への貴重な素地となっ て行くと考える。
(2)実践につながる学部合同講義
本学の最も特徴的な科目は、チーム医療をテーマとした 学部合同科目である。総合医療大学である特徴を活かし、
薬学部や看護学部、リハビリテーション学部の仲間と3学 部合同講義を受けたりグループ学習したりすることで、チ ーム医療の実践に必要な他の専門職種に対する理解とコミ ュニケーション能力を養っている。
第1学年次の医療科学概論では、学部混成少人数グルー プによるグループ演習とともに、夏休み前には兵庫医科大 学病院で早期臨床体験実習を実施している。また兵庫医科 大学医学部も交えた4学部合同演習も行っている。これは 医科大学の併設姉妹校として、複数の医療系学部を持つ本
学ならではのもので、入学後間もない段階から他の職種を目指す学生とともに医療について考え、ま た現場を体験することで将来チーム医療を支える力を身に付ける学習をしている。
(3)チーム医療教育
本学では開学当初よりチーム医療を担う人材の育成に 積極的に取り組んでおり、特に基礎分野、専門基礎分野 では各分野の専門家を結集し、合同で行う講義・演習・
実習を設定している。医療科学概論やチーム医療概論、
チーム医療論演習では、薬学部、看護学部、リハビリテ ーション学部の3学部合同で受講する。
チーム医療については兵庫医科大学病院との連携協力 により、患者さんとその家族を中心とするベストな治療 やケアをについて、現職医師や看護師、薬剤師の様々な 職種と具体的事例を交え意見を交わし、お互いの職種へ の理解し尊敬し合うことに繋がっている。
そこで育まれるコミュニケーション力は、チーム医療の実践に欠かすことのできない貴重な素地と なっている。また早期から医療現場を体験することは学生にとって貴重な経験となっている。
(4)臨地実習
第3学年次後期から4学年次前期において臨地実習を集中的に実施している。兵庫医科大学病院な どの恵まれた環境で展開する臨地実習では、卓越した看護実践能力をもつ看護職者の実践内容に触れ、
どのような看護職者になりたいのか、またどんな場で活躍したいのか、自分の将来像をイメージしな がら学ぶことができる。
図3.一つの医療チームとして治療・ケアにあたる 図2.医学部生とともに学ぶ4学部での学び
リハビリテーション学部教員�
総合リハビリ�
テーション論�
薬学部生�
看護学部教員�
看護論�
看護学部生�
薬学部教員�
薬学概論�
リハビリテーション�
学部生�
)学びのキーワード
(1)チュートリアル学習
平成21年度より、兵庫医科大学医学部生を加えた合同チュートリアル教育を実施した。姉妹大学と の連携をフル活用することで、優れたコミュニケーション能力、他分野への豊富な知識や理解を身に つけることができる。さらに4学部が総力を結集し、ボーダレスな環境のもとで行われおり、次世代 の医療科学を担う人材を育成している。
(2)早期臨床体験実習
第1学年次の夏休み前に実施する兵庫医科大学病院での早期臨床体験実習は、入学後早期に行われ る実習で本学の教育プログラムの大きな特徴の一つである。早い段階で病棟や病院内薬剤部、リハビ リテーション部に入り、各専門職者の役割や患者さんへの係わりなどについて実体験をもって学びま す。将来の自分の姿をイメージすることで、今後の学びへのモチベーションを高めるとともに医療人 としての自覚を養っている。
共通教育センターは、医療現場に入るにあたっての必要な知識や心構え、さらには感染症対策など の事前準備から、実習中・実習後の学びまでの全てをサポートしている。
(3)オムニバス講義
第2学年次のチーム医療概論では、チ ーム医療の具体的な内容や意義、各医療 専門職者の役割などについて学んでいる。
各学部の専任教員や兵庫医科大学の教職 員により、オムニバス形式で講義(薬学 概論、看護論、総合リハビリテーション 論)が行われており、医療現場での実際 について各学部の専任教員がその専任領 域を他学部の学生に向けて行っている。
各専門領域のスペシャリストが身近に存在しているという、医療総合大学のメリットが活かされた講 義を実施している。
)学部の枠を超えた学び
第1学年次の医療科学概論では、学長をはじめ各学部の専任教員などによる医療全般の入門講義を 受講している。そして3学部混成の少人数グループでのチュートリアル学習後、夏休み前に兵庫医科 大学病院で早期臨床体験実習に臨む。一部のプログラムでは兵庫医科大学医学部の学生と一緒に学ぶ。
第2学年次でのチーム医療概論では、各学部の専任教員や兵庫医科大学教職員により、オムニバス 形式での行われる授業でチーム医療の具体的な内容や意義、各医療専門職者の役割などについて学ん でいる。
第4学年次のチーム医療論演習では、チーム医療についての学びを総括し、兵庫医科大学病院の現 職医師や看護師、薬剤師が具体例を交えて講義を行っている。3学部混成小人数グループを編成しグ ループワークを行っている。そこでは将来の職域を問わない自然な交流が生まれている。
図4.各学部の専任教員によるオムニバス講義
学びの�
トライアングル�
兵庫医療大学�
兵庫医科大学�
兵庫医科大学病院�
兵庫医科大学�
篠山病院�
1. 充実の臨床実習�
2. 共同研究�
3. 豊富な教育人材の活用�
)医療人としての学びの姿勢
大学での勉強とそれ以前の勉強の違いは、学ぶ内容だけでなく「学ぶ姿勢」にある。高校までの与え られる勉強とは異なり、自分自身で学ばなければならない。特に医療人は、一生が学びの場でもある。
本学ではまず、全学部混合で小グループを作り、身 近で具体的なストーリーを読み、問題点を挙げて討議 し、発表し合うという形式の授業を行っている。学生 たちはとまどいながらも熱心に議論を重ね、資料を調 べ、問題を解決しようとする。そのプロセスの中で、
医療人にとって必要なこと、人との関わりにおいて大 切なことを学びとっている。
この他にも共通教育センターでは、早期臨床体験実 習や特徴的な専門基礎科目などの医療系学問・実習の 基礎を担当し、専門科目へとつなげる役割を担ってい る。本学での学びが実り多きものになるように、共通
教育センターはその基礎をしっかりと固めるサポートを実践している。
図5.2の病院と医科大学との連携トライアングル