参考書
松坂和夫,代数系入門(岩波書店)コメント
講義の回数など
講義回数 休講回数 代講を頼んだ回数(その依頼先) 補講回数 TAの有無
(回) 13 0 0 0 有,2名
受講者数,合格者数の内訳
学部 大学院 その他
⋆印:対象学年 ⋆ (他学科等)
学年 1年 2年 3年 4年 M1 M2 D 総数 受講者数(人) 0 49 7 16 0 0 0 1 73 合格者数(人) 0 46 6 12 0 0 0 1 65
出席状況
5名(3年1名,4年4名)は初回の確認テストからすべて未受験で,実質受講者は68名であった.出 席状況は,ほぼ50名程度であった.
B: コースデザインとの比較,引継事項
○当初予定の講義の目標
「群・環・体についての基礎」を習得することを目標と考えた.群論の初歩では,「剰余群」「剰余定理」
が最大の難関だと考え,それの習得を,一番の目標とした.
○達成できた内容
おおむね予定通りであった.
○分析および自己評価
ほぼ予定通りの講義となった.
2002年度講義結果報告 後期・代数学序論
C: 講義方法
○講義の基本的な構成,工夫した点 講議内演習にウェイトをおいた.
○講義内演習の方針,目標
基本的には「講議内演習は,質問のための時間」と理解している.また,大切な質問が出たときは,それ を動機として「講議」を再開している.さらに以下のことも目標とした:
基本概念の定着.講議の次のステップの動機付け.講議で省略した内容の補足.レベルの高い学生のため の高度な内容の補足.「この講議で学習した内容がどのように発展するか」についての紹介.
○学生からのフィードバック 講義中に質問を受けた.
○学生の自己学習の支援
演習問題に「難問」を入れて自己学習を促した.office hour を定めたが,講義中や講議後に質問を受け たので不要だったし,機能しなかった.
D: 評価方法
○評価の方針
評価素材としては,基本的には,中間試験,期末試験のみを用い,数回以上出席した,実質的受講者の場 合には,普段の印象とも照らし合わせて微調整した.(合否ライン上の学生では,この調整の意味が大きく なった.)
○最終評価の方法
問題は,半年間の中で特に大事なことばかり出題した.
成績判定テストの結果は以下のとおりであった.(受験者総数73名,合格者65名)
優 良 可 全体 23 32 10 2年生 20 22 4
○評価方法,成績の結果に対する自己評価 評価は公正に実行した.
E: 学生の取り組み
後期・解析学要論 2002年度講義結果報告
A: 基本データ
科目名 解析学要論 担当教官 宮川 鉄朗
サブタイトル 特になし
対象学年 2年 4単位 必修
レベル 1
教科書
ハイラー・ワナー,解析教程(下),シュプリンガー・フェアラーク東京参考書
高木貞治,解析概論,岩波書店杉浦光男、解析入門I, II,東京大学出版会
コメント
教科書は解析学序論で使用したものを引き続き使った.参考書は自習の参考として提示した.杉浦氏の本を参考にしていた学生がかなり目についた.
講義の回数など
講義回数 休講回数 代講を頼んだ回数(その依頼先) 補講回数 TAの有無
(回) 14 1 0 1 有,2名
受講者数,合格者数の内訳
学部 大学院 その他
⋆印:対象学年 ⋆ (他学科等)
学年 1年 2年 3年 4年 M1 M2 D 総数 受講者数(人) 0 52 8 5 0 0 0 2 67 合格者数(人) 0 50 3 3 0 0 0 2 58
出席状況
だいたい隔週で出席をとったが,毎回55名から60名の受講者があった.
B: コースデザインとの比較,引継事項
○当初予定の講義の目標
筆者の着任前に,本科目の内容が多変数解析学ということに決められていたので,1年次の微分積分の講 義内容の復習から始め,計算に習熟することを主眼としつつ,3年次の解析学への橋渡しを念頭において 少し込み入った証明も取り入れ,解析学特有のものの見方や考え方を伝えようとした.微分法では「全微 分可能性」を基本的な概念として,最初からJacobi行列(式)の重要性を一貫して強調し,同時にchain ruleを自由に使いこなせること,積分法では,やはりJacobi行列式が主要な役割を演ずる変数変換公式の 証明と計算への習熟を目指した.また積分の解説においては,Riemann式の積分概念の不徹底さ,不都合 な点をいくつか上げて,3年次のLebesgue積分学習のための「心の準備」となることを願った.
2002年度講義結果報告 後期・解析学要論
○達成できた内容
計算を主体とした部分については,一応基礎的な部分は徹底して教えたつもりである.レポートや小テス ト,中間試験や定期試験でも,解析の計算の部分についてはほとんどの学生が安定した能力を示してくれた.
(これは正直な話,筆者には予想外で,この大学の学生の潜在的な質の高さの一端が見えて印象深かった.)
○達成出来なかった内容
理論的部分では,最初の頃の演習で,Euclid空間の開集合・閉集合の概念が明確に把握出来ていないこ とが判明し,その部分を補充しようと詳しい解説を試みたところ,背理法や簡単な論理に習熟していない ことが明らかになった.しかし本講義は集合と位相の講義ではないので,時間に追われて直観的な説明で 済ませて先に進まざるを得なかった(このことが後の講義でもしばしば障害になった).この時点あたりか ら,論理と評価の連鎖を駆使する解析特有の「証明」を解説することに不安を感じ始め,結局陰関数定理等 の証明はやったものの,積分の変数変換公式については講義の進度の遅れもあってプリントを配布して済ま せてしまった.進度が遅れた原因は筆者の病気により講義を短縮して済ませた週があったことにある.
C: 講義方法
○講義の基本的な構成,工夫した点
新しい概念の定義を導入したときには必ず例や反例をあげるようつとめた.基本的な定理でも,証明が技 術的なものは,証明を一切省略して「使い方」を例題で示すようにした.ただ計算を丁寧にすると時間を使 いすぎ,その結果演習の時間が短縮されたり,中途半端な時刻に講義が終わって演習の余裕がなくなったり して,時間の配分には非常に苦労した.陰関数定理とその周辺については,証明に立ち入って話の流れが中 断しないようにするために,最も初等的なケースから説きおこして徐々に一般化しながら話をしたが,結果 としてその週に与えられた講義時間全部を「定理の提示」のためだけに費やすことになってしまった.そう いった意味では(この方式の講義に対する筆者の不慣れもあって),時間配分には失敗したと思っている.
○講義内演習の方針,目標
目標は多変数解析学の基本概念の習得と習熟なので,なるべく簡単な問題を2−3題選んで解いてもらっ た.上に述べたように,日によって講義の重さにばらつきが生じ,予定を消化できない日もあったし,演 習の時間的余裕がなかった日もあったので,演習問題は講義終了後演習に移る際に板書した.少しむずか しめの問題を挙げて,自宅学習に供したこともある.積分の講義に入ってからは面積概念習得のための問 題は一切出さなかった.それは最初から3年生のLebesgue積分論に譲ることにしていた.また,通常の理 論構成による積分論の不便な点を解説して,やはり Lebesgue積分学習の準備とする予定でもあったので,
その種の講義をやった週の演習は,講義内容とは連動していない.積分の項では専ら重積分の計算の習熟を 目的にいくつかの基本例を自力で計算してもらった.特に力を入れたのは,極座標への変換とそこから帰結 する(積分の収束発散に関する)いくつかの結果である.
○他の講義との関連
積分の変数変換の話に力点をおいたのは,多様体上の微分形式の積分の理解が容易になることを願って のことである.同時にまた,Lebesgue積分論への橋渡しになることも心がけた.そのために,関数列の収 束と積分との順序交換等の諸定理を例に,初等積分論の「使いにくさ」を説明し,それがLebesgue積分論