講 演
平成 20 年度東京歯科大 学千葉病院医療連携講
1. 教室員と主研究テーマ
教 授 矢島 安朝 インプラント治療のリスクファクターの明確化 治癒期間の短縮化と患者負担の軽減
インプラント周囲上皮口腔粘膜の発癌リスクの検索
(A08-0163-1)
講 師 伊藤 太一 唾液によるインプラント周囲炎および歯周炎のリスク度の検定
(A07-0613-7)助 教 古谷 義隆 吸収性プレートを用いた顎骨欠損部での新しい骨延長法の開発
(A07-0613-3)レジデント 佐々木穂高
LIPUSの培養骨髄細胞移植による骨再生への影響の検索(A08-0163-2)
鈴木 憲久 外骨症発生機序の解明と遺伝的素因に関する研究
大学院生 森岡 俊行 微小領域X 回折装置を用いた顎骨生体アパタイト配向性の計測 伊藤 寛史 骨芽細胞の動態に及ぼすジルコニア表面形状の影響
小田 貴士 インプラント埋入、リスクファクターとしての免疫応答に関する 研究
吉田 有智 低代謝回転型骨粗鬆症モデルマウスの骨欠損部治癒過程に低出 力超音波パルス(LIPUS)照射が及ぼす影響
専修科生 北川 博美 猿田 浩規 法月 良江 安田 雅章
2. 成果の概要
1)インプラント治療のリスクファクターの明確化
インプラント治療を当科で行う症例すべてに対して骨代謝マーカー、骨吸収マーカーを測定 している。その中の約20%の症例に何らかの異常が認められた。これらの症例をCTのデータ、イ ンプラント治療の予後、骨吸収の程度、インプラント周囲炎の発症頻度等を長期的に検討し、
血液、尿検査からインプラントの予知性を把握することが目的である。本年度の結果よりイン プラントの予後に大きな影響を与える項目は、
NTx、デオキシピリジノリンである可能性が示唆された。
2)治癒期間の短縮化と患者負担の軽減
抜歯後即時埋入、即時負荷、即時修復等の症例を積極的に行い、治癒期間の短縮化、患者負 担の軽減化を目指す。 現在までの症例では、 新しいプロトコールによる失敗症例は見られない。
しかし、即時埋入や即時負荷を行うための一定の基準は報告されていない。この研究では、術 前の画像診断やインプラント埋入時の力学的定量結果、組織学的所見より適応症を確定するこ とを目的としている。
3)骨造成法の確立
現在、インプラントのための骨造成法は自家骨移植だけを行っている。骨採取部位は腸骨皮
質骨、腸骨海綿骨骨梁、下顎枝外側皮質骨、上顎結節部海綿骨等が用いられているが、移植後 インプラント埋入のための最適時期は決まっていない。これらを明らかにするために、歯科用
CTの濃度分布と手術所見を検討し、インプラント埋入のために最も良い時期を確定したいと考える。この結果をもとに、人工材料(β-TCP, α-TCP) 、PRP、の臨床症例との比較検討を行う 予定である。
4) 骨結合インプラントに関する基礎的ならびに臨床的検討
骨強度評価ソフトウェア を用いて、顎骨CTデータから形状抽出、有限要素モデル化を行い、
実際のインプラント埋入部位の骨強度を把握すべく検討を行っている。 また, 生体計測として,
インプラント療法を適用した患者の埋入インプラントに対して,共鳴振動周波数分析装置を用 い,埋入手術時とアバットメント連結手術時における共鳴振動周波数(ISQ値)の計測を行って いる。今後は、コンピューターシミュレーションによる骨強度測定の結果と、実際の生体計測 の結果を比較し、特に即時荷重法における上部構造設計に関して検討を行う予定である。
5) 唾液によるインプラント周囲炎および歯周炎のリスク度の検定
インプラント周囲組織の健康を維持するためには、プラークコントロールの徹底が必要であ る。その後の細菌の定着や病原性の進行は、宿主の要因に大きく関わっている。特に唾液は、
その量や成分などを中心に重要な環境因子となっている。唾液は、口腔内の環境を維持し、そ こに含まれる唾液タンパク質はタンパク分解酵素の作用を阻害したり、細菌の繁殖を抑えたり と口腔内の自然免疫において重要な働きを担っている。そこで 我々はまずCystatin SAのモノ クローナル抗体の開発を行い、臨床的に応用できることに成功した。そして、今後の研究では インプラント周囲炎および歯周炎患者における唾液中抗菌タンパク質であるシスタチンおよび リゾチームを定量し、歯周病関連細菌の定量も併せて行い、両者の相関性を調べ、唾液による インプラント周囲炎および歯周炎のリスク度の検定を行う予定である。
6) 吸収性プレートを用いた顎骨欠損部での新しい骨延長法の開発
本研究の方法は骨を分割してその間にできる仮骨を延長させる従来の仮骨延長法と異なり、
分割する骨の代わりに薄い吸収性プレートを骨膜下に挿入してこれを徐々に挙上して仮骨を形 成させる方法で、技術的には容易である。本年度は、上記の概念の検討のために従来の歯槽部 仮骨延長装置を使って骨の増量の可能性について観察を行った。
3. 科学研究費補助金・各種補助金
研究代表者 研究課題 研究費
矢島 安朝 インプラント周囲口腔粘膜は癌化しやすい! 科研費 基盤研究(C)
佐々木穂高 歯牙発生で減少した未解明遺伝子の発現・機能解析 科研費 若手研究(B)
4. 研究活動の特記すべき事項 シンポジスト
シンポジスト 年月日 演題 学会名 開催地 矢島安朝
2008. 9.13インプラント治療のガイ
ドラインのためのエビデ ンス
第38回日本口腔インプ ラント学会学術大会
東京
武田孝之
2008. 9.13インプラント治療のガイ ドラインのためのエビデ ンス
第38回日本口腔インプ ラント学会学術大会
東京
矢島安朝
2008.12. 6東京歯科大学口腔インプ ラント科の現状と将来
第12回日本顎顔面イン プラント学会学術大会
東京
学会招待講演
講演者 年月日 演題 学会・研究会名 開催地 矢島安朝
2008. 8.9~10インプラントの変遷と今
後の展開-過去、現在、未 来-デンタルインプラン トの基本とその応用
第30回日本口腔外科学 会教育研修会
岡山市
矢島安朝
2008. 8.31インプラント手術の実際
-氾濫する情報にまどわ されないために-
第5回日本顎顔面インプ ラント学会学術研修会
岩手市
矢島安朝
2008. 9.13 Yes We Can-インプラン ト治療に臨床検査は必須 である-
第1回日本口腔検査学会 総会・学術大会
東京
武田孝之
2008. 9.14インプラントのヒヤリハ ットに学ぶ臨床検査
第38回日本口腔インプ ラ ン ト 学 会 学 術 大 会 日本口腔検査学会の集 い
東京
5. 教育講演等教育に関する業績、活動
教育講演
講演者
(著者)
年月日 演題(タイトル) 学会・研究会名(発行所) 開催地
矢島安朝
2008. 5.10インプラント治療の現 実と幻想-氾濫する情 報にまどわされないた めに-
東京歯科大学同窓会四 国地域連合総会学術講 演会
徳島市
矢島安朝
2008. 5.25インプラント治療の現 実と幻想-氾濫する情 報にまどわされないた めに-
昭和大学歯学部同窓会 学術講演会
東京
矢島安朝
2008. 6.29インプラント治療の現 実と幻想-歯科衛生士 に期待すること-
東京歯科大学歯科衛生 士専門学校同窓会第1 回卒後セミナー
東京
矢島安朝
2008. 7.13メディカルインタビュ ー-求められる言葉の 医療行為-
宇 都 宮 市 歯 科 医 師 会 学術講演会
宇都宮市
矢島安朝
2008. 8.28 Yes We Can-インプラ ント治療が歯科医療の 未来を変えるために-
インプラント治療から
CHANGE東京歯科大学千葉県同 窓会 学術講演会
千葉市
矢島安朝
2008. 9.18医療訴訟を防ぐ安全な 歯科治療-インプラン ト治療を中心に-
日本綜合歯科協会月例 講演会
東京
矢島安朝
2008.11. 9トラブル症例から学ぶ 失敗防止策
長崎大学歯学部同窓会 第2回学術講演会
長崎市
矢島安朝
2008.11.13「ちょっと気になるお 口の話:インプラント治 療とケア」~インプラン トの入門編から最新情 報まで~インプラント
(入れ歯に変わる人工 歯根)は第二の永久歯?
平成20年度「心も体も いきいき講座」
市原市
矢島安朝
2008.11.19 “CHANGE”We Can Believe in インプラント治療は変わる「検査そ して事故の教訓から」
千葉県保険医協会歯科 八千代習志野支部 学 術研究会
八千代市
矢島安朝
2008.12.21 Yes We Can-インプラ ント治療が歯科医療の 未来を変えるために-
インプラント治療から
CHANGE総合インプラント研究 センター講演会
東京
矢島安朝
2009. 1.18 “CHANGE”Yes We Can これからの歯科医療を変 えるもの-メディカルイ ンタビューとインプラ ント-
福 島 県 歯 科 医 師 会 会津方部 学術講演会
会津若松市
添島義和
2008. 4.19インプラント治療概論 第14回日本口腔インプ ラント学会認定講習会
熊本市
添島義和
2008. 6.21イ ン プ ラ ン ト 治 療 の
clinical path第14回日本口腔インプ ラント学会認定講習会
熊本市
添島義和
2008. 8.16 Straumann Implant System 概説第14回日本口腔インプ ラント学会認定講習会
熊本市
添島義和
2008. 8.17インプラントを用いた
over dentuer基礎と臨床第14回日本口腔インプ ラント学会認定講習会
熊本市
添島義和
2008.10.19 Immediate loadingの基礎と臨床
第14回日本口腔インプ ラント学会認定講習会
熊本市
添島義和
2008.11. 8欠損補綴から見た咬合 の維持・安定 パーシャ ルデンチャーからイン プラントまで
熊本県歯科医師会学術 講演会
熊本市
添島義和
2008.11.23インプラント治療難症 例への対応
第14回日本口腔インプ ラント学会認定講習会
熊本市
ドキュメント内
Journal 東京歯科大学研究年報, (): ‑
(ページ 119-133)