• 検索結果がありません。

損害保険業界の財務データ

ドキュメント内 FACT BOOK 2010J.indb (ページ 39-55)

2008 年財務成績

 ISO によれば、米国の損害保険業界の保険引受損益は、2007 年の 193 億ドルの黒字から、

2008 年は 213 億ドルの赤字と、406 億ドル悪化した。これは、保険料収入の低迷と、保険金 支払いおよび損害調査費の増加による。引受および投資成績の不振が一因となり、税引後純利 益は 2007 年の 625 億ドルに対し、2008 年は 23 億ドルと、602 億ドル減少した。この結果、

損害保険業界の平均純資産利益率は 2007 年の 10.9%から 2008 年は 0.3%へと低下した。

正味計上保険料は、2008 年、1.4%減となったが、これは 2007 年の 0.6% 減少に続く1943 年以来 2 度目の減少であった。ISO によれば、引受余力を示す契約者剰余金は、史上最高の 5,179 億ドルに達した 2007 年末から 618 億ドル、11.9%減少して 4,561 億ドルとなった。

損害保険の収入分析:2004年〜2008年

1

(単位十億ドル)

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年

正味計上保険料 424.1 425.5 443.5 440.6 434.5

増減(%) 4.9 0.3 4.2 -0.6 -1.4

既経過保険料 413.8 417.6 435.5 438.9 438.1

既発生損害 247.8 256.5 231.3 244.7 286.2

損害調査費 53.1 55.1 52.6 52.3 51.7

その他引受費用 106.8 109.8 117.1 120.1 119.6

契約者配当金 1.7 1.9 3.4 2.4 2.0

保険引受損益 4.3 -5.6 31.1 19.3 -21.3

投資収益 40.0 49.7 52.3 55.1 51.2

その他損益 -0.3 1.0 1.2 -1.0 -0.1

営業損益 44.0 45.1 84.6 73.4 29.8

資産売却損益 9.1 9.7 3.5 8.9 -19.8

既発生連邦所得税 14.6 10.7 22.4 19.8 7.7

税引後純利益 38.5 44.2 65.8 62.5 2.3

1本表のデータは、出典が異なるため、他の引用データと異なることがある。

出典:ISO

 

財務成績

保険料とコンバインド ・ レシオ

 保険会社は財務成績を測るために様々な指標を使う。契約者配当後コンバインド・レシオは、

保険引受の収益性を測る指標の 1 つである。この指標は保険料 1ドルに対して、保険会社が保 険金および経費として支払った額の割合を示している。コンバインド・レシオには投資収益は算 入しない。コンバインド・レシオが 100 を超えているときは、保険引受損失が発生していること を示す。

販売および一般管理費 23.6¢

保険金支払 73.5¢

配当 0.5¢

州税および 事業免許手数料

2.4¢

損害保険の正味計上保険料とコンバインド・レシオ:

1999年〜2008年

(単位千ドル)

正味計上保険料1 増率(%) 契約者配当後 

コンバインド・レシオ2 変化率  (ポイント)

1999 293,084,906 2.1 107.6 1.9

2000 305,069,884 4.1 109.9 2.3

2001 327,821,992 7.5 115.5 5.6

2002 375,009,622 14.4 107.0 -8.5

2003 409,256,440 9.1 100.1 -6.9

2004 427,396,262 4.4 98.5 -1.6

2005 429,202,836 0.4 100.7 2.2

2006 448,966,036 4.6 92.4 -8.3

2007 447,436,030 -0.3 95.7 3.3

2008 440,631,030 -1.5 105.5 9.8

再保険取引後、州基金を除く。

契約者配当後。

出典:Highline Data 社提供の全米保険庁長官会議(NAIC)年次報告書データベース。

本情報は著作権により保護されている。Highline  Data 社の文書による明示的許可が ある場合を除き、全部または一部を問わず複製、再配布禁止。

保険料の使途

 2008 年、保険引受業務にかかった総費用は、保険料 1ドルにつき 1ドル 6 セントであった。

保険引受業務の収支には、保険金支払いとこれに伴う費用、販売および一般管理費、契約者配 当金、州税と事業免許手数料が含まれるが、投資収益と利ざやは除かれる。

保険料の使途 損害保険全種目:2008年

出典:Highline  Data 社提供の全米保険庁長官会議(NAIC)年次報告書データベース。本情報は著作権により保護されてい る。Highline Data 社の文書による明示的許可がある場合を除き、全部または一部を問わず複製、再配布禁止。

  損 害 保 険 業は、 循 環 的な 産 業である。1999 年 から 2008 年の期間では、保険 料収入は 2002 年に 14.4%

増と最高の伸び率を記録し た が、2007 年 は 0.3 %、

2008 年は 1.5%減少してい る。

 

財務成績

損害保険業界の財務データ

収益性:保険とその他の主要産業

 ISO の分析によれば、一般に公正妥当と認められた会計原則(GAAP)ベースの損害保険会 社の収益性は、他産業に比べて見劣りする。1999 年から 2008 年まで、フォーチュン 500 合 計の純資産利益率は、損害保険業界の純資産利益率を毎年上回っている。保険会社は、年次 財務諸表を州の保険庁や内国歳入庁に提出する際、GAAP よりも保守的な法定会計原則(SAP)

を用いなければならない。外国の保険会社は、SAPともGAAPとも異なる会計基準を用いている。

一部の保険会社は、世界統一基準への移行を支持している。2008 年、損害保険業界の GAAP ベースの利益率は 0.3%であり、史上二番目に低い値であった。これまでの最低値は 2001 年で、

マイナス 1.2%を記録している。

年別利益率:資本に対する税引後利益の割合(%) :1999年〜2008年

損害保険業

健康保険生命・ 4

他の主要産業1

フォーチュン500 製造業・ 

サービス業総合6 法定会計2 GAAP会計3 複合金融機関5 商業銀行 電気・ガス

公益事業

1999 6.9 6.0 13.0 21.0 18.0 11.9 15.2

2000 6.8 5.9 10.0 21.3 16.7 11.8 14.6

2001 -1.8 -1.2 7.0 19.3 14.0 10.5 10.4

2002 3.3 2.1 1.0 19.5 17.3 7.9 10.2

2003 8.5 8.8 9.0 19.5 14.9 10.5 12.6

2004 9.3 9.4 11.0 15.0 15.5 10.5 13.9

2005 10.7 9.6 13.0 15.0 16.0 10.0 14.9

2006 13.3 12.7 12.0 15.0 15.0 11.0 15.4

2007 11.8 10.9 11.0 -1.0 11.0 11.0 15.2

2008 1.0 0.3 1.0 8.0 3.0 13.0 13.1

GAAP 会計基準に基づく純資産利益率、フォーチュン誌。

税引後利益/期末契約者剰余金。Highline  Data 社のデータをもとに米国保険情報協会で算出。保険会社は保険監督当局 への年次報告作成の際に法定会計を用いる。

平均純資産利益率、ISO。

GAAP 会計基準に基づく純資産利益率、フォーチュン誌。米国保険情報協会が株式会社と相互会社を合わせて算出。

広範な金融サービスを主たる収入源とする会社。これらの会社は、保険会社、銀行または貯蓄金融機関、証券会社として それぞれの認可を受けている訳ではないが、こうした金融事業から収入を得ている。

フォーチュン 500 製造業・サービス業総合の純資産利益率の中位数。

出典:Highline Data 社提供の全米保険庁長官会議(NAIC)年次報告書データベース。本情報は著作権により保護されてい る。Highline Data 社の文書による明示的許可がある場合を除き、全部または一部を問わず複製、再配布禁止。

 

財務成績

損害保険業界のサイクル

 ほとんどの業界では、ある程度の循環性が見られる。損害保険業界のサイクルは、保険料率が 安定または下落し、保険購入が容易な市場のソフト期と、保険料率が上昇し、保険の入手が困難 となり、保険会社の収益が向上する市場のハード期によって特徴付けられる。

 損害保険サイクルの主因は業界内の激しい競争にある。保険会社が市場シェア増加を目指して 激しく競争するにつれ、保険料率が低下する。利益が減少するか、ゼロになってしまうまで市場が ソフト化すると、新規案件引受に必要とされる資本が消滅してしまう。サイクルの上昇局面では、

競争が弱まり、引受基準は厳しくなり、資本が不足しているために保険供給は限定され、結果とし て保険料率が上昇する。そうなると、高い利益率への期待から、資本が流入し、競争は激化し、

必然的にサイクルが下降局面入りすることになる。

 下表は、インフレ調整後の損害保険正味計上保険料の伸び率を 30 年間以上にわたって示した ものである。この間にハード期は 3 回あった。保険料の計上方法には数種類あるが、ここでは再 保険料を差し引いた正味計上保険料を用いている。

 過去 3 回のハード期では、インフレ調整後の正味計上保険料収入はそれぞれ 7.7%(1975 年

〜 1978 年) 、10.0%(1984 年〜 1987 年)および 6.3%(2001 年〜 2004 年)増加している。

損害保険の正味計上保険料前年比増減率:1975年〜2008年

1

1州基金を除く。

出典:ISO

インフレ調整済み 名目

-10 -5 0 5 10 15 20 25 30%

2008 2005 2002 1999 1996 1993 1990 1987 1984 1981 1978 1975

 

財務成績

損害保険業界の財務データ

事業成績

 2004 年、2006 年および 2007 年の保険引受成績は好調であったものの、保険業界においては、

保険引受業務から利益を生み出せない年が多い。資本および剰余金勘定(支払備金および未経 過保険料準備金としての積立金)を含む多くの源泉からの投資収益によって、これらの損失を埋 め合わせていることが多い。

事業成績、損害保険:1999年〜2008年

1

(単位百万ドル)

保険引受 

(契約者配当後)損益 

投資収益 

(投資経費

等控除後) 実現資産

売却損益 契約者 

配当金 税金2 税引後利益3

1999 -19,909 40,314 13,166 3,539 6,011 22,974

2000 -27,275 42,030 16,112 4,089 5,657 21,488

2001 -50,151 38,694 6,896 2,377 -109 -5,776

2002 -28,297 39,826 3,172 1,976 2,013 9,713

2003 -3,199 39,823 6,483 1,910 10,765 30,397

2004 5,558 40,399 9,076 1,818 14,585 38,359

2005 -3,470 50,302 11,971 1,986 10,733 47,176

2006 34,749 53,349 3,711 3,611 22,515 66,725

2007 21,743 56,483 8,864 2,814 19,937 63,359

2008 -19,853 53,418 -19,611 2,211 7,725 4,397

州基金を除く。

連邦税および外国税を含む。

雑収入が省略されているため、各欄に示された数字の合計額とは合致しない。

出典:Highline  Data 社提供の全米保険庁長官会議(NAIC)年次報告書データベース。本情報は著作権により保護されてい る。Highline Data 社の文書による明示的許可がある場合を除き、全部または一部を問わず複製、再配布禁止。

事業成績、損害保険:1999年〜2008年

1

(単位十億ドル)

州基金を除く。

保険引受損益(契約者配当後)と投資収益(投資経費等控除後)の合計額。

出典:Highline  Data 社提供の全米保険庁長官会議(NAIC)年次報告書データベース。本情報は著作権により保護されてい る。Highline Data 社の文書による明示的許可がある場合を除き、全部または一部を問わず複製、再配布禁止。

投資収益(投資経費等控除後)

合算損益2

保険引受損益(契約者配当後)

-60 -40 -20 0 20 40 60 80

$100

2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001 2000 1999

 

財務成績

契約者剰余金

 損害保険会社はリスクを引受けるために、一定水準の剰余金を維持しなければならない。こ の財務的クッションのことを、引受キャパシティとも呼ぶ。保険業界が大型ハリケーンなどによっ て高額の損害に見舞われると、引受キャパシティは減少する。また、純利益の増加、好調な投 資収益、再保険によるリスク移転の増加、資本調達などによって、引受キャパシティは回復する。

連結ベースでの資産および契約者剰余金、損害保険:1999年〜2008年

1

(単位百万ドル)

認容資産  増率 

(%) 法定会計に

よる負債  増率 

(%) 契約者

剰余金  増率 

(%) 正味計上 

保険料総額1  増率 

(%)

1999 930,109 -0.1 588,129 0.4 341,975 -0.9 293,085 2.1 2000 924,894 -0.6 600,437 2.1 324,455 -5.1 305,070 4.1

2001 952,748 3.0 657,422 9.5 295,326 -9.0 327,822 7.5

2002 1,013,978 6.4 721,711 9.8 292,268 -1.0 375,010 14.4 2003 1,194,393 17.8 834,852 15.7 359,541 23.0 409,256 9.1 2004 1,301,441 9.0 897,487 7.5 403,904 12.3 427,396 4.4 2005 1,400,055 7.6 962,587 7.3 437,467 8.3 429,203 0.4 2006 1,483,148 5.9 983,651 2.2 499,497 14.2 448,966 4.6 2007 1,473,926 -0.6 944,082 -4.0 529,843 6.1 447,436 -0.3 2008 1,405,417 -4.6 942,952 -0.1 462,465 -12.7 440,658 -1.5

1再保険取引後、州基金を除く。

出典:Highline Data 社提供の全米保険庁長官会議(NAIC)年次報告書データベース。本情報は著作権により保護されてい る。Highline Data 社の文書による明示的許可がある場合を除き、全部または一部を問わず複製、再配布禁止。

正味計上保険料と契約者剰余金前年比増減率、損害保険:

1999年〜2008年

1

再保険取引後。州基金を除く。

出典:Highline Data 社提供の全米保険庁長官会議(NAIC)年次報告書データベース。

本情報は著作権により保護されている。Highline Data 社の文書による明示的許可があ る場合を除き、全部または一部を問わず複製、再配布禁止。

  2001 年は、世界貿易セン ターへのテロ攻 撃により、

契約者剰余金が大幅に減少 した。

  2008 年、契約者剰余金は、

史上最高となった 2007 年 の 5,298 億ドルから 12.7%

減少した。

契約者剰余金 正味計上保険料

-20 -10 0 10 20 30%

2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001 2000 1999

ドキュメント内 FACT BOOK 2010J.indb (ページ 39-55)

関連したドキュメント