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提言及び教訓

ドキュメント内 ミャンマー国 農民参加 (ページ 61-76)

4-1 提 言

調査結果に基づき、調査団は以下のとおり提言を行った。

<プロジェクト終了まで>

・ナマンガにおいて、政権交代にかかわるケニア側の省庁再編に伴う業務フロー変更を勘案し つつ、その他関係官庁への研修等を計画的に実施し、全関係官庁が利用した完全稼働に向け 活動を進めること。

・マラバ、ブシアへのRTMS/CCSの展開をにらみ、関係国あるいは他ドナーが開発・運営して いるシステムの機能等を整理するとともに、今後のロールアウトを適切に行ううえで、持続 的な実施体制や必要な投入を検討すること。

・ナマンガでのOSBP施設建設はまだ完工に至っていないがようやく着工された。今後、OSBP 供用開始を遅滞なく行えるよう、施設建設に係る進捗を見極めつつ、OSBP 運用に向けた関 係機関の調整や運用マニュアルの作成等をタイムリーに進めること。

・MTPの持続的な活用に係る検討を行うこと。

・JWS活動の活性化に向けた関係国間の活動計画を踏まえ、実施促進を行うこと。

・通関士制度の政策枠組みドラフトを計画どおり作成すること。

・上記プロジェクト期間内での残された活動の進捗に基づき、プロジェクト終了段階での達成 レベルを踏まえ、次期フェーズで取り組むべき課題を整理すること。

・MT の有効活用・能力強化の観点から、例えば情報分析の分野に係る WCO ワークショップ への派遣等、WCOとの連携を引き続き維持・強化すること。

4-2 教 訓

<OSBPの導入に向けて>

・本プロジェクトにおいては、ナマンガの施設建設の遅れが、プロジェクト活動の進捗にも影 響を及ぼす結果となった。またJBS/JWSの実施においても、法的枠組みの担保が必要な側面 もあるなど、OSBP の導入にあたっては、法制度、インフラ、手続き、ICT 等多くの要素を 勘案する必要があり、プロジェクトの有効性及び効率性確保のため、プロジェクト開始前に、

前提条件及び外部条件を精査することが必要である。

・また、プロジェクト実施段階においても、外部環境の進捗を踏まえながら、柔軟な活動計画 の見直しが求められる。

<プロジェクト管理>

・プロジェクト計画段階において PDM の達成指標とスコープの明確化を行うとともに、特に 広域にまたがる大規模案件を実施する際には、ベースライン調査の実施等による補足的な情 報を含めプロジェクト計画を関係者間で適切に共有する必要がある。

・プロジェクト実施段階において、PDM をモニタリングツールとしての活用を徹底できるよ う、C/Pの理解促進と日本側とC/P側双方でのモニタリング体制の充実化が必要である。

・機材供与については、供与検討段階で先方の活用、維持管理に係る体制を慎重に検討すると

ともに、供与後の稼働状況を適切にモニタリングすることが求められる。

Ⅱ:後継プロジェクトの詳細計画策定

第5章 東部アフリカ地域における OSBP 導入を含む税関の 取り組みの現状と課題

5-1 各国の輸出入・歳入に係る現状 5-1-1 各国の貿易の現状

東アフリカ共同体(EAC)のその他地域との貿易総額は 2010 年には 370 億米ドルと、EAC 関税同盟2が発効した2005年と比べて倍増している(EAC各国の貿易額は下図を参照)が、貿 易赤字は拡大する一方である。しかしながら、近年、ウガンダやケニアで油田が発見されてい るなど、今後の展望に期待が寄せられている。

出典:East African Communiry Secretariat, “East African Community Facts and Figures – 2012” (2012)

*ブルンジの輸出総額、輸入総額ともに値が小さいため非表示。

図5-1 EAC各国の輸入総額(上)と輸出総額(下)(2005 年~2011 年)

2 ブルンジとルワンダに関しては、関税同盟の発効は20097月。

(百万米 ドル)

(百万米 ドル)

3,447 3,481 4,080

5,054 4,462

5,172 5,754

35 33 40 46 47 54 71 1,571 2,000 2,007

3,119 2,982 3,977

4,772

813 962

1,337 1,724 1,568 1,619 2,159 0

1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011

ケニア ブルンジ ルワンダ タンザニア ウガンダ

5,865 7,233

8,989

11,292 10,188

11,955 14,814

373 143 207 394 450 504 589 3,043 3,864

5,919 6,908 6,531 8,070

11,184

2,054 2,557

3,495 4,526 4,258 4,664 5,631

0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 16,000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011

ケニア ブルンジ ルワンダ タンザニア ウガンダ

また、EAC域内における各国の貿易額は総じて増加傾向をみせているが、下図に示すとおり、

域内全体でみたときの貿易収支はケニア、タンザニア(2007年以降)が黒字、その他3カ国は 赤字となっている(詳細は第6章末の付録を参照)。

出典:East African Communiry Secretariat, “East African Community Facts and Figures – 2012” (2012)

図5-2 EAC域内貿易におけるケニア及びタンザニアの貿易収支(2005 年~2011 年)

EACにおいては、沿岸部から内陸部を結ぶ2つの回廊が存在する。1つは、域内貿易の4分 の3を担い、ケニアのモンバサ港からウガンダを経由しそれぞれルワンダ、ブルンジと南スー ダンに抜ける北部回廊である。もう1つはタンザニアのダルエスサラーム港からルワンダ、ブ ルンジ、コンゴ民主共和国へとつながる中部回廊で、残りの4分の1を占める。

EAC各国でオンライン手続きを含む通関の改善努力の結果、EACでは2006年時と比べて、

輸出にかかる平均時間はおよそ3分の2に削減され、また輸入にかかる平均時間は約半減して いるといわれている3。しかしながら、下表に示すとおり、輸出入に要する時間や費用4等をみ ると、各国とも貿易円滑化に向けた改善の余地は大きいといえる。

表5-1 EAC各国の輸出入に要する書類数5・時間・費用

国 名 輸 出 輸 入

書類数 日 数 費 用 書類数 日 数 費 用 タンザニア 6 18 1,040 10 31 1,565 ウガンダ 7 26 2,255 9 33 4,990

ケニア 8 29 2,965 7 26 2,350

ルワンダ 8 32 3,050 8 31 5,005 ブルンジ 10 33 3,245 11 46 3,215

出典:International Bank for Reconstruction and Development / The World Bank, “Doing Business in the East African Community 2013” (2013)

費用はコンテナ当たり米ドル

3 International Bank for Reconstruction and Development / The World Bank, “Doing Business in the East African Community 2013”

(2013)

4 費用は欧米の6~7割程度高いといわれる。

5 輸出入に必要な書類数(上記出典の定義に基づく)

(百万米 ドル)

(32) (18) 96 55 7 99 39

913

652 761

1,031 1,005 1,022 1,242

-200 0 200 400 600 800 1000 1200 1400

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011

タンザニア ケニア

5-2 EAC及びEAC各国の税関近代化及びOSBP導入に係る戦略・計画

EACの域内統合に関しては、域内の貿易自由化促進のために 2005 年に関税同盟への移行が始 まり、2010 年1月までに域内関税の撤廃(ただし一部項目を除く)、対外共通関税の導入、域内 共通の原産地規則の導入が実現した6。域内の税関行政や関税関連事項に関する法整備としては、

EAC税関行政法(EAC Customs Management Act)が2004年に制定され、EAC各国は同法に従っ て関税業務を実施している。また、域内でワン・ストップ・ボーダー・ポスト(OSBP)の導入を 推進するべく、2013年4月にEAC OSBP法案がEAC立法議会で通過し、現在各国大統領の承認 を待つ状況にある。

続いて、EAC 各国歳入庁(RA)の複数年にわたる経営計画や戦略等に記載されている税関の 近代化やOSBP導入を推進する計画について、以下に示す。

(1)「ケニア歳入庁(KRA) 第5次経営計画(2012/13~2014/15)」7

ケニアの国家開発政策に即した KRA の重点課題のうち、税関近代化に関する項目は以下 のとおりである。

・ 国境管理及び地域統合の促進

・ 国境を超えた納税及び貿易に関するビジネス環境の改善

・ 汚職撲滅

OSBP導入に関係する戦略としては、国境施設のうち計14カ所における事務所及び職員宿 舎のリハビリあるいは OSBP へのアップグレードを行う予定である。まず 6 カ所において OSBPプログラムを実施する。国境及び空港におけるOSBP化を推進し、2012/13年度末まで には少なくとも1カ所で機能させるようにするとの目標を掲げている。

(2)「ブルンジ歳入庁(OBR) 経営計画(2013~2017)」8

ブルンジの国家開発政策といえる「Vision Burundi 2025」の実現を見据えたOBRの重点課 題のうち、税関近代化に関する項目は以下のとおりである。

・ 歳入の強化

・ 納税者のコンプライアンスの向上

・ 納税サービスの円滑化に向けた効果的な管理システム及び手続きの導入

(3)「ルワンダ歳入庁(RRA) 中期戦略(2010~2013)」9

RRAの重点分野のうち、税関近代化に関しては、歳入の強化、自発的なコンプライアンス 遵守の促進及び課税ベースの拡大が挙げられる。その実現に向けて、以下の活動が掲げられ ている。

・ OSBPコンセプトに基づく施設の拡大

・ 通関時間の削減及び迅速な顧客対応による貿易円滑化の強化

・ 脱税・不正行為・密輸の摘発及び訴追

6 日本貿易振興機構『ナイロビ事務所東アフリカ共同体(EAC)の域内統合の進展と企業動向』、2011

7 Kenya Revenue Authority, “Fifth Corporate Plan 2012/13-2014/15”

8 Office Burundais des Recettes, “Corporate Plan 2013-2017” (2012)

9 Rwanda Revenue Authority, “RRA Medium Term Strategy (2010-2013)” (2010)

・ 地域統合の促進

・ RRA職員と主要なパートナーとの連携促進

(4)「タンザニア歳入庁(TRA)関税局 税関近代化戦略・行動計画(2009/10~2012/13)」10 TRA関税局の税関近代化に係る目標と戦略は以下の5点である。

・ 貿易の円滑化と通関時間の削減

・ 税関プロセス及び手順のオートメーション化の強化

・ 人材及び組織の能力強化

・ 実施(監視、スキャナーの拡充、貨物追跡システムの導入等)能力の強化

・ ステークホルダー(関係官庁、通関業者等)との関係強化

上記の実施・実現のための計画に含まれる主要な要素として以下が挙げられており、OSBP 管理システムの実施に関しては、EAC の域内プロジェクトをはじめ、JICA やトレードマー ク・イースト・アフリカ(TMEA)といったドナーと連携してナマンガ、ルスモほかの国境 でOSBPの導入を実施することが明記されている。

・ 通関所要時間調査(Time Release Study:TRS)

・ リスクマネジメント・システム

・ 関税評価データベース

・ 税関プロセス及び手順のストリームライン化及びオートメーション化

・ 事後調査

・ スキャナー

・ OSBP管理システムの実施

・ 人材の能力強化

・ 税関業務の効率化のための管理体制の見直し

・ 職員の雇用と資機材の調達

・ 認定事業者(Authorized Economic Operator:AEO)制度

(5)「ウガンダ歳入庁(URA) 経営計画(2011~2015)」11

ウガンダの「国家開発計画2010~1014」に即したURAの重点課題のうち、税関近代化に 関しては課税ベースの拡大、課税構造の改革等が掲げられている。また、「ウガンダ歳入庁

(URA) 事業計画(2012~2013)」12には戦略課題として、サービスの向上、税関システム の向上、税制の改善、インフラ整備が掲げられており、インフラ関連でOSBP施設の建設に ついて言及されている。

5-3 ナマンガ及びルスモ国境におけるOSBPに向けた取り組み状況

関係者からの聞き取りによると、EAC 5カ国ではOSBPを推進するため、既に国家レベルステ アリング・コミッティ(National Steering Committee:NSC)13が関係省庁職員をメンバーとして立

10 Tanzania Revenue Authority, “Customs Modernisation Strategy and Action Plan (2009/10-2012/13)” (2010)

11 Uganda Revenue Authority, “Corporate Plan 2011-2015”

12 Uganda Revenue Authority, “Business Plan 2012-2013”

13 加えて、南スーダンでも設立済み。

ドキュメント内 ミャンマー国 農民参加 (ページ 61-76)

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