• 検索結果がありません。

推奨用法・用量に関する臨床情報の解析

ドキュメント内 TOC (ページ 45-49)

2.7.3 臨床的有効性の概要

2.7.3.4 推奨用法・用量に関する臨床情報の解析

本剤は反復投与法で開発されてきた.この投与方法を採用した背景を以下に示した.

本剤の有効成分である

Org 37462(ガニレリクス酢酸塩)は GnRH

アンタゴニストであり,水溶性,

安定性及び受容体への親和性が高い化合物である.薬物動態学的性質としては,以下のような点が挙げ られる.

・Org 37462 は単回皮下投与後,速やかにかつほぼ完全に吸収される(ヒトにおける絶対的バイオア ベイラビリティ

90%以上).

・Org 37462の消失半減期は約

13

時間である.

GnRH

アンタゴニストは

GnRH

受容体に競合的に結合して薬効を示すという点を考慮すると,早期

LH

上昇発現を抑制するためには,治療期間中の

Org 37462

の血清中濃度は,一定のレベルに保たれる必 要があると考えられる.

上記の薬物特性を考慮し,recFSH投与開始後

6

日目から

Org 37462

0.25 mg

を反復皮下投与すると いう用法・用量で開発されてきた.このような反復投与の用法・用量では,GnRHアンタゴニストの曝 露量は低く抑えられる一方で,十分かつ低すぎない

LH

及び

FSH

の抑制が継続して得られるという利点 がある.一方,GnRHアンタゴニストを高用量で単回投与した場合には,hCG投与に至るまでに追加投 与が必要となり,低用量の

GnRH

アンタゴニストにより治療を継続するといった事態も考えられる.

高用量単回投与と低用量反復投与について,それぞれの利点及び欠点を考慮し,Org 37462 は低用量 反復投与の用法・用量で開発することとした.現在,Org 37462 の低用量反復投与法は,世界各国で高 く評価され,GnRHアンタゴニスト法として臨床使用されている.

2.7.3.4.1 外国人女性における Org 37462

の至適用量について

recFSHによるCOSを実施する外国人女性におけるOrg 37462

の最小有効用量は,用量設定試験として

38602

試験で検討した.38602試験の結果を表 2.7.3-36に示した.

表 2.7.3-36

38602

試験の主要な結果(PPグループ)

投与群

有効性パラメータ Org 37462

0.0625 mg 0.125 mg 0.25 mg 0.5 mg 1 mg 2 mg

N=31 N=65 N=69 N=69 N=65 N=30

Org 37462投与中にLHが上昇

(10 IU/L以上)した被験者数(%) 5(16.1%) 7(10.8%) 2(2.9%) 0(0%) 1(1.5%) 0(0%)

N=30 N=65 N=69 N=69 N=64 N=26

治験薬投与例あたりの

採卵数平均値(標準偏差) 9.0(5.66) 9.6(5.37) 10.0(5.39) 8.8(6.55) 9.3(6.00) 8.6(4.41)

N=30 N=65 N=68 N=69 N=64 N=26

治験薬投与例あたりの

良好胚数平均値(標準偏差) 3.8(2.76) 3.3(2.64) 3.3(2.97) 2.5(2.69) 3.3(2.74) 3.5(3.65)

N=30 N=65 N=68 N=69 N=64 N=26

治験薬投与例あたりの

胎児心拍陽性妊娠被験者数(%) 7(23.3%) 15(23.1%) 24(35.3%) 8(11.6%) 9(14.1%) 0(0%)

38602

試験では,卵胞数,採卵数,良好胚数,胎児心拍陽性妊娠率について用量選択を検討し,

0.125 mg

0.25 mg

がともに至適用量として選択された.しかし,

0.125 mg

は卵巣刺激中に早期

LH

上昇(10 IU/L

2.7.3.4.2 第Ⅲ比較対照試験の結果について

38602

試験で選択された至適用量(0.25 mg)の有効性及び安全性を検証するために,欧米で繁用され

ているGnRHアゴニスト(ブセレリン,リュープロライド及びトリプトレリン)を用いたロングプロト コール法を対照治療として第Ⅲ相比較対照試験(38607,103001,38616試験)を実施した.38607及び

103001

試験の有効性の結果は,それぞれ2.7.3.2.3項及び2.7.3.2.4項に示した.なお,トリプトレリンは日

本では発売されていないため,有効性の評価資料には含めていない(2.7.6.10項及び

5.3.5.1

項参照).

いずれの試験においても

GnRH

誘導体投与期間,recFSH投与期間,recFSH総投与量は

GnRH

アゴニ スト群よりも

Org 37462

群で少なかった.

Org 37462

投与中の

LH

上昇の発現頻度は,38607試験で

3.7%(17

例),103001試験で

4.5%(9

例)

であり,本剤の

0.25 mg

投与により,効果的に

LH

上昇を抑制できることが示された.

治験薬投与例あたりの採卵数の平均(標準偏差)は,

38607

試験では

Org 37462

群で

8.7

(5.6)個,ブ セレリン群で

9.7(6.2)個であり,103001

試験では

Org 37462

群で

11.6(6.7)個,リュープロライド群

14.1(8.3)個であった.

また,Org 37462群の治験薬投与例あたりの妊娠継続率は

38607

試験で

20.7%,103001

試験で

30.8%

であり,

GnRH

アゴニストのブセレリン群で

26.1%,リュープロライド群で 36.4%であった.全般的に,

第Ⅲ相の開発段階で得られたデータは,臨床的に良好な

Org 37462

の有効性を示すものであった.

2.7.3.4.3 日本人女性における Org 37462

の至適用量について

日本人女性におけるOrg 37462の用量反応関係及び最小有効用量は

38649

試験で検討した.

38649

試験 では,Org 37462の

3

用量(0.125,

0.25,0.5 mgの 1

1

回皮下投与)を比較した.日本人女性における 最小有効用量も

38602

試験の最小有効用量と同じ用量(0.25 mg)が予測されたことから,38649試験で は被験者への負荷とリスクを考慮して,外国人女性で選択された用量(0.25 mg)と,それより

1

段階下

(0.125 mg)と上(0.5 mg)の用量を用いた.38649試験の結果を表 2.7.3-37に示した.

表 2.7.3-37

38649

試験の主要な結果(PPグループ)

投与群

有効性パラメータ Org 37462

0.125 mg 0.25 mg 0.5 mg

N=88 N=86 N=90

Org 37462投与中にLHが上昇

(10 IU/L以上)した被験者数(%) 10(11.4%) 1(1.2%) 1(1.1%)

N=88 N=86 N=90

治験薬投与例あたりの

採卵数平均値(標準偏差) 8.6(5.62) 8.6(6.03) 8.6(5.55)

N=88 N=86 N=90

治験薬投与例あたりの

良好胚数平均値(標準偏差) 2.7(2.57) 3.4(3.50) 3.0(3.15)

N=88 N=84 N=89

治験薬投与例あたりの

胎児心拍陽性妊娠被験者数a(%) 30(34.1%) 20(23.8%) 16(18.0%)

a)軽微な実施計画書違反のあった被験者(3例)は除いた.

日本人女性では,Org 37462投与中の

LH

上昇(10 IU/L以上)の発現に関して,統計学的に有意な用 量反応関係が認められ(p = 0.0008,Cochran-Armitage検定),COSを実施する女性において早期

LH

したがって,

ART

のための

COS

を実施する日本人女性において,

LH

上昇を抑制するための最小有効 用量は

Org 37462

0.25 mg

であると考えられた.

2.7.3.4.4 体重によって Org 37462

の用量を調節する必要性について

IVF又はICSIによるCOSを実施する女性において,体重に依存した投与量が用いられるべきかどうか

を検討するために,38641 試験を実施した.本試験では,体重で調整したOrg 37462 投与法と通常の

Org 37462

0.25 mg固定用量投与法における薬物動態及び薬力学パターンを比較した.体重による調整

用量群に割り付けられた被験者には,以下の計画に従って当該

1

日用量を投与した(表 2.7.3-38).また,

Org 37462

の固定用量投与に割り付けられた被験者には,

1

日用量としてOrg 37462の

0.25 mgを投与した.

表 2.7.3-38

38641

試験の投与計画

体重 Org 37462 1日用量

55 kg未満 0.15 mg

55~69 kg 0.20 mg

70~80 kg 0.25 mg

80 kg超え 0.30 mg

Org 37462

濃度パラメータと体重の回帰直線の比較によって,

2

つの投与群の薬物動態を評価し,また,

LH

濃度パラメータと体重の回帰直線の比較によって,薬力学を評価した(2.7.6.9項及び

5.3.5.1

項参照).

その結果,

Org 37462

の曝露量と体重との相関は,体重による調整用量投与法と

0.25 mg

固定用量投与法 で異なることが示唆された.しかし,薬力学(血清中の

LH

濃度への影響)に関しては,調整用量群と 固定用量群間に臨床的に意味のある違いはなかった.

Org 37462

の投与中,固定用量群の

1

例と調整用量群の

6

例に早期の血清LH上昇がみられた.hCG投

与日の卵胞数及び大きさ,hCG投与日の血清中E2濃度,Org 37462 の総投与量,Org 37462 の投与期間,

recFSHの総投与量,卵巣刺激の期間,良好胚数,胎児心拍陽性妊娠率に関しては,両群間に臨床的に意

味のある違いはみられなかった.

したがって,体重に応じて

Org 37462

の投与量を変える必要はないと考えられた.

さらに,日本人女性におけるOrg 37462 の有効性及び安全性の結果を体重別に層別して検討した

(2.7.3.2.2項 表 2.7.3-12及び表 2.7.3-13参照).

その結果,有効性については,LH 上昇の発現率,採卵数,良好胚数,胎児心拍陽性妊娠率と被験者 の体重との間には一定の傾向は見出せなかった.また,安全性についても,有害事象の発現率と被験者 の体重には一定の傾向はみられなかった.

したがって,

ART

のための

COS

を実施する日本人女性においても,被験者の体重の違いが

Org 37462

の有効性及び安全性に影響を与えることはなく,体重に応じて

Org 37462

の投与量を変える必要はない と考えられた.

2.7.3.4.5 日本における推奨用法・用量

以上の臨床試験結果に基づき,ARTのための

COS

を実施する日本人女性患者における本剤の推奨用 法・用量を以下のとおりに設定した.

原則として卵胞刺激ホルモン製剤投与の

6

日目から開始し,ガニレリクスとして

0.25 mg

1

1

回皮 下に連日投与する.

ドキュメント内 TOC (ページ 45-49)

関連したドキュメント