第 4 章 システム導入前と導入 1 ヶ月後の行動分析
4.3 排泄介助における各種類の行動変化
4.3.2 排泄介助における介護負担について
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一方、「介助するか否か確認往復・誰がいるか確認往復」の行動の割合が34%から 21%まで大幅に減少した。それは、システム導入後、介護者が「入居者の誰がトイレ に入ったのか」と確認しに行く行動を取らなくても、モニタで遠くから確認できたた めである。また、「ドア開け」という行動の割合が 15%から 9%まで減少した。イン タビューにより、介護者がドアの状態よりトイレの使用状況を判断することの代わり に、システムを使い、入居者がトイレに入ったかどうかと判断できるようなった。そ こで、システムの導入により、介護者は入居者にリアルタイムに介護を提供するため の補助的な行動をほとんど取らなくなった。
また、データを取った日、介護者が事前に「物品補充」の準備行動を取ったため、
トイレ内の介助を提供している途中で「介助物品の取得のための往復」を行うことを ある程度に避けた。インタビューによると、介護者がシステムを使い、誰がトイレに 入ったかと把握できるため、事前に介助物品を持っていくことができた。そこで、介 助途中で、物品取得ための往復行動をある程度避けた。
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表4.2 自立できる入居者と自立できない入居者の行動回数
導入前 導入後
自立できる 9 16 自立できない 34 28
SUM 43 44
Aトイレ内介助
B 誰がトイレにいるか確認往復・介助するか否か確認往復 Ç誘導介助・移動見守り
D 介助物品の取得ための往復 E 片付け
F 物品の補充
G ドア開け
図4.8 導入前後 入居者行動一回あたりの各種類の対応行動
A B C D E F G
導入前 0.302 0.372 0.093 0.070 0.047 0.070 0.163 導入後 0.250 0.159 0.091 0.023 0.091 0.068 0.068 0.000
0.050 0.100 0.150 0.200 0.250 0.300 0.350 0.400
回数
導入前後入居者行動の一回あたり
の各種類の対応行動
33 Aトイレ内介助
B 誰がトイレにいるか確認往復・介助するか否か確認往復 Ç誘導介助・移動見守り
D 介助物品の取得ための往復 E 片付け
F 物品の補充
G ドア開け
図4.9 導入前後 自立できない入居者の行動一回あたりの各種類の対応行動
図4.9で示すように、システム導入後、「トイレ内介助」、「誘導介助・移動見守り」、
「片付け」、「物品補充」という四つの行動(入居者行動一回あたり)が少し増加し、
「誰がトイレにいるのか確認往復・介助するか否か確認往復」、「ドア開け」という2 つの行動が大幅に減少した。
事前調査(第2章)で、夜になると介護者のいる場所により、トイレの周辺が死角 になり、介護者が入居者のトイレへ行く行動を見落とすことがある。そういう場合に、
介助を必要とする入居者は排泄に問題があって、トイレを汚し、帰る途中で転倒した
A B C D E F G
導入前 0.382 0.471 0.118 0.088 0.059 0.088 0.206 導入後 0.393 0.250 0.143 0.036 0.143 0.107 0.107 0.000
0.050 0.100 0.150 0.200 0.250 0.300 0.350 0.400 0.450 0.500
回数
導入前後入居者行動(自立できない)
の一回あたりの各種類の対応行動
34
りしてしまう危険性がある。そのため、介護者が精神的な負担を感じ、さらに「トイ レへ行く確認行動」と「ドアを開ける行動」を取り、入居者の行動を見落とすことを 防いだ。システム導入後のインタビューによると、グループホームの中の死角が全部 なくなったと介護者から聴いた。夜に介護者がどこでも常にトイレの状況を確認でき るため、過剰な対応行動(例えば「トイレへ行く確認行動」や「ドア開け」など)を 避け、結果、身体的な負担がある程度減少したと考えられる。
また、導入後のインタビューで、介護者がシステムを使用し、入居者の行動を把握 できるため、入居者行動に対する必要な介護行動(「トイレ内介助」、「誘導介助・移 動見守り」、「片付け」)を迅速に行うことができるようになった。特に、入居者がト イレを汚した場合、転倒の可能性が高くなるため、トイレ使用後の「片付け」が非常 に重要であると介護者Xから聴いた。システム導入後、入居者の行動を見落とすこと がほとんどなくなり、介護者Xがトイレ使用後の片付けを迅速に行えるため、入居者 の転倒などにおける精神的な負担が減少したと考えられる。