3. 結果
3.1 ラットにおける静脈内投与時の体内動態
3.1.3 排泄
3.1.3.2 ラットにおける反復静脈内投与時の尿中および糞中排泄
雄性ラットに [2β-3H]OCTを1 μg/kgの投与量で1日1回,14日間反復静脈内投与した時 の尿中および糞中累積排泄率を図 15に示す。
最終投与7日後までに総投与量の71.0%が糞中へ,15.7%が尿中へ排泄された。また,
最終投与7日後において残骸中に残存していた放射能は総投与量の1.0%であり,ほとん どの放射能は最終投与の7日後までに排泄され,体内に残留しなかった。一方,排泄率 は時間の経過に従い直線的に上昇したことから,放射能の排泄挙動には反復投与による 影響はないものと考えられた。
図 15 雄性ラットに[2β-3H]OCT を1 μg/kg の投与量で1日1回,14日間反復静脈内投与し た時の総投与量に対する放射能の尿中および糞中累積排泄率
各点は平均値 ± 標準誤差 (n=4) を示す。
: 投与
累積排泄率(%)
糞 尿
時間(日)
3.1.3.3 ラットにおける単回静脈内投与時の胆汁中排泄
胆管カニューレを施した雌雄ラットに[2β-3H]OCT を1 μg/kg の投与量で単回静脈内投 与した時の放射能の尿中および胆汁中累積排泄率を表 17に示す。投与24時間後までの 胆汁中総放射能排泄率は,雄では投与量の77.59%,雌では投与量の97.50%と雌性ラッ トの方が高い排泄率を示したものの,雌雄ラットとも放射能は速やかにかつ高率に胆汁 中に排泄された。
表 17 雌雄ラットに[2β-3H]OCT を1 μg/kg 単回静脈内投与した時の放射能の尿中および 胆汁中排泄率
雄性ラット 雌性ラット
尿 0-8 h 4.82 ± 1.19 2.43 ± 1.45
0-24 h 9.04 ± 1.22 7.47 ± 1.62
胆汁 0-2 h 51.96 ± 3.87 62.00 ± 2.23
0-4 h 66.38 ± 2.82 84.03 ± 3.00
0-8 h 73.95 ± 2.47 93.30 ± 2.25
0-24 h 77.59 ± 2.21 97.50 ± 1.70
各値は平均値 ± 標準誤差 (雄の場合n=6,雌の場合n=4) を示す。
値は投与放射能に対する放射能の排泄率(% of dose)を表す。
3.1.3.4 ラットにおける単回静脈内投与時の腸肝循環
胆管カニューレを施した雄性ラットに[2β-3H]OCT を1 μg/kg の投与量で単回静脈内投 与し,投与4時間後までに得られた胆汁を,胆管カニューレを施した別の雄性ラットの 十二指腸内に投与(放射能の投与量は0.2 μg eq./kg)し,投与24時間後までの放射能の 尿中および胆汁中累積排泄率を検討した。
胆汁投与24時間後までに胆汁中および尿中へはそれぞれ投与放射能の51.81%および
6.65%,合計58.45%が排泄された。このことから,[2β-3H]OCTを投与後胆汁中に排泄さ
れた放射能は高率に再吸収され,ふたたび胆汁中に排泄されるものと考えられた。
3.1.3.5 哺育中のラットにおける単回静脈内投与時の乳汁中移行
分娩10日目の哺育中のラットに[2β-3H]OCT を1 μg/kg の投与量で単回静脈内投与し,
血漿中および乳汁中不揮発性放射能濃度を測定した。結果を図 16に示す。
乳汁中不揮発性放射能濃度は,投与2時間後までは血漿中不揮発性放射能濃度よりも 低く推移したが,投与4時間以降は高かった。血漿中不揮発性放射能濃度の AUC に対 する乳汁中不揮発性放射能濃度のAUCの比は,87.1%であった。
図 16 分娩10日目の哺育中のラットに[2β-3H]OCT を1 μg/kg 単回静脈内投与した時の血 漿中および乳汁中不揮発性放射能濃度推移
各点は平均値 ± 標準誤差 (n=5-9) を示す。投与24時間後の血漿中濃度は定量限界未
不揮発性放射能濃度(ng eq./mL)
投与後の時間(時間)
血漿 乳汁