松 本 章 代
4. 授業実践
5. むすび
本論文では,開発した科学的文章を推敲・校正する教育システムの機能について紹介し,
授業における取り組みを報告した。
現在,「全体の流れの可視化機能」に,論理的に問題のある個所を自動検出し指摘する機 能を付加することを目指し,非論理的な接続表現の具体的な検出手法を検討している。また 今後は,本システムが論理性の推敲の手段として有効であることや,システムを実際の授業 に導入した場合の効果について,検証していく予定である。
なお,本システムのURLは次のとおりである。どなたでも自由に利用いただいて構わない。
http://mmt1.cs.tohoku-gakuin.ac.jp/twss/
謝辞
本研究はJSPS科研費(若手B,課題番号24700906)の助成を受けている。
参考文献
[ 1 ] Attali, Y. and Burstein, J. : Automated essay scoring with e-rater v. 2, Journal of Technology, Learning, and Assessment, Vol. 4, No. 3 (2006).
[ 2 ] 石岡恒憲,亀田雅之: コンピュータによる小論文の自動採点システムJess の試作,計算 機統計学,Vol. 16,No. 1,pp. 3-18 (2003).
[ 3 ] Jess, http://coca.rd.dnc.ac.jp/jess/.
[ 4 ] 森リン,http://www.mori7.info/moririn/index.php.
[ 5 ] 菅沼 明,小野貴博: 文章推敲支援における読み手に誤解される文の抽出,情報処理学 会研究報告,2007-DD-61,Vol. 2007,pp. 31-38 (2007).
[ 6 ] 鈴木雅人,松本章代,田中大輔,山田未央佳,山田 翔,北越大輔: 理工系学生を対象 とした文章作成能力向上のための支援システム,東京工業高等専門学校研究報告書,
No. 40 (1),pp. 59-62 (2009.1).
[ 7 ] 稲積宏誠,大野博之,竹内純人,大久保麻里子,又平恵美子: ICTを活用した日本語文 章力育成への取り組み,情報処理学会研究報告,Vol. 2011-CE-109,No. 9 (2011.3).
[ 8 ] 中島利勝,塚本真也: 知的な科学・技術文書の書き方,コロナ社(1996).
[ 9 ] 阿部圭一: 明文術─伝わる日本語の書きかた,NTT 出版(2006).
[10] 戸田山和久: 論文の教室─レポートから卒論まで,日本放送出版協会(2002).
[11] 木下是雄: 理科系の作文技術,中公新書 (1981).
付録.チェック項目一覧(科学技術論文の場合)
• 1文中に同一単語が頻出している
• 助詞「の」が連続している(文がわかりにくくなる)
• 助詞「が」「を」「に」について1文中に同じものが複数存在する(文がわかりにくく なる)
• 1文中に同一助詞が頻出している
• 同じ文末表現が続いている
• 体言止めが使われている
• 連用形が多用されている(文がわかりにくくなる)3
• 接続助詞「が」が使われている(文がわかりにくくなる)4
• ら抜き表現が使われている
• 当て字が使われている(例: 容易い,相応しい,など)
• 接続詞が漢字表記になっている(例: 従って,然し,故に,など)
• 形式名詞5が漢字表記になっている(例: 検索した所,検討した上で,など)
• 補助動詞6が漢字表記になっている(例: 計算して見る,減少して行く,など)
• 副詞には漢字で書くべきものとひらがなで書くべきものがある(例: 予め,全て,先ず,
など)
• 1文中に修飾語(形容詞・副詞)が使われすぎている
• 1文中に修飾節が2つ以上ある
• 口語的表現が使われている(例: きちんと,そんな,こんな,など)
• 「など」「たり(だり)」が使われている(複数例示されていないと文の意味があいま いになる)
• 意見かどうか(意見と推定される文に対して,本当に「意見」でよいのか確認を促す)
• 常体で統一されていない ☆
• 読点が「,」ではなく「、」になっている ☆
• 一人称単数の主語が使われている ☆
• 常用漢字ではない ☆
☆印は入力文書のタイプが「科学技術論文」のときのみ適用される
3 4連用形の多用や接続助詞「が」の使用を避けた方がよい理由については,参考文献[10]に詳しい.
5 本来の漢字の意味を持たない例のような名詞のこと
6 本来の漢字の意味を持たない例のような動詞のこと
【研究ノート】