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第3編

3 指導と評価の計画(7時間)

時間    ◆狙い ○学習内容 ・学習活動 評価規準・評価方法

◆箏の音色,平調子による旋律,構成を知覚し,それらの働きが生み出す特質や雰囲気を感受し,

箏の音色や奏法に関心をもって「さくらさくら」の演奏に取り組む。

○箏曲を聴いたり奏法を試したりして,箏の 音色,平調子による旋律,構成を知覚・感受 する。

・箏曲「六段の調」の「初段」を聴き,箏の 評価の場面〈Ⅰ〉

音色,旋律,旋律の反復や変化などの構成に

ついて気付いたことを〈ワークシートⅠ-①〉 《音楽表現の創意工夫①》 (器楽,創作)

に書く。 箏の音色,平調子による旋律,構成を知覚し,そ

・学級全体で話し合い,気付きを共有する。 れらの働きが生み出す特質や雰囲気を感受してい

・教師の説明を聞くなどして,箏の特徴や奏 る。〈ワークシートⅠ〉

法,平調子について知る。

・箏の音色や平調子による旋律の特徴を感じ 取りながら,後押し,引き色,掻き爪,割り 爪などの奏法を試し,〈ワークシートⅠ-①〉

に書いた内容と関係がありそうな奏法を線で 結ぶ。その際,適宜,書いた内容を修正する。

・箏曲を聴いたり奏法を試したりして「感じ 《音楽への関心・意欲・態度①》(器楽)

たこと」と「その音楽的な理由」を〈ワーク 箏 の音 色や奏 法に関心 をもち, 基礎的 な奏法 シートⅠ-②〉に書く。 で 演奏 する学 習に主体 的に取り 組もう として

○楽譜を見て「さくらさくら」を演奏する。 いる。〈観察〉

・楽譜がどのようになっているのかを知る。

(本事例では縦書きの楽譜を用いている。)

・身体の姿勢や弦の弾き方など箏の基礎的な 奏法を知り,「さくらさくら」を演奏する。

◆箏の基礎的な奏法,読譜の仕方を身に付け,箏の音色や奏法に関心をもって「さくらさくら」を 演奏する。

○箏の基礎的な奏法を身に付け,「さくらさ くら」を演奏する。

・縦書きの楽譜の読むとともに,爪の付け方, 評価の場面〈Ⅱ〉

座る位置,両手を置く位置,箏らしい音が出

る弾き方などを確認し,「さくらさくら」の 《音楽表現の技能①》(器楽)

演奏に取り組む。(教師は個別指導をしなが 箏の特徴を捉えた音楽表現をするために必 ら生徒の状況を観察する。) 要な,箏の基礎的な奏法,読譜の仕方など

○箏の音色や奏法に関心をもって,左手や右 の技能を身に付けて演奏している。

手の奏法について知る。 〈観察(教師用チェックリスト)〉

・後押し,引き色,掻き爪,割り爪などの左 手や右手の奏法を確認し,体験する。

◆旋律の特徴,左手や右手の奏法などを生かして即興的に音を出しながら創作をする活動に主体的 に取り組む。

○平調子による旋律などの特徴を生かした音 の組合せ方について学ぶ。

・様々な奏法による旋律の変化,終止感,反 《音楽への関心・意欲・態度②》(創作)

復や変化などについて知り,実際に音を出し 箏の音色や奏法,平調子による旋律,構成などの特 ながらグループで試行する。 徴に関心をもち,即興的に音を出しながら旋律をつ

○即興的なリレー奏を楽しむ。 くる学習に主体的に取り組もうとしている。

・学習したことを生かし,左手や右手の奏法 〈観察〉

を自由に取り入れて,箏の特徴を生かした表

現を即興的に試みながらリレー奏をする。

◆箏の音色や奏法,平調子による旋律,構成などの特徴を感じ取って音楽表現を工夫し,創作に必

要な技能を身に付け,表現したいイメージにふさわしい箏のための旋律をつくる。

○日本の四季の中で,自分が決めた季節の表

現したいイメージにふさわしい箏のための旋 評価の場面〈Ⅲ〉

律をつくる。

・前時の学習を想起し,奏法,旋律の最後の

音,構成などの旋律をつくるポイントを確認 《音 楽表 現の 創意 工夫 《 音楽表現の技能②》

する。 ②》(創作) (創作)

・自分が決めた季節の表現したいイメージを 知覚・感受しながら,箏 箏 の 奏法 , 平 調子 に よ 考え,〈ワークシートⅡ〉に書く。 の音色や奏法,平調子に る 旋 律, 構 成 など の 特

・箏の音色や奏法,平調子による旋律,構成 よる旋律,構成などの特 徴 を 生か し た 音楽 表 現 などの特徴を生かして音楽表現を工夫し,実 徴を感じ取って音楽表現 を す るた め に 必要 な , 際に音を出して確かめながら,表現したいイ を工夫し,どのように旋 音 の 組合 せ 方 ,記 譜 の メージに合うような旋律をつくる。 律をつくるかについて思 仕 方 など の 技 能を 身 に

・自分がつくった旋律〈作品〉をワークシー いや意図をもっている。 付 け て簡 単 な 旋律 を つ トに記譜をするとともに,表現したいイメー 〈ワークシートⅡ〉〈作 く っ て い る 。〈作 品〉

ジにふさわしい旋律をつくるために工夫した 品〉

ことを〈ワークシートⅡ〉に書く。

◆箏の音色や奏法,平調子による旋律,構成などの特徴を感じ取って,自分がつくった旋律につい て,箏の特徴を捉えた音楽表現を工夫し,どのように演奏するかについて思いや意図をもつ。

○つくった旋律の音楽的なよさを表現するた めに,どのように演奏すればよいのかを考え,

工夫する。 評価の場面〈Ⅳ〉

・ つ く っ た 旋 律 を 実 際 に 箏 で 演 奏 を し な が

ら,表現の工夫について考える。 《音楽表現の創意工夫③》(器楽)

知覚・感受しながら,箏の音色や奏法,平調子に

・グループで,自分が工夫したいことを言葉 よる旋律,構成などの特徴を捉えた音楽表現を工 や演奏で紹介し合い,意見交換をする。 夫し,自分がつくった旋律をどのように演奏する

・自分が表現を工夫しようと思うことや自分 かについて思いや意図をもっている。

がつくった旋律をどのように演奏するかにつ 〈観察〉〈ワークシートⅡ〉

いての思いや意図を〈ワークシートⅡ〉に書 き,演奏に取り組む。

◆箏の基礎的な奏法,読譜の仕方を身に付けて,自分がつくった箏のための旋律を演奏する。

○作品発表会を開き,それぞれ自分がつくっ

た箏のための旋律を発表し合う。 《音楽表現の技能①》(器楽)

・作品発表会に向けて,自分が表現を工夫し 箏の特徴を捉えた音楽表現をするために必要な,箏 ようと思うことや自分がつくった旋律をどの の基礎的な奏法,読譜の仕方などの技能を身に付け ように演奏するかについての思いや意図につ て演奏している。〈演奏〉

いて再確認する。

・作品発表会では,旋律の特徴やどのように 表現したいかを紹介してから演奏し,そのよ さなどを共有する。

4 観点別評価の進め方

こ こ で は ,「 3 指 導 と 評 価 の計 画 」 の 中 に 示し た 評価 の 場面 〈 Ⅰ〉 ~ 〈Ⅳ 〉 にお け る

「音楽表現の創意工夫」,「音楽表現の技能」の評価例を取り上げる。

「 音 楽 表 現 の 創 意 工 夫 」の 観 点 の 趣 旨 は,「 音楽 を 形づ く って い る要 素 を知 覚 し, そ れ らの働きが生み出す特質や雰囲気を感受しながら,音楽表現を工夫し,どのように表すか について思いや意図をもっている」である。このうち「音楽を形づくっている要素を知覚 し,それらの働きが生み出す特質や雰囲気を感受しながら」の部分は,音楽的な感受に相 当する〔共通事項〕事項アの内容である。評価の観点名は,これまでの「音楽的な感受や 表現の工夫」から「音楽表現の創意工夫」に変わったが,音楽的な感受が支えとなってい る点 に は 変 更 は な く,〔 共 通 事 項〕 事 項 ア の 学 習が 支 えと な って , 表現 の 学習 が 充実 す る という学習指導要領の趣旨が,評価の観点においても明確化されている。

し た が っ て ,「 音 楽 表 現 の 創 意工 夫 」 の 評 価 にお い ては , 音楽 的 な感 受 を基 に しな が ら 音楽表現を工夫し,どのように音楽で表すかについて思いや意図をもつことができるよう な力を育み,その学習状況を把握することが大切である。

ま た ,「 音 楽 表 現 の 技 能 」 に つい て は , 言 語 によ る 表現 と の違 い を明 確 にす る ため に , これまでの「表現の技能」から名称が変わった。この観点では,学習活動の展開等に応じ て「音楽表現の創意工夫」の観点で見取る力の育成と関連させながら,創意工夫を生かし た音楽表現をするために必要な技能を身に付けさせ,歌唱,器楽,創作で表している学習 状況を把握することが大切である。

本事例の評価の場面〈Ⅰ〉では「音楽表現の創意工夫」のうち特に〔共通事項〕事項ア

(器楽と創作に共通)の評価例を,評価の場面〈Ⅱ〉では器楽における「音楽表現の技能」

の評価例を,評価の場面〈Ⅲ〉では創作における「音楽表現の創意工夫」と「音楽表現の 技能」の評価例を,評価の場面〈Ⅳ〉では器楽における「音楽表現の創意工夫」の評価例 を紹介する。

(1)評価の場面〈Ⅰ〉《音楽表現の創意工夫①》の評価例(器楽と創作に共通)

○主な学習活動

・箏曲「六段の調」の「初段」を聴き,箏の音色,旋律,旋律の反復や変化などの構成 について気付いたことを〈ワークシートⅠ-①〉に書く。

・箏の音色や平調子による旋律の特徴を感じ取りながら,後押し,引き色,掻き爪,割 り 爪 な ど の 奏 法 を 試 し,〈 ワ ーク シ ー ト Ⅰ - ①〉 に 書い た 内容 と 関係 が あり そ うな 奏 法 を線で結ぶ。その際,適宜,書いた内容を修正する。

・箏曲を聴いたり奏法を試したりして「感じたこと」と「その音楽的な理由」を〈ワー クシートⅠ-②〉に書く。

○評価規準

「箏の音色,平調子による旋律,構成を知覚し,それらの働きが生み出す特質や雰囲気 を感受している。」

○評価方法及び「おおむね満足できる」状況(B)と判断するポイント

〈ワークシートⅠ〉

箏の音色,旋律,構成のいずれかについて,①に「気付いたこと」を書くとともに,関

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