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 審査手続の一部として、商標庁は出願の固有の自他商品の識別能力を評価する。か かる審査により、市場における商標としての機能、すなわち商標の所有者の商品および 役務の出所を示す目印として作用する商標の中心的機能の評価が効果的に行なわれ る。オーストラリアにおける識別性の審査は非常に厳しいものとなっている。

 商標庁は、出願にかかる商標が、「他人の商品および役務から、商標登録出願にかか る出願人の商品または役務を識別する能力を有するか否か」に関する評価を主に行な う。18

 商標庁の実務として、指定商品および役務の種類、品質、量、使用目的、価値、原産地、

またはその他の特徴を示すために通常使用される標章のみからなる商標登録出願は 拒絶される。

 以下、特定の種類の商標に関するオーストラリア商標庁の現行の実務について概要 を述べる。

17 Trade Marks Act 1995 (Cth), s65 18 Trade Marks Act 1995 (Cth), s41(2),

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4.5.1 文字商標

 文字商標は、商標が適用される商品および役務の種類、品質、量、使用目的、価値、産 地またはその他の特性を記述するものでないかぎり、明らかに固有の登録可能性を有 するものとみなされる。文字商標が創作的であればあるほど、商標庁により拒絶されな い可能性が高い。

 賞賛、中傷、卑猥および/または攻撃的な文字商標は拒絶される可能性が高い。19  所定の文字商標もオーストラリア法のもと禁止されており、特に禁止または所定の 標章として宣言されているものである。 20現在、禁止標章として宣言されているものは ない。

4.5.2 スローガン

 スローガンは、商標としての機能を有するものとして商標庁にて受け入れられてい る。スローガンに対する審査は、標準の文字商標自体と比較しても、より厳格に適用さ れるものでもない。しかしながら、取引において一般的に使用される宣伝または啓蒙 文句は、まずは拒絶される可能性が高い。

 現在、登録簿に登録されているスローガン商標の例は:

HAVE A BREAK

• :分類30の商品についてネスレ社(Societe des Produits Nestle S.A.)が所有(登録番号1138447を参照)。

BECAUSE YOUR WORTH IT

• :分類3の商品についてロレアル社が所有(登録番 号896313を参照)。

I’M LOVIN IT

• :分類29、30、32および43についてマクドナルド社が所有(

登録番号957064を参照)。

4.5.3 地理的表示

 商標庁は通常、地理的な位置または周知の地名を商標として登録する出願を拒絶す る。このような商標の審査の際には、オーストラリアにおいて関連する消費者がその地 名等を知っており、その関連する商品または役務とその地名とを関連付けるかどうかを 考慮する。商標庁は通常、商標の使用により消費者が商標と取引業者とを関連付ける 可能性が高いことの証拠がないかぎり、いかなる取引業者に対しても地理的表示をす でに使用していた場合でも即座に独占権を与えることには消極的である。

 商標庁は、商品および役務の原産地として周知である地理的な位置または場所に言 及する商標出願の登録を拒絶する。例えば、ウイスキーに関して「ISLAY(アイラ)」

19 Trade Marks Act 1995 (Cth), s42(a) 20 Trade Marks Act 1995 (Cth), s39

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ピジーズ特許&商標事務所 オーストラリア・ニュージーランド

は登録される可能性は低いが、トロピカル・フルーツに関する商標としては登録される 可能性がある。

 商標が商品に関して地理的表示である場合には、かかる登録は十分に識別力を有す るものとはみなされない。例えば、ワインに関して「シャンパーニュ」などである。しかし ながら、地理的表示がその他の識別力を有する要素との組み合わせである場合には、

十分に識別力を有する登録商標を形成し得る。

4.5.4 名字

 オーストラリアにおいてありふれた名字は本質的に登録性のあるものとして商標庁 に登録される可能性は低い。

 標準的な実務として、商標庁は名字に関するすべての登録出願に関してオーストラリ アの選挙人名簿を調べる。ある名字が750回以上、選挙人名簿上に見られる場合に は、商標庁は自動的に出願を拒絶する。その後は出願人が、商標がオーストラリアにお いて自他商品および役務の識別力を有することを示す使用の証拠を提出しなければ ならない。

 名前と名字との組み合わせに関しては本質的に登録可能であるとみなすことができ る。二つの名字の組み合わせに関しても同様である。

ニュージーランドでは、ニュージーランド知的財産庁は一般的な名字に関する 出願に対して自動的に識別性の拒絶はしない。しかしながら、名字が通常、特 定の業界または商品および役務の取引において「出所の目印」として使用され るかどうかが考慮される。例えば、配管または電気取引サービスに関して名字「

ジョーンズ(JONES)」の使用は、ある取引業者と他の取引業者とを識別す るための使用としては一般的な名前であるので、固有の識別性があるとみなさ れる可能性は低い。

4.5.5 文字/数字の組み合わせ

 一文字または数字一文字にかかる出願は、出願人の使用により識別力を獲得したこ との重大な証拠を出願人が示すことができない限り、商標庁により拒絶される。2以上 の文字/数字の組み合わせは、そのような文字/数字の組み合わせが市場において 商品または役務を示すために取引業者に使用されるありふれたものでない限り、本質 的に登録性を有するものとして認められる可能性が高い。例えば、文字の組み合わせ「

XS」は、このような文字の組み合わせが取引において一般的に使用されている衣料 品または自動車用品に関してよりも、法律サービスに関して認められる可能性が高い。

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4.5.6 非伝統的商標

 オーストラリア商標法は、幅広いタイプの商標の登録を認めている。とりわけ、文字、

単語、名前、署名、数字、図案、ブランド、ラベル、チケット、包装の特徴、形状、色彩、音ま たは香りに関する商標がある。

 上述の非伝統的商標(すなわち、形状、色彩、音、または香り)は、その他の商標と同じ 基準に従って審査されるが、商標庁は、商標が識別力を有することを示す使用の証拠 の提出がない場合には、保護を与えることに消極的である。

 特に、単一の色彩からなる商標または形状の商標であって、かかる形状が新規性を 欠くか、指定商品に関する機能要素を有する場合にこのような状況が当てはまる。

4.5.6.1 形状/立体商標

 形状または立体商標に関して、すべての可能な形状の見え方を含む商標の複数の図 面の提供は明確には要求されていない。しかしながら、審査官および第三者にとって 商標の理解に役立つため、複数の見え方を含む複数のイメージを提出することが推奨 される。

 形状商標の書面による説明も提出する必要がある。かかる説明は商標の範囲を定め る公式な書類として登録簿上に含められる。

 現在、登録簿に登録されている形状/立体商標の例は:

分類14および25の商品についてルイ・ヴィトン・マレテ ィエにより所有(登録番号1025638を参照(IR番号 833274))。

• 分類30の商品についてリンツ・チョコレート社により所有

(Chocoladefabriken Lindt & Sprungli AG)(登録番号10 75157を参照)。

分類33の商品についてシーバス・ブラザーズ社により所有

(Chivas Brothers (Americas) Limited)(登録番号1073 938を参照)。

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4.5.6.2 色彩商標

 単一および複数色の色彩商標は、色彩の色見本に加え、商標に適用される色彩の説 明も提出しなければならない。関連パントーン(Pantone)番号または国際色彩分類番 号は、あれば便利ではあるが、要求はされない。

 現在、登録簿に登録されている色彩商標の例は:

オレンジ色(パントーン 1645U):「医療目的の使い捨てフェイス・マスク」

についてキンバリー・クラーク・ワールドワイド社により所有(登録番号1013 426を参照)。

オレンジ色:シャンパンについてヴーヴ・クリコ ・ポンサルダンにより所有(登録

番号704779を参照)。

黄色:種々の写真機材およびサービスについてコダック社(オーストラレーシア)

により所有(登録番号751852を参照)。

4.5.6.3 香り/音商標

 香りおよび音の商標は、本質的に保護対象であるとみなされる得る。しかしながら、

登録簿に商標が“図案として表現”されなければならないとすると、このような商標は申 請の際に問題となる。商標庁は、楽譜による記載、図表、および/または文字による記 述を香りまたは音の商標の表示として考慮する。

 現在、登録簿に登録されている香り/音商標の例は:

ダーツが飛んでいる間のビールの強い香り。ユニコーン・プロダクト社により所有

(許可後、失効した出願番号700019を参照。)。

「コンピューター・ソフトウェア」についてマイクロソフト社により所有(登録番 号1172753を参照)。

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