第4章 AZ̀1およびAZ帥押出材の疲労強度に及ぼす押出比の影響
5.3 実験結果および考察
5.3.4 押出材の内部摩擦
第Ⅲ編 粉末押出加工によ++るマグネシウム合金の創製と疲労特性
第5章 Mg・Zrおよ+びMCM・Zr複合材料の創製と機械的特性
またMCM‑Zr系について,Fig.5‑22に各押出温度におけるMCMおよびM3Z押出材 の内部摩擦を示す.MCM‑F押出材では,前述した弾性係数(Fig.5‑14)と同様に,押 出温度573Kよりも673Kのほうが高い内部摩擦を示している.微細粉末であるMCM‑F とM3Z̲F押出材を比較した場合,押出温度に関係なくZ;粉末添加により内部摩擦は 低下する傾向を示す.一方粗粉末の場合,MCM‑C押出材の内部摩擦は加工温度623K,
573K,673Kの順に高く,M3Z‑C押出材はMCM‑C押出材とは逆に,加工温度が673K, 573K,623Kの順に高い内部摩擦を示す.また,MCM合金粉末へのZr粉末添加によ る影響については,前述した曲げ強さの傾向と同様に,微細粉末の場合(MCM‑Fおよ びM3Z‑F押出材),内部摩擦の向上は見られない.しかし粗粉末の場合(MCM‑Cおよ びM3Z‑C押出材),Zr粉末添加によって内部摩擦が増加する傾向がある.内部摩擦は 結晶の転位および空孔,粒界や界面等の状態変化に起因する.Mg合金の場合,内部摩
擦構造として転位型や双晶型が指摘されており(25),(38,(39),これらに対するZr粉末添加 の何らかの影響が考えられるが,現時点では詳細は不明である.今後,さらに合金粉
末粒径,Zr粉末粒径および結晶粒径との関係について検討することが必要である.
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3 (M3Z) 0
(MCM)
Zr(rmss%)
Fig・5r22Internalfriction of hot‑eXtruded MCM‑Zr alloys comparedwith COnYentiomalMgcastalloys・
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第Ⅲ編牒こよるマグネシウム合金の創製と疲労特性
MCMおよびM3Z押出材の内部摩擦はAZ91鋳造材よりも高い.しかし,MCM鋳造 材およびKIA鋳造材の内部摩擦と比較した場合,MCM‑FおよびM3Z‑C押出材の押出 温度673Kと623Kを除いて,それらよりも低い内部摩擦を示し,MCM合金の機能性 である制振性の向上は必ずしも達成されたとは言えない・しかしFig.5‑23に示すよう に,押出材の内部摩擦は既存の制振Mg合金鋳造材と同程度であるが,弾性係数はMCM 合金鋳造材を含む全てのMg合金鋳造材よりかなり大きく,本章の押出材の優位性が 何える.
なお,本章の自由共振法(31),(32)による内部摩擦の測定では,非接触の電気クーロン カにより試料を振動(加振)し,音波(振動数)を用いて検出している.そのため,
共振する試料のひずみ量は計測できないため,試料形状および駆動力を一定にして測 定を行った.しかし,各試料における実際のひずみ量は異なっている可能性がある.
また,駆動力も弱いため試料のひずみ量はかなり小さいと考えられる.今後,試験片 のひずみ量と内部摩擦の関係について把握する必要がある.
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0 ○ △ ● ◆ ▲
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Fig・5‑23 Relationship betweeninternalfriction and elastic moduIus hr hot‑eXtrudedMCM‑ZraIloysandconventionalMgcastalloys・
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第5章 Mg・ZrおよびMCM・Zr複合材料の創製と機械的特性
最後に本章の結果から,粉末を用いた熱間押出加工法は鋳造法と比較して,制振性 を低下させることなく,強度の向上を達成できることから,今後Mg合金の物理的・
機械的特性の改善を目指した合金創製法として有効な一方法として提案できる.また, 更なる強度の向上として,原料粉末粒径の微細化および粒度分布の管理を行うととも に,熱間押出加工条件である押出速度や押出ダイス出口温度などの影響に関する検討 が必要である.
・107・
第Ⅲ編
第Ⅲ編 粉末押出加工によるマグネシウム合金の創製と疲労特性
5.4
結
百本章では,まず,粉末粒径の異なるMg粉末とZr粉末を用いて,Mg‑Zr系複合材料 を作製するとともに機械的特性の評価を行い,Zr粉末添加量や原料粉末粒径の影響に ついて検討した・次に,MCM合金粉末を用いて熱間押出加工法を適用した加工を試み るとともに,Zr添加の効果について検討した.得られた押出材について組織,機械的 特性および内部摩擦を評価し,従来合金と比較,検討した.主な結論を要約すると以
下の通りである.
◆Mg‑Zr系の場合
(1)原料粉末であるMg粉末を微細化すれば,押出材の組織も微細化した.また, Mg粉末とZr粉末の粉末粒径が小さいほどZr粒子の分散性が高くなった.
(2)粗粉末Mg‑Zr押出材の硬さはZr添加量にかかわらずMg押出材と同程度であっ た・一方,微粉末Mg‑Zr押出材の硬さは・10mass%以上のZr添加によって大きく上昇し た.
(3)粗粉末Mg‑Zr押出材の弾性係数はZr添加量にかかわらずMg押出材と同程度で あったが,微粉末Mg‑Zr押出材の弾性係数はほぼ複合則に従い,Zr添加量の増加に伴 って単調に増加した.
(4)粗粉末Mg‑Zr押出材では,Zr添加量にかかわらず曲げ強さの向上は見られず, 却ってMg押出材よりも低下する場合があった・それに対して,微粉末Mg‑Zr押出材 では,3mass%以上のZr添加によって曲げ強さは大きく上昇したが,添加量には依存
しなかった.
(5)内部摩擦はZr添加量の増加に伴って増加したが,その絶対値や増加の程度は微 粉末Mg‑Zr押出材において顕著であった.
(6)微粉末Mg‑Zr押出材は,一般に汎用されているA31圧延材,AZ91鋳造材,制振 合金MCMやKIA鋳造材より高い弾性係数,曲げ強さおよび内部摩擦を示した.
◆MCM‑Zr系の場合
(l)押出材の組織は熱間押出温度に依存し,熱間押出温度の上昇に伴って結晶粒は粗 大化したが,Zr粉末を添加した場合,Zr粒子周辺で結晶粒の微細化が生じた.
(2)押出材の硬さは熱間押出温度の上昇に伴って低下した.汎用のAZ91鋳造材や AM60鋳造材よりもやや低い硬さを示したが,制振合金MCM鋳造材やKIA鋳造材よ
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第5章
+Mg‑ZrおよびMCM‑Zr複合材料の創製と機械的埠蛙
りもかなり高い硬さを示した.
(3)すべての押出材の曲げ強さは,熱間押出温度の上昇に伴って低下したが,上記鋳 造材よりは大きく増加した.
(4)押出材の弾性係数は,熱間押出温度やZr粉末添加にかかわらずほぼ同程度であ
(5)熱間押出温度にかかわらず,押出材の内部摩擦は制振合金MCM鋳造材やKIA 鋳造材とほぼ同程度であったが,AZ91鋳造材よりかなり高かった・また,粗粉末へ zr粉末を添加した場合,わずかに内部摩擦の向上が見られた・
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