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第 5 章 新薬へのアクセスに影響を与える要因と日本のアクセス改善に向けた考察

5.2 制度・環境の要因

5.2.2 承認審査制度

EUにおいては、1995年より「中央申請方式(Centralized Procedure)」および「相 互認証方式(Mutual Recognition Procedure)」による販売承認申請方法が導入され、

EU加盟各国における効率的な審査を可能にすると同時に、国ごとの市場ではなく EU全体 を一つの大きな市場として捉えることにより、製薬企業にとっての事業的な魅力度を向上

させ、EU加盟各国における新薬の上市までのスピードに影響を及ぼしたことが推察される。

各国における承認審査期間は上市までの期間に直接的な影響を与える。日米欧それぞれ の承認審査期間の推移をみるため、米国FDAにおける新医薬品の承認審査時間の推移を図 29 に、欧州の European Medicines Agency(EMEA)における中央審査方式の平均審 査時間の推移を図30に、日本における新医薬品(部会審議品目)の承認申請から承認まで の期間の推移を図31にそれぞれ示す。

米国では、1992年に処方薬ユーザーフィー法(Prescription Drug User Fee Act:

PDUFA)16)が制定されて以降、審査官の増員等の審査体制強化が実施され、PDUFA制定前 に比べて審査が迅速化した。さらに、審査官増員によって開発当初から当局と製薬企業が 一層協力して臨床開発を進められる体制となったことは、臨床開発期間の短縮にもつなが ったと推察される。

日本に目を向けると、承認された医薬品の審査時間は短縮傾向にあり、最近では日米欧 で審査時間についてはあまり差がみられなくなってきている。ただし、日本の審査当局の 人員数は米国の 2 割未満と依然として大きな差があることも事実であり、治験相談体制の 強化など、医薬品へのアクセスのさらなる改善に向けた継続的な取り組みの余地は大きい と考えられる。

29 新医薬品のFDA審査時間の推移(中央値、承認年ごと)

0 5 10 15 20

1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004*

(月

通常審査 優先審査

1)2004年の値はCBERよりCDERに移管された生物製剤も含む

出所:FDA CDER New Drug and Biologic Approval Reports

16) 医薬品の承認審査の円滑化と審査期間の短縮を目的として、製薬企業が承認申請時にFDA に対し高額のユーザーフィーを支払うこと を定めた法律で、1992年に制定された。当初5 年間の時限立法であったが、現在2007 年度までの延長が決められている。

30 欧州の中央審査方式による審査時間の推移(平均値、承認年ごと)

0 5 10 15 20

1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004

()

出所:EMEA Annual Report for 1999, 2001, 2004

31 日本における新医薬品の審査時間の推移(中央値、承認年ごと)

1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004

承認年 0

20 40 60 80 100

通常審査 優先審査

(月)

1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004

承認年 0

20 40 60 80 100

通常審査 優先審査 通常審査 優先審査

(月)

出所:医薬産業政策研究所「日本における新医薬品の承認審査期間と臨床開発期間」

リサーチペーパーNo.30

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