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成長温度依存性

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第二章 有機金属気相成長法による高品質無添加酸化亜鉛薄膜の成長

2.2 MOCVD 法を用いた高品質無添加酸化亜鉛薄膜の成長

2.2.1 成長温度依存性

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図2.5 AFM-成長温度依存性.

図2.6に図2.5から算出した表面粗さのRMS値と膜厚の成長温度依存性の結果を示す.

図2.7に作製したZnO薄膜の外見写真を示す.図2.6より成長温度が475~550 °Cの条 件におけるZnO薄膜の膜厚は1130~1200 nmとなった.一方,575 °Cの時は,膜厚が

840 nmとなり,他の条件と比べて膜厚が大幅に減少することがわかった.また,図2.6

のRMS値の結果から525 °Cまでは,成長温度の増加と共にRMS値が増加しているこ とがわかり,550 °Cを超えるとRMS値が減少した.図2.7より,今回作製したZnO薄

膜は525 °Cまでは鏡面であるが550 °Cを超えると,若干黒く変色している.このこと

から550 °Cを超えると酸素空孔やカーボンの取り込み量が増加していることが考えら

れ,575 °CになるとZnOの成長に必要な酸素が著しく不足し,成長速度の減少を引き

起こした可能性がある.

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図2.6 膜厚・RMS-成長温度依存性.

図2.7 ZnO薄膜の外見写真-成長温度依存性.

図2.8に2θ/ωスキャンの成長温度依存性の結果を示す.図2.8よりどの条件において

もZnO(0002)の回折ピークのみ確認することができ,c 軸方向に成長していることがわ

かった.図2.9に2θ/ω及びωスキャンのZnO(0002)のFWHM(2θ/ω=Δθ,ω=Δω)の成長 温度依存性の結果を示す.図2.9よりΔθの値は525 °Cまでは,成長温度の上昇と共に

減少し,525~575 °Cの間では殆んど違いは見られなかったが,Δωの値は525 °Cの時

に最少となった.従って,525 °Cまでは,成長温度の上昇と共に結晶配向性は向上する

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が550 °Cを超えると配向性は低下することがわかった.この原因としては,上述の通

りZnO薄膜の外見が550 °Cを超えると若干黒く変色していたことから,カーボンの取 り込み量や酸素空孔の増加によるものと考えられる.また,今回525~575 °Cの間では Δθの値に殆んど違いは見られなかったが,Δωの値は525 °Cが最も低かったため,525 °C の時に最も結晶性が優れていると判断した.

図2.8 2θ/ω-成長温度依存性.

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図2.9 Δθ, Δω-成長温度依存性.

図2.10に電気的特性の成長温度依存性を示す.図2.10より成長温度が525~550 °Cの 時に移動度及びキャリア濃度はそれぞれ100~106 cm2/Vs,1.5~1.7×1017 cm-3となり,

従来のMOCVD法により作製されたZnO薄膜(キャリア濃度2.1~7.3×1017 cm-3,移動度 24~100 cm2/Vs)[1.50][1.52]と比較しても遜色ない電気的特性を示すことがわかった.Δθ, Δωと電気的特性の結果を合わせて考えると,525 °CまではΔθ, Δωの減少と共に電気的 特性が向上することがわかった.しかしながら,550 °Cに関しては,525 °Cに比べてΔω は高いものの,電気的特性は殆んど変わらなかった.また,575 °Cの時は,キャリア濃 度の増加はあまりみられず,移動度の低下と Δω の増加が見られた.これらの結果は,

成長温度が高い場合は結晶配向性の低下が必ずしもキャリア濃度の増加や移動度の低 下を引き起こすとは限らないことを示しており,例えばキャリア濃度に寄与しない,中

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性的な不純物・欠陥の増加が結晶性の低下を引き起こしていると考えられる.実際に

Janotti らによれば酸素空孔などの欠陥は格子の歪み方によっては中性欠陥として働く

ことが示されている[2.5].今後はどのような要因が電気的特性に影響を与えるのか改め て調査する必要がある.以上の結果から最も結晶性が高く,電気的特性の優れていた成

長温度525 °Cを最適条件とした.

図2.10 電気的特性-成長温度依存性.

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