(原文は英語)
ヴェールレ・ヴリンツ(20歳)
ベルギー・ビルゼン市 マーストリヒト大学
想像してみて、決して終わらないゲームを。
想像してみて、世界を変えることになるゲームを。
想像してみて、別の視点から物事を見せてくれるゲームを。
想像してみて、こんなゲームを……
私たちは皆、「人生」という名のゲームのプレーヤーです。私たちは道を見つけなければなりません。
その途中、障害、勝利、喜劇、悲劇に遭遇しますが、一番意義深いのは……自分と同じく人間である 他の人々との出会いです。私は、自分の役割も知らず、20 年前にプレーを始めました。そして少しず つ、このゲームを、つまり人生で取りうる選択と方向性を、意識するようになりました。
私は自分の文化を見守るうち、私たちが新しい世界を挑戦的に形作っていくのを見てきました。私 は 80 年代生まれです。8 歳の時、プレイステーションの発売日に並びました。10 歳の時には両親が パソコンを買い、12 歳の時には初めてのゲームボーイの画面をじっと見つめていました。90 年代に 私たち子供が遊んでいたゲームは、害のないものでした。私たちは、キノコ王国で小さなぽっちゃり 体型のイタリア系配管工になり、誘拐された王女を救い出すため、跳ね回ってコインを集めました。
人生は単純で、常に善が悪に勝ちました。
私が成長してからは、ゲームの世界は暗い面を見せるようになりました。私は、友達がファースト パーソン(一人称視点)・シューティングゲームやリアルタイム・ストラテジーゲームを楽しんでいる 姿を見かけるようになりました。放課後になると、友達は、パソコンやゲーム機のなかの自分だけの 領域で、連続殺人犯へ変貌を遂げました。ショックだったのは、男友達が、カーマゲドンという、歩 行者を車ではねることまで許してしまうレース・ゲームをやっていたことです。しかも、歩行者を車 ではねてボーナス・ポイントまでもらっていました。最近のマンハントのようなゲームは、善が悪に 打ち勝つことと全く無縁になってしまいました。プレーヤーは、犯罪者になり、最も残酷な方法で本 物そっくりの人間を殺さなければならないのです。
フライト・シミュレーターが飛行の仕方を教えてくれるのなら、暴力のシミュレーター(模擬訓練装
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しかし……希望もあります!暴力的なビデオゲームがリアルになっていくのと同時に、新世代のデ ジタルゲームが人気になり始めました。それが戦略的人生シミュレーションゲームです。2000 年に発 売されたザ・シムズは、人の生活環境に非常に近い世界でのプレーを楽しむことを流行らせました。
プレーヤーが求められたのは、「シム」たちで構成される家族の面倒を見たり、家や家具を買うといっ た選択をシムたちに代わって対話式で行ったり、シムたちを失敗あるいは成功に導いたり……別の言 葉で言えば「神様のまねごとをする」ことでした。
このゲームの成功を受けて、ゲーム業界は新たな世界を創り出しました。セカンドライフです。こ れは、現実を仮想世界で「コピー」したもので、独自の経済システムを持ち、現実世界とのつながり も多く持っています。大企業はセカンドライフの世界に広告を出していますし、リンデンドルを現実 のお金に交換することまでできます。
現実的なゲームは、いずれも資本主義世界を模倣したものです。そこで一番価値のあることは、「で きるだけ早く成功して金持ちになること」。もし私がゲーム開発者だったなら、ゲームの目的を変えま す。平和で平等な世界を夢見ていると言ったら、私は世間知らずでしょうか?ビデオゲームがそれを 達成する方法を示すことができると言ったら、間違っているでしょうか?
私の開発するゲームではまず、セカンドライフのシステムに従い、世界のコピーを作製します。グ ーグル・アースのような地球規模の地図は、世界の画像を作製できるところまで進歩しています。地 球にズームインして、聞いたことすらない場所を訪れることも可能です。しかし、このゲームでは、「あ なた」が、金持ちになることを夢見る西欧諸国の個人主義者であるとは限りません。「あなた」は、リ マのスラム街で生まれた子供、あるいは津波で家を失ったアジアの被災者になるもしれないのです。
それは運命が選ぶことです。
このゲームでは、獲得するのはお金ではなく、幸せのポイントです。誰かを助けたり、助けを受け 入れたりすると、得点が上がります。見知らぬ人に親切な言葉をかけたり、手を差し伸べたり、人の 話に耳を傾けたり、余裕のある時にお金を寄付したり、必要な時には寄付を受け取ったり、開発プロ ジェクトにボランティアとして参加したりすると、得点が加算されます。命あるものに対して攻撃的・
暴力的な行為をすると、幸せのポイントは失われます。
毎日、難しい任務が与えられます。それに成功すると、幸せのポイントは大幅にアップします。し かし……任務は独力では実行してはならず、少なくとも他のプレーヤー一人との協力が必要になりま す。任務の例をいくつかご紹介しましょう。地域の皆で食べる巨大なケーキを焼くことや慈善団体の ために何百着も洋服を集めること、さらには家を建てることも!こんな任務ならば、楽しいだけでな く、チームワークを奨励し、若者が現実世界で自分たち主導のプロジェクトを始める気持ちをかき立 てることにもなるでしょう。
このゲームは、現実社会とつながりを持つものになります。ゲームのなかで挙げられたプロジェク トは、現実にも存在します。仮想版のプロジェクトに参加することで、現実版のプロジェクトに直接
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貢献できます。世界各国をクリックすると、その地域が直面している問題について読んで知ることが できます。異文化を学べば、固定概念を克服できます。世界中の人々と出会う可能性もあります。参 加者全員が、自分のプロフィールを持ち、いつでも好きな時にチャットを始めることができます。
私が夢見るゲームに、「ゲーム・オーバー」はありません。一定レベルの幸せに達すると、あなたは 新しいデジタル人格となって、自分の「幸せ」を分かち合うという選択をできます。平和な人生サイ クルが新たに再開され、達成される夢は、世代を重ねるごとに大きく成長していくのです。
想像してみて、こんなゲームを……
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【若者の部】 入選