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情報発信先は市

HP、メール、テレビ、新聞、ラジオ等、黄砂情報と同様とする。

情報発信のフローは図 7.1に示すとおりである。

図 7.1 情報発信フロー

3. PM

2.5の注意喚起について

今般の中国における

PM

2.5の状況とこれに対する国の対応について

3.1

中国では、国内の人為起源から発生したと考えられる

PM

2.5により、深刻な大気汚染の状況が 続いている。特に平成

25

1

10

日頃から北京市を中心に、

PM

2.5等による大規模な大気汚染 が断続的に発生し、健康影響に与えるリスクだけではなく、高速道路閉鎖、航空便欠航、高速鉄 道運行停止など交通に大きな支障を来たす等の社会的な影響も発生した。我が国においても、中 国で発生した

PM

2.5の影響により、一時的に国内の

PM

2.5濃度の上昇が観測されたこと等から、

PM

2.5に対する国民の関心が一気に高まってきた。

このような中、福岡市は、平成

25

2

7

日に第

4

回福岡市黄砂影響検討委員会を開催し、

PM

2.5が日平均の環境基準値である

35μg/m

3を超過することが予測される場合の情報提供につい て、前述のように予測手法、行動指針、情報発信などの基本的な考え方を決定した。

一方、国は、PM2.5に対する社会的な要請に対し、「微小粒子状物質(

PM

2.5)に関する専門家 会合」を緊急的に設置した後、平成

25

2

13

日から

2

月27日にかけて

3

回の会合を開催し、

PM

2.5の濃度が上昇した場合における注意喚起の指針化などについて検討が行われた。

会合の結果としては専門家会合報告として取りまとめられ、平成

25

3

1

日に国から表 7.1 に示すとおり注意喚起のための暫定的な指針が示された。

表 7.1 注意喚起のための暫定的な指針

注意喚起のための指針については、これを大気汚染防止法に基づく緊急時の措置の根拠として 位置付けることは、

PM

2.5に関する現象解明が不十分な現状の中では困難であるとしたうえで、当 面、人の健康を保護するうえで維持されることが望ましい水準である環境基準とは別に、現時点

喚起のための「暫定的な指針となる値」として

70μg/m

3と定めることとしている。ただし、日平 均値

70μg/m

3を超える

PM

2.5への暴露によって、全ての人に必ず健康影響が生じるというもので はないことが言及されている。

また、注意喚起の判断方法としては、福岡市と同様に午前中の早めの時間帯に行うことを想定 し、午前

5

時、6時、

7

時の

1

時間値の平均値と、日平均値との関係について検討し、日平均値

70μg/m

3を超えることが予想される

1

時間値として

85μg/m

3が推計され、午前

5

時、6時、

7

時 の

1

時間値の平均値がこれを超える場合に注意喚起を行うこととしている。

注意喚起の運用について

3.2

PM

2.5に係る注意喚起については、原則として都道府県が運用するものとされている。福岡県で は、県内地域を

4

つに分け、地域毎に注意喚起を実施する。福岡市は

4

地域のうち福岡地域に該 当する。注意喚起の方法は、県ホームページ、防災メール「まもるくん」、報道機関、市町村や 関係機関への通知等が挙げられる。

図 7.2 PM2.5に関する注意喚起を行う地域区分

国の動きに対する福岡市の対応について

3.3

平成24年

3

月1日に国からPM2.5に係る注意喚起のための暫定的な指針が示されたことを踏ま え、福岡市における今後の

PM

2.5の情報提供のあり方については、以下の通りとする。

福岡市では、本検討委員会で決定した通り、午前

6

時の実測値で

35μg/m

3を超えると予想され た場合には、午前

7

時台には情報提供を実施するものとする。この場合、健康影響に係る行動の めやすは、呼吸器疾患やアレルギー疾患がある方を対象としている。

福岡市による日平均値

35μg/m

3超過予測の有無にかかわらず、午前

5

時から午前

7

時までの平 均値で福岡地区測定局

11

局のうち

1

局でも最大値が

85μg/m

3を超える場合には、国の暫定指針 に従い注意喚起することとする。このとき行動のめやすの対象者は呼吸器疾患やアレルギー疾患 がある方以外にも及ぶ。また情報の提供先も幼稚園、保育園や学校などより広く積極的に周知す る。

表 7.2 福岡市における今後の PM2.5の情報提供のあり方

位置づけ 情報提供(福岡市独自) 注意喚起(国の指針に基づく)

評価基準値 日平均濃度が1立方メートル当たり

35μg

を 超過すると予測した場合

日平均濃度が1立方メートル当たり

70μg

を 超過すると予測した場合

予測方法 ・ 午前

6

時における市内測定局 (

8

箇所)

の中央値

・ 午前

5

時から

7

時の平均値における福岡地 区測定局(

11

箇所)の最大値

行動のめやす ・ 外出するときは、マスクを着用しましょ う。

・ 外出から帰ったら、眼を洗い、うがいをし ましょう。

・ 空気の入替は控えましょう。

・ 車の運転時は窓を閉めるようにしましょ う。

・ 不要不急の外出や屋外での長時間の激し い運動をできるだけ減らす。

・ 高感受性者においては、体調に応じて、よ り慎重に行動することが望まれる。

情報提供 ・ 報道機関(テレビ、ラジオ、新聞)

・ 市ホームページ

・ 市防災メール

・ 報道機関(テレビ、ラジオ、新聞)

・ 市ホームページ、(県ホームページ)

・ 市防災メール、(県防災メール)

・ 幼稚園、保育園

・ 学校

・ 屋外活動施設など

※高感受性者:呼吸器系や循環器系疾患のある者、小児、高齢者等

VIII . 総括

1. 基本的な考え方のまとめ

福岡市黄砂影響検討委員会で検討すべき課題として整理し、委員会で検討した課題の基本的な考 え方をまとめると以下のとおりである。

検討課題 基本的な考え方

①予測手法検討対象の整理及び名称 何を検討対象とし、それを何と呼ぶこと にするか。

越境大気汚染による影響を未然に防ぐことを目的に情報発信 するため、越境する大気汚染物質を包括する微小粒子状物質 (PM2.5)に注目することが適当である。

アジアンダスト(=黄砂)に対する名称として比較しやすく、越 境汚染の概念も含むため、「アジアンスモッグ」という名称とし たが、平成 25 年 1 月からの PM2.5報道を受け、PM2.5という名称が 一般的に受け入れられていることから、混乱が生じないようPM2.5 も用いることとする。

②予測システムによる予測

既存の予測システムを用いて福岡市の PM2.5濃度を予測することができるか。

既存の大気汚染物質に関する予測システム(CFORS、VENUS、

SPRINTERS)について、予測値と PM2.5測定値を比較したが、各モ デルとも空振り率が高く、現段階では十分な精度を得ることがで きなかった。

③測定値による予測について

測定値を用いた統計的予測について市民 への情報提供が可能か。

早朝から朝方の PM2.5測定値と日平均値の相関を調査した上 で、午前 7 時台の提供が望ましいことなどを考慮し、午前 6 時の 測定値をもとに情報発信することとする。

④PM2.5予測の中央値採用について

PM2.5予測に、午前 6 時における各測定局 の中央値を用いることができるか。

平均値より中央値を用いると異常値の影響を受けにくいこと、

的中率が向上したことから、今後は中央値を用いて予測すること とする。

⑤評価基準について

どのような基準で PM2.5濃度を評価し、市 民への情報提供の対象とするか。

国の環境基準で PM2.5の日平均値 35μg/m3が定められているこ とから1日の平均値で評価することとし、35μg/m3超過が予測 された場合に情報提供する。

⑥行動指針について

PM2.5に関する行動指針をどのような内容 にするか。

文献の調査結果等を参考に、呼吸器系やアレルギー疾患がある 人を対象として外出時のマスク着用や帰宅時のうがいなどを促 すこととする。

⑦情報発信について

どのような頻度、手段で情報発信を行う か。

黄砂情報と同様に、市 HP、メール、テレビ、新聞、ラジオ等 で情報発信を行う。発信は 1 日 1 回、朝 7 時台とする。

⑧PM2.5の注意喚起について

国から、PM2.5に関する注意喚起のための 暫定的な指針が示されたことを踏まえ、福 岡市の情報提供をどのようにするか。

注意喚起の基準を超える場合は、国の暫定指針に従い、福岡県 が福岡市を含む福岡地区に注意喚起を実施する。

福岡市としては、福岡県の注意喚起について、市HPなどの手 段に加え、保育園、小学校などにもFAX等で直接情報を提供す る。

2. 検討結果

2.1 煙霧観測状況・特性について

・ 煙霧時に観測される粒子状物質には、通常時と比べて

PM

2.5の割合が大きい傾向が見られる。

PM

2.5の成分には自動車や工場の排気ガスなどの人為由来の物質が多く、肺がん、アレルギー性 喘息、鼻炎などを引き起こすと見られる。

・ 福岡での煙霧観測日数は図

8.1

のように減少の傾向が見られ、ここ数年は

25~35

日程度となっ ている。月別には

6

月がピークとなっている。

・ 福岡で観測された煙霧について、大陸からの影響が大きいものと見られる。

・ 煙霧時における

PM

2.5の成分について、イオン成分では硫酸イオンとアンモニウムイオン、金属 成分では亜鉛、鉛、ヒ素等が高濃度となる傾向がある。

図 8.1 福岡での煙霧観測延べ日数の経年変化

2.2 PM2.5の健康影響に関する知見について

PM

2.5環境基準の設定時に検討された疫学調査において、短期暴露では、日死亡と呼吸器疾患に 関連が見られた。特に小児を対象とした調査では発症の時間帯が限定的であるが気管支喘息や肺 機能の低下に影響が見られたという報告もある。

・ 長期暴露では、子供の呼吸器症状や喘息様症状の発症と関連していることを示すものはないが、

その保護者における持続性の咳や痰症状の有症は関連している可能性が示唆されている。長期暴 露については、海外での大規模な疫学調査で、総死亡、呼吸器疾患死亡、心肺疾患死亡との間に 関連が認められている。

PM

2.5の毒性評価では、

PM

2.5抽出物がラットの血管内皮細胞にストレスを与えること、

PM

2.5抽 出物の気管内投与によりマウスにおける肺の炎症の増悪作用、高血圧ラットの心拍数減少や副交 感神経活動への影響などをもたらす可能性が確認されている。

0 10 20 30 40 50 60 70 80

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煙霧日数

福岡市

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