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6 6 6 6 6 + +

6 6 6 6 6 z y

6 6 6 6 + +

6 6 6 x

6 6

6 6 w

6 6 6 1

1 2

2

3

3

4

4

5

5

6

6

7

7

8

8

図 22: Case6

- - - - - -

-- - - - - - y

- - - - -

-- - - x

-

-- - w

- -1

1 2

2

3

3

4

4

5

5

6

6

7

7

8

8

図 23: Case ‘root’

定理10が実際の応用で適用されるのは,次のような場合である: xwの位置に黒 石が着手され,このとき,図11の ‘ - ’のセルからなる集合は空セルの集合である.そ の後,交互に石を置いていく.部分局面F に後手(白)の着手が行われたとき,次に先 手は図12の深さ2の節点に関連する着手を行う.yのセルに先手が着手したとき,定 理10により,(t−x∧t−w∨tb)(t−y∨x−y)が成り立つ.

実際の応用に際しては,部分局面における後手の着手に対して先手の応手を予め決 めておく.これにより,S上の着手を考慮せずに,盤面全体の探索(必勝手順の検証)

が進められる.こうして繰り返しの記述と場合分けが不要になり,検証も簡単になる.

次の3.3節で,σ連結とσ拡張を用いた先手勝ちの証明の実例を示す.

除)の対象とする.盤面全体のセルに対し先行排除をする必要がないため,場合分け の数が減少する.結果として,詳しい解析(深い探索)が必要ない.このことは次の 命題11によって得ることができる.

ここで,深い探索が必要でないとは,次のことを意味する.その局面は後手局面で あるが,この局面以降の後手の着手は強制される.すなわち,後手の着手はそれ以後 一意的に(あるいは複数あるが自明であるという意味で一意的に)定まる.ちょうど 将棋において,王手の連続で詰む場合,先手側の王手だけでなく,王側の応手も一意 的に決っていくという特別な状況に相当する.そこで,深い探索が必要でない局面に は,この強制着手手順を付記した先手勝ちの証明を与える.命題11では,この強制着 手手順をFで表す.

命題 11 次の8×8の盤面(後手局面)は先手(黒)勝ちである.

- - - - - -

-- - - - - - 4 3

- - - - -

-- - - x 2

- - + +

- - w 1

- -1

1 2

2

3

3

4

4

5

5

6

6

7

7

8

8

図 24: 命題11 先手(黒)勝ち

F: ◦ {37, 28, 38} • ‘ 1 ’ ◦ {56} •‘ 2 ’ ◦ {64} • ‘ 3 ’ ◦ {81} •‘ 4 ’ (部分局面F に関するσ拡張(定理10)).

(証明)図24で示すように 54, 46のセル(黒石)をそれぞれx, wとする.‘ - ’ の セルからなる集合をF C,‘ + ’ のセルからなる集合をSとする.

F C上の空セルに後手が着手したときには,部分局面F に関するσ連結(図11)に 基づき先手は(σ連結の深さ2の節点に相当する)着手を行なうとする.

図11のすべての葉xに関連する局面に対し空セルの集合Kxが存在しAND-OR連 結Kx[txtwtb]が成立する.定理8より,深さ偶数のすべての節点yに関連する局 面では,ある空セルの集合Kyが存在しAND-OR連結Ky[txtwtb]が成立する.

また,S-lemmaよりS[xw]が成り立つ.

ある空セルの集合U が存在しS∩U =φかつKy ∩U =φかつU[wb]のとき,先手 勝ちであることを以下で示す.

S[xw]かつU[wb]かつS∩U =φより,(S∪U)[xw∧wb].((1-1)より)

よって,(S∪U)[xw∧wb∧xb].((1-5)より)

これより,(S∪U)[xb∧wb].((1-2)と(1-6)より)

ここで,S∩U = φかつKy ∩U = φ より,(S∪U)∩Ky = φが成り立つ.また,

Ky[txtwtb]が成り立つため,

(S∪U ∪Ky)[(tx∧xb∧wb)∨(tw∧xb∧wb)∨(tb∧xb∧wb)].((3)より)

(S∪U∪Ky)[(tx∧xb∧wb∧tb)(tw∧xb∧wb∧tb)(tb∧xb∧wb)].((1-5)

と(1-7)より)

(S∪U ∪Ky)[tbtbtb].((1-2)と(1-7)より)

(S∪U ∪Ky)[tb].((1-4)と(1-7)より)

同様に,ある空セルの集合Uが存在しS∩U =φかつKy ∩U =φかつU[xb]のと き,(S∪U ∪Ky)[tb]が成り立つ.

後手は先手のtbを防ぐため,着手を37, 28, 38のどれかに強制される.次に,先 手は‘ 1 ’に着手する.このとき,T-lemma より ‘1’−bが成立するため(T-lemma の 空セルの集合をT とする),同様の理由により,後手は着手を56に強制される.上記 のような解析を繰り返すと,Fで示される強制着手が続く.

65, 75の空セルからなる集合をS1,73, 83の空セルからなる集合をS2とすると,黒

‘ 2 ’のときS-lemmaよりS1[‘1’‘2’]が成立し,黒‘ 3 ’のときS-lemmaよりS2[‘2’‘3’]が 成立する(図25).‘3’と‘4’は直接連結するため,S2[‘2’‘4’]が成立する.

S1∩S2 =φより,(S1∪S2)[‘1’‘2’∧‘2’‘4’].((1-1)より)

(S1 ∪S2)[‘1’‘2’∧‘2’‘4’∧‘1’‘4’].((1-5)より)

(S1 ∪S2)[‘1’‘4’].((1-2)と(1-6)より)

ここで,S1 T = φかつS2 ∩T = φより,(S1 S2)∩T = φである.よって,

C =T ∪S1∪S2とすると,C[‘1’b∧‘1’‘4’].((1-1)より)

C[‘1’b∧‘1’‘4’∧‘4’b].((1-1)より)

C[‘4’b].((1-1)と(1-6)より)

また,定理10より,図12のすべての後手節点xに対し以下が成立する:図12のx が葉のとき,空セルの集合Kx ⊆e(S∪ {y})−Kxと和積形のAND-OR式γが存在し,

Kx[γ]かつ(Kx∪Kx)[(txtwtb)(ty∨xy)]が成立し,xが葉でないとき,空セル の集合Kx ⊆e(S∪ {y})が存在し,Kx[(txtwtb)(ty∨xy)]が成立する.

xが葉のとき,以下が導ける.

(Kx∪Kx)[(txt‘4’)(tx∧x‘4’)∨(twt‘4’)(tw∧x‘4’)∨(tbt‘4’)(tb∧x‘4’)].

((2-1)より)

(Kx∪Kx)[(tx∧t‘4’)∨(tx∧x‘4’∧t‘4’)∨(tw∧t‘4’)∨(tw∧x‘4’)∨(tb∧t‘4’)∨(tb∧x‘4’)].

((1-5)と(1-7)より)

(Kx∪Kx)[t‘4’∨t‘4’∨t‘4’∨(tw∧x‘4’)∨tbtb].((1-2)と(1-7)より)

(Kx∪Kx)[t‘4’∨(tw∧x‘4’)∨tb].((1-4)と(1-7)より)

ここで,(Kx∪Kx)∩C = φかつC[‘4’b]より,(Kx ∪Kx ∪C)[(t‘4’∧‘4’b)∨(tw x‘4’∧‘4’b)∨(tb∧‘4’b)].((2-1)より)

(Kx∪Kx ∪C)[(t‘4’∧‘4’b∧tb)(tw∧x‘4’∧‘4’b∧xb)∨(tb∧‘4’b)].((1-5)と(1-7)

より)

(Kx∪Kx ∪C)[tb∨(tw∧xb)∨tb].((1-2)と(1-7)より)

(Kx∪Kx ∪C)[tb∨(tw∧xb)].((1-4)と(1-7)より)

ここで,(Kx∪Kx)∩S =φかつC∩S =φより,(Kx∪Kx∪C)∩S =φが成立する.また,

S[xw]が成立する.よって,L=Kx∪Kx∪C∪Sとすると,L[(tb∧xw)∨(tw∧xb∧xw)].

((3)より)

L[tb∨(tw∧xb∧xw)].((1-2)と(1-7)より)

L[tb∨(tw∧xb∧xw∧wb)].((1-5)と(1-6)と(1-7)より)

L[tb∨(tw∧xb∧xw∧wb∧tb)].((1-5)と(1-6)と(1-7)より)

L[tb∨tb].((1-2)と(1-6)と(1-7)より)

L[tb].((1-4)より)

以上により,図24の盤面(後手局面)は先手勝ちである.

同様に,xが葉でないとき,tbが成立することを導ける.

よって,命題11が成立する.

(証明終)

- - - - - -

-- - - - - - 4 3

- - - - - - + +

- - - x 2

- - + + + +

- - w 1 *

- - * * *

- * * * *

1 1

2

2

3

3

4

4

5

5

6

6

7

7

8

8

図 25: 強制着手Fの後の局面

命題11と同様に,部分局面F に関するσ連結とσ拡張を用いることで,図26と図 27の盤面の先手勝ちを示せる.

図26では,初めの解析(先行排除)における後手の着手は47か48に絞られる.強 制着手は,前者に対してはF1となり,後者に対してはF2となる.これ以外の後手の 着手に対しては黒47か黒57によって先手勝ちとなる.

図27の強制着手をF3で示す.黒‘ 2 ’の着手のとき,76, 57, 67, 77, 68, 78の空セル からなる集合上で ‘ 2 ’−bが成り立つ.

このように,σ連結とσ拡張のおかげで,場合分けが減少し,使用する図も従来の方 法に比べて少数ですむ.

- - - - - -

-- - - - - - 6 5

- - - - -

-- - - x 4

- - + +

- - w 3

- - 1 2

-1

1 2

2

3

3

4

4

5

5

6

6

7

7

8

8

図 26: 部分局面F に関するσ連結とσ拡張を用いた先手勝ちの盤面1

F1 : ◦ {47} • ‘ 3 ’ ◦ {56} • ‘ 4 ’ ◦ {64} • ‘ 5 ’ ◦ {81} • ‘ 6 ’ (部分局面F に関 するσ拡張).

F2 : ◦ {48} •‘1’ ◦ {38} •‘ 2 ’ ◦ {57} •‘ 3 ’ ◦ {56} •‘ 4 ’ ◦ {64} •‘ 5 ’ ◦ {81}

‘ 6 ’ (部分局面F に関するσ拡張).

- - - - - -

-- - - - - - 5 4

- - - - -

-- - - 3

- - + +

- - 2

-

-- 1

1 1

2

2

3

3

4

4

5

5

6

6

7

7

8

8

図 27: 部分局面F に関するσ連結とσ拡張を用いた先手勝ちの盤面2

F3 : ◦ {38} • ‘ 1 ’ ◦ {47} • ‘ 2 ’ ◦ {56} • ‘ 3 ’ ◦ {64} • ‘ 4 ’ ◦ {81} • ‘ 5 ’ (部 分局面F に関するσ拡張).

本論文のσ連結とσ拡張によって,8×8(初手54)の先手必勝手順を構成すること ができる.

必勝手順の証明木とは,準ゲーム木のことであり,偶数の深さの節点(∼P節点)の 子には,先行排除によって残った∼P の着手が関連付けられている(葉では先行排除 によりすべての着手が取り除かれている).

本論文で構成した必勝手順の証明木を図28で示す(根以外の節点の数字は関連する 着手を示す).根には,すべてのセルが空セルの局面から先手が初手54を着手した(後 手の)局面が関連付けられている.総節点数は13個で,先手局面に対応する節点が6 個,後手局面に対応する節点が7個からなっている.後手局面の節点では,(従来の必 勝手順のように)AND-OR連結に基づく先行排除が利用されている.それに加え,σ 連結とσ拡張に基づき,深い探索をしなくても(自明の強制着手によって)先手勝ち

を得られる局面(節点)は,証明木から排除されている.たとえば,根節点において,

白47の着手は,黒46によって命題11に帰結し先手勝ちとなるため,証明木から省か れている.同様に,白37,白28,白58の着手も黒46によって,先手勝ちとなる(図 26と図27).これらの局面も証明木から取り除かれている.

54 45 56 57 55 46 47

38 27

48 46 46

56

図 28: 8×8(初手54)の証明木

本節の8×8(初手54)の必勝手順を示すために,基本となるσ連結は4個で(局面 F に関するσ連結を含む),そのうち1個はAB-propertyをもつAND-OR連結の着手 手順を示している(参考文献[17]のFigure 38).さらに,部分局面F に関するσ連結 のバリエーションを2個用いる.よって,用いられるσ連結の総数は6個である.こ の必勝手順では,σ連結1個に対し1個のσ拡張を用いる(各σ連結に対し,定理10 のような証明を1個ずつ行っている).よって,σ拡張の総数は6個である.

K. Noshitaの8×8(初手54)の必勝手順[18, 19]では,はじめに,必勝手順の証明 で用いられる主要な定理を示している.これらを証明するために必要な図面の数は31 個である.必勝手順の証明木の正しさを証明するために,各節点における(ユニオン 連結による)先行排除を示している.ここで用いられている図面の数は222個である.

証明文書全体で用いられている図面の数は,253個である.証明中では,ある節点(局 面)において,その祖先節点に同型の解析(先行排除)が現れる場合,祖先節点の解 析を参照することで,繰り返しの記述を省略している.必勝手順の証明木の節点数は,

108個である(後手節点は52個).

本節の8×8(初手54)の必勝手順の正しさを証明する文書は,次のように構成され ている.最初に,主要なAND-OR連結を証明している.また,定理9と定理10のよ うに,先行排除で用いられるσ連結とσ拡張の正しさを証明している.これらを示す ために必要な図面の数は,34個である.必勝手順を示す証明木(図28)の各節点にお ける解析では,AND-OR連結による先行排除と,(命題11のような)σ 連結とσ拡張 を使った先手勝ちの証明が示されている.これらを示すために必要な図面の数は,65 個である(新技法を用いた証明は8個).証明文書全体では,99個の図面を用いてい る.他の図を参照するなどの省略方法は用いていない.必勝手順の証明木の総節点数

は,前述したように,13個である(後手節点は7個).

このように,σ連結とσ拡張を従来の証明法と併用することで,従来より簡単な形 で必勝手順を構築できる.

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