【れ】
7. 心理学の知識と技能を社会に活かす視点と行動力を獲得すること
子ども発達学科では、 「人間関係学部 」 のカリキュラムポリシーを基盤に置きながら、次の 3つの視点を基に、本学科のカリキュラムポリシーとして、4年間の学習内容を充実させて いきます。1.子どもを学ぶ(子ども学)ために、幅広い学問領域からのアプローチを試み ます。2.子どもはもちろんのこと、保護者や地域に対するこころの援助ができる保育・教 育者を育てます。それらをよりよく実現するための保育・教育・相談の理論や方法、および 技術についても実践的に学んでいきます。3.これら全般を通して、キリスト教を基盤とし た「愛」の精神を貫き、保育・教育者としての人間的涵養を図ります。
「子ども学」には、さまざまな学問領域からのアプローチの方法があり、本学科に所属する
教員は、それぞれ異なる専門領域から独自の「子ども学」を展開していきます。また本学科 における学修では『子ども発達センター』をさまざまな形で活用し、実践的な学習活動を展 開します。
1年次では、 その基礎となる「子ども学概論」 、 そして「子ども学フィールドワーク」により、
子どもを取り巻く場について体験的に学びます。さらに、その学問的裏づけとなる「発達心 理学」や「健康科学理論」 「保育原理」 「教育原理」 「社会的養護」 「社会福祉概論」 「子どもの 保健」 「子どもの食と栄養」 等で子ども理解への基礎作りを目指します。 「初年次教育」 「スチュー
デントスキル」 「生活基礎技能」といった基礎カリキュラムを履修し、これからの学生生活や
学びの基礎を築きます。その集大成とも言うべき、後期の最後には保育士資格取得に関わり なく、全員が児童福祉施設実習を体験します。
2年生には、1年次の学習内容をさらに深化させた「子ども学フィールド演習」 、 「子ども 学観察演習」のほか、 「児童家庭福祉論」 「子どもの発達と学習の心理学」 「教育保育課程総論」
「障害児教育論」 「知的障害児、 肢体不自由児、 病弱児の心理・生理・病理」等を学ぶとともに、 「保
育実習Ⅰ」 「幼稚園教育実習Ⅰ」が実施されます。本学年ではこうした実践力を高めるための
科目の充実を図り、保育所をはじめとする児童福祉施設や幼稚園・小学校など学校体系につ いて理解するとともに、保育ならびに教育の本質・目的を考えます。
3年次には、 「子ども学総合演習」によって、1・2年次で積み上げてきた学習成果を子ど
もの前で実践するための専門的知識・技術を身につけます。 「保育内容総論」 「初等教科教育法」
「子ども理解の技法(観察法と統計解析法) 」 「発達・教育相談の基礎」 「教育相談の方法と実践」
「特別支援教育論」 「重複障害・LD 等の心理・生理・病理」等の科目に加え、 「保育実習Ⅱ / Ⅲ」 、
「小学校教育実習Ⅰ」などによって本格的な実践プログラムが展開されます。
4年次には、 「子育て支援論」 「教職実践演習(幼・小) 」等理論と実践との統合的科目群、
あるいは「幼稚園教育実習Ⅱ」 「小学校教育実習Ⅱ」 「特別支援教育実習」を通して本格的な実技・
実習活動が展開されます。同時に、これまでの 3 年間を通して学んできた子ども学の成果を、
自らのテーマに従い「卒業研究」によって理論的・実践的に体系化していきます。
このように「子ども発達学科」で行う教育カリキュラムの 4 年間の流れは、子ども学とい う学問体系を通して実現されることになります。保育士ならびに幼稚園教諭、小学校教諭、
特別支援学校教諭の教員養成は、ある面では密なカリキュラム構成の中で行われますが、本 学子ども発達学科で行う教育・学修は単なる免許・資格の取得ではなく、子どもを「子ども学」
という学問的視点から総合的に学び、その理解と指導的実践力を高めることを目標とします。
子ども発達学科カリキュラムポリシー
聖書概説【心理】
必選:必修 年次:1年 学期:前期 単位:2単位 形態:講義
担当者名: 大島 一利
【教育目標】
キリスト教信仰を支え、西欧文化の大きな背景となっている聖書を読む。
この講義は本大学における教育の基本的な支えとなるキリスト教主義教育の基礎となる。聖書全体についての 概略、また主要な物語とメッセージを理解することを通して、本大学においてなされるキリスト教主義教育の意 義を知ることを目指す。
その際に絵画等の資料や翻訳の違いなどを含め、様々な角度から聖書に関する教養と理解とを深め、その文書 の全体的な考えを知ることを目的とする。
【内容】
聖書は旧約聖書と新約聖書からなる。旧約聖書は紀元前1500年ころから紀元前2世紀ころの間に、古代ユダヤ 人たちによって成立した。新約聖書はイエス・キリストの生涯を中心に、紀元50年ころから紀元2世紀頃の間の キリスト教会によって、生み出された証言の集成である。
それは遠い過去の時代の遠い地方の言葉であるが、時と民族・文化の隔てを超えて、今ここにいる私に語られた かのように生きて語りかけるのである。その聖書の言葉に耳を傾け、平和のない混沌とした今の時代を生き抜く 知恵と勇気を与えられたい。
【授業の進め方】
第1回 聖書とはどういう書物か
第2回 創造物語 −天地創造からノアの洪水物語まで−
第3回 族長物語 −アブラハムからヨセフまで−
第4回 王国成立 −モーセから王国誕生前夜まで−
第5回 興亡物語 −ダビデからバビロン捕囚まで−
第6回 解放された民 −バビロン解放から新約聖書成立まで−
第7回 旧約聖書文学 −詩編・箴言・コヘレトの言葉等−
第8回 福音書の物語 Ⅰ −イエス・キリストの誕生と公生涯−
第9回 福音書の物語 Ⅱ −奇跡物語とその意味−
第10回 福音書の物語 Ⅲ −福音書に登場する人々−
第11回 福音書の物語 Ⅳ −イエスのことばと教え−
第12回 福音書の物語 Ⅴ −キリストの十字架と復活−
第13回 使徒言行録 −キリストの弟子と教会の誕生−
第14回 パウロの手紙 −その背景と思想−
第15回 聖書が分れば映画がもっと面白い!
第16回 試験
【文献】
新共同訳聖書(日本聖書協会)
毎回プリントを配布する
【成績評価】
筆記試験60% チャペル出席26% 教会出席10% その他の取り組み4%
【事前・事後学習】
聖書に親しみ、授業後該当箇所を再読すること。
【お知らせ】
成績評価の欄にあるとおり、教室での授業のほかに、チャペル出席(26回)、教会出席およびそのレポート (1回)を教室外の課題として課します。
— 1 —
聖書概説【子ども発達】
必選:必修 年次:1年 学期:前期 単位:2単位 形態:講義
担当者名: 徐 亦猛
【教育目標】
教育目標:キリスト教文化の強い影響を受けたヨーロッパ・アメリカ文明を根底から理解するためには、聖書の 学びは欠かせない。この講義では、聖書を正しく理解、解釈するため、旧約聖書と新約聖書の構造と特徴に重点 を置きつつ、聖書の全体像を概観するすることを目標とする。
到達目標:①聖書の基本的な概念及び知識を得る。②聖書の人間理解についての知識がある。
【内容】
聖書各書の内容と形式上の特徴、及びその成立過程、歴史的・社会的背景を理解する。聖書に見られるキリスト 教のアイデンティティーの形成過程を理解し、現代の教会、社会に対して持つ意義を探求する。聖書とつながり の深い視聴覚教材(映画、音楽など)も活用しながら、ユダヤ教・キリスト教文化の紹介も並行して行う予定で ある。
【授業の進め方】
第1回 講義オリエンテーション/聖書を学ぶ目的と意義 第2回 創造物語
第3回 族長物語 第4回 王国の確立 第5回 王国の興亡 第6回 知恵文学・詩編など 第7回 復習
第8回 歴史のイエスと信仰のキリスト
第9回 共観福音書(マタイ福音書、マルコ福音書)
第10回 共観福音書(ルカ福音書)
第11回 使徒言行録
第12回 ヨハネ共同体とヨハネ文書(ヨハネ福音書及びヨハネ書簡)
第13回 パウロとパウロの手紙(ローマ書)
第14回 パウロとパウロの手紙(コリント書)
第15回 まとめ/質疑応答
【文献】
教科書:『聖書』(新共同訳)、補足用プリントを配布する。
参考書:適宜提示する。
【成績評価】
授業中の態度(意欲)、授業への参加度、チャペル出席、教会出席、定期試験に代わるレポートにより総合的に 評価。
【事前・事後学習】
この授業では予習も復習も、きわめて大切な要素となる。授業内容の理解を深めるため、次回の講義で取り扱う テキストを事前に読むこと。事後学習として講義の内容を振り返るための宿題を課す。
【お知らせ】
聖書を熟読すること。
— 2 —
キリスト教の歴史と文化【心理】
必選:必修 年次:2年 学期:前期 単位:2単位 形態:講義
担当者名: 大島 一利
【教育目標】
キリスト教会が各時代に生み出した思想と造形・絵画と音楽を知り味わい理解する力を養う。
現代世界を理解するためにも、また欧米を中心としたキリスト教世界を知るためにも、キリスト教の歴史と文 化について理解することが必要である。またその時代とその地域において展開された文化、そしてその背景を知 る事も不可欠である。
この講義では現代の国際化された社会をよく知るためにも欠かす事の出来ないこれらの歴史と、その多くの所 産について理解することを目標とする。
【内容】
イエス・キリストによって神の深い愛を知らされた教会は、音楽や言葉によってによって神に感謝と礼拝をさ さげ、その場を礼拝空間としてと整えていった。そのことによって、音楽が発展し、絵画、さらには教会の言葉 を整える神学思想も展開してきた。それらの営為は時代と地域によって異なる。その相違はその生きた時代を豊 かに映し出すものと言える。
この講義では、キリスト教の歴史とともに思想や芸術の営みを紹介していきたい。世界史、日本史、美術・芸 術史を基礎としつつ、諸史料を知ることを通してその内容に深くふれていきたい。
【授業の進め方】
第1回 キリスト教の「歴史と文化」を学ぶということ 第2回 キリスト教の誕生と迫害
第3回 キリスト教の公認と国教化
第4回 中世初期のキリスト教 −カトリックの成立−
第5回 中世盛期のキリスト教 −十字軍の時代−
第6回 中世末期のキリスト教 −ルネサンスの幕開け−
第7回 初期ルネサンスとキリスト教 第8回 盛期ルネサンスとキリスト教 第9回 宗教改革の時代 −後期ルネサンス−
第10回 バロック以降のキリスト教 第11回 キリシタン時代のキリスト教 第12回 中国のキリスト教とキリシタン迫害 第13回 潜伏キリシタンの時代
第14回 日本におけるキリスト教文化 第15回 まとめ
第16回 試験
【文献】
毎回プリントを配布
【成績評価】
筆記試験60% チャペル出席26% 教会出席10% その他の取り組み4%
【事前・事後学習】
事後の課題として、前回授業に使用した動画関連ファイルの確認を求めます。
【お知らせ】
成績評価の欄にある通り、教室での授業のほかに、チャペル出席(26回)、教会出席(1回)およびそのレポー トを教室外の課題として課します。
— 3 —