ちの い=‑ ‑
空保
は 戸 時
食 保
育 育 の 指 効 針 果 を を 元 ね に ら 考
つ え
ている︒食育については保育所保育指針では第5章に定
められている︒食育とは健康的な生活の基本としての
﹁食を営む力﹂を営むことを目的としている︒﹁食を営む
カ﹂とは食事を楽しみ意欲を持って食に関わる力であり︑
子どもが自らの体験によって自然の恵みや調理する人へ
の感謝の念を育てることを目的としている︒
﹁朝
礼
・おかえりの会﹂では﹁のの様の歌﹂や仏教の
教えをふまえた﹁おやくそく﹂や﹁ことば﹂を朝礼やお
帰りの会で歌ったり︑声を出して読んだりする︒基本的
な内容は三宝帰依によっている︒日々繰り返す事により︑
﹁健
康﹂
・ ﹁
言葉
﹂
・﹁
表現
﹂・
﹁人
間関
係﹂
・﹁
環境
﹂
の部分
と﹁情緒の安定﹂の達成をねらう︒主に言葉の理解や他
者との関係へと意識が進む
315
歳児向けである︒繰り返しになるが︑健康で明るく生き︑善悪を理解し︑人と
の関係を良好に進め︑自分の生活する環境の中でル
l
ル を守って過ごす︒以上の点は保育所保育指針でも取り上げられる点ではあるが︑それを﹁仏様の言葉﹂︑﹁仏様との関係﹂︑﹁仏様との約束﹂として歌や言葉として保育実
践に取り組むことが特色といえる︒
﹁本堂などでの礼拝﹂は﹁朝礼・おかえりの会﹂
で の
目標をより﹁環境﹂を整え実践することといえる︒実際
に仏様の象を見て︑手を合わせ︑礼を行う︑本堂という
通常子ども達が生活する空間とは別の環境を整え行うこ
とに
より
︑
‑ 81‑
より具体的な行動を通して保育効果を高める
ことを目標としている︒
月間行事の特色は通常の保育と異なる環境を整え保育
の実践が行われる点にある︒﹁誕生会﹂は三宝帰依の仏
(明るく)と僧(仲よく)を強調した行事といえる︒友
達の誕生を祝うという行為により︑祝われる方は
﹁情
緒
の安
定﹂
︑﹁
健康
﹂
や﹁人間関係﹂という部分をより強く
感じ︑祝う方は﹁健康﹂や﹁人間関係﹂というねらいの
獲得を目指す︒
﹁花
祭り
﹂ はお釈迦様の誕生を祝う行事である︒保育
所によって本堂や保育室で行うが︑花御堂の作製や甘茶
かけなど環境を整え︑お釈迦様について言及することに
ト4
mh ソ ︑
日々の﹁朝礼・おかえりの会﹂︑﹁食前食後の言
葉﹂等の大事さ︑守ることの重要性について強調する事
が出来る行事である︒
﹁盆
踊り
﹂
や﹁地蔵祭り﹂もまた踊りや浴衣などお祭
り的環境を整え行われる︒﹁環境﹂︑﹁健康﹂︑﹁人間関
係﹂など子ども達はお祭り的楽しさの中でご先祖様︑亡
くなった方を意識し︑﹁命﹂と一言うものに注目する機会
とな
る︒
以上の点をまとめていくと浄土宗保育の独自性は三宝
帰依による心の酒養︑特に宗教的情操教育により保育指
針で定められた﹁ねらどと﹁内容﹂のよりよい獲得と
言える︒各日課や月間行事は仏教行事として独立してい
るのではなく︑保育所の保育の一部として組み込まれて
いる
︒
保育指針の﹁ねらとと﹁内容﹂を獲得するため
の方法の一つとして︑浄土宗保育は他の保育所と異なる
独自の取り組みを行うことが出来るのである︒
まとめ
以上見てきたように保育を巡る環境は変化してきている︒その変化は子ども達の成長発達にとって必ずしも資するものではないと考える︒しかしそのことをはっきりと打ち出していくためには︑保育所の保育がどのように実践され︑子ども達がどのような発達を獲得できるかを強く伝えていく必要がある︒また浄土宗保育の実践も同じである︒先に述べてきた
‑ 82‑
ように仏教保育または浄土宗保育では三宝帰依による心
の酒養という理念がある︒これは他の一般の保育所とは
明らかに一線を画せる理念である︒
今回は子どもの保育という点に着目して考察を行って
きた︒子どもの保育が保育課程にもとづいて行われ︑保
育課程には各年齢毎の
﹁ね
らい
﹂と
﹁内
容﹂
から構成さ
れていること︑そして浄土宗保育実践ではその保育計画
の目標や﹁ねらい﹂と﹁内容﹂について三宝帰依による
心の酒養と言う点で独自性を組み込むこんでいることが
明らかとなった︒
仏教福祉の実践に当たり︑何が仏教福祉で︑どうして
浄土宗の僧侶が福祉実践を行っていくかという点につい
ては現状について暖昧な点がある︒保育に限って言えば︑
現状の厳しい経済環境の中︑共働きで生計を安定させる︑
またはその他の理由により保護者が保育を出来ない家庭
に対して︑市町村が保育を提供する社会制度となってい
る︒その背景には児童福祉法があり︑その第1
条は
す
べて国民は︑児童が心身ともに健やかに生まれ︑且つ︑
育成されるよう努めなければならない︒﹂
とさ
れ︑
その
第2項において
﹁す
べて
児童
は︑
ひとしくその生活を保
障され︑愛護されなければならない︒﹂とされている︒
その総則に則って第
M
条において︑市町村が保育の実施義務を負うこととされている︒社会福祉関連の法律は総
じて︑国民同士の直接または税金の活用による間接的な
ものを含めての助け合いを前提としている︒その助け合
いによる社会制度の一翼を担うことは︑浄土宗僧侶とし
て違和感はないと思われる︒そして浄土宗保育実践にお いては浄土宗の教え︑仏経の教えに基づく独自性を保育に与えることが出来る︒しかしあくまでもその目的は保
護者の就労等により保育にかける子ども逮が健康で健や
かに育つことである︒その目的のための方法の一つとし
て浄土宗保育実践がある︒浄土宗僧侶の福祉実践とは助
け合いの社会体制のもと︑﹁幻世紀境頭宣言﹂
・ ﹁
浄土宗
基本構想ならびに基本計画﹂に記されているように﹁愚
者の自覚﹂という人間観にたった共生(ともいき)
の実
践にある︒﹁浄土宗基本構想ならびに基本計画﹂
‑ 83‑
で は
﹁私たち一人ひとりは︑孤立しているのではなく結ばれ
ている︒﹁見えないいのち﹂によって生かされている︒
この
﹁生かされている私﹂という現実に目覚めたとき︑
仏や他者との︿ともいき﹀が生まれてくる︒それは共生
人間論として展開し︑共生社会の実現が目指されてい
と記されている︒直接のお念仏実践につながる布
教に必ずしもならなくとも︑共生(ともいき)によった
助け合う社会体制の一助を担うことはお念仏による極楽
往生という宗教的救済に内包される︑人間観・社会観に
より人々に基本や方向性を与えるものとなろう︒その実
践の一つとして浄土宗僧侶による社会福祉実践があると
思わ
れる
︒
注(
1)
調査の概要については︑浄土宗総合研究所仏教福祉研
究班長谷川匡俊・坂上雅翁・曽根宣雄・鷲見宗信・藤森
雄介・関徳子・渡遺義昭﹁
浄 土 宗 社 会 事 業
・ 活 動 に 関 するアンケート調査集計報告
(1
)﹂及び
( 2 ) (
﹃仏教
福祉﹂第8号︑浄土宗総合研究所刊︑2005︑川1回
頁 ︑
﹃仏教福祉﹄第9号︑浄土宗
総合
研究
所刊
︑
2006︑
mi
叩頁所収)︑長谷川匡俊︑坂上雅翁︑曽根宣雄︑鷲見宗信︑藤森雄介︑関徳子︑渡遺義昭︑古口水岳彦︑石川基
樹﹁浄土宗寺院・
住職の福祉意識について社会福祉実
践を支える理念について﹂(﹃
仏教福祉
﹂第叩号︑浄土宗
総合
研究
所刊
︑
2007
︑山
im
頁)︑長谷川匡俊︑関徳
子︑鷲見宗信︑藤森雄介︑曽棋宣雄﹁浄土宗寺院社会福
祉事業の振興に向けて﹂(﹁
仏教福祉
﹄
第日
号︑浄土宗総
合研
究所
刊︑
2008︑
11
河頁)︑鷲見宗
信﹁
浄土宗寺
院と住職の社会福祉に関する活動と意識についての一考
察﹂(﹃日本仏教社会福祉学年報﹂犯号︑日本仏教社会福
祉学
会刊
︑
2007
︑出
iU
頁所収)にて報告がされて
い司 令︒
(2
)
中垣昌美﹁仏教社会福祉論考﹄法蔵館1998
日頁︑清水海隆﹁
考 察 仏 教 福 祉
﹂大東出版社200
3 2 1
日頁︑高石史人﹁仏教福祉への視座﹂2005
初
1
九頁︑池上要靖﹁仏教者の福祉活動再考初期教
典に見るサンガの活動│﹂(﹃日本仏教社会福祉学年報﹂
初号︑日本仏教社会福祉学会刊︑2005︑日
iM
頁)
7
(3
)
大正大学大学院文学研究科社会福祉学専攻﹁仏教系社会
福祉施設調査報告
書 ﹂
199712000年度版︑およ
び﹁仏教系社会福祉実践者調査報告書﹂2001120
0
4年度版
84
参考文献
池田英俊・芹川博通・長谷川匡俊﹃日本仏教福祉概論l近代
仏教を中心に﹄雄山閣出版1999
吉田
久一
・長谷川匡俊﹁日本仏教福祉思想史﹄法蔵館
2 0
A U‑ ‑
長谷川匡俊﹃宗教福祉論﹄医歯薬出版株式会社
﹃浄土宗保育指針﹄浄土宗保育協会2000
﹃浄土宗基本構想ならびに基本計画﹂浄土宗2002
﹃わかりやすい仏教保育総論﹄チヤイルド社2004
﹃浄土宗公益教化事業団体ガイドブック﹂浄土宗 つ
ωn un vn L
2005
﹃ 保 育年報2008﹂全社協2008
﹁保 育指 針﹂ 厚生 労
働省
‑ 85‑
上田千秋著 ﹁仏教福祉学の成立を求めて
社会福祉(学)の視点から仏教福祉を考える﹂
石
基 樹
浄 土 宗総合 研 究
所研
究スタッ フ
一 ︑著者略歴
著者の上田氏は一九二八年に生まれ︑大阪市民生局勤
務の後︑東洋大学講師︑仏教大学講師︑華頂短期大学助
教授︑仏教大学教授︑淑徳大学教授を歴任された︒専攻
は社会福祉学であり︑著書に﹃社会保障入門﹂︑﹃現代児
童福祉論﹂︑﹁アメリカの老人白書﹄︑﹃オウエンとニユ
ー ・ ハl
モニ
イ﹂
等が
ある
︒ 二︑本論
文の概
要
本論文は﹃仏教と福祉﹄(渓水社)に所収されており︑ EE
︐ ノ
その論題名の通り社会福祉(学)の視点から学問として
の仏教福祉学の成立を論じたものである︒本論文の構成
いく
こと
とす
る︒
は次のようになっている︒以下各節の論旨についてみて
第一節第
節 第 節
第四節
第五節 はじめに福祉の概念について従来の仏教福祉論について福祉国家とその変遷について
福祉社会と仏教の現代化について
‑ 86一