13. 競争力
13.5. 影響評価
REACH の川下使用者に対する影響評価のために、単一の物質及び調剤に含まれる物質 の従来の製造量及び輸入量と、化学物質の全ての製造チェーンを通じて細分化したもの は、入手が可能ですか? 製造 (EU の域内外)され、川下使用者が把握していない他の 化学物質による化学物質への影響を、どのようにして評価するのですか?
欧州委員会は、全ての分野や個々の物質全ての影響評価をする立場にはありませんし、
またそうすることもできません。しかし、欧州委員会は、2003 年の REACH 提案につい て拡大した影響評価を実施しました。主要な文書と背景文書は、欧州委員会のウェブサ イトで見ることができます(
http://europa.eu.int/comm/enterprise/reach/eia_en.htm
)。また、そこに含まれている多量のデータは、特定のケースにおける REACH の影響を考え たいと思っている人に対しては、有用な出発点となるでしょう。
REACH の影響に関する利害関係者の議論の後、欧州委員会は、欧州委員会の REACH 影 響評価のさらに詳細な作業に取りかかることを決定しました。それは 2004 年 3 月 3 日 付けで、欧州委員会(企業・産業総局と環境総局)と産業界(UNICE/CEFIC)の間の覚書 (MoU)の下で実施されました。商業的理由による物質の潜在的な撤退、革新、新規加盟 国における潜在的影響を取扱う目的で、ビジネスのケーススタディーを採用した複雑な 研究が実施されました。
二つの研究が MoU に基づいて実施されました。UNICE/CEFIC の産業界のコンソーシア ムのための KPMG による研究は、最初の二つの分野に焦点があてられました。この研究 は、四つの川下分野(自動車産業、ハイテク電子産業、柔らかい包装材産業、無機材料 製造業)と六つの中小企業を含んで評価されました。共同研究センター(JRC)の研究は、
REACH の新規加盟国(NMS)における潜在的な影響を扱い、新規加盟国の化学産業の一般 的な調査と三つの新規加盟国の精密化学産業における REACH の影響に焦点を当てたも のを含んでいます。
欧州委員会は、2003 年の REACH 提案についての更に詳細な影響評価の作業から、以 下のような結論を導き出しました。
・ 高生産量物質は、REACH の登録要求に従うことで撤退に対して脆弱であるとの証拠 は
限定的。しかし、100 トン以下のより少量の物質は、REACH の要求により、利益が 少ないかほとんど無いため最も脆弱。
・ 川下使用者は、技術的重要性が大きな物質の撤退に直面するとの証拠は限定的。
・ 中小企業は、限られた資金力やコストの転嫁に関して市場では弱い立場であること から、REACH によって特に影響を受ける可能性あり。
・ 企業は REACH から営業上の恩恵をいくらか認識。
この更に詳細な作業の結果は、その結論と共に、意思決定のプロセスで考慮されてい ます。例えば、欧州委員会の初期の提案と比較して、10 トン以下の物質の登録の仕組 みについての修正が導入され、100 トン以下の物質に対する要求に更に修正が加えられ ました。このグループの平均的な登録費用は、その大部分は何らかの毒性試験を必要と する物質の数を減らすことにより、十分削減されるでしょう。“共通の立場”はまた、
中小企業のための登録料の削減と、この種の企業に焦点を当てた相談窓口の設置も規定 しています。
付録:略語
C&L 分類と表示
CMR 発がん性、変異原性、生殖毒性を有する物質 CSA 化学物質安全性評価
CSR 化学物質安全性報告書 DNEL(s) 推定無影響レベル DU 川下使用者 ES ばく露シナリオ GLP 優良試験所基準 M/I 製造者/輸入者
MSDS 化学物質等安全性データシート OSOR 一物質一登録
PBT 残留性、蓄積性、有害性を有する物質 PPORD 製品や工程を見極めるための研究開発 PNEC(s) 予測無影響濃度
RMM リスク管理措置 SDS 安全性データシート SIEF 物質情報交換フォーラム
vPvB 高残留性・高蓄積性を有する物質