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弾性線維腫

ドキュメント内 スライド 1 (ページ 47-52)

1961年に最初に報告された、緩徐発育性の良性線維性腫瘍、線維性偽腫瘍とされる。

【好発部位】99%は肩甲骨と肋骨の間に発生。25%で両側発生。

まれに肘頭、大腿、皮下組織など。多発例の報告あり。

【有病率】55歳以上で24%、男女比1:5、比較的高齢の女性に多いが小児例あり。

【症状】50%以上は無症状。硬直、まれに疼痛

【病因】不明だが、3つの説が提唱されている

①最初の報告が肉体労働者であったことから、肩甲骨と胸壁の繰り返す機械的な 刺激により膠原線維の変性と膠原線維性結合組織の過剰生産が誘発され、

弾性間質と脂肪の増生を引き起こしたもの

②血流障害に続発して反応性線維腫や弾性線維の変性を生じたもの

③結合組織代謝に関与する酵素異常、遺伝性素因(沖縄県で家族発生の報告あり)

【治療と予後】経過観察、症状あれば外科的切除術。悪性化の報告なし

弾性線維腫

【病理組織学的所見】

細胞成分に乏しい膠原線維性結合組織に多数の弾性線維が混在する所見、少量の粘液 性間質と成熟脂肪細胞が介在する。弾性線維は大きく粗雑で、好酸性が強く、細かく 断片化した成分が線状、球状あるいは数珠状に融合する像がしばしばみられる。

EVG染色:変性した弾性線維の断片を認める HE染色

背部弾性線維腫

【画像所見】

肩甲骨と肋骨の間に発生 CT:

被膜はなく、周囲筋肉との境界不明瞭、筋肉とほぼ等吸収の軟部組織濃度を示し、

低濃度域(脂肪)が混在する内部不均一な、楕円形、円形、凸レンズ状の腫瘤 MRI:

基本的に線維組織を反映し、T1WI、T2WIで低信号を示すが、介在する脂肪組織の 量によって高信号が目立つ、凸レンズ状の境界明瞭な腫瘤。

造影後、中等度の造影効果を示す。

FDG-PET/CT:

しばしばFDG集積を示す。

報告例でmean SUVmax 1.4-3.2、2.0±0.63(range0-5.1)、 2.31±0.61(range1.0-4.3) 胸壁多発例のcase report でSUVmax 3.2-4.7

背部弾性線維腫

【鑑別診断】

fibromatosis, fibrolipoma, fibroma, desmoid tumors, sarcoma MRIで特徴的・典型的な画像所見を呈すれば、診断可能。

非典型的な場合は生検が必要になる場合がある。

【考察】

胸腔鏡下手術と弾性線維腫の関連については、調べた範囲では、肺癌に対する 胸腔鏡下手術後6年に緩徐に増大する軟部腫瘤を認め、再発疑いで摘出術が施行さ れ、背部弾性線維腫と診断された1例報告あり、胸腔鏡下手術が背部弾性線維腫 の発生に関連した可能性が指摘されている。

(Yoshida C, et al. Surgical Case Reports 2017)

胸腔鏡下手術後胸壁に生じた背部弾性線維腫の1例が学会で報告されている。

胸腔内へ進展してみえた部分は、10年前の右下葉肺腺癌に対する胸腔鏡下手術 での開胸部に一致しており、胸壁脆弱部から膨隆したものと考えられる。

外傷後や術後、特発性に、まれに、肋間から肺などが胸壁に脱出する

intercostal herniaの報告が散見されるが、胸壁の軟部組織が胸膜腔内に脱出した Inverted intercostal hernia は非常に稀で、過去の報告では胸部手術後の1例報 告を2例認めるのみであった。

胸腔鏡下手術後に開胸部付近に発生し、10年後に比較的短期間に 増大、胸腔内進展に類似するInverted intercostal herniaを伴った 背部弾性線維腫の1例を経験した。

ドキュメント内 スライド 1 (ページ 47-52)

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