● 發塵測試
A.1 序 文
近年ボールねじは高い精度と性能に関する要求を満す為に各種の機械に使用されるようになってきました。ボール ねじは今や最も広く用いられる動力伝達コンポネントの一つとなっています。
CNC
機械ではボールねじは位置決め精度 を高め、精度を高め、機械の寿命を延ばす助けになっています。ボールねじは、手動機械に用いられているACME
ねじ(
台形ねじ)
にも次第に取り代わりつつあります。ボールねじは通常機械の運動時のバックラッシュを最小にする為に予 圧が与えられます。高精度ボールねじでさえ、それが正しく設置されなければ高い精度と長い寿命は望むことが出来ま せん。この章は頻繁に発生するボールねじの問題とその予防対策を考察するものです。またユーザが異常なバックラッ シュの原因を探ることの一助となる測定手順も考慮しています。A2 ボールねじのトラブルの原因と予防対策
ボールねじのトラブルとその予防対策は次の
3
つのカテゴリについて考察されます。● バックラッシュが過大
1.
予圧なし又は不充分:予圧を与えられていないボールねじの、ねじ軸を固定して垂直に保持されるとボールナットは回転して下降します
。この様に予圧のないボールねじユニットには大きなバッグラッシュが発生します。従って予圧を与えられていな いボールねじは位置決め精度を高めることより、運転抵抗を下げることの方が重視される機械に使用することが望 ましい。
HIWIN
は各種の用途に応じて適正量の予圧を与えることが出来ます。また、出荷の前に予圧の量を予めセットすることができます。ボールねじユニットの発注時には運転条件を必 ずご提示して頂きたい理由です。
2.
捩れ変位が過大:(1)
熱処理不良、焼入れ深さ不充分、硬度分布の不均一、硬度不良 がある場合にも発生します。スチールボール、ボールナット、およびねじ軸の標準硬度はそれぞれ
HRC 62~66
,58~62
,およ び58~62
です。(2)
設計の不適切(
細長比)
が過大等:細長比が低ければ低い程、スピンドルは剛性を高めます。細長比は60
以下に抑 えられるべきです(
この細長比領域に対比された精度等級は表4.7
に示されている)
。細長比が高すぎる時には偏差(
捩れ変位)
は過大となります。図
A.1
に示されたボールねじの場合は、片側で支持されているに過ぎない。この種の“非剛性”デザインは出来る限り 避けて下さい。3.
ベアリングの選択の不適:ボールねじの設置には、アンギュラコンタクトベアリングを使用すべきです。ボールねじには特殊設計の圧力角の 大きいボールベアリングの方が最適です。普通の深溝形ボールベアリングは、軸方向荷重を受けた時に大きく軸方 向の遊びを作り出します。したがってボールねじ、固定形支持軸受には使用すべきではありません。
4.
ベアリングの設置の不適:(1)
ベアリングがねじ軸に正しく取付けられていない時には、荷重の作用時に軸方向の遊びが生じます。この問題の 原因は、ねじ部分が長すぎるか、または短かすぎるねじ軸のベアリングジャーナルにあります。(2)
ベアリングシート面とボールねじのベアリングロックナットのねじ軸との間の直角性またはロックナットの対立 面の平行性が許容限度を越えれば、ベアリングが傾きます。ベアリングのロックナットのねじ及び、ボールね じジャーナルのベアリングのシート面は、直角性を保証するため、掴み変えしないで、切削加工し、研磨することが望まれます。
(3)
ベアリングを取付ける場合に運転中の緩みを防止する為に2
つのロックナットの間にスプリングワッシャを入れ るべきです。5.
ナットハウジング、又はベアリングハウジングの剛性が不足:ナット取付けハウジング又はベアリング取付けハウジングの剛性が乏しい場合にはコンポネントの重量又は機械加 図A.1:ボールねじの設置
(1)
コンポネントは振動又は位置決めピンの欠如により緩むことがあります。位置決めにはスプリングピンの代わり にソリッドピンを使用することです。(2)
ナットの着座するねじ部は、それが長過ぎるか又はハウジング上のねじ穴が短か過ぎる場合、確実に着座しませ ん。(3)
ナットの着座するねじ部が振動又はスプリングワッシャが用いられていない場合は緩みます。7.
ハウジングの面の平行性又は平坦性が許容限度を越える:機械の組立時にハウジングの取付位置と機械本体との間に調整の為にシムがしばしば用いられます。これらの調節コ ンポネントの何れかの平行性又は平坦性が許容限度を越える場合にはテーブルの運動時のクリアランスは位置によっ て変わることがあります。それらが研磨されるかスクレープされていれば特に問題ありません。
8.
モーターおよびボールねじが正しく組立てられていない:(1)
モーターシャフトとボールねじはその間のカップリングが確実に固定されていないか、又はカップリング自体が 充分な剛性を持たない場合には両者の間に相対回転が生じることになります。(2)
駆動歯車が正しく噛み合っていないか又は駆動機構の剛性が不充分です。ボールねじがベルトにより駆動される時にはタイミングベルトを使用して下さい。
(3)
位置決めキーがキーシートの中で緩んでいる。ハブ、キーおよびキーシートの間に接合不良があればバックラッ シュが大きくなる原因となります。● 動きがスムーズでない
1.
ボールねじの製造時の欠陥:(1)
ボールねじのねじ軸又ははナットのトラックの表面が粗過ぎる。(2)
ベアリングボール、ナット又はねじ軸の真円度が許容限度を越える誤差になっている。(3)
ナットとねじ軸のリード又はピッチ円径が許容限度を越える誤差になっている。(4)
リターンチューブがナットに正しく取付けられていない。(5)
ベアリングボールのサイズ又は硬度が不均一。上記の問題は有名メーカの製品には起こり得ないものです。
2.
ボールの循環路の中に異物が入る:(1)
梱包材料がボールの循環路に付着しています。各種の材料および防錆紙が出荷の際の包装に用いられています。ボ ールねじを設置かつ芯出しする際の手順が正しくなければ、これらや他の異物がボールの循環路の中に落ち込むこ とがあります。これによりボールが転がらずスライドし、ボールナットが動かなくなる場合も考えられます。(2)
切削屑がボールトラックの中に入っています。加工工程中のチップ又はダストはボールねじユニットの表面にワイ パキットを使用しない時にはベアリングのボールトラックの中に閉じこめられることがあります。この場合に運転 は不円滑となり精度と寿命は低下します。3.
限界を越える動作(
オーバトラベル)
オーバトラベルによりリターンチューブを損傷・破損することがあります。この場合にはベアリングボールは円滑に 回転しません。極端な場合にはボールナット又はねじ軸の溝をも損傷、破壊することがあります。
オーバトラベルは機械のセッティング中、又はリミットスイッチの故障又は機械の衝突の際に生じることがあります
。損傷の再発を防止する為にオーバトラベルしたボールねじは再び使用する前にメーカが点検修理すべきです。
4.
リターンチューブの損傷:リターンチューブは設置中に大きな衝撃を受けた場合に損傷、上記と同じ問題を生じます。
5.
芯出し不十分:ボールナットのハウジングと、ねじ軸ベアリング支持ハウジングのセンタラインが一致していない時には放射方向の 荷重が存在します。この不適合が大き過ぎると、動作の両端ボールねじは曲がることがあります。曲がりが現れる程 に不適合の度合いが著しくない時にも、異常摩擦の起きることがあります。ボールねじユニットの精度は不適合の場 合には急速に低下します。ナットの予圧が大きければ大きい程ボールねじの芯出し精度を高めなければなりません。
6.
ナットがナットハウジングの中に正しく装着されていない:ナットが傾くか、芯が狂っている時には異常な負荷を生じます。この問題がある限りモーター電流は駆動方向により 変化します。
7.
輸送中にボールねじが損傷している:A3 異常バックラッシュの原因の追跡
ボールねじ軸取付時における異常バックラッシュの原因の探究には、下記の測定手順を用います。
1.
ねじ軸の一端のセンタ穴の中にゲージボールを固定します。ねじ軸を回転し、このゲージボールの軸方向の移動を チェックする為に、ダイアルゲージを使用します(
図A.4(a))
。ベアリングハブ、ナットおよびナット固定ハウジング がすべて正しく設定されている時にはゲージの示度は0.003 mm (0.00012
インチ)
を越えません。2.
ダイアルゲージを用いてボールねじを回転させる時にベアリングハウジングとベアリングシートとの間の相対運動 を点検することです(
図A.4(b))
。ゼロ以外のゲージの示度はベアリングハブの剛性が不 足か又はそれが正しく取付けられていない ことを示しています。
3.
機械テーブルとナット取付けハウジングと の間の相対運動を点検します(
図A.4(c))
。4.
ボールナット取付ハウジングとナットフランジとの間の相対運動を点検することです
。上記の点検で、問題が発見されなかった にもかかわらず、バックラッシュがまだ解 消しない場合にはにご連絡ください。ボー ルねじの予圧又は剛性を高めなければなら ない場合があります
(
図A.4(d))
。図A.4:異常バックラッシュの原因の追跡
(a) (b)
(d) (c)
機械テーブル
ナットハウジング
ベアリングシート ベアリング ハウジング
ベアリングボールの最も一般的な材質は
Cr-Mo
鋼です。3.175mm (1/8
インチ)
の鋼球を破壊するには1,400kg (3,080LB)
か
1,600kg(3,520LB)
が必要である。潤滑不足又は潤滑されないボールねじの温度は運転中に著しく上昇します。この昇温がベアリングを脆くし又は破損させ、これに続いてボールナットの溝又はねじ軸を損傷します。
従って設計の段階で潤滑剤の補給手段を考慮しなければなりません。自動潤滑システムが利用できない場合には定期 的なグリース補給がメンテナンスのプログラムの一
環として大切な事です。
2.
リターンチューブの損傷又は破損ボールナットのオーバトラベル又はリターンチュー ブに衝撃が働いた場合にはリターンチューブが損傷 又は破損することがあります。これによりベアリン グボールの循環路を塞ぎ、ボールは転がらずにスラ イドして、場合により破損することがあります。
3.
ボールねじのねじ軸の端末の損傷(1)
デザインが不適切:ねじ軸の尖ったコーナは局 所的な応力集中を減らす為に回避すべきです。図
A.2
ではねじ軸端末の設計のいくつかを示して います。(2)
ねじ軸ジャーナルの曲がり:ベアリングのシー ト面およびボールねじのベアリングロックナ ットのねじの軸心が互いに直角でないか、また はロックナットの対立面が互いに平行でない、この場合にはねじ軸の端末は曲がり、場合に よって破損します。ベアリングロックナットの 締付けの前後のねじ軸の端末の偏差
(
図A.3)
は、0.01mm(0.0004
インチ)
を越えてはいけません。(3)
放射方向の力又は応力の変動:ボールねじ装着の 不適合は剪断応力を異常に変動させボールねじ の寿命を短縮します。45o G
G
G
丸み G
図A.2:ボールねじのねじ軸端のデザイン
図A.3:ボールねじのねじ軸の振動