【所内/拠点研究】
研究種目 A
研究代表者 佐藤 源之
所属部門・分野 災害リスク研究部門・広域被害把握研究分野
職名 教授(兼務)
研究課題名 アレイ型地中レーダを用いた高台移転に伴う遺跡調査の効率化
氏名(所内) 分野名・職名 現在の専門 研究の役割分担
佐藤源之※ 広域被害把握研究分野 教授(兼務)
電波応用工学 総括・システム設計
氏名(所外) 所属・職名 現在の専門 研究の役割分担 藤澤 敦
金田明大 土井恭二 高橋一徳
東北大学埋蔵文化財調 査室 准教授
奈良文化財研究所 主任研究員 三井造船株式会社 主幹研究員
東北大学大学院理学研 究科 助教
考古学 考古学 電子工学 電磁波計測
埋蔵文化財調査実施に関する 知識供与
埋蔵文化財調査実施に関する 知識供与、データ解析指導 ハードウエア開発・製作 レーダ信号処理、現地実験 研 究 組 織
合計 5 名 研 究 経 費 総額 8,000 千円
研究目的 何をどこまで明らかにしようとするのか
アレイ型地中レーダ(GPR)の応用に関し、遺跡調査作業に適したハードウエアの開発と改 良を三井造船と共同で行い、計測に使用する装置を製作する。また奈良文化財研究所を通じ て文化庁と共同して、東北地方の市町村レベルでの実際の遺跡調査対象地域での検証試験を 行う。最終的には次年度以降、本装置を自治体に貸与し、東北大学と奈良文化財研究所が自 治体職員に対して技術指導を行いながら効率的な遺跡調査を実施できる体制を確立する。
研究の特色・意義
申請者らはこれまで遺跡調査における地中レーダの有効性を実証してきた。特にレーダ装 置の位置測定精度とレーダデータの複合的イメージング処理の重要性を認識し、その向上を 図ってきた。本研究では加えて多数のアンテナ対を用いたアレイ型の地中レーダ(GPR)を用 いることで、より広範囲の計測を短時間で行えるような技術開発を行う。本技術は、我が国 では対象とする大規模な遺跡が少ないためこれまで導入されなかった。地中レーダによる詳 細な地中イメージは、遺跡調査時の発掘計画を最適化し、作業の効率化につながる。
当該年度 の研究成 果の内容
三井造船(株)と協力し、同社の道路検査用アレイ型GPRを原型に遺跡調査に特化したアレ イ型GPR装置を設計、製作した。幅を2.5mから2mに縮小し、また重量は150kgから60kg に軽減することで、狭い場所でも手動で計測が可能になった。2013年2月に完成した装置を 利用し、研究室において、校正作業を行い、基本的な性能評価を行った上で野蒜築港地域に おいて、最初の試験計測を行った。この試験で、深度1mに存在する長さ10mの明治初期の 下水溝の位置を確認できた。また2013年3月には名取市閖上海岸において津波被災者の遺 品捜索に参加した。深度1m程度の砂中から、長さ1.5m以上の建材などを発見し、目視や人 力での掘削では発見できない遺留物をレーダで検知できることを示した。
開発した装置では平坦な場所であれば100mx50m程度の範囲を2時間程度で計測できる。
従来のGPR装置では、30cm幅で地下の計測を行っていたため100mx50mは1日では計測で きない。
研究成果 の「実践 的防災 学」とし ての位置 づけ(ど のように 役立つの か)
当該研究が防災・減災にどのように寄与するのかを必ず明記してください
本研究課題は、災害科学国際研究所が目指す復興への具体的貢献、新たな防災・減災技術 の社会実装、災害による被害や社会の不安定からの回復に整合する有意義な研究である。ま た発掘だけでなく探査を組み合わせた効率的な遺跡調査技術を導入することで、経費軽減と 遺跡保存に役立たせる。
今後、宮城県文化財保護課とも協力し、上述の2地域の他、山元町などで高台移転に伴う 遺跡調査の実地試験を行い、更に技術の普及を図る予定である。
URL等 参加研究者および研究組織が作成した研究内容または研究成果に関するウェブサイトなど
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<データ編>
研究成果の公表
研究成果に関する報道・雑誌・web 媒体などへの掲載(日付/掲載先/内容/関係研究者の氏名)
2013年3月10日 読売新聞、毎日新聞、河北新報など/閖上行方不明者捜索/佐藤 源之、園田潤(仙台 高専)
2013年3月9日 宮城テレビ/閖上行方不明者捜索/佐藤 源之、園田潤(仙台高専)
2013年4月16日 河北新報/野蒜での新型レーダ/佐藤 源之
教育上の効果
学生の参加による教育上の効果( 有 )
〈参加学生の所属〉
環境科学研究科
ポストドクターの活用( 有 )
〈活用形態〉
開発装置の校正作業 計測
教育上の効果についてのアピール
地中レーダの実際の計測からデータ処理まで直接関わる機会を与えている。
東北大学各部局との連携
東北大学各部局(災害科学国際研究所以外)との組織上の連携( 有 )
〈連携部局名〉
東北アジア研究センター教員が参加
国内研究機関との連携
国内の研究機関との連携・協力の有無( 有 )
〈連携組織名〉
奈良文化財研究所 三井造船
〈連携の形態〉
共同研究
国内の研究機関の研究への参加( 無 )
平成 24 年度東北大学災害科学国際研究所 特定プロジェクト研究成果報告書
【所内/拠点研究】
研究種目 A
研究代表者 杉浦 元亮
所属部門・分野 人間・社会対応部門 災害情報認知研究分野
職名 准教授(兼)
研究課題名 生きる力とは何か~震災時行動の認知科学的分析
氏名(所内) 分野名・職名 現在の専門 研究の役割分担
※杉浦 元亮 災 害 情 報 認 知 研 究 分 野・准教授(兼)
脳 機 能 イ メ ー ジング
研究統括・認知脳科学的検証実 験
邑本 俊亮 災 害 情 報 認 知 研 究 分 野・教授
認知心理学 防災・減災・復興プロトコール 作成と試用実験
佐藤 翔輔 災害アーカイブ研究分 野・助教
災害社会情報 面接・質問紙調査準備・データ 解析
今村 文彦 津波工学研究分野・教授津波工学 調査・実験フィールド確保
野内 類 災 害 情 報 認 知 研 究 分 野・助教
認知心理学 認知脳科学的検証実験・復興プ ロトコール試用実験
氏名(所外) 所属・職名 現在の専門 研究の役割分担 阿部 恒之 東北大学・教授 感情心理学 面接・質問紙調査・データ解析
本多 明生 東北福祉大学・助教 実験心理学・災 害心理学
面接・質問紙調査・データ解析 岩崎 雅宏 科学技術振興機構 面接・質問紙調査補佐 研 究 組 織
合計 8 名 研 究 経 費 総額 8,000 千円
研究目的 何をどこまで明らかにしようとするのか
3.11震災では, 様々な困難な場面でこれを克服する「生きる力」が試された. 地震・津波発生 時に適切に危険回避行動が取れた人, 避難所を上手に運営できたリーダー, 復興に向けた課題 解決・合意形成を適切にリードできた自治体職員. 本研究ではこれら生きる力が発揮された事例 を包括的に分析し, その背景にある認知特性を脳内の情報処理にまで還元して整理する. それ に基づいて, 新しい防災・減災・復興のプロトコールを提案する. 平成24年度は, 研究計画全 体5年の初年度として, 被災者と復旧・復興当事者を対象に面接調査を行い, 震災の様々な状況 での困難克服事例, 及びその背後に想定される個人の認知特性に関する見解を収集する.
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研究の特色・意義
本研究では生きる力が発揮された事例を分析し, 科学的な扱いが可能な一般論に整理する. これを通じて災害の人間的側面に光を当て, 災害に強い文化の醸成にも貢献する. まさに「東日 本大震災の経験と教訓を踏まえた上で, わが国の自然災害対策・災害対応策や国民・社会の自然 災害への処し方そのものを刷新」するという研究所の理念に合致した研究であり, その成果の一 部はすぐにでも被災地の復興に貢献が期待される.
当該年度 の研究成 果の内容
被災者・復旧復興当事者, 計約80名を対象に, 震災から現在までに体験してきた様々な状況 と, それに向かい合ってきた自身の生きる力についての見解を聞き取り調査した. 得られた叙 述内容から困難状況への対応・対処「事例」とそれが可能であった「理由」をセットで抽出し た(計500組). それぞれについてKJ法を用いたカテゴリー化・ラベリングを行い(事例1 5ラベル, 理由24ラベル), これに基づいてデータのクロス集計とコレスポンディング分析を 行った. その結果, 発災時, 応急・復旧, 復興の各フェーズに固有の生きる力と, 全フェーズに共 通する生きる力があることがわかった. 平成25年度以降にデータを詳細分析し, 認知・脳科学 的な調査・実験を立案するために, 十分な基礎知見を得ることができた. 本研究の過程は, 災害 関連学会や一般向け講演でも注目され, テレビ局(NHK)からの継続的な取材を受けている.
研究成果 の「実践 的防災 学」とし ての位置 づけ(ど のように 役立つの か)
当該研究が防災・減災にどのように寄与するのかを必ず明記してください
本研究では様々な生きる力の背景にある認知特性に着目する. 特定の状況で普遍的に必要な 能力, 特定の立場で普遍的に有利な性格など, 状況・立場と認知特性との関係を脳内の情報処理 特性にまで還元して整理する. 例えば危機を察知する敏感な脳, 危機的状況で冷静に判断する 大胆な脳, 周囲の人を助けるやさしい脳, 情に流されず公正に組織を統率する脳, といった因子 に整理できるかもしれない. そういった知見を応用すれば, 例えば防災の核となる人員につい て脳の認知特性をあらかじめ把握し, 適材適所で組織に配置することで状況変化に柔軟に対応 できる組織を構成することができる.
URL等 参加研究者および研究組織が作成した研究内容または研究成果に関するウェブサイトなど