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年度 共同利用研究会報告

ドキュメント内 真菌研究報告書.indb (ページ 156-165)

真菌表層糖鎖プロファイリング及び新規レク チンの抗真菌機構の解析

平成 22 年度 共同利用研究会報告

9)「Aspergillus 属が産生するエラスターゼインヒビター の精製とその性質」

1)名城大学薬学部 微生物学研究室

2)(独)国立病院機構東名古屋病院 呼吸器科

3)白鶴酒造㈱

○奥村欣由1), 鈴木 誠1), 打矢恵一1), 小川賢二2)

 小森由美子1), 山下伸雄3), 二改俊章1)

閉会の挨拶: (独)国立病院機構東名古屋病院 臨床研究部 小川賢二

懇親会

 病原真菌講習会は, 病原真菌・放線菌の基本的取り扱 いの知識と技術を習得するために, 本センターが実習を 中心にして実施している講習会で, 1回定員12名で 開催している. 本年度は第24回目で, 累積受講生は290 名余になる. 本年も定員大きく超える応募があり, 講習 は好評の内に終了した.

期日: 平成22713日(火)〜716日(金)

会場: 千葉大学真菌医学研究センター講習会室

内容(実習・講義): 病原性酵母 病原性アスペルギル ス 皮膚科領域真菌症原因菌 病原性接合菌 輸 入および新興真菌症原因菌 病原性放線菌 薬剤 感受性試験法 菌株保存法

職種内訳: 臨床検査関係(病院) 5名       医師・歯科医師 5名       研究者 2名      

地域別受講者: 東京 6名       関東 2名       中部 2名       九州 1名       海外 1名      

プログラム:

(講師: 亀井克彦, 五ノ井 透, 川本 進, 山口正視, 山耕治, 矢口貴志, 渡辺 哲, 田口英昭, 田中玲子, 田響子, 菊池和代, 矢澤勝清, 高橋容子)

7月13日(火) オリエンテーション(矢口)

        真菌感染症概論, バイオハザード         (亀井)

        真菌細胞概論(山口)

        基本手技(田中)

        補助診断法(亀井, 田口)

        臨床材料の取り扱い(渡辺)

        薬剤感受性試験法(渡辺・鎗田)

7月14日(水) 病原性酵母(田中)

        輸入真菌症原因菌(横山)

        菌株保存法(横山)

        病原性アスペルギルス(矢口)

7月15日(木) 皮膚科領域真菌症原因菌         (矢口, 高橋)

        薬剤感受性試験の測定と判定         (渡辺・鎗田)

        病原性放線菌(五ノ井・矢澤)

7月16日(金) 病原性接合菌・新興真菌症原因菌         (矢口)

        基本手技の結果の解析(田中)

        感染症法(川本)

第 24 回千葉大学真菌医学研究センター講習会

担当: 矢口貴志, 田中玲子 

 2010年5月16日(日), 千葉大学西千葉キャンパスけ やき会館大ホールにて, 6回目となる真菌医学研究セ ンター主催の公開市民講座を開催した. 参加者は140 を数え, 大変好評であった.

テーマ: 「カビ!? 〜そろそろ気になりますね〜 Part 5」

演 題: 1.身近な動物のカビの病気  高橋英雄

  (千葉県獣医師会人獣共通感染症委員・エ イ. ランドおゆみ野動物病院長)

2.カビの進化  横山耕治

  (千葉大学真菌医学研究センター准教授)

講座内容:

 カビはモノを腐らせ, 私たちを不愉快にします. また, 我が国の食生活になくてはならない発酵食品はカビの力 を利用して作られています. 更に, カビは私たちの皮膚 や内臓にまで生えて水虫や死に至るような重い病気を引 き起こすこともあります. 一方, カビに近い生物である

酵母にはパンやアルコールを作る種類もあれば, 病原性 を持つ種類もあり, 近年では科学者にとって, 生物学・

生化学・遺伝学などの重要な実験材料でもあります.  本講座では, まず, 高橋英雄千葉県獣医師会人獣共通 感染症委員・エイ. ランドおゆみ野動物病院長より, ヌ・ネコなどペットとして人々が身近に飼っている動物 たちや, 動物園・水族館・体験牧場などのいわゆる, れあいコーナーなどで子どもたちなどが身近に触れ合う ことの多い動物たちについて, 動物たち自身のカビの病 気, そして, それら動物たちからヒトに感染する場合が あることなど「身近な動物のカビの病気」についての, わかり易い話がありました. ところで, 「生物は進化す る」存在であることは, よく知られており, 特に, ダー ウィンの進化論などが有名ですが, カビももちろん生物 であり, 進化します. カビの進化は, ヒトの進化や生物 の進化と同じ時間の中で起こっています. 今回, 次のお 話として, 横山耕治真菌医学研究センター准教授より, 地球上の生物の進化の中での, その「カビの進化」につ いての興味深い講演がありました.

第121回 225

場所: センター講堂 松本靖彦博士

(東京大学大学院薬学系研究科微生物薬品化 学教室)

カイコの糖尿病モデル

(担当: 川本 進)

第 6 回千葉大学真菌医学研究センター公開市民講座開催

講 演 会(第 121 回)

会場: A B 1 講堂 時間: 11 : 00

第1回 1月26日 病原機能分野  ・山口正視

 ・並木侑一  ・清水公徳

第2回 2月16日 微生物資源・化学分野  ・五ノ井 透

第3回 4月20日   ・野本明男

第4回 5月18日 臨床感染症分野  ・亀井克彦

 ・豊留孝仁

第5回 6月29日 微生物資源分野  ・Jordan Khaedir

 ・五ノ井 透 

第6回 7月26日 微生物資源分野  ・横山耕治 

第7回 平成22年9月21日  ・西城 忍

第8回 10月19日 病原機能分野  ・Eric Virtudazo

 ・東江昭夫

第9回 11月25日 臨床感染症分野  ・工藤奈都

 ・田宮浩之  ・滝澤香代子

PI プロジェクトセミナー  会場: A B 1 講堂

時間: 1222日 141730

 ・川本 進 教 授: 分子細胞シグナリング解析プロ ジェクト

 ・知花博治 准教授: カンジダフェノームプロジェク ト

 ・米山光俊 教 授: ウイルス感染応答プロジェクト  ・西城 忍 准教授: サイトカインプロジェクト  ・亀井克彦 教 授: 臨床感染症プロジェクト  ・五ノ井透 教 授: 真菌糖鎖・受容体解析プロジェ

クト

 ・横山耕治 准教授: 形態変換・細胞質遺伝解析プロ ジェクト

2010 年真菌医学研究センター全体セミナー

 真菌センターでは, 教員, ポスドク, 大学院生など研 究者の研究意欲の向上を目指して, 2007年より, 「ベス ト論文賞」を設け, その年度に優れた論文を発表した 研究者個人を顕彰し, 表彰して来ました. 4年目となる 2010年については, 野本センター長よりの指示により, 川本, 亀井両教授がその候補者選考に当たり, その推薦 者について, センター長が検討し決定することにより行 いました. そして, 2011128日に受賞者を発表す るとともに, 22日に「2010年ベスト論文賞」の授与 式を行いました. その受賞者選考については, 従来どお り, A)教員, B)ポスドク, C)大学院生, それぞ れについて, 2010年に発表した論文について選考に当 たった結果, 今回は教員1, ポスドク2, 大学院生 1名が受賞しました.

 昨年に引き続いて受賞した山口准教授の受賞理由と なった1つ目の論文は, Cryptococcus neoformans , 黄色 ブドウ球菌に接触することによって死滅する現象を解 析したもので, 黄色ブドウ球菌側の関連する分子である トリオースフォスフェイト・イソメラーゼが表層に局 在することを, 免疫走査電顕法によって明らかにしま した. 2つ目の論文は, 酵母 Saccharomyces cerevisia の温度 感受性アクチン突然変異体を用いて, パーミッシブ(23 度), リストリクティブ(37度), およびセミリストリク ティブ(30度)のそれぞれの温度における形態変化を, 凍結置換法と凍結レプリカ法により電子顕微鏡で解析し ました. その結果, アクチンケーブルが, 細胞の分泌経 路の正常な機能に必須の役割を果たしていることを明ら かにしました. 3つ目の論文は, Cryptococcus neoformans G1期の細胞において, 個体間で紡錘極体の形態に大き な変異が存在すること, および, 紡錘極体は核膜上に局 在するが, 核小体とは反対の位置に存在する傾向がある ことを明らかにしました. この研究は, 紡錘極体の構造 研究には, 多数の細胞を三次元的に解析することの重要 性を示しています.

 ポスドク EricV Virtudazo 博士の論文は, Cryptococcus

neoformansの細胞周期制御の分子機構解析, 特に, G1

サ イ ク リ ン 遺 伝 子CnCln1 に つ い て の 研 究 で す. C.

neoformans の細胞周期制御の中心に位置する Cdk1(サ

イクリン依存性キナーゼ1)と相互作用する制御因子サ

イクリン CnCln1分子は, 本菌では唯一の G1サイクリン

遺伝子であると思われましたが, その遺伝子破壊株が得 られたことより, 本菌の生存には必須ではないことが示 されました. CnCln1 遺伝子破壊株は「出芽時期が遅れ, 細胞は大型化する」等, in vitro 低酸素環境下」や「in

vivo 感染時」と類似した異常な形態・特徴的な変化を示

し, CnCln1は,細胞の大きさと形態, 出芽と細胞分裂のタ

イミング, DNA 合成開始のタイミング, 37℃での生育

遅滞など, 幅広く細胞の形態形成や生理的機能に大きな 影響を及ぼす極めて重要な細胞機能制御遺伝子であるこ とが示されました.

 2008年に引き続いて受賞したポスドク上野圭吾博士 の論文は真菌に対する創薬を目指した研究です. まず遺 伝子レベルで真菌に共通し, 人には類似度の低い遺伝子 をCandida glabrataのゲノムの中から100遺伝子選出し, これらの遺伝子の組換え体を作製し, in vitro in vivo

(マウス感染実験)において, 必須遺伝子であることが 確認されたため抗真菌薬の標的候補としました. Pfy1 アクチンに重合し, アクチンポリマーの合成を促進する でプロフィリンをコードする遺伝子であり, プロテイン データベースにタンパク結晶構造が登録されており, ロフィリンーアクチン重合を阻害するペプチドの設計・

合成を試み, 結合を阻害するペプチドを得ることに成功 しました. ペプチドそのものは, 薬剤動態の問題上, 接抗真菌薬として使用することは難しいですが, この知 見は, 今後より安定的な低分子化合物の設計や in silico スクリーニングを進める際に重要な情報になることが期 待できます.

 大学院生, 芝崎さんの論文は, 昆虫の腸管由来の微生 物のスクリーニングを行い, ダンゴムシ(Armadillidium

vulgare)の内容物から新種と考えられる放線菌を見出し

た研究です. 16S r RNA遺伝子を用いた簡易同定の結果 や, 形態観察, 生理・生化学的性状, 遺伝子解析, DNA-DNA 相同性試験等の詳細な分類学的研究により新種の Streptomyces 属菌であると同定し, S. coacervatus AS-0823

真菌医学研究センター 2010 年ベスト論文賞

ドキュメント内 真菌研究報告書.indb (ページ 156-165)

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